出生直後の牛乳由来ミルク補足を避けることで牛乳感作・食物アレルギーを予防できる:ランダム化比較試験(ABCトライアル)
Primary Prevention of Cow's Milk Sensitization and Food Allergy by Avoiding Supplementation With Cow's Milk Formula at Birth
どんな研究?
01 — Summary日本の大学病院でアトピーリスクのある新生児312人を対象に、出生直後3日間の牛乳由来粉ミルク補足を避けるかどうかを比較したランダム化比較試験(ABCトライアル)です。2歳時点での牛乳タンパクへの感作率は、牛乳ミルクを避けた群(16.8%)で牛乳ミルク補足群(32.2%)より有意に低く、即時型・アナフィラキシー型食物アレルギーの発症も大幅に少なかったとされています。
要点
02 — Key points- 01出生直後の牛乳ミルク補足を避けた群で2歳時点の感作率がほぼ半減(16.8% vs 32.2%)
- 02即時型食物アレルギーの発症割合も大幅に低下(2.6% vs 13.2%)
- 03アナフィラキシー型も避けた群で著明に少ない(0.7% vs 8.6%)
単施設・非盲検試験。アトピーリスクのある新生児が対象で、一般集団への外挿に注意が必要。ビタミンDとの交互作用は中央三分位でのみ有意であった。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- JAMA Pediatrics
- 発表年
- 2019
- DOI
- 10.1001/jamapediatrics.2019.3544
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related牛乳ミルクへの曝露時期と牛乳アレルギー・感作リスク:HealthNuts研究
オーストラリアで940名の乳児を追跡したHealthNuts研究の解析で、生後1週間以内のみの短期的な牛乳ミルク曝露(一過性曝露)は、1歳時および6歳時の牛乳アレルギー・感作リスクと有意な関連を示しませんでした。信頼区間が広く、現時点では「一過性曝露が牛乳アレルギーを引き起こす」とも「防ぐ」とも結論づけられません。
牛乳(ミルク)の摂取パターンがアレルギーリスクの高い乳児の感作とアレルギーに与える影響
アレルギーリスクの高い乳児416名を対象にした横断研究で、生後1週間以内から継続的に牛乳ミルクに曝露された乳児は、不規則に曝露された乳児に比べて感作(アレルゲンへの免疫反応)が少ない傾向が示されました。一方、全く曝露されなかった乳児はアレルギーと診断される割合が低かったですが、これは曝露機会がなかったためと考えられます。研究デザイン上、因果関係の断定はできません。
牛乳タンパク質アレルギー(CMPA)の臨床像・診断・管理・経済的影響:システマティックレビュー
乳幼児期に多い牛乳タンパク質アレルギー(CMPA)について46件の研究を統合したレビューです。CMPAは症状が多様で診断が難しく、特にIgE非依存型の診断は今も課題です。牛乳タンパク質を除去したうえで経口負荷試験を行うことが診断の基本で、母乳育児と母親の乳製品除去が最初の対応として推奨されています。専用の加水分解乳やアミノ酸フォーミュラは高コストであり、家族への経済的な負担も大きいことが示されました。