分野

乳児の栄養(授乳・離乳)

222件の研究

母乳・ミルク・離乳食など、赤ちゃんの食事が成長や発達にどう関わるかを扱う研究。

この分野の疑問

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手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食・BLW)は、ふつうの離乳食と比べてどう?

成長や体重の増え方はふつうのスプーン離乳と大きく変わらないとみられ、食べる食品の幅が広がる可能性はありますが、自己流では鉄が不足したり窒息のリスクが心配されるため、鉄の多い食材や食べやすい形・見守りなどの工夫が前提です。

結論は割れている

抱っこ・おんぶ(ベビーウェアリング)は、赤ちゃんの泣き(コリック)をやわらげる?

抱っこやあやし方など、保護者が体に触れて関わるケアは赤ちゃんの泣きや家庭の負担をやわらげる可能性がありますが、抱っこ・おんぶそのものを直接調べた質の高い研究は乏しく、現時点では根拠は限定的です。

根拠はまだ不十分

子どものぜんそく(喘鳴)には、何が関係する?

乳幼児期の呼吸器ウイルス感染(細気管支炎・ライノウイルスなど)や抗菌薬の使用、大気汚染、アレルゲンへの反応などが、子どものぜんそくや喘鳴と関連するという報告が複数あります。いずれも観察研究が中心で、関連であって原因と結果(因果)の証明ではありません。要因は一つではなく、複数が重なると考えられています。

おおむね支持される

添い寝(ベッド・布団の共有)は、乳児突然死症候群(SIDS)や授乳と関係する?

これは研究で分かっていることを中立に整理したもので、寝かせ方の指導や安全のアドバイスではありません。観察研究では、大人と同じ寝床で寝る添い寝は、とくに喫煙・飲酒・やわらかい寝具など他のリスクがあるときに、乳児突然死症候群(SIDS)のリスクが高まる方向と関連すると報告されています。一方で、添い寝は母乳育児と一緒に行われやすいという関連も一貫してみられます。実際にどう寝かせるかは、各国の安全な睡眠の指針(多くの国で「同じ部屋・別の寝床」が勧められています)を参照し、かかりつけの医師など専門家に相談してください。

結論は割れている

吸う癖(おしゃぶり・指しゃぶり・哺乳びん)は、子どもの中耳炎と関係する?

おしゃぶりを使う子は中耳炎(とくに急性中耳炎)にややかかりやすい傾向が報告される一方、指しゃぶりでは明らかな関連はみられません。観察研究が中心で、確からしさは低めです。

結論は割れている

野菜嫌いは、くり返し出すことで食べられるようになる?

同じ野菜をあきらめずにくり返し出すなど、食べさせ方を工夫すると、子どもの野菜の摂取は少しずつ増えることが、ランダム化比較試験のまとめで示されています。ただし効果の大きさは小さく、すぐに大きく変わるわけではないので、気長に続けることが大切です。

おおむね支持される

離乳食でアレルゲン(卵・ピーナッツ・ナッツなど)を早めに始めると、食物アレルギーを防げる?

卵・ピーナッツ・ナッツなどを生後早め(目安6か月前後)から無理のない範囲で始め、その後も食べ続けることは、食物アレルギーの予防に役立つと、LEAP試験などの質の高い研究で示されています。一方で開始時期と明確な関連はなかったとする研究もあります。ただし、湿疹がひどい・すでに卵アレルギーがあるなど高リスクの赤ちゃんは、自己判断で始めず必ず先に医師へ相談してください。

おおむね支持される

子どものアレルギー性鼻炎(花粉症)には、何が関係する?

両親のアレルギー病歴や、ダニなどへのアレルギー反応、乳幼児期の抗菌薬使用や大気汚染といった環境要因が、子どものアレルギー性鼻炎と関連するという報告が複数あります。いずれも観察研究が中心で関連であり原因と結果(因果)の証明ではなく、要因は一つではなく複数が重なると考えられています。

おおむね支持される

保湿(スキンケア)や妊娠中の除去食で、子どもの食物アレルギーを防げる?

赤ちゃんに保湿剤を塗るスキンケアだけで湿疹や食物アレルギーを予防できるとは、質の高いレビューでは言えませんでした。妊娠中にアレルゲンとなる食品を控えることの効果も、根拠は十分ではありません。これらの方法で「防げる」とは現時点で言いにくく、湿疹が出たら早めにケアするなど別の対応が大切と考えられます。

支持されない

母乳育児は、子どもの感染症(下痢・肺炎・中耳炎)を減らす?

母乳で育った子どもは、呼吸器の感染症や中耳炎、下痢などの感染症が少ない傾向が報告されています。特に呼吸器感染や生後1年未満で関連が比較的はっきりしています。ただし多くは観察研究で、効果を直接示した試験は生活環境の異なる地域のものが中心のため、日本にそのまま当てはまるかは慎重にみる必要があります。母乳・ミルクの選択は家庭の事情によるものです。

おおむね支持される

食物繊維・水分・生活習慣の工夫は、子どもの便秘によい?

子どもの便秘(機能性便秘)では、まず治療として浸透圧性の下剤(PEG)が有効とされ、トイレトレーニングなど排便の習慣づくりも大切です。食物繊維や水分を十分にとること、運動などの生活習慣の見直しは、こうした治療を支える役割として勧められますが、それ単独でどれくらい効くかという根拠は限られており、研究の質も高くありません。気になる症状が続くときは自己判断せず医師に相談してください。

おおむね支持される

ふだんの食事は、子どもの学習や成績と関係する?

ふだんの食事と、子どもの学習・成績や発達との関係は、よく注目されます。研究をみると、特定の食事や食品で学習・成績がはっきり良くなるという十分な根拠はまだ得られていません。一部の食品では発達との弱い関連が報告されていますが、観察研究が中心で、因果関係まではわかっていません。

根拠はまだ不十分

保湿(エモリエント)は、子どものアトピー性皮膚炎のケアに役立つ?

ここでの話は、すでにあるアトピー性皮膚炎を「治療・管理する」ためのケアについてで、湿疹やアレルギーを「予防できるか」とは別の問いです。総説やガイドラインでは、定期的な保湿は皮膚のうるおいやバリアの回復を助け、症状の負担をやわらげる傾向があり、毎日のケアの土台になるとされています。ただし保湿はステロイド外用薬などの代わりではなく、炎症があるときは薬と組み合わせて使うものです。今回まとめた根拠は総説・ガイドラインが中心で、確実性は高くありません。

おおむね支持される

授乳のしかた(母乳・ミルク)は、子どもの成長のしかたと関係する?

母乳で育った子はミルクの子と成長のしかた(伸びる時期やペース)がやや違う傾向がみられますが、幼児期以降は差が縮まり、いずれも観察研究のため授乳方法が成長を決めると断定はできません。

おおむね支持される

赤ちゃんの食物アレルギーのなりやすさには、何が関係する?

食物アレルギーと最も確かに関係するのは、乳児期の湿疹(アトピー性皮膚炎)です。きょうだいがいることや、生後しばらくしてからの定期的な粉ミルクは、アレルギーの少なさと関連する傾向が報告されています。湿疹は早めにケアすることが一つの目安と考えられます。

おおむね支持される

乳児用ミルクの「健康・栄養によい」という宣伝は、信頼できる?

多くの製品で「○○によい」といった宣伝が見られますが、その裏づけとなる科学的根拠は弱い・示されていないものが多く、宣伝をそのまま信頼できるとは言えません(ミルクの選択自体を否定するものではありません)。

支持されない

赤ちゃんの腸内細菌(マイクロバイオーム)は、発達や免疫と関係する?

赤ちゃんの腸内細菌は、免疫の育ちや発達と関連すると複数の総説・観察研究で報告されています。出産方法・母乳/ミルク・抗生物質などが細菌の構成に影響します。ただし関連であって因果関係が証明されたわけではなく、細菌を整えれば発達や病気を確実に左右できるという意味ではありません。

おおむね支持される

乳児の鉄不足(鉄欠乏)は、子どもの発達と関係する?

幼いころの鉄不足は、考える力・運動・ことば・行動の発達の遅れと関連すると複数の観察研究で報告されています。鉄が不足している(貧血の)子に鉄を補うと認知がわずかに改善する可能性がある一方、もともと不足していない子への一律の補給ははっきりした効果が示されていません。多くは観察研究のため、関連であり因果と断定はできず、心配な場合は自己判断で補わず専門家に相談してください。

おおむね支持される

赤ちゃんのおなかの不調(吐き戻し・便秘)には、何が役立つ?

とろみをつけたミルクは吐き戻しを減らすのに比較的役立ち、母乳の継続やビフィズス菌は腸の調子に良い方向で関連する手がかりがあります。ただし不調の中身ごとに根拠の強さはまちまちで、多くは成長とともに自然に整います。気になる症状が続くときは小児科に相談してください。

結論は割れている

授乳中のお母さんの食事や母乳の準備は、赤ちゃんに関係する?

授乳中のお母さんが何を食べるかは、赤ちゃんに少なからず関係するようです。お母さんが魚をよく食べると、母乳を通じて赤ちゃんの血中のDHA(脳の発達に関わる脂肪酸)が高めになる傾向がありました。一方で、アレルギーを心配して多くの食品を控えすぎると、かえって赤ちゃんの成長・発達によくない可能性も報告されています。出産前から初乳をしぼって準備しておく方法は、その後の母乳の立ち上がりを助けるという質の高いまとめもありますが、誰にでも勧められるものではありません。

結論は割れている

妊娠中のワクチン(インフルエンザ・百日咳)は、赤ちゃんを守る?

これは研究をまとめた情報の整理であり、医学的な助言ではありません。妊娠中に母親が百日咳(Tdap)やインフルエンザのワクチンを受けると、母親の抗体が赤ちゃんに移り、生後まもない時期の感染や入院を防ぐ方向に働くと複数の研究が示しています。一方、赤ちゃんを守る効果の中心的な根拠は観察研究によるもので、確実性には限りがあります。接種を受けるかどうかは、必ずかかりつけの医師に相談してください。

おおむね支持される

おしゃぶりは、乳児突然死症候群(SIDS)や授乳と関係する?

睡眠時のおしゃぶりの使用は、観察研究では乳児突然死症候群(SIDS)のリスクが低いことと関連すると報告されており、各国のガイドラインでも触れられています。ただしこれは観察研究にもとづく関連で、おしゃぶりがSIDSを防ぐと証明されたわけではありません。一方で、よく心配される「おしゃぶりは母乳育児の妨げになる」という点は、研究の種類で結論が分かれています。観察研究ではおしゃぶりを使う子で母乳育児が短い傾向が見られますが、ランダム化比較試験では母乳育児の続けやすさに大きな差は確認されていません。

結論は割れている

ペット(犬・猫)を飼うことは、子どものアレルギーやぜんそくと関係する?

研究の結果は分かれています。乳幼児期に犬や農場の動物と接することはアレルギーやぜんそくがやや少ない傾向を示す報告がある一方、すでにぜんそくのある子ではペットが症状を悪くする可能性も示されており、はっきりした結論は出ていません。

結論は割れている

プロバイオティクスは、子どもの感染症(かぜ・下痢)を防ぐ?

ある種のプロバイオティクスは、子どもの下痢が続く期間を短くしたり、かぜや下痢の回数を減らしたりする可能性が、ランダム化比較試験やそのまとめで示されています。ただし効果は大きくなく、使う菌の種類によって結果が異なり、呼吸器の感染(かぜ)では効果がはっきりしない研究もあります。万能の予防法ではないため、使う前に医師に相談してください。

結論は割れている

プロバイオティクスは、赤ちゃんの疝痛(コリック)やお腹の調子によい?

ある種のプロバイオティクス(L. reuteriという菌)は、母乳で育つ赤ちゃんで泣く時間が減りやすい傾向が報告されています。ただしミルク(人工乳)で育つ赤ちゃんでは効果がはっきりせず、研究ごとのばらつきも大きいため、すべての子に当てはまるとは言えません。使う前に医師に相談してください。

結論は割れている

受動喫煙は、子どもの中耳炎や呼吸器の病気と関係する?

受動喫煙は、子どもの中耳炎に関係する要因の一つとして広く扱われています。ただし、ここで紹介した研究は観察研究が中心で、はっきりした関連を示すものと、関連が見られないものが混在しており、確実性は高くありません。子どもや妊婦のいる場では、念のため分煙・禁煙が勧められます。

おおむね支持される

菜食・ヴィーガンの食事で、子どもは健やかに育つ?

よく計画された菜食・ヴィーガンの食事をしている子どもは、身長やBMIなどの成長が雑食の子どもとよく似ているという報告が、大規模なコホート研究や複数のレビューで示されています。一方で、ビタミンB12・ビタミンD・鉄・亜鉛・セレンなど、主に動物性食品からとる栄養素は不足しやすく、計画と補給が欠かせません。研究の多くは観察研究で、対象も海外が中心のため確実性は高くありません。子どもに菜食をさせる場合は、自己判断で進めず、成長と栄養を見守りながら専門家に相談してください。

結論は割れている

ビタミンAの補充は、子どもの健康(感染症・死亡リスク)と関係する?

ビタミンAが不足すると、子どもは感染症にかかりやすくなる可能性があり、不足が多い国ではビタミンAを補うことで病気や死亡を減らせると考えられています。ただしこうした効果は、もともとビタミンAが足りない地域の子どもで主にみられるもので、栄養状態の良い日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。日本では軽度の不足が低年齢の一部の子でみられることはあっても、健康な子どもに一律でビタミンAを足すことの利点ははっきりしていません。とりすぎは害になることもあり、自己判断で補わず、心配なときは専門家に相談してください。

おおむね支持される

亜鉛の補充は、子どもの成長や下痢によい?

下痢のときに亜鉛を補うと、下痢の続く時間や重さがやや軽くなる傾向が、多くのランダム化比較試験をまとめた解析で示されています。ただしこうした効果は、亜鉛が不足しがちな低・中所得国の子どもで主に確かめられたもので、栄養状態の良い日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。成長(身長・体重)への効果ははっきりせず、研究によって結果が分かれています。亜鉛のとりすぎは吐き気などを起こすことがあり、自己判断で補わず、心配なときは専門家に相談してください。

おおむね支持される

母乳・おしゃぶり・指しゃぶりは、子どもの歯並びと関係する?

長く続く指しゃぶり・おしゃぶりは、歯並びやかみ合わせの乱れ(出っ歯・交叉咬合など)と関連すると報告されています。母乳育児や、おしゃぶり・指しゃぶりを早めにやめることは、歯並びへのよい関連がみられます。多くは観察研究で、3〜4歳ごろまでに自然にやめれば影響は出にくいとされます。

おおむね支持される

抗菌薬(抗生物質)は、子どものアレルギーと関係する?

乳幼児期の抗菌薬の使用はアレルギー性鼻炎と関連するという報告がある一方、妊娠中・分娩時の抗菌薬と子どもの湿疹の関連は支持されていません。必要な抗菌薬は医師の判断で使うもので、自己判断で避けないでください。

結論は割れている

子どものアトピー性皮膚炎(湿疹)には、何が関係する?

生まれた季節(秋生まれ)や、出産の方法、赤ちゃんの激しい泣き(疝痛)などが湿疹・アレルギー体質と関連する一方、住まい周辺の緑の多さは湿疹の少なさと関連すると報告されています。多くの要因が関わり、確実性は低めです。

おおむね支持される

出生時・乳児期の医療(帝王切開・全身麻酔)は、子どもの発達・健康と関係する?

帝王切開で生まれた子は腸内環境の違いやアレルギーとの関連が、乳児期に全身麻酔の手術を受けた子は発達の遅れとの関連が報告されています。いずれも観察研究で、必要な医療を避けるべきという意味ではありません。

おおむね支持される

母乳育児は、子どもの肥満になりにくさと関係する?

母乳で育った子どもは、その後のBMIが低め(肥満になりにくい傾向)とする研究が多い一方、関連は見られない・むしろ逆とする研究もあります。母乳・ミルクの選択は家庭の事情によるもので優劣を決めるものではなく、肥満対策として一律に語れるものではありません。

おおむね支持される

母乳育児は、子どもの認知・発達によい?

母乳で育った子どもは、神経・認知の発達がやや良好という報告が数多くあります。ただし、きょうだい比較や遺伝情報を使う研究など「交絡に強い」設計では効果がほとんど見られないこともあり、家庭の社会経済的背景などの影響が大きいと考えられます。効果があっても小さいとみられ、母乳・ミルクの選択は家庭の事情によるものです。

おおむね支持される

母乳育児は、赤ちゃんの睡眠と関係する?

母乳で育った赤ちゃんは、1歳のときに睡眠時間が短くなりにくいという大規模な報告がある一方、母乳の回数が多いほど睡眠の質はやや低めという小規模な報告もあり、結果は一致していません。いずれも観察研究のため因果とは言えず、母乳・ミルクの選択は家庭の事情によるもので優劣を決めるものではありません。

結論は割れている

ビタミンDは、子どもの健康(骨・感染)によい?

十分なビタミンDは、子どもの身長の伸びや骨の健康、感染への抵抗に関わると報告されています。一方で、ぜんそくを予防する効果ははっきりしていません。サプリの利用は量を守り、医師に相談してください。

結論は割れている

生活習慣への取り組みは、子どもの肥満の予防・改善に役立つ?

子どもの空腹・満腹のサインに応じた食べさせ方や、運動・食事・行動を組み合わせた取り組みが、体重をほどよく保つ・改善することに役立つと報告されています。効果は中くらいで、家庭と環境の両面の工夫が大切です。

おおむね支持される

食生活やふだんのケアで、子どものむし歯は防げる?

砂糖の多い飲食物はむし歯のリスクを高めます。フッ素入りの歯みがきや歯科でのフッ素塗布は、複数のランダム化比較試験のまとめ(コクラン)でむし歯をはっきり減らすことが確かめられています。歯が生えたら、長く授乳を続ける場合でも歯みがきなどの口腔ケアが大切です。

おおむね支持される

幼児期の食べ方は、その後の食習慣と関係する?

幼児期の食べ方のパターンが、その後の食事の質(野菜の摂取など)と関連するという報告があります。小さいころから多様な食品に親しむことが、後の食習慣の土台になりうると考えられます。

おおむね支持される

妊娠中の魚・オメガ3は、子どものアレルギーや感染症と関係する?

妊娠中に魚やオメガ3をよく摂ったお母さんの子どもで、アレルギーがやや少ない傾向を示す研究があります。一方、感染症を防ぐ明確な効果は確認されていません。魚はバランスよく摂るとよいと考えられますが、種類や水銀への配慮も必要です。

結論は割れている

早産児・新生児へのケア(カンガルーケア等)は役立つ?

肌と肌を触れ合わせるカンガルーケアや、光・音・痛みに配慮した「発達に配慮したケア」は、赤ちゃん(特に早産児)と家族のアウトカムを改善すると報告されています。安全で取り入れやすい方法とされています。

おおむね支持される

好き嫌い(偏食)は、子どもの成長に影響する?

偏食のある子どもの成長は、全体としては心配のいらないことが多いと報告されています。ただし一部の子はやせ気味になることがあり、体重が増えない・減るなど気になる場合は見守りや相談が大切です。

根拠はまだ不十分

妊娠中の鉄サプリや鉄不足の検査は必要?

鉄の補充は血液中の鉄の値を改善しますが、症状のない妊婦への一律の検査や補充が、お母さんや赤ちゃんの健康を実際に改善するかは根拠が不十分とされています。貧血の診断・治療は別で、必要性は医師に相談を。

根拠はまだ不十分

妊娠中の魚・オメガ3は、子どもの発達によい?

妊娠中に魚やオメガ3(DHAなど)をよく摂ると、子どもの発達の一部によい可能性が報告されています。ただし魚は水銀も含むため、種類や量のバランスが大切です。効果は大きくなく確実性は低めです。

おおむね支持される

プロバイオティクスは、子どもの食物アレルギーの予防に役立つ?

妊娠中や乳児期のプロバイオティクス(体によいとされる菌)の摂取が、子どもの食物アレルギーのリスクをやや下げる方向と関連するという研究があります。ただし効果は大きくなく、どの菌が有効かははっきりしません。自己判断ではなく医師に相談を。

おおむね支持される

乳幼児期の急な体重増加は、その後の肥満や代謝の問題と関係する?

生後すぐや幼児期に体重が急に増えることは、後の太りすぎや肝臓の値の上昇と関連すると報告されています。赤ちゃんが大きくなること自体は自然なことですが、極端な増えすぎには注意という趣旨です。観察研究のため因果とは言えません。

おおむね支持される

生活習慣や食べ物は、子どもの睡眠と関係する?

決まった就寝ルーティンや、乳製品、妊娠中の魚や発酵食品などが、子どもの睡眠の長さ・質と関連すると報告されています。いずれも関連であり、生活全体のリズムを整えることが基本です。

おおむね支持される

砂糖(甘いもの)の摂り過ぎは、子どもの行動(ADHD)と関係する?

添加された砂糖や甘い飲み物・お菓子の摂取が、ADHDの症状や多動と関連するという報告が多くあります。ただし観察研究が中心で、砂糖が直接の原因とは言えません。甘いものを完全に避ける必要はなく、頻度に気をつけるのが現実的です。

おおむね支持される

加糖飲料(砂糖入りの飲み物)は、子どもの肥満や代謝と関係する?

加糖飲料を多く摂ることは、子どもの太りやすさや代謝の指標と関連すると観察研究で報告され、さらに加糖飲料を減らすランダム化比較試験でも子どもの体重の増えが抑えられました。水やお茶を基本にし、甘い飲み物は控えめにすることが無難と考えられます。

おおむね支持される

たばこの煙(喫煙・受動喫煙)は、子どもの体の健康と関係する?

妊娠中の喫煙や受動喫煙は、子どもの成長の遅れ・ゼーゼー(喘鳴)・睡眠の問題と関連すると報告されています。早く禁煙するほど子どもの成長によく、子どもや妊婦のいる場では分煙・禁煙が勧められます。

おおむね支持される

超加工食品(スナック・インスタント食品など)の多い食事は、子どもの肥満と関係する?

加工度の高い食品が多い食事や食環境は、子どもの太りやすさと関連すると複数の研究で報告されています。手作りや野菜・果物を中心にすることが無難と考えられますが、いずれも観察研究で因果とは言い切れません。

おおむね支持される
この分野の研究
2026 · スコーピングレビューメタアナリシス

保育園・学校などの集団の場で果物・野菜を取り入れて子どもの食事を改善する(スコーピングレビュー)

保育園や学校など、子どもが集団で過ごす場で果物・野菜の摂取を増やす取り組みを幅広く集めて整理したレビューです。3〜7歳を対象に、高所得国で2012年以降に発表された114件の研究を取り上げています。くり返し出す(反復暴露)、食べ方を見せて手本になる(行動モデリング)、感覚を使った遊びなど、さまざまな方法が使われており、なかでも手本を見せることや感覚遊びの取り組みが成功しやすい傾向が報告されています。

2026 · 観察研究のシステマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

分娩時の予防的抗菌薬と子どもの健康(観察研究のシステマティックレビュー・メタアナリシス)

B群溶連菌(GBS)の予防のために分娩中に抗菌薬を使った母親と、使わなかった母親の子どもを比べた観察研究をまとめたメタアナリシスです。16件の研究を統合した結果、分娩時の抗菌薬は子どもの自己免疫関連の病気のリスクの高さと関連し、特にアトピー性皮膚炎で関連が目立ちました。子どものBMIはわずかに高めでしたが、乳児の腸内細菌の多様性には差がみられませんでした。

2026 · 観察研究(コホート)をまとめたメタアナリシスメタアナリシス

母親の摂食障害と子どもの呼吸器の症状(EUの子どもコホート連携の研究)

ヨーロッパの7つのコホート、母子13万組以上のデータをまとめて、妊娠前の母親の摂食障害と子どもの呼吸器の症状の関連を調べた研究です。妊娠前に摂食障害があった母親の子どもでは、就学前の喘鳴や学童期のぜんそくがやや多い傾向がみられました。母親のうつや不安を除いても関連は残りました。あくまで関連であり、摂食障害が直接ぜんそくを起こすと示したものではありません。

2026 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

妊娠中の体重増加は赤ちゃんの腸内細菌に影響する?(観察研究15件のまとめ)

妊娠中の体重増加と赤ちゃんの腸内細菌の関係を調べた観察研究15件をまとめたシステマティックレビューです。母親の体重が増えすぎた場合、赤ちゃんの腸内細菌の多様性が下がりやすく、その影響が生後1歳ごろまで続く傾向がみられました。良い菌が減り、好ましくない菌が増える方向の変化も報告され、妊娠糖尿病が重なるとより目立つとされています。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(主に観察研究のまとめ)メタアナリシス

乳幼児期の呼吸器感染症と子どものぜんそくの関連:メタアナリシスの視点から

乳幼児期のさまざまな経験とぜんそくや喘鳴の関係を調べた51件の研究を集めて、数値をまとめたメタアナリシスです。乳幼児期に呼吸器のウイルス感染にかかった子は、後に喘鳴やぜんそくになりやすい傾向がみられました。アレルゲンへの反応や環境要因も関連した一方、妊娠中の栄養対策やプロバイオティクスでは効果ははっきりしませんでした。

2026 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

妊娠中と乳幼児期の口の健康についての、母親の知識:システマティックレビュー

妊婦が自分や子どもの口の健康についてどれくらい知っているかを調べた26件の研究をまとめたレビューです。多くの妊婦で、乳幼児のむし歯予防や、いつから歯みがきを始めるか、最初の歯科受診の時期などについての知識が十分でないと報告されました。むし歯の原因菌が赤ちゃんにうつることへの理解も乏しく、妊娠期からの口の健康教育の必要性を指摘しています。

2026 · 観察研究をまとめた系統的レビューメタアナリシス

先住民の子ども・若者の喘鳴に関係する要因(世界の研究の系統的レビュー)

世界各地の先住民の子ども・若者を対象に、喘鳴に関係する要因を17の研究(参加者14万人弱)からまとめたレビューです。たばこの煙や室内の汚染、住環境といった環境の要因、収入や医療へのアクセスといった社会経済の要因、性別や出生体重、感染、アレルギーといった生物・臨床の要因が、喘鳴と関連していました。喘鳴の要因は一つではなく、複数が重なって関わると考えられています。

2026 · アンブレラレビュー(RCTを含むレビューのまとめ)メタアナリシス

妊娠・授乳中の母親のプロバイオティクスと子どもの健康:システマティックレビューをまとめたアンブレラレビュー

妊娠中や授乳中の母親がプロバイオティクス(善玉菌)をとることと、子どもの健康との関連を、これまでのシステマティックレビュー18件をまとめて検討した研究です。母親のプロバイオティクス摂取は、生後1〜2歳までの子どもの湿疹(アトピー性湿疹)が少ないことと関連していました。ただし、解析方法を厳しくすると多くの関連が消え、確からしさは弱いと評価されています。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究が中心)メタアナリシス

妊娠中・乳幼児期の腸内細菌に影響する薬と、子どもの食物アレルギーのリスク(システマティックレビュー・メタアナリシス)

妊娠中や乳幼児期の抗菌薬・胃酸を抑える薬・プロバイオティクスの使用と、子どもの食物アレルギーとの関連を調べた研究をまとめたメタアナリシスです。約166万人の母親と約516万人の子どものデータを統合した結果、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用は、食物アレルギーのリスクの高さと関連していました。プロバイオティクスの使用には、食物アレルギーを減らす関連はみられませんでした。

2026 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

大気汚染と子どものぜんそくの関連:近年の証拠のシステマティックレビュー

2000〜2025年に発表された観察研究を集めて整理したレビューです。合わせて350万人以上の子どものデータから、PM2.5や二酸化窒素(NO2)などの大気汚染物質に長く触れることと、子どものぜんそくの発症や悪化が関連していました。とくに乳幼児期の曝露で影響が大きい傾向がみられた、と報告しています。

2025 · システマティックレビューメタアナリシス

母親の腸内細菌の構成が、新生児の免疫と幼児期のアレルギーに与える影響:システマティックレビュー

母親の腸内細菌の構成が、赤ちゃんの免疫やアレルギーのなりやすさとどう関係するかを、74件の研究をまとめて調べたシステマティックレビューです。帝王切開や妊娠中の抗菌薬使用はアレルギーのリスクと関連し、母乳・プロバイオティクス・食事の工夫は予防に役立つ方向と整理しています。地域による違いも大きいと述べています。

2025 · スコーピングレビューメタアナリシス

新生児医療における「本人・家族を中心としたケア」:定義・ケアモデル・介入の種類を整理したスコーピングレビュー

新生児医療では、赤ちゃん本人と家族を中心にすえたケア(家族の参加、母子を引き離さない、発達に配慮するなど)が、赤ちゃん・親・医療システムによい影響をもたらすとして各国で推進されています。この研究は、こうしたケアがどのように定義され、どんなモデルや具体的な取り組みがあるのかを、91の文献から幅広く整理したものです。40の定義と28のケアモデル、51種類の介入が見つかり、多くは個別の新生児ケアと家族の力を支える取り組みに重点を置いていました。一方で、概念や用語がまだ統一されておらず、整理が必要だと指摘しています。

2025 · スコーピングレビューメタアナリシス

乳児コリックへの手技的ケア:エビデンスのスコーピングレビュー

赤ちゃんのコリック(理由のはっきりしない激しい泣き)に対して、おなかのマッサージや軽く体に触れる施術など、手で行う非薬物的なケアが効くかをまとめたレビューです。2012年以降のランダム化比較試験7件を集めたところ、5件で1日の泣く時間が短くなり、3件で睡眠時間が延びたと報告されていました。ただし研究ごとに方法や測り方がばらばらで、まとめて統計処理はできませんでした。

2025 · 観察研究をまとめた系統的レビューメタアナリシス

妊娠中の環境と子どものぜんそく:腸内細菌が橋渡しをする可能性

妊娠中のさまざまな環境(ペットとの接触、出産のしかた、抗菌薬の使用、母親の食事など)と、子どものぜんそくとの関連を、腸内細菌の役割に注目して8つの研究からまとめたレビューです。妊娠中にペットがいると子どもの腸内細菌が変わり、ぜんそくを起こしにくくなる可能性が示されました。一方、抗菌薬の使用や帝王切開はぜんそくが多いことと関連していました。腸内細菌がこれらの関連の橋渡しをしているかもしれないと考えられています。

2025 · システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)メタアナリシス

吸う癖は子どもの中耳炎と関係する? システマティックレビューとメタアナリシス

おしゃぶり・哺乳びん・指しゃぶりといった「吸う癖」が、子どもの中耳炎の起こりやすさと関係するかを調べた研究をまとめたものです。おしゃぶりを使う子は使わない子より中耳炎、とくに急性中耳炎にかかりやすい傾向がみられました。一方、指しゃぶりと中耳炎との明らかな関係は多くの研究でみられませんでした。

2025 · システマティックレビュー(観察研究が中心)メタアナリシス

乳幼児期の抗菌薬と腸内細菌の変化、子どものアレルギーの関連(システマティックレビュー)

妊娠中から10歳までの抗菌薬の使用と、腸内細菌の変化、子どものアレルギー(ぜんそく・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎)との関連を調べた研究をまとめたシステマティックレビューです。150万人以上を含む15件の研究の多くで、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用が、特にぜんそくやアトピー性皮膚炎のリスクの高さと関連していました。抗菌薬の種類・時期・期間が腸内細菌の乱れや発症に関わる要因として挙げられています。

2024 · システマティックレビュー/メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ)メタアナリシス

5歳以下の子どもの果物・野菜の摂取を増やす働きかけ(システマティックレビュー/メタアナリシス)

5歳以下の子どもの果物・野菜の摂取を増やすための働きかけを調べた、53件のランダム化比較試験(約1万2千人分)をまとめたコクランのレビューです。同じ野菜をくり返し出すなどの食べさせ方の工夫は、野菜の摂取をわずかに増やす効果がありそうだと報告されています(1日あたり生野菜にして約15.5g、確実性は中程度)。保育園などでの複数の取り組みを組み合わせた働きかけも小さな効果がありそうですが、保護者への栄養教育だけでは効果はほとんど見られませんでした。

2024 · システマティックレビュー・メタアナリシス(主に観察研究)メタアナリシス

早産児の母乳育児と神経発達のアウトカム:システマティックレビューとメタアナリシス

早産で生まれた赤ちゃんを対象に、母乳育児がその後の神経発達とどう関わるかを調べた研究をまとめたものです。16件(うちランダム化比較試験は1件、残りはコホート研究)を解析した結果、母乳をあげた群は、まったくあげなかった群に比べて、長期的な認知の得点が高い傾向や、発達の遅れのリスクが低い傾向がみられました。一方で、運動の発達への影響ははっきりせず、また母乳と母乳ドナーミルクのどちらが優れているかも明確ではありませんでした。

2021 · システマティックレビューメタアナリシス

手づかみ離乳は乳幼児期の肥満リスクに関係する?:システマティックレビュー

手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食)が、ふつうのスプーン離乳と比べて子どもの体重の増え方や肥満のなりやすさに関係するかを、これまでの研究をまとめて調べたレビューです。8件の研究(ランダム化比較試験2件と観察研究6件、合計約2,900人)を集めましたが、手づかみ離乳のほうが体重の増え方がゆるやかだとする研究もあれば、はっきりしない研究もあり、結論はそろいませんでした。どの研究も偏りのリスクが中〜高く、現時点でどちらの方法がよいとは言えないとしています。

2018 · システマティックレビューメタアナリシス

手づかみ離乳について、文献のシステマティックレビューが分かること

イタリア小児科学会のグループが、手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食)に関する研究をまとめて検討したレビューです。条件に合う12件(観察研究10件とランダム化比較試験2件)を集めましたが、調べている内容がばらばらで一つにまとめることはできませんでした。観察研究では、鉄やエネルギーが不足しやすい可能性や、窒息のリスクが心配されてきたと指摘しています。2件のRCTにも偏りの可能性があり、全体としてエビデンスの質は低いと結論づけています。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)メタアナリシス

乳幼児期の腸内細菌と発達障害:システマティックレビューとメタアナリシス

乳幼児期の腸内細菌(マイクロバイオーム)と、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの発達の特性との関係を調べた19件の研究をまとめた解析です。多くの研究で、腸内細菌のバランスの乱れと発達の特性との間に一定の関連が見られたと報告しています。たとえばASDではビフィズス菌が少なく特定の菌が多い傾向など、菌の種類ごとの違いが指摘されています。ただし含まれた研究の質はばらつきがあり、結論は確定的ではありません。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(RCTのまとめ)メタアナリシス

子どもの便秘に対する薬を使わない方法の効果と安全性(システマティックレビュー・メタアナリシス)

子どもの便秘(機能性便秘)に対して、薬を使わない方法(食事の工夫、生活指導、骨盤底の運動、電気刺激など)がどれくらい役立つかを、93件のランダム化比較試験(約7800人)をまとめて検討したものです。多くの方法は研究の質が低く、はっきりした結論を出せませんでした。一部の方法(おなかへの電気刺激と骨盤底の運動の組み合わせなど)では、排便の成功や回数が改善する可能性が示されましたが、研究のばらつきや報告の不十分さが目立ちました。

2026 · アンブレラレビュー(介入研究のレビューのまとめ)メタアナリシス

鉄のサプリメントは子どもの認知発達に効果がある?(レビューをまとめたレビュー)

鉄のサプリメントが子どもの考える力(認知)にどう関わるかを調べた、過去のシステマティックレビュー17件をさらにまとめて評価した研究です。鉄が不足している(貧血の)子どもでは、知能・記憶・注意の面でわずかな改善がみられる可能性が示されました。一方、もともと鉄が不足していない子どもにサプリメントを与えても、はっきりした効果は確認されませんでした。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(コホート研究のまとめ)メタアナリシス

母乳育児と5歳未満の子どもの入院リスク:システマティックレビューとメタアナリシス

16件のコホート研究(約278万人)をまとめ、母乳育児と5歳未満の子どもの入院との関連を調べた研究です。完全母乳の子どもは、呼吸器感染による入院がどの年齢層でも少ない傾向がみられ、特に生後1年未満で関連が強い結果でした。一方、胃腸の感染による入院については、母乳の子どもで少ない傾向はあったものの、はっきりした差とは言えませんでした。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)メタアナリシス

乳児の疝痛(コリック)と腸の炎症の関わり(システマティックレビュー・メタアナリシス)

赤ちゃんの疝痛(コリック)に、腸の軽い炎症が関わっているかを、8件の研究からまとめたものです。便の中の炎症の目印(カルプロテクチン)を調べた研究を統合したところ、疝痛のある赤ちゃんではこの目印がやや高い傾向がみられました。腸の状態と疝痛のつながりを示す材料の一つとされています。

2025 · システマティックレビュー(コホート研究のまとめ)メタアナリシス

幼少期の鉄不足とその後の発達への長期的な影響(システマティックレビュー)

幼いころに鉄が足りなかった子どもが、その後どう育つかを調べた17件のコホート研究をまとめたレビューです。鉄が不足していた子どもは、不足していなかった子どもに比べて、考える力(認知)・体の動き(運動)・ことば・行動の面で成績が低い傾向が複数の研究で報告されました。著者らは、生まれてから約2歳までの「最初の1000日」に鉄不足を防ぐことが大切だとまとめています。

2025 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

子どものベジタリアン食と栄養のとり方・健康・栄養状態(システマティックレビュー)

高所得の国の子どもや思春期について、ベジタリアン食と雑食を比べた20件の研究を決まった手順で集めて整理したレビューです。ベジタリアンの子は食物繊維が多く、炭水化物からのエネルギーが多めで、ビタミンCやE・鉄・葉酸・マグネシウムのとり方が良い傾向がうかがえました。一方で、ビタミンB12とビタミンDのとり方が少なめになりやすいことが、注意すべき点として挙げられています。著者らは、長く追う前向きの研究がさらに必要だとしています。

2025 · メタアナリシス(ランダム化比較試験と観察研究をまとめたもの)メタアナリシス

妊娠中の百日咳ワクチンの有効性・免疫の付き方・安全性:メタアナリシス

妊娠中に百日咳を含むワクチン(Tdap)を接種した場合に、生後まもない赤ちゃんが守られるかを、複数の研究をまとめて調べたものです。生後3か月未満の赤ちゃんで百日咳にかかりにくくなる傾向が示され、母から赤ちゃんへ移る抗体も多く見られました。重い有害事象については、母親・赤ちゃんともに接種との明確な関連は見られなかったと報告しています。

2025 · システマティックな文献調査にもとづく専門家の見解(観察研究のまとめ)メタアナリシス

乳児・子ども・思春期のヴィーガン食と栄養状態(欧州小児消化器栄養学会の見解)

ヨーロッパの小児栄養の専門家グループ(ESPGHAN)が、子どものヴィーガン(完全菜食)について手順を決めて文献を集め直し、雑食の子と比べたときの成長・栄養・血液検査を整理したものです。約1500人のヴィーガンの子どもを含む研究を見たところ、身長やBMIの指標に雑食の子との大きな差は見られませんでした。一方で、ヴィーガンが子どもの成長を十分に支えられるかは今ある証拠だけでは結論できないとし、たんぱく質・オメガ3・カルシウム・鉄に気を配り、ビタミンB12などを必ず補うこと、成長と栄養状態を定期的に確認することをすすめています。

2025 · アンブレラ・メタアナリシス(システマティックレビューのまとめ)メタアナリシス

子どもの下痢と便秘に対するプロバイオティクス:アンブレラ・メタアナリシス

子どもの下痢や便秘にプロバイオティクスが役立つかを、これまでの多くのシステマティックレビューやメタアナリシス(35件)をまとめて評価した研究です。下痢については、起こる頻度が減り、続く期間も平均で約1.85日短くなる傾向が示されました。一方、便の回数を増やす効果(便秘への効果)ははっきりしませんでした。

2024 · システマティックレビュー・メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ)メタアナリシス

子どもの急性・遷延性の水様性下痢に対する亜鉛補充(システマティックレビューとメタアナリシス)

10歳未満の子どもの下痢に亜鉛を補うことの効果を、ランダム化比較試験38件をまとめて検討した研究です。急性の下痢では、亜鉛を補った子の方が回復した割合がやや高く、下痢の続く時間も短くなる傾向がみられました(確実性は中程度)。長引く下痢でも回復が早まる可能性が示されました。一方で亜鉛を補うと吐き気・嘔吐が増えやすく、低めの用量の方が嘔吐は少ない結果でした。WHOの下痢治療の指針見直しのために行われた解析です。

2022 · システマティックレビュー・メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ)メタアナリシス

正期産・早産の新生児におけるおしゃぶりの使用と母乳育児 — システマティックレビューとメタアナリシス

おしゃぶりの使用が母乳育児の続けやすさと関係するかを、ランダム化比較試験だけを集めて分析した研究です。正期産の赤ちゃんでは、生後2〜6か月の時点で、おしゃぶりを自由に使うグループと制限したグループとで母乳育児の割合に大きな差は見られませんでした。早産の赤ちゃんでは、おしゃぶり(栄養を伴わない吸う動き)を使うと入院期間が短くなる傾向も報告されています。著者は、観察研究では「おしゃぶりを使う子は母乳をやめるのが早い」と見えても、比較試験ではそうした差は出ていないと整理しています。

2022 · システマティックレビュー(観察研究と一部の比較試験のまとめ)メタアナリシス

早産の新生児におけるおしゃぶりの使用と乳児期の母乳育児の関連 — システマティックレビュー

早産で生まれた赤ちゃんのおしゃぶりの使用と、その後の母乳育児との関係を調べた10件の研究をまとめたレビューです。結果は研究の種類によって分かれ、観察研究では「おしゃぶりを使うと母乳育児が短くなる」という関連が多く見られた一方、ランダム化比較試験では逆に良い方向の結果が見られました。著者は、おしゃぶり(栄養を伴わない吸う動き)が経管栄養から口での授乳への移行を助け、退院を早める可能性があるとしつつ、母乳育児との関係はほかの要因も絡んで複雑だと整理しています。

2020 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

母乳育児と歯並び(かみ合わせ)の関係(システマティックレビュー)

母乳で育つことが、子どもの歯並び・かみ合わせ(咬合)の乱れと関係するかを、18件の研究をまとめて調べたシステマティックレビューです。母乳で育つことは、交叉咬合(上下の歯の横ずれ)などの一部の歯並びの乱れが少ないことと関連していました。母乳の期間が長いほどリスクが下がる傾向もみられました。

2019 · システマティックレビュー・メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ/コクラン)メタアナリシス

濃度の違うフッ素入り歯みがき粉と、むし歯予防(コクランのレビュー)

フッ素入りの歯みがき粉が子どものむし歯を防ぐかを、1年以上追跡したランダム化比較試験をまとめたコクランのレビューです。フッ素入りの歯みがき粉でみがくことは、フッ素なしに比べてむし歯をはっきり減らし、濃度が高いほど予防効果が大きいことが示されました。ただし濃度が高すぎると、発達中の歯に白い斑点(歯のフッ素症)が出るリスクもあります。

2013 · システマティックレビュー・メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ/コクラン)メタアナリシス

フッ素塗布(フッ素バーニッシュ)と子どものむし歯予防(コクランのレビュー)

歯科などで歯の表面に塗るフッ素(フッ素バーニッシュ)が、子ども・思春期のむし歯を防ぐかを、ランダム化比較試験をまとめたコクランのレビューです。フッ素の塗布は、乳歯・永久歯のどちらでも、むし歯を有意に減らす効果が示されました。フッ素入り歯みがきと並ぶ、確かなむし歯予防の方法の一つです。

2013 · システマティックレビュー・メタアナリシス(コホート研究とランダム化比較試験のまとめ)メタアナリシス

加糖飲料と、子ども・大人の体重増加(システマティックレビュー・メタアナリシス)

砂糖入りの飲み物(加糖飲料)と体重増加の関係を、コホート研究とランダム化比較試験をまとめて調べた研究です。観察研究では、加糖飲料が多いほど子どもの体格(BMI)が増える関連がみられました。さらに、加糖飲料を減らすランダム化比較試験では、子どもの体重の増えが抑えられ、とくに加糖飲料を別の飲み物に置き換えた場合や、太りぎみの子どもで効果がはっきりしていました。

2026 · アンブレラレビューメタアナリシス

カンガルーケア(肌と肌の触れ合い)は赤ちゃんと親の両方によい(アンブレラレビュー)

カンガルーケア(赤ちゃんを親の胸に抱き、肌と肌を触れ合わせるケア)の効果を、複数のメタアナリシスをまとめて評価した「アンブレラレビュー」です。カンガルーケアは、赤ちゃんにも親にも多くの利点があり、安全で簡単、費用もかからない方法として、広く取り入れることが勧められると整理されました。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

赤ちゃん・子どもの食物アレルギーの危険因子(システマティックレビュー・メタアナリシス)

40か国・約280万人を対象にした190件の研究をまとめ、子どもの食物アレルギーがどれくらい起こるか、何が関わるかを調べた大規模なレビューです。食べ物で症状を確かめた研究では、食物アレルギーはおよそ4.7%に見られました。最も確かな関わりが示されたのは、乳児期のアトピー性皮膚炎(湿疹)など、すでにあるアレルギー体質でした。

2026 · システマティックレビュー(介入研究のまとめ)メタアナリシス

子どもの低身長(発育の遅れ)を減らす栄養対策の効果(システマティックレビュー)

栄養不足による子どもの発育の遅れ(低身長=スタンティング)を、生後1000日(妊娠〜2歳)までの栄養対策で改善できるかを、13件の研究をまとめて調べた研究です。栄養を補う食品や強化食品などの対策は、身長の伸びをわずかに改善し、低身長の割合を下げることと関連していました。とくに早い時期から始めるほど効果が大きい傾向がありました。

2026 · システマティックレビュー(介入研究のまとめ)メタアナリシス

赤ちゃん・子どもの胃食道逆流(吐き戻し)への、薬を使わない対処法(システマティックレビュー)

赤ちゃんや子どもによくみられる胃食道逆流(ミルクや食べ物の吐き戻し・溢乳)に対して、薬を使わない対処法がどれくらい役立つかを、40件の研究をまとめて調べた研究です。とろみをつけたミルク(増粘調乳)や、アルギン酸という成分が、吐き戻しの回数を減らすことに比較的一貫して役立ちました。プロバイオティクスや寝かせる向きの工夫なども検討されましたが、結果はまちまちでした。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ)メタアナリシス

出産前に母乳(初乳)をしぼっておくことの効果(システマティックレビュー・メタアナリシス)

出産前のうちから母乳(初乳)をしぼって準備しておく方法(妊娠中の搾乳)が、その後の授乳に役立つかを、11件のランダム化比較試験(女性約1600人)をまとめて調べた研究です。この方法を行った母親は、産後に母乳が十分に出るまでの遅れが少なく、産後早い時期からの完全母乳もしやすい傾向がありました。母子の安全面で目立った問題はみられませんでした。

2026 · システマティックレビューメタアナリシス

炭水化物(特に砂糖)の摂取とADHDの症状(システマティックレビュー)

炭水化物、特に添加された砂糖や精製された炭水化物の摂取と、ADHD(注意欠如・多動症)の症状との関係を、48件の研究からまとめたシステマティックレビューです。添加糖・加糖飲料・甘いものに関しては、16件中15件で、ADHDの診断や症状の強さ・多動と「関連がある」と報告されており、最も一貫したパターンでした。

2025 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

妊娠中・乳児期のプロバイオティクスと、子どもの食物アレルギー・腸内細菌(システマティックレビュー・メタアナリシス)

妊娠中や乳児期にプロバイオティクス(体によいとされる菌)を摂ることが、子どもの食物アレルギーや腸内細菌にどう影響するかを、37件の研究からまとめたものです。妊娠中・乳児期のプロバイオティクスの摂取は、食物アレルギー全体のリスクをやや下げる(相対リスク0.79)方向と関連していました。

2025 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

長期間の母乳と、乳幼児のむし歯(システマティックレビュー・メタアナリシス)

長く母乳を続けることと、乳幼児のむし歯(早期小児う蝕)との関係を、多くの研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。24か月(2歳)を超えて母乳を続けることは、乳幼児のむし歯のリスクの高まりと関連していました。母乳そのものが悪いわけではなく、歯が生えた後の口の中のケアが大切であることを示しています。

2025 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

妊娠中・分娩時の抗菌薬(抗生物質)と、子どものアトピー性皮膚炎(システマティックレビュー・メタアナリシス)

妊娠中や分娩時にお母さんが使った抗菌薬(抗生物質)と、子どものアトピー性皮膚炎(湿疹)との関係を、複数の研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。現時点の証拠では、妊娠中・分娩時の抗菌薬の使用と子どもの湿疹の増加との関連は支持されませんでした。ただし研究間のばらつきが大きく、確実性は非常に低いと評価されています。

2024 · システマティックレビューメタアナリシス

母乳育児と、子ども〜大人にかけてのBMIの変化(システマティックレビュー)

母乳育児が、その後の人生でのBMI(体格の指標)の変化にどう関わるかを、3件のランダム化比較試験と24件の長期コホート研究からまとめたレビューです。多くのコホート研究で、母乳で育った子どもはその後のBMIが低め、つまり肥満になりにくい傾向が示されました。

2024 · システマティックレビューメタアナリシス

不健康な飲食物の摂取と、子どものむし歯(システマティックレビュー)

砂糖の多い食品や飲み物など、健康によくない飲食物の摂取と、子どものむし歯との関係を、多くの研究からまとめたシステマティックレビューです。10歳以下の子どもでは、こうした不健康な飲食物の摂取がむし歯のリスクを高めることが示されました。

2024 · システマティックレビューメタアナリシス

妊娠中の鉄不足・鉄欠乏性貧血の検査と鉄の補充(米国予防医療作業部会の最新システマティックレビュー)

妊娠中の鉄不足や鉄欠乏性貧血について、検査(スクリーニング)や鉄のサプリの補充が、お母さんや赤ちゃんの健康にどう役立つかを、米国予防医療作業部会(USPSTF)のために最新のエビデンスから検討したシステマティックレビューです。鉄の補充は血液中の鉄の値を改善する一方、症状のない妊婦への検査や補充が、お母さんや赤ちゃんの health 上の結果を実際に良くするかは、まだ十分な根拠がないと整理されました。

2024 · システマティックレビューメタアナリシス

妊娠中のPFAS(有機フッ素化合物)への曝露と、子どものぜんそく(システマティックレビュー)

妊娠中のPFAS(有機フッ素化合物)への曝露と、子どものぜんそくとの関係を、前向きコホート研究からまとめたシステマティックレビューです。基礎研究ではPFASがぜんそくに関わりうるとされる一方、人を対象にした疫学研究では、妊娠中の曝露と子どものぜんそくとの関連は一貫しては示されませんでした。

2024 · システマティックレビューメタアナリシス

2歳までの超加工食品の多い食事と、成長・肥満(システマティックレビュー)

米国政府プロジェクトの一環として、2歳までの乳幼児で、超加工食品(加工度の高い食品)が多い食事と、成長・体型・肥満との関係を調べたシステマティックレビューです。この年齢層については、結論を出せるだけの十分な研究がなく、関係があるともないとも言えない(評価不能)と整理されました。

2024 · システマティックレビューメタアナリシス

2歳までの飲み物のパターンと、成長・肥満(システマティックレビュー)

米国政府プロジェクトの一環として、2歳までの乳幼児で、飲み物のパターンと成長・体型・肥満との関係を調べたシステマティックレビューです。この年齢層については、結論を出せるだけの十分な研究がなく、関係があるともないとも言えない(評価不能)と整理されました。

2024 · システマティックレビューメタアナリシス

低カロリー・ノンカロリー甘味料の飲み物と、子どもの成長・肥満(システマティックレビュー)

米国政府プロジェクトの一環として、低カロリー・ノンカロリー甘味料(いわゆる「ダイエット系」)の飲み物と、子どもの成長・体型・肥満との関係を調べたシステマティックレビューです。子ども・思春期では、これらの飲み物と成長や肥満との間に関連はないかもしれない、という(限定的な確かさの)結論でした。

2024 · システマティックレビュー・メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ)メタアナリシス

母親・乳児へのオメガ3(n-3)脂肪酸の補給と、子どもの運動・認知発達(最新のシステマティックレビュー・メタアナリシス)

魚などに多いオメガ3系脂肪酸(DHAなど)を、妊娠・授乳中の母親や乳児に与えると、子どもの発達によいかを、ランダム化比較試験47件をまとめて調べた研究です。乳児に直接補給したグループでは、乳児期の精神発達の指標やのちの知能(IQ)がわずかに高い傾向がみられ、母親が妊娠・授乳中に補給した場合は子どもの言語の力が高い傾向がありました。一方で、全体としての認知能力や運動発達の指標でははっきりした差は出ませんでした。

2022 · メタアナリシスメタアナリシス

乳幼児期の抗菌薬(抗生物質)の使用と、アレルギー性鼻炎(メタアナリシス)

生まれて間もない時期の抗菌薬(抗生物質)の使用と、子どものアレルギー性鼻炎(花粉症などの鼻のアレルギー)との関係を、多くの研究からまとめたメタアナリシスです。乳幼児期に抗菌薬を使ったことは、アレルギー性鼻炎と関連していました。ただし、抗菌薬の種類や量までは詳しく分かっていません。

2021 · システマティックレビュー(介入研究のまとめ)メタアナリシス

「行動のしくみ」を使った働きかけは、子どもの食事を改善する?(システマティックレビュー)

子どもがより健康的に食べられるように、人の「行動のしくみ」(ナッジ=そっと後押しする工夫)を使った取り組みが効果的かを、137件の取り組みをまとめて調べた研究です。こうした工夫の約7割で、子どもの食事に良い変化がみられました。とくに効果的だったのは、ごほうび(インセンティブ)、初期設定を健康的なものにする(例:標準を野菜つきにする)、置き場所など環境を変える工夫でした。一方、情報を伝えるだけの方法は最も効果が小さいものでした。

2021 · システマティックレビュー(コクラン)メタアナリシス

赤ちゃんへのスキンケアで、湿疹や食物アレルギーを予防できるか

保湿剤などで赤ちゃんの肌を整えることで、湿疹(しっしん)や食物アレルギーを防げるかを調べた、たくさんのランダム化比較試験をまとめたコクランのレビューです。早い時期からの保湿などのスキンケアでは、湿疹を予防できるとは言えませんでした。さらに、食物アレルギーがむしろやや増える可能性や、肌の感染が増える可能性も示されました。

2020 · システマティックレビューメタアナリシス

受動喫煙(まわりのたばこの煙)と、子どもの成長(システマティックレビュー)

受動喫煙(自分は吸わないが、まわりのたばこの煙にさらされること)と、子どもの成長との関係を、多くの研究からまとめたシステマティックレビューです。受動喫煙は、子どもの成長への好ましくない影響と関連しうることが示されました。子どもや妊婦と同居する喫煙者が、煙の影響を知ることが重要だと指摘されています。

2020 · システマティックレビューメタアナリシス

妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3サプリと、子どもの発達(システマティックレビュー)

米国政府プロジェクトの一環として、妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3(魚に多い脂肪酸)のサプリと、子どもの発達の節目(神経・認知の発達を含む)との関係を調べたシステマティックレビューです。妊娠中のオメガ3サプリは、子どもの認知の発達によい影響をもたらす可能性がある(限定的な確かさ)と整理されました。その他のアウトカムについては根拠が不十分でした。

2020 · システマティックレビューメタアナリシス

妊娠中・授乳中の母親の食事と、子どもの食物アレルギー・アトピー(システマティックレビュー)

米国政府プロジェクトの一環として、妊娠中・授乳中の母親の食事と、子どもの食物アレルギーやアトピー性の病気との関係を調べたシステマティックレビューです。妊娠中に牛乳などのアレルゲンになりうる食品を控える・制限することが、子どものアレルギーを減らすかどうかは、結論を出せるだけの十分な根拠がない(評価不能)と整理されました。

2019 · システマティックレビューメタアナリシス

離乳食を始める時期と、食物アレルギー・湿疹・ぜんそく・アレルギー性鼻炎(システマティックレビュー)

米国政府(USDA・保健省)のプロジェクトの一環として、離乳食(母乳・ミルク以外の食べ物)を始める時期と、子どもの食物アレルギー・アトピー性皮膚炎(湿疹)・ぜんそく・アレルギー性鼻炎との関係を調べたシステマティックレビューです。離乳食を始める年齢と、これらのアレルギーの起こりやすさとの間には関係がない、という中くらいの確かさの結論が示されました。

2019 · システマティックレビューメタアナリシス

親・養育者の食べさせ方と、子どもの成長・体格(システマティックレビュー)

米国政府プロジェクトの一環として、親や養育者の食べさせ方(与え方)と、子どもの成長・体格との関係を調べたシステマティックレビューです。子どもの空腹・満腹のサインを読み取り、それに応じて授乳・食事を与える「応答的な食べさせ方」を母親に指導すると、2歳までの子どもの体重がほどよく保たれやすい、という中くらいの確かさの結論が示されました。

2018 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

幼い時期のビタミンDの状態と、ぜんそく・喘鳴(システマティックレビュー・メタアナリシス)

妊娠中や生まれて間もない時期のビタミンDの状態が、子どものぜんそくやゼーゼーする症状(喘鳴)とどう関わるかを、3件のランダム化比較試験と33件のコホート研究からまとめたものです。ランダム化比較試験では、妊娠中のビタミンD補充がぜんそくを減らす明確な効果は見られませんでした。観察研究の結果は一致していませんでした。

2015 · システマティックレビューメタアナリシス

妊婦への鉄の補充と鉄欠乏性貧血の検査(米国予防医療作業部会の2015年システマティックレビュー)

妊娠中の鉄欠乏性貧血について、検査や鉄のサプリの補充の効果を、米国予防医療作業部会(USPSTF)のために検討した2015年のシステマティックレビューです。鉄の補充は貧血や鉄の値を改善する一方、症状のない妊婦への定期的な補充や検査が、お母さんや赤ちゃんの健康の結果を実際に改善するかについては、十分な根拠がないと整理されました。

2026 · システマティックレビューメタアナリシス

身のまわりの食環境と子どもの太りすぎ・肥満:システマティックレビュー

子どものまわりの「食環境」(家にある食べ物、近くのお店、値段、魅力的に見える宣伝など)が、子どもの太りすぎ・肥満とどう関わるかを、81件の研究をまとめて整理した研究です。家にある食べ物の種類や、ファストフード店の多さ、健康的な食品店までの近さなどが、よく調べられている要因でした。

2026 · システマティックレビューメタアナリシス

帝王切開で生まれることと、子どものおなか(消化管)の健康:システマティックレビュー

帝王切開は世界的に増えています。経腟分娩と違って産道の細菌に触れないことが、赤ちゃんの腸の発達や免疫に影響する可能性が指摘されています。この研究は、帝王切開で生まれた子のおなかの不調(乳児のコリック・便秘・逆流など)や、後のアレルギー・腸の病気などとの関係を、複数の研究をまとめて整理しました。

2025 · システマティックレビューメタアナリシス

人生最初の1000日にある子どもの肥満の危険因子:システマティックレビュー

妊娠前から赤ちゃんの時期(いわゆる「最初の1000日」)に、その後の子どもの肥満につながりやすい要因を、たくさんの研究をまとめて調べた分析です。約188万人分のデータから59個の候補が挙がり、そのうち23個が肥満と一貫して関連していました。特に強かったのは、妊娠前のお母さんの体重が重いことなどでした。

2026 · ランダム化比較試験(第3相)ランダム化比較試験

ハイリスクの妊婦と赤ちゃんを対象にしたRSウイルスワクチン(RSVPreF3-Mat)の安全性・免疫の付き方を調べたランダム化比較試験(第3相)

持病などのある(リスクの高い)妊婦を対象に、RSウイルスのワクチンとプラセボ(偽薬)を割り当てて比べたランダム化比較試験です。接種により母親に十分な中和抗体ができ、胎盤を通じて赤ちゃんへ移ることが確認されました。重い有害事象でワクチンが原因と判断されたものはなく、早産の割合はワクチン群とプラセボ群でほぼ同じでした。

2026 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

妊娠中・出生後のプロバイオティクスとω-3脂肪酸の摂取が、乳児期のアレルゲンへの免疫反応に与える影響

妊娠中から乳児期にかけてプロバイオティクス(L. reuteri)やω-3脂肪酸をとると、乳児の免疫の発達にどう影響するかを調べたランダム化比較試験です(117組の母子)。プロバイオティクスをとった群では、アレルゲンに対する免疫反応のパターンに変化がみられ、免疫の成熟が進む可能性が示されました。ただし、実際の食物アレルギーの発症そのものを比べた研究ではありません。

2026 · ランダム化比較試験の付随解析(探索的)ランダム化比較試験

母乳由来成分だけの食事を長く続けることと、極低出生体重児の脳の発達との関係(NEOVASC試験の付随解析)

とても早く生まれた赤ちゃん(在胎32週未満、出生体重500〜1250g)を対象に、母乳だけを使った食事(強化剤も母乳由来)を生後36週相当まで長く続けた場合と、32週相当で牛乳由来の強化剤やミルクに切り替えた場合を比べた、ランダム化比較試験の追加解析です。脳のMRI画像の指標や運動の発達を調べました。全体として、長く続けたグループとそうでないグループの間で、脳の発達や運動の成績にはっきりした差は見られませんでした。一部の時点の運動評価では差がありましたが、他の時点では差がありませんでした。

2025 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

コリック(過度の泣き)のある乳児への徒手的な施術(オステオパシー):多施設ランダム化比較試験

生後1週から3か月でコリック(はっきりした原因なく激しく泣く)と診断された赤ちゃん103人を、やさしく体に触れて整える施術を受ける群と、通常のケアのみの群に分けて比べた研究です。3回の施術を受けた群では、保護者が感じる心理的なストレスが大きく下がり、赤ちゃんの1日の泣く時間や泣きの強さも同じくらい改善しました。抱きかかえて体に触れる手当て的なケアが、家庭の負担をやわらげる可能性を示しています。

2018 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

手づかみ離乳(鉄を意識した改良版)が鉄の摂取と状態に与える影響:ランダム化比較試験

ニュージーランドで約200組の赤ちゃんを、鉄不足を防ぐよう工夫した手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食)のグループと、ふつうのスプーン離乳のグループにくじ引きで分けて比べた研究です。毎食「鉄を多く含む食べ物」を出すよう保護者に助言したところ、生後7か月・12か月時点で、鉄の摂取量や血液中の鉄の状態に両グループで大きな差はみられませんでした。鉄不足のサインがある子の割合も同じくらいでした。

2018 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

手づかみ離乳(改良版)が食べる食品の幅と好みに与える影響

ニュージーランドで約200組の赤ちゃんを、鉄不足などに配慮した手づかみ離乳のグループと、ふつうのスプーン離乳のグループにくじ引きで分けて比べた研究です。手づかみ離乳のグループは、生後7か月の時点で食べる食品の種類(とくに肉などのたんぱく質)が多く、2歳時点では果物・野菜の幅がやや広い傾向がありました。一方で、味や食感に対する好みの差はごくわずかでした。

2010 · ランダム化授乳試験の追跡研究ランダム化比較試験

母乳が知能指数・脳の大きさ・白質の発達に与える影響

授乳の方法をランダムに割り付けた過去の試験の参加者50人について、青年期(平均約16歳)にMRIで脳を調べた研究です。母乳の割合が高いほど言語性の知能テストの点数が高い傾向がみられ、とくに男子では脳全体や白質の量との関連も観察されました。母乳が脳の発達、なかでも白質の成長を促す可能性を示すとしていますが、人数が少なく、さらなる研究が必要です。

2026 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

粉ミルクの鉄の量(2 vs 8 mg/L)と、1歳時点の発達・鉄の状態

鉄が少なめ(2 mg/L)の粉ミルクと、標準的な量(8 mg/L)の粉ミルクで、赤ちゃんの育ちに違いが出るかを調べたスウェーデンの試験です。健康な満期産の赤ちゃん180人を生後6週から6か月までどちらかのミルクに割り当て、1歳で発達検査と鉄の状態を比べました。発達検査の結果に差はなく、鉄不足の割合も両群で低く差はありませんでした。鉄不足になりにくい集団では、少なめの鉄でも足りていたと報告しています。

2026 · ランダム化比較試験(RCT)ランダム化比較試験

複数の菌を含むプロバイオティクスと、保育施設の子どものよくある感染症:ランダム化比較試験

保育施設に通う子ども118人を、5種類の菌を含むプロバイオティクスを飲むグループと、見た目が同じ偽薬を飲むグループに無作為に分けて、24週間くらべた研究です。研究の後半では、おなかの感染症(胃腸炎など)が偽薬より少ない傾向が見られましたが、効果が出るまでに8週間ほどかかりました。一方、呼吸器の感染(かぜなど)には差が見られませんでした。

2026 · ランダム化比較試験(RCT)ランダム化比較試験

プロバイオティクスは子どものくり返す呼吸器感染を減らし、腸内細菌と免疫を整える:ランダム化比較試験

かぜなどの呼吸器感染をくり返す子ども120人を、2種類の菌を含むプロバイオティクスを飲むグループと、見た目が同じ偽薬を飲むグループに無作為に分けて、180日間くらべた研究です。プロバイオティクスのグループでは、発熱やせき、上気道感染、気管支炎、肺炎などの回数や続いた日数が、偽薬よりも少なかったと報告されています。身長や体重の伸びは両グループとも正常で、治療に関係する副作用は報告されませんでした。

2026 · クラスターランダム化比較試験ランダム化比較試験

夫婦を対象にした母乳育児の推進・支援が子どもの病気を減らすか:エチオピア中部のクラスターランダム化比較試験

エチオピア中部で、夫婦408組を介入群と対照群にランダムに分け、母乳育児の教育・支援が子どもの病気の頻度に与える影響を調べた試験です。介入群では父親と母親の両方が母乳育児の教育と支援を受けました。生後6か月までの追跡で、介入群の子どもは下痢・発熱・呼吸器の病気の発生が少ない傾向がみられました。

2026 · ランダム化二重盲検プラセボ対照試験(RCT)ランダム化比較試験

子どもの機能性便秘に対するバチルス芽胞プロバイオティクス(ランダム化二重盲検プラセボ対照試験)

ベトナムの便秘がある未就学児(2〜5歳)111人を対象に、バチルス芽胞のプロバイオティクスとプラセボ(偽薬)を28日間比べたランダム化試験です。プロバイオティクスをとった2グループでは、プラセボに比べて便秘の子の割合が大きく減る傾向が示されました。あわせて、腸内細菌の構成や一部の免疫の指標にも変化がみられたと報告しています。

2025 · クラスター・ランダム化比較試験(二重盲検)ランダム化比較試験

亜鉛を強化した小麦粉が、パキスタン農村の子どもと思春期の女子の成長・病気に与える効果(クラスター・ランダム化比較試験)

パキスタンの農村で、亜鉛を多く含むように育てた小麦の粉を25週間食べてもらい、ふつうの小麦粉と比べた二重盲検の試験です。思春期の女子では身長や体重に差はみられませんでした。幼い子どもでは頭囲がわずかに大きくなりましたが、ほかの成長の指標には差がありませんでした。試験の終盤に呼吸器感染症がやや少ない時期もありましたが、下痢への効果は確認されませんでした。

2025 · ランダム化比較試験(非盲検)ランダム化比較試験

乳児の急性呼吸器感染症と下痢を減らすための予防的な間欠的亜鉛補充(ランダム化比較試験)

インド東部の病院で、予防接種に来た乳児320人を、亜鉛を間欠的に補うグループと補わないグループに分けて比べた試験です。亜鉛のグループでは、1年あたりの呼吸器感染症と下痢の回数が少なく、身長・体重の伸びも大きい傾向がみられました。予防接種に合わせて亜鉛を加えるという、手軽な方法が乳児の感染症を減らす可能性が示されました。

2025 · ランダム化比較試験(RCT)ランダム化比較試験

生後6か月〜5歳の子どもの上気道感染(かぜ)に対するL. plantarumとP. acidilacticiのプロバイオティクス:ランダム化二重盲検試験

生後6か月から5歳で、専門医がのどの炎症をともなうかぜ(多くはウイルス性)と診断した子ども75人を、プロバイオティクスを飲むグループと、見た目が同じ偽薬を飲むグループに無作為に分けて15日間くらべた研究です。プロバイオティクスのグループでは、熱が出ていた日数が平均で約1.1日、痛みや不快感のあった日数が約0.7日短くなったと報告されています。重い副作用の違いは見られませんでした。

2006 · ランダム化比較試験(二重盲検)ランダム化比較試験

プレバイオティクス(オリゴ糖)と、乳児のアトピー性皮膚炎の予防(ランダム化比較試験)

アレルギー体質になりやすい家系の赤ちゃん(ミルク栄養)を対象に、腸内細菌のえさになる「プレバイオティクス(オリゴ糖)」を加えたミルクと、加えないミルク(偽薬)にランダムに分け、生後6か月までのアトピー性皮膚炎の発症を比べた研究です。オリゴ糖を加えたグループは、発症が9.8%と、加えないグループの23.1%より少なくなりました。腸内環境を整えることが、アレルギーの予防に役立つ可能性を示しています。

2026 · ランダム化比較試験(探索的・小規模)ランダム化比較試験

離乳期のビフィズス菌(B. infantis M-63)と、おなかの調子(ランダム化比較試験)

離乳の時期は腸内細菌が大きく変化し、便通が乱れたり感染しやすくなったりします。生後5か月〜3歳未満の健康な子ども100人を、ビフィズス菌(B. longum infantis M-63)をとるグループと偽薬のグループにランダムに分け、8週間、おなかの調子を比べた研究です。ビフィズス菌をとったグループは、正常な便の日数が多く、下痢が少ない傾向がありました。とくに母乳の子ではビフィズス菌が増えていました。

2025 · ランダム化比較試験(二次解析)ランダム化比較試験

離乳期に毎日卵を食べると、食物アレルギーの感作が減るかもしれない(南アフリカの乳児を対象としたランダム化比較試験)

生後6〜9か月の乳児500人を、毎日1個の卵を6か月間食べるグループと食べないグループにランダムに分けて、食物アレルギーのなりやすさ(感作)を比べた研究です。卵そのものへの感作は両グループでほとんど差がありませんでしたが、いくつかの代表的な食物への感作をまとめると、卵を食べたグループのほうが少ない傾向(7.5%対12.9%)がみられました。離乳期に卵を取り入れることが、食物アレルギーの予防に役立つ可能性を示しています。

2023 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

離乳期にカシューナッツのペーストを取り入れることの安全性と実行可能性(ランダム化比較試験)

ピーナッツは早めに少しずつ与えるとアレルギー予防に役立つとされますが、木の実(ナッツ類)については試験が少ない状況でした。この研究では、生後6〜8か月の乳児を、カシューナッツのペーストを定期的に与えるグループと、とくに指示しないグループにランダムに分けて、安全に進められるかを調べました。週3回・小さじ1杯ほどを与える方法は無理なく続けられ、重いアレルギー反応も起きませんでした。逆に与えなかったグループの子に1歳時点でカシューアレルギーがみられました。

2026 · 出生コホート研究コホート研究

妊娠中の母親の睡眠障害と、その後の子どものアレルギー疾患のリスク:東北メディカル・メガバンク三世代コホート

日本の三世代コホート(約1万1千組の母子)で、妊娠中の母親の睡眠の問題と、子どものアレルギー疾患との関連を調べた研究です。妊娠中に不眠など睡眠の問題があった母親の子どもでは、5歳までのアトピー性皮膚炎や、アレルギー性鼻炎・結膜炎・花粉症の発症がやや多い傾向がみられました。さまざまな背景要因を調整しても、この関連は残りました。

2026 · 出生コホートを用いた自然実験コホート研究

帝王切開での抗菌薬を使う時間と、子どものぜんそく・湿疹・鼻炎のリスク(自然実験)

帝王切開のときに母親へ抗菌薬を投与する時間(赤ちゃんを取り出す前か、へその緒を切った後か)の違いで、子どもの5歳時点のぜんそく・湿疹・アレルギー性鼻炎に差が出るかを、英国の出生コホート約3,000人で調べた研究です。投与の時間による差はみられず、出産前に抗菌薬を受けた群でこれらのアレルギーのリスクが高まる証拠はありませんでした。

2026 · コホート研究(後ろ向き出生コホート・媒介分析)コホート研究

繰り返す喘鳴は、乳児期の経験と子どものぜんそくをつなぐ中間段階か:イタリアの小児プライマリケア・コホートでの分析

イタリアの診療記録をもとに、12万人あまりの子どもを5年以上追いかけた研究です。生後1年以内に細気管支炎にかかったり抗菌薬を使ったりした子は、後にぜんそくと診断されやすい傾向がみられました。その関連の多くは、1〜4歳の間に喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)を繰り返すという段階を通して説明できる、と報告しています。

2026 · コホート研究(前向き観察)コホート研究

母乳育児は、腸内細菌を通じて家庭環境による健康差をやわらげるかもしれない

カナダの出生コホート(約2,752組)とデンマークのコホートで、家庭の経済状況・母乳育児・赤ちゃんの腸内細菌と子どもの健康との関係を調べた観察研究です。母乳育児を受けた赤ちゃんは腸内細菌が安定しやすく、とくにビフィズス菌の一種が育ち、経済的に不利な家庭でも健康面の不利がやわらぐことと関連していました。

2026 · 出生コホート研究コホート研究

母親のBMIや赤ちゃんの発育と、3歳までのアトピー性皮膚炎

北欧の一般集団を対象としたコホート(約2,100組の母子)で、妊娠前の母親のBMIや赤ちゃんの出生時の体格・胎児の発育が、3歳までのアトピー性皮膚炎と関係するかを調べた研究です。妊娠前のBMIが高いほど、また出生時の身長が長いほど、子どものアトピー性皮膚炎がやや多い傾向がみられました。一方、出生体重や胸囲・腹囲などとの関連はみられませんでした。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

出産時の母体のビタミンD値と、思春期早期のアレルギー(KLOTHO出生コホート)

出産時の母親と新生児の血中ビタミンD値を測り、その子どもが思春期(早期)になったときのぜんそく・アレルギー性鼻炎・湿疹との関連を調べた前向きコホート研究です。解析できた約100人の範囲では、母親のビタミンD値とアレルギー性鼻炎などのいずれにも、はっきりした関連はみられませんでした。人数が少ないため、結論は慎重に受け止める必要があります。

2026 · 出生コホート研究コホート研究

妊娠中の過度な体重増加と、子どものぜんそく・鼻炎・アレルギー感作のリスク(ポルトガルの出生コホート)

約7,300組の母子を追ったポルトガルの出生コホートで、妊娠中の体重増加や妊娠前のBMIが、子どものぜんそく・鼻炎・湿疹・アレルギー感作とどう関係するかを調べた研究です。妊娠中の体重増加が多い母親の子どもでは、鼻炎やぜんそく、アレルギー感作のリスクがやや高い傾向がみられました。一方、母親の過体重・肥満は湿疹のリスクの低さと関連するなど、病気によって向きが異なりました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠初期・中期の母親のビタミンDと、生まれてから6歳までの子どもの成長の関連(中国のコホート研究)

中国の母子1,100組を追い、妊娠初期・中期の母親の血中ビタミンD濃度と、生まれてから6歳までの子どもの身長・体重の伸び方の関連を調べた研究です。母親のビタミンDが低い場合だけでなく高い場合にも、子どもの成長が不安定になりやすい傾向がみられ、関連は単純な右肩上がりではなく、ほどよい範囲があることが示唆されました。関連の出方は男女で異なりました。

2026 · コホート研究(後ろ向き)コホート研究

乳幼児期のライノウイルス・RSウイルス感染と子どものぜんそくの関連:中国・蘇州でのコホート研究

中国の小児病院で、急性の呼吸器感染症で入院し、ウイルス検査を受けた約2,600人の子どもを追った研究です。乳幼児期にライノウイルス(HRV)に感染した子は、その後ぜんそくと診断されやすい傾向がみられました。とくに13〜24か月での入院で関連が目立ち、RSウイルス単独では関連がはっきりしませんでした。

2026 · コホート研究(追跡観察)コホート研究

母乳育児はその後の食べ方とどう関わるか:CoAlHaS研究

スペインの子ども574人を生まれたときから追いかけ、生後1年間の授乳のしかたと、4歳・6歳のときの食事の質との関連を調べた研究です。生後6か月までの完全母乳は、6歳時点でも超加工食品(スナックや甘い加工品など)を多く食べる割合の低さと関連していました。小さいころの食べ方が、その後の食習慣の土台になりうることを示しています。

2025 · 前向きコホート研究コホート研究

生後1年以内にピーナッツを始めた赤ちゃんでの、別タイプの反応(FPIES)の頻度

アレルギー予防のためにピーナッツを早めに始める赤ちゃんが増えるなか、まれにFPIESという別タイプの消化管の反応が起きることが心配されていました。オランダで生後4〜11か月にピーナッツを始めた赤ちゃんを追ったところ、初めて与えた706人のうちFPIESが疑われたのはわずか2人(0.3%)でした。発症した子の多くは3歳までにピーナッツを食べられるようになっており、著者は「この反応を理由に早期導入を避ける必要はない」と述べています。

2025 · 後ろ向きコホート研究(きょうだい比較を含む)コホート研究

母乳育児の期間と子どもの発達

イスラエルの全国的な乳幼児健診のデータを使い、約57万人の子どもについて、母乳をあげた期間と2〜3歳時点の発達との関連を調べた大規模な後ろ向きコホート研究です。家庭の状況などの条件をそろえて分析したところ、6か月以上母乳をあげた子は、それより短い子に比べて、言葉・社会性・運動の発達の節目の遅れが少ない傾向がみられました。同じ家庭のきょうだい同士で比べた分析でも、母乳が長い子の方が発達の遅れや神経発達の診断が少ない傾向がみられました。

2025 · 出生コホート研究コホート研究

母乳育児と6歳時点の発達の関連(フランスPELAGIE出生コホート)

フランスの出生コホートに参加した子ども286人を対象に、母乳で育てられたことと6歳時点の認知・発達の関連を調べた研究です。母親の知的能力や学歴、家庭環境などの影響を統計的に調整したうえで、4か月以上母乳で育てられた子どもは、言葉の理解に関する得点が高い傾向がみられました。注意や記憶に関する一部の検査でもよい結果との関連がみられましたが、関連がみられなかった項目もありました。

2025 · 前向きコホート研究(観察研究)コホート研究

栄養を超えて:母乳育児の期間と、5歳時点の発達との長期的な関連を調べた研究

ブルガリアで生まれた満期産の赤ちゃん92人を5歳まで追いかけた前向き観察研究です。授乳の期間や方法を保護者の回答で集め、5歳のときに発達を評価しました。母乳を6〜12か月続けたグループは、6か月未満のグループより行動面の発達が良い傾向が見られ、言葉の発達でもいくらか差がありました。ただしこの差は統計の方法によっては一貫して確認されず、慎重に解釈する必要があると著者も述べています。

2025 · コホート研究(観察研究)コホート研究

妊娠中のインフルエンザ・百日咳ワクチン接種後の新生児・乳児の死亡:データを連結したコホート研究

オーストラリアの3地域で、母親と赤ちゃんの記録を連結し、妊娠中のインフルエンザ・百日咳ワクチンと、生後1年以内の死亡との関係を調べた観察研究です。約28万人の赤ちゃんを分析したところ、ワクチンを接種した母親から生まれた赤ちゃんで死亡が多くなる証拠は見られませんでした。むしろ、とくに生後7日以内の死亡が少なくなる方向の関連が見られたと報告しています。

2023 · 縦断的観察研究(コホート研究)コホート研究

母乳育児の期間や母乳だけで育てることと、幼児期の認知能力との関連を調べた研究

カナダの2210家族の子どもを4歳から7歳まで追いかけ、記憶の範囲や算数の力を標準的な課題で測った観察研究です。家庭の背景による偏りを統計的に調整したうえで、母乳だけで育てた子どもとミルクで育てた子どもを比べました。算数の力や記憶の範囲に、はっきりした差は見られませんでした。一方で、母乳を混合で平均6.8か月続けた子どもは、母乳を一度も飲まなかった子どもより記憶の範囲がわずかに高く、その差は7歳まで続きました。

2016 · 前向きコホート研究(追跡研究)コホート研究

とても早く生まれた赤ちゃんの母乳と、脳の発達・7歳時の発達

妊娠30週未満などでとても早く生まれた赤ちゃん180人を対象に、生後28日間にどれだけ母乳を多く飲んだかと、その後の脳や発達との関連を7歳まで追って調べた研究です。母乳を多く飲んだ日が多い子ほど、生まれた頃の脳の一部(深部の灰白質)の体積が大きく、7歳時のIQ・算数・記憶・運動の成績がやや良い関連がみられました。著者らは、新生児期に母乳を中心に与えることが発達に関わる可能性を示すとしています。

2015 · 前向き出生コホート研究コホート研究

母乳育児と30歳時点の知能・学歴・収入との関連:ブラジルの前向き出生コホート研究

母乳で育った期間と、30歳になったときの知能テストの点数・学歴・収入との関連を調べた研究です。母乳の期間が長い人ほどこれらの値が高い傾向がみられ、12か月以上母乳を受けた人は1か月未満だった人より知能テストの点数や収入が高い傾向がありました。母乳と社会階層の結びつきが弱い地域で行われた点が特徴ですが、観察研究のため因果関係を示すものではありません。

2013 · 前向きコホート研究コホート研究

乳児期の授乳と3歳・7歳時点の認知:母乳育児の期間と排他性の影響

アメリカで妊娠期から子どもを追跡したコホート研究で、母乳をあげた期間の長さと、3歳・7歳時点での言葉や知能の発達との関連を調べました。家庭環境や母親の知能などの条件をそろえて分析したところ、母乳の期間が長いほど、3歳時点の言葉の理解や7歳時点の知能の得点がわずかに高い傾向がみられました。一方で、記憶・学習の検査の得点とは関連がはっきりしませんでした。母親が授乳中に魚を多く食べていた場合に、一部の発達でより良い傾向が見られる可能性も示されました。

2012 · 観察コホート研究(2コホート)コホート研究

とても早く生まれた赤ちゃんの「母乳のパラドックス」(フランスの2つのコホート)

とても早く生まれた赤ちゃん(超早産児)2925人を対象に、退院時の母乳育児・入院中の体重増加・その後の発達の関係を、フランスの2つのコホートで調べた研究です。母乳で育てられた子は入院中の体重増加が少なくなりやすい一方で、2〜5歳時点の発達は良好な傾向がみられました。体重の増えが少なくても発達がよいというこの一見矛盾した結果を、著者は「見かけ上の母乳のパラドックス」と呼んでいます。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

中耳炎に関係する難聴と、環境・栄養・遺伝の要因(アラスカ先住民の子どもの研究)

アラスカの先住民の1〜4歳の子ども236人を対象に、家庭環境・栄養・遺伝が、中耳炎に関係する難聴とどう関わるかを調べた前向きの観察研究です。母乳をあげていた子どもは、中耳炎に関係する難聴が少ない傾向がみられました。一方、家庭に喫煙者がいることと中耳炎関連の難聴との間に、はっきりした悪い方向の関連はみられず、この集団ではむしろ難聴が少ない方向の数値も出ています。研究チームは、コロナ禍での実施など条件の影響もあり、結果は決定的ではないと述べています。

2026 · コホート研究(約120万人)コホート研究
訂正あり

植物中心の食事の家庭と雑食の家庭で、乳児の成長の経過を比べた研究

イスラエルの乳幼児健診のデータを使い、約120万人の赤ちゃんの身長・体重・頭囲の伸びを、家庭の食事(ヴィーガン・ベジタリアン・雑食)ごとに2歳まで追って比べた研究です。身長や成長の指標の差はどのグループでもごく小さく、低身長(発育の遅れ)の割合もほぼ同じでした。ただし生後まもない時期はヴィーガン家庭の赤ちゃんで体重が少なめの子がやや多く(オッズ比1.37)、この差は2歳までに見られなくなりました。著者らは、栄養環境の整った国では結果はおおむね安心できる内容だとしています。

2024 · 出生コホート研究コホート研究

農場の動物との接触と、子どもの呼吸器の病気・鼻の細胞の遺伝子のはたらき

アメリカ(ウィスコンシン)で、農家の家庭の子ども156人と農家でない家庭の子ども155人を2歳まで追い、農場や農場の動物と接することが呼吸器の病気と関係するかを調べた研究です。農家の子は呼吸器の病気がやや少ない傾向で、接した動物の種類が多いほど病気が少ない傾向もみられましたが、ほかの要因を考えると統計的にははっきりしませんでした。鼻の細胞の遺伝子のはたらきには、農場との接触に伴う特徴的なパターンがみられました。

2024 · 前向き追跡研究(縦断研究)コホート研究

幼少期からずっと猫を飼うことと、ぜんそく(プエルトリコの子ども・若者の追跡研究)

プエルトリコの子ども・若者384人を平均5年ほど追い、幼少期から学齢期までずっと猫または犬を飼っていることが、ぜんそくやアレルギー反応と関係するかを調べた研究です。家庭の収入や家族のアレルギー歴などを考慮しても、ずっと猫を飼っていた子はぜんそくが少ない傾向がみられました(オッズが約7割低い)。一方で、ずっと犬を飼っていることはぜんそくやアレルギー反応とはっきりした関連はありませんでした。

2023 · 出生コホート研究コホート研究

乳幼児期の動物との接触と、子どもの湿疹・ぜんそく・アレルギー性鼻結膜炎(デンマークの大規模出生コホート)

デンマークの子ども約8万4千人を13歳まで追って、乳幼児期に犬・猫・鳥などの動物と接することが、湿疹(アトピー性皮膚炎)・ぜんそく・アレルギー性鼻結膜炎と関係するかを調べた研究です。全体として関連は弱く、犬との接触はわずかに湿疹やぜんそくが少ない傾向、一方で生まれる前の家の中の鳥との接触はぜんそくがやや多い傾向がみられました。関連の強さは、動物の種類や接触のしかた、親にアレルギーがあるかどうか、接触の時期によって変わっていました。

2023 · 出生コホート研究(前向き観察研究)コホート研究

母乳育児はおしゃぶりの使用を減らすことで思春期の出っ歯(過大なオーバージェット)を防ぐ — 出生コホート研究

生まれてから12歳までを追った出生コホート研究で、母乳育児とおしゃぶりの使用が、思春期の歯のかみ合わせ(前歯が前に出る「オーバージェット」)とどう関係するかを調べました。母乳育児を続けた子では、オーバージェットが大きくなる割合が低い傾向が見られ、その関係の多くは「おしゃぶりの使用が少なくなること」を通じて説明できると分析されました。つまり、母乳育児はおしゃぶりの使用を減らすことを介して、歯のかみ合わせに良い方向と関連する可能性が示されています。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

授乳のしかたと乳児の成長のパターン(日本のエコチル調査)

日本のエコチル調査の乳児約3万4千人を対象に、生後6か月時点の授乳方法(母乳・ミルク・混合)ごとに、3歳までの身長・体重・BMIの推移を比べた研究です。母乳の赤ちゃんは生後3〜4か月までは大きめに育ち、その後はゆっくりになりました。ミルク・混合の赤ちゃんは初期はゆっくりで、その後に急に追いつく成長(キャッチアップ)がみられました。急な追いつき成長は将来の体格に関わるため、成長の見守りが大切とされています。

2024 · 前向きコホート研究コホート研究

1歳でのヨーグルトを食べる頻度と、3歳での発達(日本のエコチル調査)

1歳のときにヨーグルトを食べる頻度と、3歳時点の発達との関係を、日本のエコチル調査の約7万組で調べた研究です。週1〜4回ヨーグルトを食べていた子どもは、食べていなかった子どもに比べて、発達のすべての領域で遅れがみられる割合がやや低めでした。一方、週5回以上ではその関連ははっきりしませんでした。腸内環境を介した影響が考えられますが、確実なものではありません。

2023 · 前向きコホート研究コホート研究

乳児期の母乳と、3歳での便秘(日本のエコチル調査)

乳児期の授乳のしかたと、3歳時点の機能性便秘(病気ではない慢性的な便秘)との関係を、日本のエコチル調査の約7万人で調べた研究です。生後12か月まで7か月以上母乳を続けた子どもは、母乳期間が短い子に比べて、3歳での便秘がやや少ない傾向がありました。母乳が腸の働きに関わる可能性を示しています。

2022 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中の母親のビタミンD摂取と、赤ちゃんのアレルギー(日本のエコチル調査)

妊娠中の母親のビタミンD摂取量と、1歳時点の赤ちゃんのアレルギー(ぜんそく・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎)との関係を、日本のエコチル調査の母子約8万3千組で調べた研究です。母親のビタミンD摂取量は日本の推奨量より少なめでしたが、摂取量とアレルギーの発症との間に、一貫したはっきりした関連はみられませんでした。

2021 · コホート研究(20年追跡)コホート研究

乳児期の母乳と、その後の体格(茨城の子どもの20年追跡)

乳児期の授乳方法と、その後3〜22歳での体格との関係を、日本(茨城県)の子どもを20年追跡して調べた研究です。3歳の時点では、母乳で育った子どもはミルクの子どもより体重・過体重がやや少なめでした。しかし思春期以降では、授乳方法による体格の差ははっきりしなくなりました。母乳の体格への影響は、あっても幼児期までの小さなものと考えられます。

2026 · 前向きコホート研究(統計的推定)コホート研究

子ども時代の加糖飲料・果汁を控えると、思春期後半の代謝はどうなるか

アメリカの出生コホート(Project Viva)の約970人を対象に、子ども時代(3〜10歳)に加糖飲料や100%果汁を控えた場合、思春期後半のインスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)やおなかまわりの脂肪などがどう変わるかを統計的に推定しました。加糖飲料を週1回程度に減らすと、これらの代謝の指標が良くなる方向に働くと見積もられました。

2026 · 前向きコホート研究(多施設)コホート研究

妊娠中の魚由来オメガ3(n-3)と、乳幼児期の感染症(北欧3コホートの研究)

北欧3つの大規模コホート(合計約7.7万組以上)を使い、妊娠中のお母さんの魚由来オメガ3(n-3)の摂取量と、3歳までの子どもの感染症との関係を調べました。下気道(肺など)の感染とのはっきりした関連は見られず、上気道(のど・鼻)の感染や胃腸炎ではごくわずかな減少が見られた程度でした。全体として、感染を防ぐ明確な効果は確認されませんでした。

2026 · 出生コホート研究コホート研究

住まい周辺の緑の多さと、子どものアトピー性皮膚炎(日本の出生コホート)

日本の出生コホート(東北メディカル・メガバンク)で、住まいの周辺の緑(緑地)の多さと、子どものアトピー性皮膚炎(湿疹)との関係を調べました。幼い時期に緑の多い環境で過ごした子どもは、アトピー性皮膚炎になるリスクが低い傾向が見られました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠期と乳児期の食事の「多様さ」と、子どもの発達の関係(前向きコホート研究)

中国・武漢の母子2773組を対象に、妊娠中の母親と、生後12・24か月の乳児の食事の「多様さ(いろいろな食品を食べているか)」が、2歳時点の発達と関係するかを調べた研究です。母親や乳児の食事が多様なほど、子どもの精神・運動の発達の指標が高く、認知の発達の遅れが少ない傾向がみられました。とくに全粒穀物・赤身肉・野菜・果物はよい方向と、甘いものは逆方向と関連していました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

授乳中のお母さんの過度な食事制限と、赤ちゃんの成長・発達(中国の前向きコホート)

食物アレルギーのある赤ちゃんを母乳で育てる場合、お母さんが原因になりそうな食品を控えることがよくあります。中国・重慶で、母親の食事制限の程度と、赤ちゃんの1歳時点の成長・発達との関係を調べた研究です。多くの種類(5種類以上)を控えていた母親の赤ちゃんは、身長の伸びが劣り、社会性・情緒の面でも気がかりが多めでした。過度な制限はかえって望ましくない可能性を示しています。

2025 · 全国出生コホート研究コホート研究

きょうだいの生まれ順と子どものアレルギー(日本の全国出生コホート)

日本で2010年に生まれた赤ちゃんの全国調査データを使い、きょうだいの生まれ順(第1子か、下の子か)と、ぜんそく・食物アレルギー・アトピー性皮膚炎との関係を9歳まで調べた研究です。生まれ順が後の子(上にきょうだいがいる子)ほど、食物アレルギーは一貫して少なくなりました。ぜんそくは乳児期には多めでも学童期には少なくなり、アトピー性皮膚炎は乳児期に多めという、病気ごと・年齢ごとに異なる関係がみられました。

2025 · コホート研究コホート研究

赤ちゃんの疝痛(コリック)・激しい泣きと、その後のアレルギー(アトピー)

赤ちゃんの疝痛(コリック:原因がはっきりしないのに激しく泣くこと)や過度の泣きと、その後の子ども・思春期のアレルギー(アトピー)との関係を調べた研究です。なだめにくい泣きや、おなかの不快を伴うような泣きは、その後のアレルギー体質(アトピー)になりやすさの早期のサインである可能性が示されました。

2025 · 縦断研究(出生コホート)コホート研究

母乳を6か月以上もらった子と、まったくもらわなかった子の、神経・認知の発達のちがい

イギリスの大規模な長期研究(ALSPAC)のデータで、母乳を6か月以上もらった子と、まったくもらわなかった子について、乳児期から思春期までの神経・認知の発達(373項目)を比べました。社会的・経済的な背景などを調整しても、母乳を6か月以上もらった子で、いくつかの神経・認知の指標が良好でした。

2024 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中の魚・オメガ3(n-3)の摂取と、3歳までの子どものアレルギー(エコチル調査)

日本の「エコチル調査」の約72,000組の親子を対象に、妊娠中のお母さんの魚やオメガ3系脂肪酸(n-3)の摂取量と、3歳までの子どものアレルギーとの関係を調べました。魚やオメガ3をよく摂っていたお母さんの子どもで、医師に診断されたアレルギー性の鼻炎・結膜炎などが少ない傾向(逆の関連)が見られました。

2023 · 出生コホート研究コホート研究

生まれた季節と、乳児期早期のアトピー性皮膚炎(エコチル調査)

日本の「エコチル調査」の大規模データで、生まれた季節と、乳児期早期のアトピー性皮膚炎(湿疹)との関係を調べました。秋に生まれた赤ちゃんで湿疹が多い傾向が、生後6か月という早い時期から見られました。乾燥する季節に肌が育つことなどが関わる可能性があります。

2023 · 観察研究(縦断)コホート研究

子どものビタミンDと、身長の伸び・骨の状態

子どものビタミンDの状態が、身長の伸びる速さ(成長速度)や骨の量(骨密度)とどう関わるかを調べた研究です。十分なビタミンDの値を保つことと、健康的な体重を保つことが、身長の伸びと骨の健康にとって大切であることが示されました。

2023 · 全国コホート(縦断調査)コホート研究

乳児期の授乳方法と、身長がいちばん伸びる時期(思春期)の関係(日本の全国調査)

日本の全国的な調査データ(子ども約1万3千人)で、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)と、思春期に身長がいちばん伸びる時期(成長スパートの年齢)との関係を調べた研究です。母乳で育った子どもは、ミルクで育った子どもよりも、身長がいちばん伸びる時期がやや遅い傾向がありました。母乳の期間が長いほど、その時期が遅くなる関係もみられました。

2023 · コホート研究コホート研究

離乳食の進め方と食物アレルギーのなりやすさ(フランス・ELFEコホート)

フランスの全国コホート(子ども6662人)で、離乳食の進め方と、その後(1〜5歳半)の食物アレルギーやぜんそくなどとの関係を調べた研究です。離乳の開始が遅い(生後6か月より後)ことや、卵・魚・小麦・乳製品といった主要なアレルゲンを10か月までに取り入れていないことは、食物アレルギーのなりやすさと関連していました。主要な食品を遅らせずに少しずつ取り入れていくことが、予防の観点で支持される結果です。

2021 · 前向きコホート研究(きょうだいペア解析)コホート研究

母乳育児と赤ちゃんの発達(きょうだい比較を使った日本のエコチル調査)

日本の大規模調査「エコチル調査」の子ども約7万7千人を対象に、母乳育児と1歳までの発達の関係を調べた研究です。生後12か月まで母乳を続けた子どもは、1歳時点で発達の遅れがみられる割合がやや低い傾向がありました。家庭環境などの影響を減らすため、同じ家庭の「きょうだい同士」を比べる方法でも、同じ向きの関連が残りました。

2021 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中のお母さんの魚の摂取と、赤ちゃんの睡眠時間(エコチル調査)

日本の「エコチル調査」の約8.7万組の親子を対象に、妊娠中のお母さんの魚の摂取量と、1歳の赤ちゃんの睡眠時間との関係を調べました。魚をよく食べていたお母さんの子どもほど、1歳で睡眠が11時間未満と短くなりにくい傾向が見られました。魚に含まれるオメガ3が、赤ちゃんの神経の発達を通じて睡眠に関わる可能性が示唆されています。

2020 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中の魚・オメガ3の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)

日本の「エコチル調査」の大規模データで、妊娠中のお母さんの魚やオメガ3系脂肪酸(PUFA)の摂取と、生後6か月・1歳の子どもの神経発達との関係を調べました。妊娠中に魚をよく食べていたお母さんの子どもでは、体を動かす発達(精神運動発達)の一部の領域で良好な傾向が見られ、その一部は魚に含まれるオメガ3で説明できる可能性が示されました。

2020 · 前向き出生コホート研究コホート研究

早い時期からの粉ミルクと、牛乳アレルギーの少なさ(エコチル調査)

日本の「エコチル調査」の大規模データで、粉ミルク(牛乳由来)を与え始めた時期と、1歳時点の牛乳アレルギーとの関係を調べました。生後3か月以降に定期的に粉ミルクを与えていた子どもでは、1歳での牛乳アレルギーが少ない傾向が見られました。ごく早い時期に短期間だけ与えた影響は、その後消える可能性も示唆されています。

2019 · 出生コホート研究コホート研究

妊娠中のお母さんの発酵食品の摂取と、赤ちゃんの睡眠時間(エコチル調査)

日本の「エコチル調査」の約7.3万組の親子を対象に、妊娠中のお母さんの発酵食品(みそなど)の摂取と、1歳の赤ちゃんの睡眠時間との関係を調べました。妊娠中に発酵食品、特にみそをよく摂っていたお母さんの子どもほど、1歳で睡眠が11時間未満と短くなりにくい傾向が見られました。腸内細菌と体内時計の関わりが背景にあると考えられています。

2018 · 縦断研究(コホート)コホート研究

好き嫌い(偏食)の子どもの成長と体つき(長期的に見た研究)

好き嫌い(偏食、ピッキーイーティング)のある子どもの成長と体つきが、その後どうなるかを長期的に追って調べた研究です。偏食のある子どもの成長の経過は、全体としては心配のいらないものでした。ただし、一部の子はやせ気味になることがあり、早めに気づいて見守ることが大切だと示されました。

2017 · 前向き出生コホート研究コホート研究

受動喫煙と、幼児期のゼーゼー(喘鳴)のリスク(前向き出生コホート)

妊娠中からの喫煙・受動喫煙への曝露と、幼児期のゼーゼーする症状(喘鳴)との関係を、生まれる前から追った前向き出生コホート研究です。妊娠中ずっと続いた母親の喫煙は、子どもの喘鳴のリスクの高まりと関連していました。妊娠中(出生前)と生まれた後の両方の煙への曝露が、リスクを上乗せする可能性も示されました。

2017 · 出生コホート研究コホート研究

アレルゲン食品を遅く始めても食物アレルギーは少なかった(シンガポールのGUSTOコホート)

シンガポールの多民族の出生コホート(GUSTO、1152組)で、卵・ピーナッツ・甲殻類などのアレルゲン食品を始めた時期と、食物アレルギーの関係を調べました。多くの子が生後10か月以降と遅めに始めていましたが、12〜48か月の食物アレルギーの頻度は非常に低く(卵0.35〜1.8%など)、始めた時期とアレルギー発症との間に明確な関連は見られませんでした。

2014 · 縦断研究(全国調査)コホート研究

母乳育児は子どものBMI・肥満に影響するか(中国の全国調査)

中国の全国的な追跡調査(China Family Panel Studies)の7967人の子どもを対象に、母乳の期間と子どものBMI・肥満との関係を調べました。さまざまな分け方で検討したところ、母乳の期間が長いほど、BMIが中〜低めの子ではむしろBMIが高い傾向が見られました。著者らは、肥満対策として母乳育児を一律に推奨することには慎重であるべきだと結論づけています。

2026 · 後ろ向きコホート研究コホート研究

生まれたときの大きさ・乳児期の急な体重増加と、5歳までの太りすぎとの関係(パレスチナ難民の大規模研究)

生まれたときの大きさや、乳児期に体重が急に増えることが、その後の太りすぎ・肥満とどう関わるかを、約39万人の子どものデータで調べました。生後1年で体重が急に増えた子は、5歳までに太りすぎ・肥満になりやすい傾向が見られました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

母乳育児・子どものBMI・思春期の始まりの関係(前向きコホート研究)

母乳で育てた期間と、子どもの体格(BMI)や思春期が始まる時期との関係を、613人の子どもの身長の伸び方を追って調べました。母乳の期間が長いことは思春期が遅めに始まることと関連し、その関係に思春期前のBMIが関わっている可能性が検討されました。思春期が早く始まることは、将来の体の健康のリスク要因とされています。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中の大豆イソフラボンの摂取と、子どもの食物アレルギーとの関係(エコチル調査)

大豆に含まれるイソフラボンの妊娠中の摂取と、子どもの食物アレルギーとの関係を、日本のエコチル調査の約8万6千組の親子で調べました。イソフラボンの摂取量を4段階に分けて比べ、食物アレルギーとの関連を検討しています。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

幼児期の体重増加と、8歳での肝臓の値(ALT)との関係(エコチル調査)

幼児期のどの時期の体重増加が、後の肝臓の健康に関わるのかを、日本のエコチル調査の1322人の子どもで調べました。出生から8歳まで体格をくり返し測り、8歳のときの肝臓の値(ALT)との関係を検討したところ、特に3〜5歳ごろの体重の増えすぎが、8歳でのALTの高さと関連していました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

幼児期の食べ方のパターンと、その後の食事の質との関係(オランダのコホート)

オランダの出生コホート研究で、2552人の子どもの生後7か月から3歳までの食べ方のパターンと、10〜11歳のときの食事の質との関係を調べました。幼いころに果物・野菜などをよく食べるパターンの子は、10〜11歳でも同じような食品をよく食べる傾向があり、幼児期の食習慣がその後にもつながる可能性が示されました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

母乳育児と1歳児の睡眠時間:日本の大規模出生コホート(エコチル調査)

日本の大規模な出生コホート(エコチル調査)で、生後6か月までの授乳のしかたと、1歳のときの睡眠時間との関係を調べました。約8万3千組の親子のデータを分析したところ、最初の6か月に母乳で育てられた赤ちゃんは、ミルクだけで育った赤ちゃんに比べて、1歳のときに睡眠時間が短くなりにくい傾向がありました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

子どものころの超加工食品と、若い大人になってからの体重との関係(17年間の追跡)

イギリスの長期コホート研究で、3061人を7歳から24歳まで17年間追いかけ、子どものころの超加工食品(インスタント食品やスナックなど加工度の高い食品)の摂取と、大人になってからの体型との関係を調べました。7歳のときに食事に占める超加工食品の割合が高いほど、24歳でのBMIがやや高くなる傾向が見られました。

2025 · 前向きコホート研究コホート研究

チーズ・ヨーグルトの摂取と、幼児の睡眠時間との関係(6か月間の追跡)

チーズやヨーグルトを食べる頻度と、幼児(保育園・幼稚園年齢)の睡眠時間との関係を、221人の子どもで6か月間追って調べました。ヨーグルトと睡眠には関連が見られませんでしたが、チーズをよく食べる子(週7回以上)は、睡眠が足りない割合が低い傾向が見られました。

2026 · 準実験研究(ランダム化なしの比較)観察研究

保育園で野菜にふれる機会を増やす取り組み「Yes to Veg!」の評価(準実験研究)

スコットランドの恵まれない地域の保育園11園で、週1回新鮮な野菜を活動に取り入れる4週間の取り組み「Yes to Veg!」を、何もしない園と比べた準実験研究です。子どもが試した野菜の種類や食べる量は、取り組みをした園としない園で大きな差は見られませんでした。一方で、家で野菜の話をしたり家でも食べてみようとする様子が増えるなど、野菜への関心や親しみは高まったと報告されています。

2026 · 前後比較(対照群なし)観察研究

保護者へのコリック対応の指導が、赤ちゃんのコリックの程度と泣く時間に与える影響

コリックと診断された新生児の保護者60人に、コリックへの対応のしかたを1回の講習で伝え、その前後で赤ちゃんの様子を比べた研究です。指導のあと、赤ちゃんのコリックの程度と泣く時間は減っていました。あやし方や抱き方を含む対応を保護者が学ぶことが、赤ちゃんの泣きをやわらげる助けになる可能性を示しています。

2026 · 症例報告観察研究

一卵性双生児で見た指しゃぶりの歯への影響:症例報告

遺伝も生活環境もほぼ同じ一卵性双生児のうち、一方だけに指しゃぶりの癖がある事例を比べた報告です。指しゃぶりを続けた子では、前歯のかみ合わせが開く(開咬)、上の前歯が前に出る、上あごの幅が狭いといった違いがみられました。遺伝の影響をそろえて比べているため、指しゃぶりそのものが歯並びに影響しうることを示す事例です。

2026 · 準実験的研究(前後比較)観察研究

コリックの赤ちゃんを持つ母親への教育プログラムの効果(準実験的研究)

コリックのある赤ちゃんを持つ母親84人に、産後の教育プログラム(2回の個別セッション)を行い、ストレスや受診回数の変化を調べた研究です。母親のストレスそのものは大きくは下がりませんでしたが、過度の泣きを理由にした医療機関の受診は減りました。コリックへの対応を学ぶ支援が、保護者の不必要な受診をへらす助けになる可能性を示しています。

2026 · 横断調査(製品表示の監査)観察研究

不健康なスタート:タイで売られる乳幼児向け市販食品の栄養・加工度・パッケージの宣伝文句

タイで売られている乳幼児向けの市販食品216製品を調べた横断調査です。多くが超加工食品で、約4割に砂糖が加えられていました。一方でパッケージには栄養に関する宣伝(96.8%)や健康に関する宣伝(58.8%)が多く見られ、栄養の中身が乏しい製品でも宣伝が目立つことが示されました。著者らは、誤解を招く宣伝への対策が急務だと述べています。

2026 · 横断的な観察研究(小規模)観察研究

生後6か月と14か月の、赤ちゃんの気質・母乳育児・睡眠の関係

母乳育児や赤ちゃんの生まれ持った気質、妊娠中の母親のストレスが、乳児の睡眠とどう関わるかを調べた小規模な研究です。妊娠中の母親のストレス(ホルモン)が高いほど、生後6か月の睡眠時間が短い傾向がみられました。一方、生後6か月で母乳の回数が多いほど睡眠の質はやや低めという関連がありましたが、母乳と気質の組み合わせによる明確な効果は確認されませんでした。

2026 · 横断研究観察研究

韓国の学童における食物アレルギーの実態と、関連する要因(離乳食の開始時期など)

韓国の小・中学生約1万2千人を対象に、食物アレルギーの広がりやきっかけとなる食品、関連する要因を全国規模で調べた調査です。離乳食(補完食)の開始が生後7か月以降と遅かったことや、母乳のみの期間が長かったこと、アトピー性皮膚炎などが、食物アレルギーと関連していました。原因の特定ではなく、関連を示した横断的な調査です。

2025 · 遺伝子×環境の相互作用研究(大規模データの分析)観察研究

母乳とIQに遺伝子型(FADS2)は関わらない? 大規模データでの再検証

「母乳とIQの関連は脂肪酸代謝の遺伝子(FADS2)の型で変わる」という2007年の有名な報告を、約33万人という非常に大きなデータ(UKバイオバンク)で検証し直した研究です。さまざまな認知テストなどで調べた結果、遺伝子型と母乳の組み合わせによる影響(相互作用)はみられませんでした。著者らは、以前の陽性の報告は集団構造の偏りなどによる見かけ上のものだった可能性が高いとしています。

2025 · 横断調査(アンケート)観察研究

コリックに関する母親の知識と対応の実態(パレスチナ):教育と啓発の必要性

コリックと診断された赤ちゃんを持つ母親450人に、コリックの知識と家庭での対応を聞き取った調査です。母親がよく行う対応は、マッサージ、おくるみ(くるんで包む)、ハーブなどで、抱き方やあやし方を含む身近な手当てが広く使われていました。一方で専門家に相談する母親は少なく、知識のばらつきも大きいことが分かりました。

2025 · 横断研究(コホート内)観察研究

完全母乳は、母親の学歴と子どもの発達の関連を和らげる(ブラジルの横断研究)

ブラジルで生後12か月の乳児269人を対象に、母親の学歴・完全母乳・子どもの発達の関係を、ある一時点で調べた研究です。母親の学歴が高いほど、また生後6か月まで完全母乳だった子どもほど、発達の得点(認知・言葉など)が高い傾向がみられました。さらに、学歴が低い母親の子どもでも、完全母乳だった場合は発達への不利が和らぐ可能性が示されました。

2025 · 横断研究(観察研究、二次解析)観察研究

母乳育児の期間や母乳だけで育てることと、3〜5歳の子どもの言葉の発達の目安との関連(米国の全国調査)

アメリカの全国規模の子どもの健康調査(2022〜2023年、約2万3千人)のデータを使い、授乳のしかたと3〜5歳の言葉の発達の目安16項目との関連を調べた横断研究です。授乳を「一度もしていない」を基準に4つのグループに分けて比べました。6か月まで母乳を続けたグループ(混合・完全母乳のどちらも)は、就学準備に関わる項目を含む多くの言葉の指標で良い方向の関連が見られました。

2025 · メンデルランダム化(因果推論)研究観察研究

母乳育児は子どもの健康に因果的な影響があるか(遺伝情報を使った因果推論)

母乳育児と子どもの健康の関係を、遺伝情報を手がかりに因果関係を推定する「メンデルランダム化」という手法で調べた研究です。この方法では、母乳育児と知能や情緒・社会性などの心の発達との間に、はっきりした因果関係は見つかりませんでした。一方で、母乳育児が子どものぜんそくのリスクを下げる方向の関連は示されました。身長や肥満などほかの体の健康では明確な因果関係はみられませんでした。

2025 · 予備的研究(単一群・対照なし)観察研究

乳児の疝痛(コリック)に対する、シメチコンと加熱処理した Bacillus coagulans の混合剤の効果:予備的研究

疝痛(コリック)の赤ちゃん41人に、シメチコンと加熱処理した菌(Bacillus coagulans)の混合剤を28日間与えた予備的な研究です。89%の赤ちゃんで泣く時間が半分以上に減り、睡眠や保護者の生活の質も改善したと報告されています。ただし比較する対照群がない小規模な研究のため、効果を確認するにはさらなる検証が必要です。

2021 · 観察研究(横断的なアンケート調査)観察研究

スウェーデンの乳児の睡眠習慣調査:添い寝が増え、母乳育児と関連していた

2018年に西スウェーデンで生まれた赤ちゃんの親に、生後3か月と6か月での寝る場所や姿勢を尋ねた大規模なアンケート調査です。生後6か月で大人と同じ寝床で寝る添い寝をしている割合は33%で、2003〜2004年の20%より増えていました。また、添い寝をしている家庭ほど母乳育児をしている割合が高い傾向がありました。ただし著者自身も、この関連が因果関係とは限らないと述べています。

2021 · 後ろ向き横断研究(診療記録の調査)観察研究

小児クリニックを受診した指しゃぶりの子ども82人を調べた研究(スリランカ)

指しゃぶりで小児クリニックを受診した子ども82人の記録を振り返り、年齢や受診理由、家庭で試した対処法を調べた研究です。受診した子どもの多くは3歳未満で、生まれてからずっと癖が続いているケースが多く見られました。受診のいちばん多い理由は「将来の歯並びが心配」というもので、家庭では苦い液を塗る・おしゃぶりに替えるなどを試したものの、やめさせるのに成功した家庭はほとんどありませんでした。受診した子どもには、永久歯が生える前に癖は自然になくなることが多いと説明され、安心を促したと報告しています。

2019 · 観察研究(時期で分けた群を比べた介入研究)観察研究

睡眠の安全教育と段ボール製ベビーベッドの配布が、新生児の添い寝に与えた効果

アメリカの病院で、退院前に安全な睡眠についての教育を行い、さらに段ボール製の簡易ベビーベッドを配った母親と、それらを受けなかった母親で、生後1週間の添い寝の割合を比べた研究です。教育とベビーベッドを受けたグループのほうが添い寝が少なくなる傾向がみられ、とくに完全母乳の赤ちゃんで差が大きく出ました。赤ちゃんが別の寝床で寝ける環境を整える支援の可能性を示しています。

2017 · 観察研究(横断的な聞き取り調査)観察研究

乳児の添い寝と関連する要因

アメリカの大学病院で出産した母親1261人に電話で聞き取りをし、生まれて間もない赤ちゃんとの添い寝に関わる要因を調べた研究です。添い寝をしていたのは6.3%で、母乳育児をしている場合に添い寝が多く、ミルク(人工乳)育児やベビーベッドで寝かせている場合は添い寝が少ない傾向がありました。決まった寝床がない赤ちゃんで添い寝が多いことも分かりました。

2013 · 横断研究(MRIによる比較)観察研究

母乳と、乳幼児の脳(白質)の発達の関連

母乳が幼い子どもの脳の発達に関わるかを調べるため、生後10か月〜4歳の健康な子ども133人の脳をMRIで撮影し、母乳・ミルク・混合のグループで脳の白質(神経のつながり)の育ち方を比べた研究です。母乳で育った子は、思考や学習に関わる脳の領域で白質の発達がより進んでいる関連がみられ、母乳を与えた期間が長いほどその傾向が強い領域もありました。著者らは、母乳の成分が脳の成長を助ける可能性を示すとしています。

2011 · コホート間比較による因果推論研究観察研究

母乳育児はIQ・肥満・血圧に本当に影響するのか:高所得国と中所得国のコホート比較からの検証

母乳と社会階層の結びつきが異なる国(英国と中所得国)のデータを比べることで、母乳の影響が見かけ上のものか本当の影響かを見分けようとした研究です。血圧やBMIとの関連は社会階層の違いで説明できる見かけ上のものと考えられた一方、知能(IQ)との関連はどの集団でも一貫してみられました。著者は、母乳は知能には本当の影響を持つ可能性があるが、血圧やBMIへの関連は交絡によるものだろうと結論しています。

2007 · 遺伝子×環境の相互作用研究(出生コホートの分析)観察研究

母乳とIQの関係は、脂肪酸代謝の遺伝子型で変わる?

母乳に多く含まれる脂肪酸が脳の発達を助けると考え、その代謝に関わる遺伝子(FADS2)の型によって母乳とIQの関連が変わるかを、2つの出生コホートで調べた研究です。ある型を持つ子では母乳で育った場合にIQが高い関連がみられた一方、別の型では差がはっきりしなかったと報告しています。著者らは、遺伝と環境(母乳)が組み合わさってIQに関わる可能性を示すものだとしています。

2006 · 前向き研究・きょうだいペア分析・メタアナリシス観察研究

母乳育児が子どもの知能に与える影響:前向き研究・きょうだいペア分析・メタアナリシス

母乳と子どもの知能の関連に、母親の知能がどれだけ関わるかを調べた研究です。調整前は母乳で育った子の知能テストの点数が約4点高くみえましたが、母親の知能を考慮するとその差のほとんどが説明され、他の要因も調整するとごくわずかで差とは言えなくなりました。きょうだい同士の比較やメタアナリシスでも同様で、母乳が知能に与える影響はあってもごく小さいと結論しています。

2026 · 後ろ向きの症例対照研究観察研究

母乳育児の期間と鼓膜チューブ留置のリスク:6か月で十分か?

中耳炎を繰り返したときに行う鼓膜チューブ留置を受けた子どもと、年齢・性別をそろえた対照群あわせて500人について、母乳育児の期間とチューブ留置との関連を後ろ向きに調べた研究です。母乳が6か月未満または飲んでいなかった子どもに比べ、6か月母乳を飲んだ子どもはチューブ留置の割合が低い傾向がみられました。一方、6か月を超えて続けても、さらに大きな上乗せの効果ははっきりしませんでした。

2026 · 後ろ向き観察研究(横断的解析)観察研究

子どものアレルギー性鼻炎・ぜんそくにおけるアレルゲンの全体像

中国・広東省で、アレルギー性鼻炎やぜんそくと診断された子ども約8千人の血液検査記録を振り返り、どのアレルゲンに反応していたかを調べた研究です。吸い込むタイプのアレルゲン(ダニなど)に反応する子どもが76.5%と最も多く、なかでもチリダニが大半を占めました。食物では卵や牛乳への反応がみられました。反応するアレルゲンは季節・年齢・性別によって違いがみられ、吸入アレルゲンへの反応は年齢とともに増える傾向でした。

2026 · 横断研究観察研究

中国・泉州の0〜6歳児で軽度のビタミンA不足が多い:横断研究

中国・泉州の0〜6歳の健康な子ども1,183人を対象に、血液中のビタミンA(レチノール)の量を測った横断研究です。軽度の不足を含めると約39%の子どもにビタミンAが足りない状態がみられ、特に乳児で多い(約66%)傾向でした。年齢が上がるほど不足は少なくなり、性別による差ははっきりしませんでした。栄養状態の良い地域でも、低年齢の子どもでビタミンAが不足しやすい場合があることを示しています。

2026 · 横断研究(大規模国際調査)観察研究

アレルギー性鼻炎の環境リスク要因は所得水準で異なる:世界ぜんそくネットワーク調査

世界の65地域で6〜7歳と13〜14歳あわせて約26万人を対象に、アレルギー性鼻炎の症状とその関連要因を調べた大規模な横断調査です。子どもでの有症率は8.5%、思春期では13.3%でした。乳幼児期の解熱鎮痛薬や抗菌薬の使用、思春期のたばこ使用、交通量の多い道路沿いの大型車の排ガスなどが、鼻炎症状と関連する傾向が示されました。関連の一部は国の所得水準によって違いがみられました。

2025 · 横断研究観察研究

ペットを飼うことと、アトピー型ぜんそくの子どもの気道の炎症・ぜんそくの重さ

韓国でぜんそくのある5〜15歳の子ども975人を対象に、ペットを飼っていることが気道の炎症やぜんそくの重さと関係するかを調べた研究です。アトピー型ぜんそくの子では、ペットに対するアレルギー反応の有無にかかわらず、ペットを飼っている子は気道の炎症の指標(呼気中の一酸化窒素)が高く、ぜんそくも重い傾向がみられました。すでにぜんそくのある子では、ペットとの接触が症状を悪くする可能性が示されています。

2025 · 横断研究観察研究
訂正あり

ベジタリアン・ヴィーガン・雑食の子どものセレン・亜鉛・銅のとり方と体内の状態(VeChi Youth研究)

ドイツの6〜18歳の342人(ヴィーガン86人、ベジタリアン120人、雑食118人)を対象に、セレン・亜鉛・銅のとり方と血液中の値を調べた横断研究です。これらは主に動物性食品からとる栄養素のため、ヴィーガンとベジタリアンの子はセレンと亜鉛のとり方が少なめで、血液中のセレンと亜鉛の値も雑食の子より低い傾向が見られました。銅については食事や血液の値に大きな差はありませんでした。著者らは、菜食の子どもではこれらの栄養素の状態を見守る必要があるとしています。

2025 · 症例報告(症例シリーズ)観察研究

受け継ぐ免疫の先に:母親のインフルエンザ未接種が関わった新生児3例

妊娠中にインフルエンザワクチンを受けていなかった母親から生まれた、生後2〜4週の新生児3人がインフルエンザにかかった例を報告したものです。3人とも発熱や呼吸の症状などで入院しましたが、早めの抗ウイルス薬などで全員回復しました。1例では百日咳との同時感染が見られ、症状が重くなりやすいことが示されています。著者は、生後まもない赤ちゃんは自分でワクチンを受けられないため、母親の妊娠中の接種で受け継ぐ抗体が大切だと述べています。

2025 · 横断研究観察研究

貧血まではいかない鉄不足と、子どもの認知・行動の関連

貧血と診断されるほどではない「かくれ鉄不足」が、子どもの考える力や行動と関係するかを、パキスタンの5〜18歳385人で調べた横断研究です。鉄不足のリスクが高い子ほど、考える力や行動の困りごとがやや多いという弱い関連がみられました。ただし関連の強さは小さく、はっきりした結論には至っていません。

2025 · 単一施設の後ろ向き観察研究観察研究

母乳育児が乳児のRSウイルス感染の経過に与える影響:単一施設の後ろ向き研究

RSウイルス(RSV)感染で入院した乳児51人を、母乳とミルク(人工乳)で分けて経過を比べた研究です。母乳の子どもは、ミルクの子どもより入院日数が短い傾向がみられました(8日対11日)。統計の分析でも、ミルクの子どもは平均で約1.7日長く入院していました。母乳がRSV感染の重さをやわらげる可能性が示唆されています。

2025 · 横断研究(全国調査)観察研究

韓国の子どものアレルギー性鼻炎の有症率:1995〜2022年の全国調査

韓国で1995年から2022年にかけて行われた全国調査をもとに、子どものアレルギー性鼻炎の有症率の長期的な変化と関連要因を調べた研究です。鼻炎の症状を訴える子どもの割合はこの数十年で大きく増え、2022年には6〜13歳のおよそ45〜48%にのぼりました。両親にアレルギーの病歴があることやアトピー性皮膚炎の診断が、鼻炎の症状と関連していました。6〜7歳では乳児期の抗菌薬使用や男児であることも関連要因でした。

2025 · 世界疾病負担(GBD)データを用いた集団レベルの推計分析観察研究

受動喫煙が原因となる子どもの中耳炎の世界的な負担(1990〜2021年の分析)

世界の病気の統計データ(GBD 2021)を使い、0〜14歳の子どもの中耳炎のうち、受動喫煙が関係していると見積もられる分の負担が、1990年から2021年でどう変わったかを調べた分析です。受動喫煙に関係する中耳炎による健康上の損失(障害とともに生きる年数など)は、この約30年で世界全体としては減る傾向でした。一方で、所得の低い・中くらいの地域や、中央アジア・北アフリカ/中東・オセアニアなどでは、いまも負担が比較的大きいと報告されています。

2023 · 横断研究(ランダム化試験の付随解析)観察研究

母親の魚の摂取と、母乳で育つ赤ちゃんの血中DHA(日本の研究)

脳の発達に重要とされるDHA(魚に多いオメガ3脂肪酸)が、母親の魚の摂取や授乳方法によって赤ちゃんの血中でどう違うかを、日本の生後5〜6か月の乳児268人で調べた研究です。母親が青魚・白身魚をよく食べているほど、また主に母乳で育っている赤ちゃんほど、血中のDHA濃度が高い傾向がありました。母親が魚を食べることが、母乳を通じて赤ちゃんのDHAに反映されることを示しています。

2016 · 横断研究観察研究

おしゃぶり・指しゃぶり・口呼吸と、歯並びの乱れ(横断研究)

おしゃぶりや指しゃぶりなどの口のくせ、口呼吸が、子どもの歯並びの乱れ(不正咬合)と関係するかを、3017人の子どもで調べた研究です。これらの長く続くくせや口呼吸は、歯並びや、あごなど顔の骨の成長のパターンの乱れと関連していました。早めに気づいて対応することが、歯並びの予防・早期治療に役立つとされています。

2026 · 横断研究観察研究

母乳を与えた期間と、若者の認知の成績

中国の若者を対象に、赤ちゃんのころに母乳を与えられた期間と、その後の認知(考える力)の成績との関係を調べた横断研究です。社会経済的な背景(家庭の収入や親の学歴など)を考慮すると、母乳を与えられた期間が長い人ほど、認知の成績がよい傾向が見られました。

2025 · 全国横断調査(二次解析)観察研究

授乳方法と日本の子どもの成長のパターン(全国調査の二次解析)

2023年の日本の全国調査データ(0〜5歳の子ども約8千人)を使い、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)によって、その後の身長・体重の伸び方に違いがあるかを調べた研究です。母乳で育った赤ちゃんは、最初の2年間は身長・体重がやや小さめでしたが、成長するにつれて差は縮まり、5歳ごろには授乳方法による体格の差はみられなくなりました。母乳だけでも長期的な成長に十分であることを示しています。

2023 · 横断調査観察研究

乳児用ミルクの「健康・栄養に関する宣伝」の根拠は確かか(15か国の調査)

15か国で売られている乳児用ミルクについて、「○○に役立つ」といった健康・栄養に関する宣伝(強調表示)がどれくらいあり、その根拠が確かかを調べた国際調査です。多くの製品で何らかの宣伝が見られましたが、その裏づけとなる科学的根拠は示されていなかったり、弱かったりするものが多いことが分かりました。

2020 · 横断研究観察研究

母乳に含まれるDHAは、お母さんの食事やサプリと関係するか(日本の母乳研究)

日本の母乳研究の一環として、母乳に含まれるDHA(オメガ3の一種で、子どもの神経の発達に重要)の量が、お母さんの食事やサプリの利用とどう関わるかを、78人の授乳中のお母さんで調べた研究です。魚介類をよく食べる人やDHAサプリを使う人ほど、母乳のDHA濃度が高い傾向が見られました。日本の母乳のDHAは歴史的に高めとされています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

乳児突然死症候群(SIDS)を減らすための助言がどのように作られたか:スウェーデンでの大きな効果を含む総説

乳児突然死症候群(SIDS)を減らすための助言が、どのように生まれて広まったかを医学史の視点で振り返った総説です。ニュージーランドやイギリスの観察研究から、うつぶせ寝・母親の喫煙・母乳でないこと・暑くしすぎることがSIDSに多いと分かり、1990年代初めに「あおむけ寝」を中心とする助言が広まりました。スウェーデンではこの助言の後にSIDSが大きく減り、なかでもうつぶせ寝をやめたことが最も重要な変化だったとされています。

2026 · ナラティブレビュー(総説)総説・その他

細気管支炎とくり返す呼吸器感染:酸化ストレスの役割をめぐる総説

乳児に多い細気管支炎(多くはRSウイルスが原因)と、その後のくり返す喘鳴やぜんそくとのつながりを、酸化ストレスや微量栄養素の不足の観点から整理した総説です。早産や生まれつきの気道の弱さがある乳児はウイルス感染を受けやすく、亜鉛・セレン・マグネシウムの不足が症状の重さと関連していました。著者らは、細気管支炎は元々あった弱さを表に出す合図かもしれず、早めの栄養の見直しが役立つ可能性があると述べています。

2026 · 総説(レビュー)総説・その他

乳幼児期の腸内細菌と、免疫の育ち・自己免疫の病気とのつながり(総説)

乳幼児期の腸内細菌が免疫の育ちにどう関わるかを、人を対象とした観察研究や介入研究をもとに整理した総説です。帝王切開・抗生物質・ミルク育児などで良い菌が減ると免疫の育ちが乱れ、1型糖尿病や炎症性腸疾患などの小児の自己免疫の病気のリスクの高さと関連すると報告されています。

2026 · ランダム化比較試験の追加解析(遺伝子解析)総説・その他

LEAP研究 — ピーナッツを食べ続けたときの「守りの抗体」と遺伝の関係

ピーナッツを早めに食べ始めるとアレルギーを防げることを示した有名なランダム化比較試験「LEAP」の参加者を、遺伝子の面から調べた研究です。ピーナッツを食べ続けたグループでは、アレルギーを抑える方向に働くとされる抗体(IgG4)が増えていました。さらに、こうした守りの反応の出やすさには本人の遺伝的な体質も関係していて、早くから食べ続けることと遺伝の組み合わせが守りの反応を後押しすると考えられました。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

妊娠中のRSウイルスワクチン:赤ちゃんの下気道感染を防ぐための効果・しくみ・公衆衛生上の意義

RSウイルスは乳児の重い呼吸器感染の主な原因の一つで、これまでの研究を整理した総説です。妊娠中に母親がRSウイルスのワクチンを接種すると、母親の抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移り、生まれて間もない時期の重い下気道感染を防ぐ方向に働くと報告しています。臨床試験では生後90日までの医療を要する重いRSウイルス感染に対して高い有効性(例として最大81.8%)が示された一方、安全性は接種後も引き続き注意して見ていく必要があるとしています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

授乳中・妊娠中の母親のDHA・EPA摂取と、子どもの脂質代謝への影響とそのしくみ

妊娠中や授乳中の母親が魚由来のオメガ3脂肪酸(DHA・EPA)をとると、子どもの脂質の代謝に影響しうるかを、これまでの研究を整理した総説です。母親の摂取によって、子どもの肝臓や脂肪組織で脂質に関わる遺伝子のはたらきや腸内細菌の構成が変わり、将来の脂質異常や肥満などのなりやすさと関係する可能性が論じられています。多くは動物実験や仕組みの研究にもとづくため、人で同じことが起こると確かめられたわけではありません。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

腸内の「ウイルスの世界」 —— 子どもの腸のウイルス(ウイローム)と消化・代謝・発達(総説)

子どもの腸内細菌の研究は細菌中心でしたが、腸には細菌に感染するウイルスなど多種多様なウイルス(ウイローム)も多く存在します。この総説は、乳幼児期のウイルスが細菌のバランスや免疫の育ち、さらには腸と脳のつながりを介した発達に関わる可能性を整理したものです。ウイルスの乱れが炎症性腸疾患などの消化器の病気と関連すると報告されています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

今日の水道水フッ素化:その利点と課題

むし歯予防のための水道水フッ素化について、世界の状況をまとめた総説です。水道水フッ素化とフッ素入り歯みがきはどちらもむし歯予防に有効で、それぞれが互いの効果を高めると述べています。むし歯のリスクが高い人ほど恩恵が大きく、費用も低いとする一方、乳幼児期はフッ素の飲み込みを減らすために歯みがき粉の使い方への配慮が必要だとしています。

2026 · 総説(レビュー)総説・その他

生まれてからの腸の育ち —— 乳児期の腸内細菌と発達(総説)

生まれてからの数週間〜数か月の腸の発達と、腸内細菌が栄養の消化・免疫・成長、そして「腸と脳のつながり(腸脳相関)」に関わることを整理した総説です。母乳で育ち抗生物質を使っていない正期産児の腸内細菌が一つの目安とされ、食事や環境などの工夫で乳児期の腸内細菌を整える可能性が論じられています。

2026 · ナラティブレビュー(総説)総説・その他

呼吸器の健康を整える要因としての食事:肺機能検査からの知見

子どものぜんそくと食事の関係について、これまでの研究を整理した総説です。地中海食を続ける子では肺機能がよい傾向がある一方、西洋的な食事はぜんそくの管理のしにくさと関連していました。セレン・亜鉛・鉄・ビタミンDなどの不足は肺機能の低下と関連し、妊娠中の母親の食事も子どもの肺機能に関わる可能性が示されています。

2026 · 総説・仮説論文総説・その他

ハミング(鼻歌)と体の安定:赤ちゃん・母親・ケアからの考察

口を閉じて出すハミング(鼻歌)が、赤ちゃんとケアをする人の体や心の状態を整える役割をもつかもしれない、という考え方を論じた論文です。ゆっくりした呼吸や胸・頭への振動を通じて、心拍や呼吸のリズムを落ち着かせ、親子のやりとりを生む助けになる可能性があると述べています。早産児へのカンガルーケア中に母親がハミングをすると、赤ちゃんの体の状態が安定し、赤ちゃん自身も声を出して応えやすくなるという研究を根拠として挙げています。

2025 · システマティックレビューの総覧(ナラティブな要約)総説・その他

野菜の摂取を増やす取り組みの効果をまとめる(システマティックレビューの総覧)

野菜の摂取を増やすための取り組みの効果を、すでに発表された20件のシステマティックレビューを集めて整理した総覧です。取り組みによる野菜摂取の増加は平均で1日およそ8分の1皿分と小さく、学校での取り組み(最大で1日0.42皿分)や家庭での取り組みで比較的大きい傾向が見られました。約半数の研究では効果が見られず、複数の場を組み合わせた取り組みのほうが効果が大きい傾向でした。

2025 · ナラティブレビュー(総説)総説・その他

母乳育児の期間と神経発達:自閉スペクトラム症と離乳の実践についての考察

母乳をあげる期間と、自閉スペクトラム症(ASD)や子どもの神経発達との関わりについて、これまでの研究や文献を整理して論じた総説(ナラティブレビュー)です。著者は、母乳育児が免疫の働きや腸内細菌の多様性などを通じて神経発達を支える可能性があると述べています。ただしこれは新たにデータを解析したものではなく、最適な期間についても見解の域を出ません。著者は宗教的な記述も参照しつつ約21か月という期間を提案していますが、これは科学的に確かめられた結論ではありません。

2025 · 総説(レビュー)総説・その他

子どもの腸内細菌の形成と、微生物を整える製剤(プロバイオティクスなど)の活用

子どもの腸内細菌がどのように作られていくかと、プロバイオティクスなどの製剤の使われ方をまとめた総説です。特定の菌の種類は、急性の胃腸炎や抗菌薬による下痢などを予防できる可能性があると整理しています。多くは従来の治療を補う使い方で、効果は菌の種類によると述べています。

2025 · ナラティブレビュー(総説)総説・その他

子どもの偏食を読み解く:一時的な時期か、隠れた健康問題か?

子どもの偏食について、これまでの研究をまとめて整理した総説です。偏食は2〜6歳ごろに多く、多くの子は成長とともに自然に落ち着き、悪い結果につながらないとしています。一方で、選り好みが強く長く続く一部の子は、栄養の偏りや成長への影響、心理的な負担が残ることがあり、早めに気づいて家庭での関わりや必要に応じた相談が大切だとまとめています。

2025 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

妊娠期から小児期までのDHA摂取・補給と子どもの健康(低・中所得国に着目した総説)

オメガ3脂肪酸の一種であるDHAについて、妊娠期から小児期までの摂取状況と健康とのかかわりを、低・中所得国を中心に整理した総説です。これらの国々では妊婦や子どものDHA摂取が不足しがちで、摂取や補給が神経発達や免疫の働きと関連すると報告されています。ただしまとめられた研究は内容がさまざまで、効果がはっきり証明されたわけではありません。

2024 · ナラティブレビュー(総説)総説・その他

栄養の摂取と赤ちゃんの成長に関する最新の知見:手づかみ離乳とふつうの離乳を比べた総説

手づかみ離乳とふつうのスプーン離乳について、栄養の摂取量や赤ちゃんの成長を比べた2010年以降の19件の研究を整理した総説です。エネルギー(カロリー)の摂取量に差は見られませんでしたが、鉄や亜鉛などの栄養素の摂取は方法によってばらつきがありました。成長を調べた研究は少なく、結果もそろっていませんでした。手づかみ離乳の定義も研究ごとに異なり、共通の定義はまだありません。

2024 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

子どものピーナッツアレルギー — 治療より予防が大切?

ピーナッツアレルギーは子どものころに始まって一生続くことが多く、ときに重いアレルギー反応を起こします。この総説は、これまでの臨床試験や各国の指針をまとめ、特にアレルギーになりやすい赤ちゃんでは、ピーナッツを早めに食べ始めることが発症の予防に役立つと説明しています。あわせて、すでに発症した人への治療(免疫療法)の現状も整理しています。

2024 · 総説(論説)総説・その他

食物アレルギーの予防 — 早めの導入だけでは終わらない

アレルギーになりやすい食品を遅らせて与える習慣が、食物アレルギーが増えた一因かもしれない、と著者は指摘します。多くの指針は生後4〜6か月ごろからの早めの導入をすすめていますが、この論説は「一度始めたら、その後も続けて定期的に食べること」が予防に同じくらい大切だと説明しています。家庭で始めるのが不安な家族には、診療所で導入を手伝う方法もあると提案しています。

2014 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

授乳と「栄養を伴わない吸う癖」について知っておきたいこと

指しゃぶりなどの「栄養を伴わない吸う癖」と歯並びの関係を、これまでの知見からまとめた総説です。指しゃぶりは生後2〜3歳ごろまではよく見られる自然な行動で、子どもに安心感を与えるため、特に眠る前にみられると説明しています。3歳より前であれば歯への影響は小さく、前歯の位置が少し変わる程度にとどまることが多い一方、4歳ごろを過ぎても続くと、上の前歯が前に出る、かみ合わせが開く(開咬)、上あごが狭くなるといった変化につながりうるとしています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

子どものアトピー性皮膚炎における皮膚の痛み:仕組みと対処の総説

子どものアトピー性皮膚炎では、かゆみだけでなく「痛み」も多くみられるのに見落とされやすい、として最近の研究を整理した総説です。痛みは皮膚のバリアの乱れや炎症と関わり、睡眠や生活の質を下げる傾向があると述べています。対処としては、薬による治療に加えて、保湿(エモリエント)を中心としたスキンケアや保護者への説明、心理的な支えなどを組み合わせる多面的なケアが大切だとしています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

赤ちゃんの腸を形づくる:母親と乳児期の栄養が腸内細菌と長期の健康にどう関わるか(総説)

母親の食事や妊娠中・乳児期の栄養が、赤ちゃんの腸内細菌(マイクロバイオーム)の育ち方とその後の健康にどう関わるかを整理した総説です。母乳や食物繊維・発酵食品は望ましい細菌を支える一方、脂肪や糖の多い食事などは細菌バランスの乱れと結びつく可能性があると述べています。腸内細菌の構成や多様性は免疫・代謝・発達と関連し、人生の最初の数年は細菌が変わりやすい時期なので、栄養を通じた予防の機会になりうると説明しています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

子どもの機能性便秘の予防:ナラティブレビュー

子どもや思春期の機能性便秘を予防するためにどんな工夫ができるかを、過去の文献からまとめた総説です。予防の効果をきちんと検証した集団研究はほとんどないとしつつ、母乳育児やトイレトレーニングの適切な指導、排便を我慢しない習慣づくり、そして離乳食を始めた後に食物繊維と水分を十分にとる健康的な食習慣が役立つ可能性があると述べています。食物繊維や水分は推奨量より不足しがちだと指摘しています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

アトピー性皮膚炎のケアにおける「洗う・治療・保湿・守る」の総合的スキンケア:根拠と今後の方向性の総説

アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下しているため、保湿(エモリエント)を中心としたスキンケアが日々のケアの土台になるとして、これまでの研究を整理した総説です。著者らは、定期的な保湿は肌のうるおいを保ち、バリアの回復を助け、症状やつらさをやわらげる傾向があり、ステロイド外用薬と一緒に使うと相乗的に役立つと述べています。一方で、保湿剤を毎日続けられない、費用がかかるといった現実的な課題も指摘しています。

2026 · ナラティブレビュー(総説)総説・その他

早産の赤ちゃんに対するプロバイオティクスと腸の重い病気(壊死性腸炎)・感染症の関わり(総説)

早産で生まれた赤ちゃんに起こりやすい腸の重い病気(壊死性腸炎)や感染症(敗血症)に、プロバイオティクス(体によいとされる菌)が役立つかをまとめた総説です。これまでの研究では、プロバイオティクスをとることで壊死性腸炎が起こりにくくなる傾向が報告されています。感染症についても多少の関連がみられますが、結果はばらついています。

2026 · 診療ガイドライン(エビデンスレビューと専門家合意)総説・その他

成人・小児を対象としたアトピー性皮膚炎の管理に関する診療ガイドライン:エビデンスに基づくレビューと専門家の合意(インド)

皮膚科の専門家がアトピー性皮膚炎の治療に関する研究を整理し、GRADEという方法で根拠の質を評価したうえでまとめた診療ガイドラインです。日々のスキンケア(保湿)を土台に、炎症が出たときはステロイド外用薬などを使い、症状が強い場合はより新しい治療薬も検討するという段階的なケアの考え方を示しています。子どもや妊婦など特定の人への安全面の配慮にも触れています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

アレルギー性鼻炎における鼻と口の細菌叢:環境要因・細菌バランスの乱れ・免疫の乱れ

アレルギー性鼻炎と、鼻や口にすむ細菌のバランス、環境要因との関わりを整理した総説です。大気中の微小粒子(PM2.5)やディーゼル排ガスが鼻の粘膜のバリアを傷つけ、アレルギーに傾いた免疫反応を促す可能性が紹介されています。幼少期の抗菌薬使用は腸内細菌のバランスを乱して鼻炎の発症と関連しうる一方、農場での生活や多様な細菌への接触は予防的に働く可能性があると述べています。

2026 · ナラティブレビュー(総説)総説・その他

乳児の疝痛(コリック)に対するプロバイオティクス(L. reuteri DSM 17938)の効果と安全性(総説)

赤ちゃんの疝痛(コリック=原因のはっきりしない激しい泣き)に、ある種のプロバイオティクス(L. reuteri DSM 17938という菌)が役立つかをまとめた総説です。これまでの研究では、この菌をとると母乳で育つ赤ちゃんで泣く時間が減りやすい傾向が報告されています。一方で、ミルク(人工乳)で育つ赤ちゃんでは効果がはっきりしないことが多いとされています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

乳幼児期の細菌の移り変わり:子どもの腸内細菌と健康・病気との関わり

乳幼児期の腸内細菌(マイクロバイオーム)が、免疫・代謝・発達の育ちにどう関わるかを整理した総説です。出産後の早い時期に細菌が急速に定着していき、その様子は出産方法・授乳の種類・抗生物質・環境などで変わると説明しています。母乳は免疫の調整につながる細菌の育ちを支える一方、ミルクや早期の抗生物質は細菌の発達を乱す可能性があるとし、細菌の育ち方の乱れがアレルギーや肥満、発達の問題などのリスクと関連すると述べています。

2025 · 論説(エディトリアル)総説・その他

子どもの機能性便秘への向き合い方:総合的で協力的な対応の呼びかけ

子どもに最も多い消化器の不調である機能性便秘について、原因や診断、対応の考え方をまとめた論説です。対応の中心はトイレトレーニングと浸透圧性の下剤(ポリエチレングリコール、PEG)とされ、これらが有効と位置づけられています。食物繊維や水分を十分にとることや運動などの生活習慣の見直しは、薬による治療を支える役割として重要だと述べられています。

2025 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

妊娠中の予防接種:現在の根拠・進展・課題

妊娠中に母親がワクチンを受けることで、母親自身と生まれてくる赤ちゃんを感染症から守ろうとする考え方をまとめた総説です。母親の抗体が胎盤を通じて赤ちゃんに移る仕組みや、インフルエンザ・百日咳(Tdap)・RSVなどのワクチンの安全性と効果の概要を整理しています。あわせて、誤った情報やためらい、医療へのアクセスの差といった、接種が広がりにくい背景についても触れています。

2025 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

ビタミンAと関連する病気

ビタミンAは目の働き、成長、免疫などに欠かせない栄養素であることを、これまでの研究をまとめて整理した総説です。ビタミンAが不足すると、子どもの視力や成長に影響するだけでなく、呼吸器や消化器の感染症にかかりやすくなる可能性があると説明しています。栄養状態を把握し、不足を防ぐことが病気の予防につながりうる、という考え方を紹介しています。著者ら自身が新しいデータを集めて検証した研究ではなく、既存の知見をまとめたものです。

2025 · 費用対効果のモデル分析総説・その他

インドにおける油・牛乳へのビタミンA・D添加の費用対効果

インドで、子どもや妊婦などに高用量ビタミンAを配る補充プログラムと、油・牛乳にビタミンA・Dを添加(強化)する方法の健康効果と費用を試算した研究です。ビタミンA関連の対策で、失われる健康な年数(病気や早すぎる死による損失)を一定程度減らせると推計しました。広く使われる油や牛乳への添加は、多くの人に届く長期的な解決策になりうると結論づけています。実際の健康改善を測定したのではなく、過去の研究から仮定した死亡・病気の減少率をもとにしたモデル計算である点に注意が必要です。

2025 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

微生物のはじまり:新生児マイクロバイオームを決める要因と、その乱れ

生まれてすぐの時期に赤ちゃんの腸内などへ集まってくる細菌(マイクロバイオーム)について、何がその構成を決めるのかを整理した総説です。出産の方法、母乳かミルクか、母親側の細菌、抗生物質の使用などが影響し、ビフィズス菌などの定着につながると説明しています。帝王切開やミルク中心、抗生物質の使用は細菌のバランスの乱れと結びつき、免疫の育ち方や、その後のアレルギー・代謝・発達の傾向と関連する可能性があると述べています。

2025 · 文献レビュー(ナラティブレビュー)総説・その他

子どもの下痢を減らすための亜鉛の強化・補充(文献レビュー)

亜鉛の補充や食品への亜鉛強化が、子どもの下痢の予防・治療にどう役立つかを、2014〜2025年のシステマティックレビュー・メタアナリシス・ランダム化比較試験から整理した総説です。下痢のときに亜鉛を補うと、下痢の続く時間や重さがおおむね短く・軽くなる傾向が報告されています。長期に少量の亜鉛を続けると下痢や感染症の予防につながる可能性も示されました。低めの用量(5〜10mg)の方が嘔吐が少ないとされています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

DHA(オメガ3)の役割:人生最初の1000日の栄養(総説)

受精から2歳ごろまでの「最初の1000日」におけるDHA(オメガ3の一種で、脳や目の発達に重要)の役割をまとめた総説です。DHAはこの時期に欠かせない一方、実際の効果は、与える時期・量・もともとの栄養状態・早産かどうかなどによって変わると整理されています。DHA単独ではなく、別の脂肪酸(ARA)とのバランスが効果の鍵になりうると指摘されています。

2014 · 総説(臨床レビュー)総説・その他

ビタミンD不足と、5歳未満の子どもの急性の下気道感染(肺炎など)

5歳未満の子どもの急性の下気道感染(肺炎や気管支炎など)と、ビタミンD不足との関わりについて、見つけ方や対応をまとめた臨床向けのレビューです。ビタミンD不足は下気道感染と関わるとされ、特にリスクの高い子どもでは、推奨に従ってビタミンDの補充を検討することが勧められています。