妊娠中の母親の睡眠障害と、その後の子どものアレルギー疾患のリスク:東北メディカル・メガバンク三世代コホート
Maternal sleep disorders during pregnancy and subsequent risk of allergic diseases in Japanese children: the TMM BirThree Cohort Study.
どんな研究?
01 — Summary日本の三世代コホート(約1万1千組の母子)で、妊娠中の母親の睡眠の問題と、子どものアレルギー疾患との関連を調べた研究です。妊娠中に不眠など睡眠の問題があった母親の子どもでは、5歳までのアトピー性皮膚炎や、アレルギー性鼻炎・結膜炎・花粉症の発症がやや多い傾向がみられました。さまざまな背景要因を調整しても、この関連は残りました。
要点
02 — Key points- 01日本の約11,123組の母子を対象とした出生コホート研究
- 02妊娠中に約37%の母親が睡眠の問題を経験していた
- 03妊娠中の睡眠の問題とアトピー性皮膚炎の発症がやや関連
- 04アレルギー性鼻炎・結膜炎・花粉症とも関連がみられた
- 05ぜんそく・食物アレルギーとは明確な関連はなかった
観察研究のため、これらは関連であり原因と結果(因果)を示すものではありません。睡眠の問題やアレルギー疾患は母親の申告に基づくため、判断に幅が出る可能性があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 出生コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Clinical and Experimental Pediatrics
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.3345/cep.2025.01165
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠・授乳中の母親のプロバイオティクスと子どもの健康:システマティックレビューをまとめたアンブレラレビュー
妊娠中や授乳中の母親がプロバイオティクス(善玉菌)をとることと、子どもの健康との関連を、これまでのシステマティックレビュー18件をまとめて検討した研究です。母親のプロバイオティクス摂取は、生後1〜2歳までの子どもの湿疹(アトピー性湿疹)が少ないことと関連していました。ただし、解析方法を厳しくすると多くの関連が消え、確からしさは弱いと評価されています。
乳幼児期の抗菌薬と腸内細菌の変化、子どものアレルギーの関連(システマティックレビュー)
妊娠中から10歳までの抗菌薬の使用と、腸内細菌の変化、子どものアレルギー(ぜんそく・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎)との関連を調べた研究をまとめたシステマティックレビューです。150万人以上を含む15件の研究の多くで、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用が、特にぜんそくやアトピー性皮膚炎のリスクの高さと関連していました。抗菌薬の種類・時期・期間が腸内細菌の乱れや発症に関わる要因として挙げられています。
赤ちゃん・子どもの食物アレルギーの危険因子(システマティックレビュー・メタアナリシス)
40か国・約280万人を対象にした190件の研究をまとめ、子どもの食物アレルギーがどれくらい起こるか、何が関わるかを調べた大規模なレビューです。食べ物で症状を確かめた研究では、食物アレルギーはおよそ4.7%に見られました。最も確かな関わりが示されたのは、乳児期のアトピー性皮膚炎(湿疹)など、すでにあるアレルギー体質でした。