乳幼児期の抗菌薬と腸内細菌の変化、子どものアレルギーの関連(システマティックレビュー)
Association between early-life antibiotic exposure and gut microbiome alterations linked to allergic diseases in children: a systematic review.
どんな研究?
01 — Summary妊娠中から10歳までの抗菌薬の使用と、腸内細菌の変化、子どものアレルギー(ぜんそく・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎)との関連を調べた研究をまとめたシステマティックレビューです。150万人以上を含む15件の研究の多くで、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用が、特にぜんそくやアトピー性皮膚炎のリスクの高さと関連していました。抗菌薬の種類・時期・期間が腸内細菌の乱れや発症に関わる要因として挙げられています。
要点
02 — Key points- 01妊娠中・生後2年までの抗菌薬使用がアレルギー(特にぜんそく・アトピー性皮膚炎)と関連する報告が多い
- 02ビフィズス菌の減少など、腸内細菌の乱れも複数の研究で報告された
- 03抗菌薬の種類・時期・期間が影響する要因として挙げられている
- 04含まれる研究の多くは観察研究
まとめられた研究の多くが観察研究で、関連を示すもので原因と結果(因果)の証明ではありません。必要な抗菌薬は医師の判断で使うもので、自己判断で避けてはいけません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー(観察研究が中心)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- European Journal of Medical Research
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1186/s40001-025-03685-y
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related分娩時の予防的抗菌薬と子どもの健康(観察研究のシステマティックレビュー・メタアナリシス)
B群溶連菌(GBS)の予防のために分娩中に抗菌薬を使った母親と、使わなかった母親の子どもを比べた観察研究をまとめたメタアナリシスです。16件の研究を統合した結果、分娩時の抗菌薬は子どもの自己免疫関連の病気のリスクの高さと関連し、特にアトピー性皮膚炎で関連が目立ちました。子どものBMIはわずかに高めでしたが、乳児の腸内細菌の多様性には差がみられませんでした。
妊娠中・乳幼児期の腸内細菌に影響する薬と、子どもの食物アレルギーのリスク(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中や乳幼児期の抗菌薬・胃酸を抑える薬・プロバイオティクスの使用と、子どもの食物アレルギーとの関連を調べた研究をまとめたメタアナリシスです。約166万人の母親と約516万人の子どものデータを統合した結果、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用は、食物アレルギーのリスクの高さと関連していました。プロバイオティクスの使用には、食物アレルギーを減らす関連はみられませんでした。
妊娠中・分娩時の抗菌薬(抗生物質)と、子どものアトピー性皮膚炎(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中や分娩時にお母さんが使った抗菌薬(抗生物質)と、子どものアトピー性皮膚炎(湿疹)との関係を、複数の研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。現時点の証拠では、妊娠中・分娩時の抗菌薬の使用と子どもの湿疹の増加との関連は支持されませんでした。ただし研究間のばらつきが大きく、確実性は非常に低いと評価されています。