分娩時の予防的抗菌薬と子どもの健康(観察研究のシステマティックレビュー・メタアナリシス)
Intrapartum Antibiotic Prophylaxis and Child Health Outcomes: A Systematic Review and Meta-Analysis of Observational Studies.
どんな研究?
01 — SummaryB群溶連菌(GBS)の予防のために分娩中に抗菌薬を使った母親と、使わなかった母親の子どもを比べた観察研究をまとめたメタアナリシスです。16件の研究を統合した結果、分娩時の抗菌薬は子どもの自己免疫関連の病気のリスクの高さと関連し、特にアトピー性皮膚炎で関連が目立ちました。子どものBMIはわずかに高めでしたが、乳児の腸内細菌の多様性には差がみられませんでした。
要点
02 — Key points- 01分娩時の抗菌薬は子どもの自己免疫関連疾患のリスクと関連(相対リスク約1.7)
- 02アトピー性皮膚炎で特に関連が大きかった
- 03子どものBMIはわずかに高い傾向だった
- 04乳児の腸内細菌の多様性には差がみられなかった
まとめられたのは観察研究のみで、関連を示すもので原因と結果(因果)の証明ではありません。研究間のばらつきが大きい項目もあります。GBS予防の抗菌薬は新生児の重い感染を防ぐためのもので、医師の判断で使われます。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 観察研究のシステマティックレビュー・メタアナリシス
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- BJOG
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1111/1471-0528.70015
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳幼児期の抗菌薬と腸内細菌の変化、子どものアレルギーの関連(システマティックレビュー)
妊娠中から10歳までの抗菌薬の使用と、腸内細菌の変化、子どものアレルギー(ぜんそく・アトピー性皮膚炎・アレルギー性鼻炎)との関連を調べた研究をまとめたシステマティックレビューです。150万人以上を含む15件の研究の多くで、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用が、特にぜんそくやアトピー性皮膚炎のリスクの高さと関連していました。抗菌薬の種類・時期・期間が腸内細菌の乱れや発症に関わる要因として挙げられています。
妊娠中・分娩時の抗菌薬(抗生物質)と、子どものアトピー性皮膚炎(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中や分娩時にお母さんが使った抗菌薬(抗生物質)と、子どものアトピー性皮膚炎(湿疹)との関係を、複数の研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。現時点の証拠では、妊娠中・分娩時の抗菌薬の使用と子どもの湿疹の増加との関連は支持されませんでした。ただし研究間のばらつきが大きく、確実性は非常に低いと評価されています。
妊娠中・乳幼児期の腸内細菌に影響する薬と、子どもの食物アレルギーのリスク(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠中や乳幼児期の抗菌薬・胃酸を抑える薬・プロバイオティクスの使用と、子どもの食物アレルギーとの関連を調べた研究をまとめたメタアナリシスです。約166万人の母親と約516万人の子どものデータを統合した結果、妊娠中や生後2年までの抗菌薬使用は、食物アレルギーのリスクの高さと関連していました。プロバイオティクスの使用には、食物アレルギーを減らす関連はみられませんでした。