乳児期の母乳と、その後の体格(茨城の子どもの20年追跡)
Breastfeeding in Infancy in Relation to Subsequent Physical Size: A 20-year Follow-up of the Ibaraki Children’s Cohort Study (IBACHIL)
どんな研究?
01 — Summary乳児期の授乳方法と、その後3〜22歳での体格との関係を、日本(茨城県)の子どもを20年追跡して調べた研究です。3歳の時点では、母乳で育った子どもはミルクの子どもより体重・過体重がやや少なめでした。しかし思春期以降では、授乳方法による体格の差ははっきりしなくなりました。母乳の体格への影響は、あっても幼児期までの小さなものと考えられます。
要点
02 — Key points- 01日本(茨城)の子どもを20年追跡した長期コホート研究
- 023歳では母乳児の体重・過体重がやや少なめ
- 03思春期以降は授乳方法による体格差ははっきりしない
- 04母乳の体格への影響は限定的
後半は回答者が減り(追跡率の低下)、身長・体重は自己申告です。観察研究のため因果は示せません。授乳方法は各家庭の事情で選んでよく、この結果は母乳・ミルクの優劣を示すものではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- コホート研究(20年追跡)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Journal of Epidemiology
- 発表年
- 2021
- DOI
- 10.2188/jea.je20200562
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母乳育児と、子ども〜大人にかけてのBMIの変化(システマティックレビュー)
母乳育児が、その後の人生でのBMI(体格の指標)の変化にどう関わるかを、3件のランダム化比較試験と24件の長期コホート研究からまとめたレビューです。多くのコホート研究で、母乳で育った子どもはその後のBMIが低め、つまり肥満になりにくい傾向が示されました。
授乳のしかたと乳児の成長のパターン(日本のエコチル調査)
日本のエコチル調査の乳児約3万4千人を対象に、生後6か月時点の授乳方法(母乳・ミルク・混合)ごとに、3歳までの身長・体重・BMIの推移を比べた研究です。母乳の赤ちゃんは生後3〜4か月までは大きめに育ち、その後はゆっくりになりました。ミルク・混合の赤ちゃんは初期はゆっくりで、その後に急に追いつく成長(キャッチアップ)がみられました。急な追いつき成長は将来の体格に関わるため、成長の見守りが大切とされています。
乳児期の授乳方法と、身長がいちばん伸びる時期(思春期)の関係(日本の全国調査)
日本の全国的な調査データ(子ども約1万3千人)で、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)と、思春期に身長がいちばん伸びる時期(成長スパートの年齢)との関係を調べた研究です。母乳で育った子どもは、ミルクで育った子どもよりも、身長がいちばん伸びる時期がやや遅い傾向がありました。母乳の期間が長いほど、その時期が遅くなる関係もみられました。