コホート研究

授乳のしかたと乳児の成長のパターン(日本のエコチル調査)

Infant growth and breastfeeding patterns: The Japan Environment and Children’s Study

どんな研究?

01 — Summary

日本のエコチル調査の乳児約3万4千人を対象に、生後6か月時点の授乳方法(母乳・ミルク・混合)ごとに、3歳までの身長・体重・BMIの推移を比べた研究です。母乳の赤ちゃんは生後3〜4か月までは大きめに育ち、その後はゆっくりになりました。ミルク・混合の赤ちゃんは初期はゆっくりで、その後に急に追いつく成長(キャッチアップ)がみられました。急な追いつき成長は将来の体格に関わるため、成長の見守りが大切とされています。

要点

02 — Key points
  • 01日本のエコチル調査・乳児約3万4千人の成長を分析
  • 02母乳児は生後3〜4か月まで大きめ、その後ゆっくり
  • 03ミルク・混合児は初期ゆっくりで後から急に追いつく
  • 04急な追いつき成長は見守りと個別の授乳支援が望ましい
読むときの注意 / Limitations

観察研究のため、授乳方法が成長を決めると断定はできません。体格には個人差が大きく、母乳児が小さめでも、ミルク児が後で追いついても、多くは自然な経過です。気になる場合は健診で相談してください。

この研究の確からしさ

03 — Evidence
コホート研究多くの人を追跡する観察研究。因果関係の証明は限定的。

書誌情報

04 — Reference
研究デザイン
前向きコホート研究
エビデンス強度
コホート研究
掲載誌
Clinical Pediatric Endocrinology
発表年
2026
DOI
10.1297/cpe.2025-0093
出典
OpenAlex

この研究が関わる疑問

05 — Questions

関連する研究

06 — Related
2021 · コホート研究(20年追跡)コホート研究

乳児期の母乳と、その後の体格(茨城の子どもの20年追跡)

乳児期の授乳方法と、その後3〜22歳での体格との関係を、日本(茨城県)の子どもを20年追跡して調べた研究です。3歳の時点では、母乳で育った子どもはミルクの子どもより体重・過体重がやや少なめでした。しかし思春期以降では、授乳方法による体格の差ははっきりしなくなりました。母乳の体格への影響は、あっても幼児期までの小さなものと考えられます。

2023 · 全国コホート(縦断調査)コホート研究

乳児期の授乳方法と、身長がいちばん伸びる時期(思春期)の関係(日本の全国調査)

日本の全国的な調査データ(子ども約1万3千人)で、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)と、思春期に身長がいちばん伸びる時期(成長スパートの年齢)との関係を調べた研究です。母乳で育った子どもは、ミルクで育った子どもよりも、身長がいちばん伸びる時期がやや遅い傾向がありました。母乳の期間が長いほど、その時期が遅くなる関係もみられました。

2025 · 全国横断調査(二次解析)観察研究

授乳方法と日本の子どもの成長のパターン(全国調査の二次解析)

2023年の日本の全国調査データ(0〜5歳の子ども約8千人)を使い、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)によって、その後の身長・体重の伸び方に違いがあるかを調べた研究です。母乳で育った赤ちゃんは、最初の2年間は身長・体重がやや小さめでしたが、成長するにつれて差は縮まり、5歳ごろには授乳方法による体格の差はみられなくなりました。母乳だけでも長期的な成長に十分であることを示しています。