母親の摂食障害と子どもの呼吸器の症状(EUの子どもコホート連携の研究)
ヨーロッパの7つのコホート、母子13万組以上のデータをまとめて、妊娠前の母親の摂食障害と子どもの呼吸器の症状の関連を調べた研究です。妊娠前に摂食障害があった母親の子どもでは、就学前の喘鳴や学童期のぜんそくがやや多い傾向がみられました。母親のうつや不安を除いても関連は残りました。あくまで関連であり、摂食障害が直接ぜんそくを起こすと示したものではありません。
身長・体重など体の成長と、栄養や生活リズムとの関係を扱う研究。
乳幼児期の呼吸器ウイルス感染(細気管支炎・ライノウイルスなど)や抗菌薬の使用、大気汚染、アレルゲンへの反応などが、子どものぜんそくや喘鳴と関連するという報告が複数あります。いずれも観察研究が中心で、関連であって原因と結果(因果)の証明ではありません。要因は一つではなく、複数が重なると考えられています。
発熱そのものは体が感染とたたかうための防御反応で、解熱剤は主に『熱の数字を下げる』ためではなく『子どものつらさをやわらげる』ために使うのが基本です。解熱剤で熱性けいれんを予防できるという考えは、現在の研究では支持されていません。アセトアミノフェンとイブプロフェンは効果に大きな差はなく、2剤の併用や量の出し方は注意も必要です。何度を超えたら、どんな様子のときに受診すべきかの目安は、必ず医師に相談してください。
低濃度アトロピン点眼やオルソケラトロジー(夜つける特殊なコンタクトレンズ)には、子どもの近視が進む速さを遅らせる効果が無作為化試験で示されています。ただし効果はゆるやかで近視を治すものではなく、いずれも医療行為です。使用は必ず眼科医に相談してください。
父親の妊娠前の体重や生活習慣と、赤ちゃんの出生体重との関連は、まだ研究が少なく、はっきりしたことは分かっていません(証拠が不十分)。母親側に比べて調べられておらず、今後の検証が必要な段階です。
妊娠高血圧症候群にさらされた子は、その後の血圧やBMIなど代謝の指標がやや高い傾向が、観察研究のまとめで報告されています。関連であって因果とは言えません。
おしゃぶりを使う子は中耳炎(とくに急性中耳炎)にややかかりやすい傾向が報告される一方、指しゃぶりでは明らかな関連はみられません。観察研究が中心で、確からしさは低めです。
子どもは大人より多くの日差しを浴びやすく、子どものうちの強い日焼け(やけど)はその後の肌のリスクと関わると考えられているため、日焼け止め・衣類・日陰・帽子といった対策は一般に勧められています。ここで紹介する研究は、子どもや保護者がどれくらい対策をしているかの実態を調べたもので、対策をすれば将来の病気を確実に防げると示したものではありません。なお生後6か月未満の赤ちゃんには、日焼け止めよりも衣類や日陰、ベビーカーの日よけなどで日差しを避けるのが基本とされています。対策をしても日焼けが起こることもあり、複数の方法を組み合わせることが大切だと考えられます。
日本の全国コホートでは、IVFで生まれた子どもの9歳までの健康や発達は、自然に妊娠した子どもとほとんど差がなく、長期的な経過はおおむね良好と報告されています(観察研究のため、心配は担当医に相談を)。
大規模なコホート研究では、低出生体重(とくに1500g未満)の子は成長が追いつきにくく、発達のスクリーニングで気がかりが出る割合も高めという関連が見られています。ただし観察研究のため因果とは言い切れず、多くの低出生体重児は健やかに育ちます。
カルシウムの補給は、子どもの骨の量を増やしたり、血圧をやや下げたりする可能性が、ランダム化比較試験で示されています。ただし効果は小さめで、骨への効果は補給をやめた後も続くとは限らず、身長を伸ばす効果は確認されていません。
けが予防の教育や家庭の安全対策に取り組むと、子どものけがが減る方向に働く可能性が、ランダム化比較試験で示されています。チャイルドシートについては、地域ぐるみの働きかけで正しい使用が増えたという報告があり、家庭での守り方は子どもの年齢に合わせて変えていくことが大切だと考えられます。多くは海外の研究で、けがそのものを減らせるかを直接示した研究はまだ多くありません。
子どもの便秘(機能性便秘)では、まず治療として浸透圧性の下剤(PEG)が有効とされ、トイレトレーニングなど排便の習慣づくりも大切です。食物繊維や水分を十分にとること、運動などの生活習慣の見直しは、こうした治療を支える役割として勧められますが、それ単独でどれくらい効くかという根拠は限られており、研究の質も高くありません。気になる症状が続くときは自己判断せず医師に相談してください。
子どもの肥満には、親の体格や生活習慣、BMIの再上昇が早いこと、長い画面利用、妊娠中の環境など、いくつかの要因が関連すると報告されています。どれも一つの原因というより関連を示すもので、観察研究のため因果とは言えません。生活全体のバランスを見直す手がかりとして参考にしてください。
おねしょはとても多く、年齢とともに自然に良くなっていくことがほとんどです。家族に同じ経験がある、男の子である、膀胱の発達がゆっくりめ、といった要因とのゆるやかな関連が報告されています。長く続いて困るときには、アラーム療法やデスモプレシンといった有効な対応があり、多くの子で改善が期待できます。本人を責めず、必要なら小児科に相談するのがよいでしょう。
母乳で育った子はミルクの子と成長のしかた(伸びる時期やペース)がやや違う傾向がみられますが、幼児期以降は差が縮まり、いずれも観察研究のため授乳方法が成長を決めると断定はできません。
妊娠中の食事・運動の工夫や栄養カウンセリングによって、体重が増えすぎず推奨範囲に収まりやすくなり、帝王切開が減ることも報告されています。質の高い研究もありますが、対象が妊娠糖尿病の人や海外の集団に偏るものが多く、自己判断ではなく主治医と相談しながら取り組むのが安心です。
ビタミンDの低さや骨密度、関節のゆるさ・活発な活動との関連が観察されていますが、原因と言えるほどははっきりしていません。
妊娠中に血糖が高かった母親の子どもは、子ども時代の体格がやや高めだったり、将来の糖尿病リスクが高めだったりする傾向が観察されています。ただし観察研究が中心で、母親の血糖が子どもの肥満や糖尿病を直接引き起こすと示すものではありません。遺伝や家庭の生活習慣など共通の要因も関わります。
妊娠前に太りぎみ・肥満だった母親の子どもは、体格(BMI)や体脂肪がやや高めに推移する傾向があると、複数のコホート研究で報告されています。ただし関連の大きさは中くらいで、小規模な研究でははっきりしないこともあります。母親の体格を実験的に割り当てて比べることはできないため、これらは関連であって因果とは言い切れません。
妊娠中にオメガ3(魚油・DHAなど)を補給すると、早産、とくに34週より前の早い早産がやや減る可能性が、ランダム化比較試験をまとめた研究で示されています。効果はそれほど大きくなく、もともとオメガ3が足りている人では追加の補給で得られる利益は小さいとみられます。一方で、血を固まりにくくする働きから出産時の出血が増える可能性も指摘されており、量や時期(とくに妊娠後期)には注意が必要です。
屋外で過ごす時間を増やすと近視になりにくくなるという無作為化試験の報告があり、予防に役立つと考えられています。ただし、すでに近視になりかけた子どもでは効果が弱く、近くを見る作業の多さも近視と関連するため、早めに屋外時間を増やすことが大切です。
ジャンプや走る動きなど、体重がかかる中〜高強度の運動は、子どもや若者の骨の強さや骨密度を高める可能性が報告されています。とくに運動の「量」より「強さ」が関係し、カルシウムなどの栄養が足りていることも大切と考えられます。ランダム化比較試験のレビューもありますが、運動だけの効果を切り分けにくく、長期の影響ははっきりしないため、断定はできません。
妊娠中のカフェイン摂取が多いほど、低出生体重や小さく生まれる赤ちゃん(SGA)との関連がいくつもの研究でおおむね一貫して報告されており、目安の上限より少ない量でも関連が見られることがあります。一方で、もともと摂取量が少なめの集団を追った大規模な研究では明確な関連が出ないこともあり、根拠の多くは観察研究です。妊娠中のカフェインは控えめにという一般的な助言は変わらず、適量は個人差があるため医師に相談を。
早く生まれた子どもは、平均すると言葉・認知・運動の発達や就学準備でつまずきやすい傾向が報告されています(とくに在胎週数が短いほど)。ただし多くの子は標準的な範囲に育っており、早い時期からの支援が助けになる可能性があります。早産そのものを割り当てて比べる試験はできないため、根拠は観察研究にとどまります。
近くを見る作業が多いほど近視が多い傾向は複数の研究で示されていますが、スマホやタブレットなどデジタル画面に限った証拠は研究によって結果が割れており、はっきりしません。画面の使いすぎを避け、距離をとり、こまめに休む・屋外で過ごすといった工夫は理にかなっていますが、画面そのものが近視の原因かどうかは現時点では結論づけられません。
受動喫煙は、子どもの中耳炎に関係する要因の一つとして広く扱われています。ただし、ここで紹介した研究は観察研究が中心で、はっきりした関連を示すものと、関連が見られないものが混在しており、確実性は高くありません。子どもや妊婦のいる場では、念のため分煙・禁煙が勧められます。
栄養不足による子どもの発育の遅れ(低身長=スタンティング)は、妊娠中や乳幼児期に栄養を補う対策である程度防げると考えられています。妊婦への栄養補給で赤ちゃんの出生体重が増えたランダム化比較試験や、乳幼児期の栄養対策で身長の伸びがわずかに改善し低身長が減ったとするまとめがあり、世界全体でも低身長は大きく減ってきました。ただしこれらの根拠の多くは、もともと栄養が不足しがちな低・中所得地域の研究で、栄養が足りている日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。身長の伸びには遺伝や睡眠・運動など多くの要因が関わるため、栄養だけで決まるわけではなく、心配なときは専門家に相談してください。
トイレトレーニングの「正しい開始時期」や「いちばん良いやり方」を決めつけられるほどの根拠は、まだそろっていません。研究をまとめると、集中的に教える方法も、子どものペースに合わせる方法も、どちらも健康な子どもでは無理なく身につくと報告されています。ただし2つを直接くらべた質の高い研究はなく、優劣ははっきりしません。完了の時期は平均で2歳半ごろが多く、開始や完了の年齢とその後のおもらしなどとの関連は、調査によってはみられませんでした。子どもの様子(おしっこの間隔があく、自分で知らせる、便座に座れるなど)を目安に、焦らず進めるのがよいと考えられます。
ここでいううつ伏せの時間(タミータイム)とは、起きている間に、大人が見守りながら赤ちゃんをうつ伏せで遊ばせる時間のことです。眠るときの体勢の話ではありません(睡眠中は乳幼児突然死症候群を防ぐため、あおむけが安全です)。研究では、ふだんの寝かせ方・過ごし方と運動発達に中くらいの関連を示すものがある一方、はっきりした関連が出なかった小さな研究もあり、結果は分かれています。多くは観察研究で、関連であって因果(うつ伏せ遊びが発達を直接よくする)とまでは言えません。
よく計画された菜食・ヴィーガンの食事をしている子どもは、身長やBMIなどの成長が雑食の子どもとよく似ているという報告が、大規模なコホート研究や複数のレビューで示されています。一方で、ビタミンB12・ビタミンD・鉄・亜鉛・セレンなど、主に動物性食品からとる栄養素は不足しやすく、計画と補給が欠かせません。研究の多くは観察研究で、対象も海外が中心のため確実性は高くありません。子どもに菜食をさせる場合は、自己判断で進めず、成長と栄養を見守りながら専門家に相談してください。
ビタミンAが不足すると、子どもは感染症にかかりやすくなる可能性があり、不足が多い国ではビタミンAを補うことで病気や死亡を減らせると考えられています。ただしこうした効果は、もともとビタミンAが足りない地域の子どもで主にみられるもので、栄養状態の良い日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。日本では軽度の不足が低年齢の一部の子でみられることはあっても、健康な子どもに一律でビタミンAを足すことの利点ははっきりしていません。とりすぎは害になることもあり、自己判断で補わず、心配なときは専門家に相談してください。
下痢のときに亜鉛を補うと、下痢の続く時間や重さがやや軽くなる傾向が、多くのランダム化比較試験をまとめた解析で示されています。ただしこうした効果は、亜鉛が不足しがちな低・中所得国の子どもで主に確かめられたもので、栄養状態の良い日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。成長(身長・体重)への効果ははっきりせず、研究によって結果が分かれています。亜鉛のとりすぎは吐き気などを起こすことがあり、自己判断で補わず、心配なときは専門家に相談してください。
長く続く指しゃぶり・おしゃぶりは、歯並びやかみ合わせの乱れ(出っ歯・交叉咬合など)と関連すると報告されています。母乳育児や、おしゃぶり・指しゃぶりを早めにやめることは、歯並びへのよい関連がみられます。多くは観察研究で、3〜4歳ごろまでに自然にやめれば影響は出にくいとされます。
向きぐせなどでできる頭の形のゆがみ(位置的斜頭・絶壁)は、多くが成長とともに自然によくなります。ヘルメット治療は、中等度〜重度でも自然経過より優れているとは言えず、副作用もあるとランダム化比較試験で示されています。まずは向きを変える・うつぶせ遊び(タミータイム)が基本です。
体を動かす遊びは、太りぎみの子どもの運動量を増やし体型の改善につながると報告されています。一方で身体活動は7〜9歳ごろから減りやすいことも分かっており、外遊びなど体を動かす機会を意識的に作ることが役立つと考えられます。いずれも観察研究や短期の研究が中心で、断定はできません。
妊娠中に大気中の微小な粒子(PM2.5など)にさらされることは、低出生体重や早産といった好ましくない出産の結果のリスクの高まりと関連すると、大規模な研究でまとめられています。妊娠中・乳幼児期の曝露は、子どもの認知発達の低さとも関連が報告されています。個人でできる対策は限られ、社会全体での取り組みが重要な問題です。
帝王切開で生まれた子は腸内環境の違いやアレルギーとの関連が、乳児期に全身麻酔の手術を受けた子は発達の遅れとの関連が報告されています。いずれも観察研究で、必要な医療を避けるべきという意味ではありません。
母乳で育った子どもは、その後のBMIが低め(肥満になりにくい傾向)とする研究が多い一方、関連は見られない・むしろ逆とする研究もあります。母乳・ミルクの選択は家庭の事情によるもので優劣を決めるものではなく、肥満対策として一律に語れるものではありません。
思春期のおなかまわり(体幹)の脂肪の多さが、その後の心臓への負担と関連するという報告があります。子どものうちからの体重・体脂肪の管理が、将来の健康に関わると考えられます。
十分なビタミンDは、子どもの身長の伸びや骨の健康、感染への抵抗に関わると報告されています。一方で、ぜんそくを予防する効果ははっきりしていません。サプリの利用は量を守り、医師に相談してください。
子どもの空腹・満腹のサインに応じた食べさせ方や、運動・食事・行動を組み合わせた取り組みが、体重をほどよく保つ・改善することに役立つと報告されています。効果は中くらいで、家庭と環境の両面の工夫が大切です。
砂糖の多い飲食物はむし歯のリスクを高めます。フッ素入りの歯みがきや歯科でのフッ素塗布は、複数のランダム化比較試験のまとめ(コクラン)でむし歯をはっきり減らすことが確かめられています。歯が生えたら、長く授乳を続ける場合でも歯みがきなどの口腔ケアが大切です。
経済的な理由などで十分な食べ物が得られない状態は、子どもの体や心の健康の問題と関連すると報告されています。家庭への経済的・食の支援が重要だと考えられます。
妊娠中の体重が増えすぎると子どもの体脂肪の多さや帝王切開と、増えなさすぎると子どもの神経発達のリスクと関連すると報告されています。適切な範囲が大切ですが、ちょうどよい幅には個人差があります(※体重を食事や運動で管理できるかは別の問いで扱います)。
母体の年齢が高いことは死産、妊娠の間隔が短すぎることは早産のリスクの高まりと関連すると報告されています。ただし、多くの妊娠は無事に経過します。妊娠の計画は個人差を踏まえ医師に相談を。
出生体重や妊娠週数、ふだんの寝かせ方(うつぶせ遊びの時間)、生まれもった気質、生まれた季節などが、運動発達のペースと関連すると報告されています。発達の速さには大きな個人差があり、目安として理解してください。
偏食のある子どもの成長は、全体としては心配のいらないことが多いと報告されています。ただし一部の子はやせ気味になることがあり、体重が増えない・減るなど気になる場合は見守りや相談が大切です。
妊娠中の高温(暑さ)への曝露や、睡眠の質の悪さ・短さが、早産や小さく生まれること(SGA)と関連すると報告されています。観察研究が中心で確実性は限られますが、妊娠中の体調・環境を整える大切さを示します。
妊娠中の適度な運動は安全とされ、妊娠糖尿病や早産のリスク低下、子どもの発達と関連する報告があります。一方で効果は限定的との試験もあります。内容や強度は安全のため医師に相談してください。
栄養が不足しがちな環境では、複数の微量栄養素(MMN)の補充が、低出生体重・早産・貧血などを減らすと報告されています。日本のように栄養状態のよい集団にそのまま当てはまるとは限らず、補充は医師に相談してください。
妊娠中のビタミンDが、子どもの記憶などの認知や体の成長とよい方向で関連するという研究があります。ただし効果は大きくなく、はっきりしていません。自己判断での大量摂取は避け、摂取は医師に相談してください。
生後すぐや幼児期に体重が急に増えることは、後の太りすぎや肝臓の値の上昇と関連すると報告されています。赤ちゃんが大きくなること自体は自然なことですが、極端な増えすぎには注意という趣旨です。観察研究のため因果とは言えません。
加糖飲料を多く摂ることは、子どもの太りやすさや代謝の指標と関連すると観察研究で報告され、さらに加糖飲料を減らすランダム化比較試験でも子どもの体重の増えが抑えられました。水やお茶を基本にし、甘い飲み物は控えめにすることが無難と考えられます。
妊娠中の喫煙や受動喫煙は、子どもの成長の遅れ・ゼーゼー(喘鳴)・睡眠の問題と関連すると報告されています。早く禁煙するほど子どもの成長によく、子どもや妊婦のいる場では分煙・禁煙が勧められます。
加工度の高い食品が多い食事や食環境は、子どもの太りやすさと関連すると複数の研究で報告されています。手作りや野菜・果物を中心にすることが無難と考えられますが、いずれも観察研究で因果とは言い切れません。
睡眠が短い子は太りすぎになりやすいという関連が、複数の研究で報告されています。ただし関連は大きくなく、観察研究のため因果とは言い切れません。
ヨーロッパの7つのコホート、母子13万組以上のデータをまとめて、妊娠前の母親の摂食障害と子どもの呼吸器の症状の関連を調べた研究です。妊娠前に摂食障害があった母親の子どもでは、就学前の喘鳴や学童期のぜんそくがやや多い傾向がみられました。母親のうつや不安を除いても関連は残りました。あくまで関連であり、摂食障害が直接ぜんそくを起こすと示したものではありません。
乳幼児期のさまざまな経験とぜんそくや喘鳴の関係を調べた51件の研究を集めて、数値をまとめたメタアナリシスです。乳幼児期に呼吸器のウイルス感染にかかった子は、後に喘鳴やぜんそくになりやすい傾向がみられました。アレルゲンへの反応や環境要因も関連した一方、妊娠中の栄養対策やプロバイオティクスでは効果ははっきりしませんでした。
妊婦が自分や子どもの口の健康についてどれくらい知っているかを調べた26件の研究をまとめたレビューです。多くの妊婦で、乳幼児のむし歯予防や、いつから歯みがきを始めるか、最初の歯科受診の時期などについての知識が十分でないと報告されました。むし歯の原因菌が赤ちゃんにうつることへの理解も乏しく、妊娠期からの口の健康教育の必要性を指摘しています。
世界各地の先住民の子ども・若者を対象に、喘鳴に関係する要因を17の研究(参加者14万人弱)からまとめたレビューです。たばこの煙や室内の汚染、住環境といった環境の要因、収入や医療へのアクセスといった社会経済の要因、性別や出生体重、感染、アレルギーといった生物・臨床の要因が、喘鳴と関連していました。喘鳴の要因は一つではなく、複数が重なって関わると考えられています。
食料の値上がりが、低・中所得国の子どもの栄養状態や死亡とどう関係するかを調べた18件の研究(多くは繰り返し横断調査やパネル調査)をまとめたレビューです。18件中16件で、食料価格が高いほど低身長(スタンティング)ややせ、低出生体重などの悪い栄養状態が増える関連が報告されました。栄養のとれる食べ物を買えるかどうかが、子どもの発育に関わることを示唆しています。
4〜18歳の近視の子どもを対象にした無作為化比較試験13件(合計2529人)をまとめて分析した研究です。低濃度のアトロピン点眼(0.01〜0.05%)は、有効成分なしの点眼と比べて、目の奥行き(眼軸長)が伸びる量や近視の度合いの進みをわずかに抑えました。比較的安全に使えるとされましたが、研究ごとのばらつきは大きいものでした。
2000〜2025年に発表された観察研究を集めて整理したレビューです。合わせて350万人以上の子どものデータから、PM2.5や二酸化窒素(NO2)などの大気汚染物質に長く触れることと、子どものぜんそくの発症や悪化が関連していました。とくに乳幼児期の曝露で影響が大きい傾向がみられた、と報告しています。
向きぐせなどでできる頭の形のゆがみ(位置的斜頭)に対するさまざまな治療法の効果を、これまでの研究をまとめて評価したシステマティックレビューです。ヘルメット治療は、中等度〜重度の赤ちゃんで初期の頭の形の改善を早める傾向が見られましたが、自然経過や向きを変えるなどの方法と比べて、長期的にはっきり優れているとは示されませんでした。治療法による差は時間とともに小さくなる、と報告しています。
子どもの近視の進行を抑える方法として、0.01%アトロピン点眼、オルソケラトロジー(夜つける特殊なコンタクトレンズ)、低出力の赤色光照射、これらの組み合わせを、無作為化比較試験41件(合計6434眼)をまとめて比べた研究です。いずれの方法も、何もしない場合に比べて近視の進行を抑える効果がありました。目の奥行きの伸びを抑える点では赤色光照射が最も効果的という結果でしたが、安全性の確認はさらに必要です。
妊娠中のさまざまな環境(ペットとの接触、出産のしかた、抗菌薬の使用、母親の食事など)と、子どものぜんそくとの関連を、腸内細菌の役割に注目して8つの研究からまとめたレビューです。妊娠中にペットがいると子どもの腸内細菌が変わり、ぜんそくを起こしにくくなる可能性が示されました。一方、抗菌薬の使用や帝王切開はぜんそくが多いことと関連していました。腸内細菌がこれらの関連の橋渡しをしているかもしれないと考えられています。
2018〜2023年に発表された栄養対策に関するシステマティックレビュー・メタアナリシス46件をまとめて整理した研究です。低身長(スタンティング)・低出生体重・貧血など栄養不足の改善に対し、栄養対策が効果を示すという比較的しっかりした根拠があると報告しています。ただし、根拠の多くは試験(介入研究)から得られたもので、それを実際に大規模に広め、続けていくことには課題が残るとしています。
おしゃぶり・哺乳びん・指しゃぶりといった「吸う癖」が、子どもの中耳炎の起こりやすさと関係するかを調べた研究をまとめたものです。おしゃぶりを使う子は使わない子より中耳炎、とくに急性中耳炎にかかりやすい傾向がみられました。一方、指しゃぶりと中耳炎との明らかな関係は多くの研究でみられませんでした。
妊娠中・授乳期・幼児期に複数の微量栄養素(MMN)を補充すると、後の子どもの認知発達によい影響があるかを、ランダム化比較試験10件をまとめて調べたレビューです。多くの研究では明確な差は見られませんでしたが、一部の大規模試験では記憶や知能の指標がわずかに高まる可能性が示されました。研究の多くは栄養が不足しがちな低・中所得国で行われています。
発熱した子どもで、飲み薬のジピロン(メタミゾール)とイブプロフェンの熱を下げる効果を比べた、ランダム化比較試験3件をまとめた研究です。両者の熱の下がり方に大きな差はみられませんでした。ただしジピロンは、まれに重い副作用(白血球が減るなど)が報告されているため、多くの先進国で使われていない薬です。あくまで解熱効果の比較として参考になる研究です。
手づかみ離乳(赤ちゃん主導の離乳食)が、ふつうのスプーン離乳と比べて子どもの体重の増え方や肥満のなりやすさに関係するかを、これまでの研究をまとめて調べたレビューです。8件の研究(ランダム化比較試験2件と観察研究6件、合計約2,900人)を集めましたが、手づかみ離乳のほうが体重の増え方がゆるやかだとする研究もあれば、はっきりしない研究もあり、結論はそろいませんでした。どの研究も偏りのリスクが中〜高く、現時点でどちらの方法がよいとは言えないとしています。
子どもの便秘(機能性便秘)に対して、薬を使わない方法(食事の工夫、生活指導、骨盤底の運動、電気刺激など)がどれくらい役立つかを、93件のランダム化比較試験(約7800人)をまとめて検討したものです。多くの方法は研究の質が低く、はっきりした結論を出せませんでした。一部の方法(おなかへの電気刺激と骨盤底の運動の組み合わせなど)では、排便の成功や回数が改善する可能性が示されましたが、研究のばらつきや報告の不十分さが目立ちました。
妊娠中にオメガ3(魚油・DHAなど)を補給することが、赤ちゃんの体格や出産の経過にどう関わるかを調べた23件のランダム化比較試験をまとめた研究です。補給した約1万2千人と、しなかった約1万2千人を比べました。全体として、オメガ3を補給したグループでは早産になる割合がやや低く、生まれたときの体重・身長・頭囲がわずかに大きい傾向がみられました。ただし効果の大きさは小さく、解析の仕方によっては差がはっきりしなくなるものもありました。
読書や勉強など「近くを見る作業」の時間と子どもの近視との関係を調べた観察研究を集めて、まとめて分析したものです。33件の研究を統合した結果、近くを見る作業が多いほど近視になりやすい傾向が見られました。関連は地域を問わず一貫しており、特にアジアの子どもで強めでした。
子どもや若者の身のまわりにある緑地(公園や植物の多い環境)と近視の関係を調べた研究を集めて、まとめて分析したものです。6〜22歳の延べ約220万人を対象とした11件の研究を整理し、6件を統合して解析しました。多くの研究で、緑地が多い環境ほど近視になる人が少ない傾向が見られ、特に学校の敷地内や周囲500メートルほどの緑地が関連していました。
39か国・約44万人を対象にした128件の観察研究をまとめ、夜尿症(おねしょ)の頻度や関連する要因を調べたものです。全体ではおよそ7.2%の子どもに夜尿がみられ、家族に同じ経験がある、尿路感染がある、男の子であることなどが、夜尿のなりやすさとゆるやかに関連していました。これらは原因が確定したわけではなく、あくまで統計的な関連です。
高所得の国の子どもや思春期について、ベジタリアン食と雑食を比べた20件の研究を決まった手順で集めて整理したレビューです。ベジタリアンの子は食物繊維が多く、炭水化物からのエネルギーが多めで、ビタミンCやE・鉄・葉酸・マグネシウムのとり方が良い傾向がうかがえました。一方で、ビタミンB12とビタミンDのとり方が少なめになりやすいことが、注意すべき点として挙げられています。著者らは、長く追う前向きの研究がさらに必要だとしています。
ヨーロッパの小児栄養の専門家グループ(ESPGHAN)が、子どものヴィーガン(完全菜食)について手順を決めて文献を集め直し、雑食の子と比べたときの成長・栄養・血液検査を整理したものです。約1500人のヴィーガンの子どもを含む研究を見たところ、身長やBMIの指標に雑食の子との大きな差は見られませんでした。一方で、ヴィーガンが子どもの成長を十分に支えられるかは今ある証拠だけでは結論できないとし、たんぱく質・オメガ3・カルシウム・鉄に気を配り、ビタミンB12などを必ず補うこと、成長と栄養状態を定期的に確認することをすすめています。
学校で実施された5〜12歳の子ども向けの運動プログラムについて、栄養補給を組み合わせた取り組みを調べたランダム化比較試験13件(合わせて約4,000人)をまとめたレビューです。運動と栄養を組み合わせた取り組みは、運動だけ・栄養だけよりも効果が大きい傾向が示されました。骨に関しては、運動にカルシウム補給を組み合わせると、体重がかかる部位の骨量(骨ミネラル量)が2〜3%多く増えたと報告されています。効果はもともと栄養が不足ぎみの子どもや成長がゆっくりな子どもで大きい傾向でした。
学齢期の子どもや若者で、画面(スマホ・タブレット・パソコンなど)を見る時間と近視の関連を調べた15件の研究(約6万人分)をまとめたレビューです。全体としては、画面時間と近視のはっきりした関連は確認できませんでした。研究によって結果が食い違っており、画面時間が近視の危険因子かどうかは現時点では結論づけられないとしています。
10歳未満の子どもの下痢に亜鉛を補うことの効果を、ランダム化比較試験38件をまとめて検討した研究です。急性の下痢では、亜鉛を補った子の方が回復した割合がやや高く、下痢の続く時間も短くなる傾向がみられました(確実性は中程度)。長引く下痢でも回復が早まる可能性が示されました。一方で亜鉛を補うと吐き気・嘔吐が増えやすく、低めの用量の方が嘔吐は少ない結果でした。WHOの下痢治療の指針見直しのために行われた解析です。
おしっこ・うんちを自分でできるようになるためのトイレトレーニングの方法について、それまでの研究を集めて整理したレビューです。健康な子どもでは、集中的に教える方法(アズリン&フォックス法)も、子どものペースに合わせる方法(子ども主導法)も、どちらも早く・うまく身につくと報告されていました。ただし2つの方法を直接くらべた研究はなく、どちらが優れているかははっきり言えませんでした。研究ごとに対象や進め方がばらばらで、まとめて統計処理(メタアナリシス)はできませんでした。
肥満のある子ども・若者の運動量を増やすために、アプリやメッセージ、運動ゲーム(エクサゲーム)などデジタルを使った取り組みが効果的かを、9件のレビューをまとめて評価した研究です。全体として、デジタルの取り組みは運動量を小〜中くらい増やす効果がみられました。とくにメッセージ送信や運動ゲームに一定の効果がありましたが、効果が続くかどうかのデータは限られていました。
子どもに増えている「近視」と「肥満」は同じ子に同時に起こりやすく、生活習慣という共通の背景があります。この両方の予防に運動や外での活動が役立つかを、13件の研究を整理したレビューです。運動不足や外で過ごす時間の少なさが、肥満のリスクと視力の悪さの両方と関連していました。外での活動は近視のリスクを下げ、肥満と近視のつながりも和らげる可能性が示されました。
夜などに足の痛みを訴える子どもの「成長痛」に、どんな要因が関わるかを、37件の研究(約1万6千人)をまとめて調べた研究です。成長痛のある子どもは、ない子に比べて血液中のビタミンDが低めで、骨密度もやや低めでした。また、体の柔らかさ(関節のゆるさ)や活発に動くことが、成長痛と関係する可能性が示されました。
母乳で育つことが、子どもの歯並び・かみ合わせ(咬合)の乱れと関係するかを、18件の研究をまとめて調べたシステマティックレビューです。母乳で育つことは、交叉咬合(上下の歯の横ずれ)などの一部の歯並びの乱れが少ないことと関連していました。母乳の期間が長いほどリスクが下がる傾向もみられました。
フッ素入りの歯みがき粉が子どものむし歯を防ぐかを、1年以上追跡したランダム化比較試験をまとめたコクランのレビューです。フッ素入りの歯みがき粉でみがくことは、フッ素なしに比べてむし歯をはっきり減らし、濃度が高いほど予防効果が大きいことが示されました。ただし濃度が高すぎると、発達中の歯に白い斑点(歯のフッ素症)が出るリスクもあります。
歯科などで歯の表面に塗るフッ素(フッ素バーニッシュ)が、子ども・思春期のむし歯を防ぐかを、ランダム化比較試験をまとめたコクランのレビューです。フッ素の塗布は、乳歯・永久歯のどちらでも、むし歯を有意に減らす効果が示されました。フッ素入り歯みがきと並ぶ、確かなむし歯予防の方法の一つです。
砂糖入りの飲み物(加糖飲料)と体重増加の関係を、コホート研究とランダム化比較試験をまとめて調べた研究です。観察研究では、加糖飲料が多いほど子どもの体格(BMI)が増える関連がみられました。さらに、加糖飲料を減らすランダム化比較試験では、子どもの体重の増えが抑えられ、とくに加糖飲料を別の飲み物に置き換えた場合や、太りぎみの子どもで効果がはっきりしていました。
食料不安(経済的な理由などで十分な食べ物が得られない状態)と、子ども・思春期の健康との関係を、複数のメタアナリシスをまとめて評価した「アンブレラレビュー」です。食料不安は、子どもの体や心のさまざまな好ましくない健康アウトカムと関連していました。ただし、元の研究の質にばらつきがあり、慎重な解釈が必要です。
栄養不足による子どもの発育の遅れ(低身長=スタンティング)を、生後1000日(妊娠〜2歳)までの栄養対策で改善できるかを、13件の研究をまとめて調べた研究です。栄養を補う食品や強化食品などの対策は、身長の伸びをわずかに改善し、低身長の割合を下げることと関連していました。とくに早い時期から始めるほど効果が大きい傾向がありました。
妊娠中の運動や食事の改善(生活習慣の取り組み)が、妊娠糖尿病を防ぐかを、92件の試験(約3万2千人)の個人データを統合して調べたメタアナリシスです。生活習慣の取り組みによって、妊娠糖尿病になるリスクが約10%下がる傾向が見られました。
高所得国で、文化的・民族的に多様な背景をもつ0〜5歳の子どもの肥満予防のために行われた生活面の取り組み(食事や運動の支援)を、38件のランダム化比較試験をまとめて調べた研究です。およそ3分の1の取り組みで、子どもの体重が予防の方向に改善しました。とくに、それぞれの家庭の文化に深く合わせて工夫した取り組みのほうが、食習慣や体重の改善につながりやすい傾向がありました。
ダンスやスポーツなど体を動かして遊ぶタイプのビデオゲーム(アクティブビデオゲーム)が、太りぎみ・肥満の6〜12歳の子どもの運動量や体型にどう影響するかを、13件の研究からまとめたレビューです。4〜12週間の取り組みでは、運動量が増え、BMIや体の組成がいくらか改善する傾向が見られました。13〜24週間と長く続けた場合は運動量は増えるものの、BMIへの効果は小さめでした。
前の出産から次の妊娠までの間隔(妊娠間隔)と、早産との関係を、多くの研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。妊娠間隔が24〜29か月のときに早産のリスクが下がることが示され、家族計画や医療の目安になりうると整理されました。間隔が短すぎる場合は早産のリスクが上がる傾向です。
妊娠高血圧症候群(妊娠中に血圧が高くなる状態)にさらされた子どもの、その後の代謝や血圧などの指標を、多くの研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。妊娠高血圧症候群にさらされた子どもは、血圧やBMIがやや高めになりやすい一方、インスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)のリスクはむしろ低いなど、影響は一面的ではないことが示されました。
母乳育児が、その後の人生でのBMI(体格の指標)の変化にどう関わるかを、3件のランダム化比較試験と24件の長期コホート研究からまとめたレビューです。多くのコホート研究で、母乳で育った子どもはその後のBMIが低め、つまり肥満になりにくい傾向が示されました。
砂糖の多い食品や飲み物など、健康によくない飲食物の摂取と、子どものむし歯との関係を、多くの研究からまとめたシステマティックレビューです。10歳以下の子どもでは、こうした不健康な飲食物の摂取がむし歯のリスクを高めることが示されました。
BMIが高い(太りぎみ・肥満の)子どもや思春期の子への取り組みの効果を、58件のランダム化比較試験(約1万人)から評価した、米国予防医療作業部会のための最新のまとめです。運動や食事・行動を組み合わせた「行動的な体重管理プログラム」によって、BMIがわずかに改善することが示されました。一部の薬についても検討されています。
新型コロナウイルスの流行が、子どものいる世帯の食料不安(十分な食べ物が得られない状態)にどう影響したかを、多くの研究からまとめたシステマティックレビューです。食料不安の測り方は研究によって異なりましたが、多くの研究で、流行によって子どものいる世帯の食料事情が悪化したことが示されました。
屋外の大気汚染へのさらされ方と、早産・低出生体重・死産といった好ましくない出産の結果との関係を、49件の研究からまとめたものです。大気汚染にさらされることは、これらの好ましくない結果のリスクの高まりと関連していました。
魚介類を通じて取り込まれることがあるPCB(ポリ塩化ビフェニル)への妊娠・授乳中の曝露と、子どもの成長との関係を、複数の研究からまとめたメタアナリシスです。PCB曝露と子どもの成長との間には、ほとんど、あるいはまったく関連が見られませんでした(ただし確実性は低い)。魚の栄養面の利点を考えるうえでの安心材料の一つです。
米国政府プロジェクトの一環として、2歳までの乳幼児で、超加工食品(加工度の高い食品)が多い食事と、成長・体型・肥満との関係を調べたシステマティックレビューです。この年齢層については、結論を出せるだけの十分な研究がなく、関係があるともないとも言えない(評価不能)と整理されました。
米国政府プロジェクトの一環として、2歳までの乳幼児で、飲み物のパターンと成長・体型・肥満との関係を調べたシステマティックレビューです。この年齢層については、結論を出せるだけの十分な研究がなく、関係があるともないとも言えない(評価不能)と整理されました。
米国政府プロジェクトの一環として、低カロリー・ノンカロリー甘味料(いわゆる「ダイエット系」)の飲み物と、子どもの成長・体型・肥満との関係を調べたシステマティックレビューです。子ども・思春期では、これらの飲み物と成長や肥満との間に関連はないかもしれない、という(限定的な確かさの)結論でした。
妊娠中のお母さんが大気中の微小な粒子(PM2.5・PM10などの粒子状物質)にどれくらいさらされたかと、生まれた赤ちゃんの体重との関係を、61件の研究(15か国・約3450万人の出産)からまとめたものです。粒子へのさらされ方が多いほど、十分な週数で生まれても体重が軽い(正期産低出生体重)リスクがやや高くなる関連が見られました。
PFAS(水や食品を通じて取り込まれることがある「有機フッ素化合物」)への曝露と、子どもの肥満との関係を、24件の研究(うち19件はコホート)からまとめたメタアナリシスです。妊娠中の主な4種類のPFAS曝露と、子どものBMIや腹囲の変化との間に、統計的にはっきりした関連は見られませんでした。
健康な赤ちゃんが、寝返りやお座り、歩き始めといった体の大きな動き(粗大運動)をどう発達させるかに関わる要因を、長期間追いかけた36件の研究からまとめたレビューです。出生時の体重が重いほど運動の発達が進みやすいという関連が、最も確かな根拠とともに示されました。妊娠週数(早産かどうか)や、ふだんの寝かせ方(うつぶせの時間など)にも、中くらいの強さの関連が見られました。
子どもがより健康的に食べられるように、人の「行動のしくみ」(ナッジ=そっと後押しする工夫)を使った取り組みが効果的かを、137件の取り組みをまとめて調べた研究です。こうした工夫の約7割で、子どもの食事に良い変化がみられました。とくに効果的だったのは、ごほうび(インセンティブ)、初期設定を健康的なものにする(例:標準を野菜つきにする)、置き場所など環境を変える工夫でした。一方、情報を伝えるだけの方法は最も効果が小さいものでした。
低・中所得国を対象に、妊娠中のビタミン・ミネラルの補充が、お母さんや赤ちゃん、子どもの健康にどう影響するかを、72件の研究(約45万人)からまとめたシステマティックレビューです。特に複数の微量栄養素をまとめて摂る補充(MMN)は、お母さんの貧血、低出生体重、早産、小さく生まれること(SGA)、死産などの多くのアウトカムを改善しました。
受動喫煙(自分は吸わないが、まわりのたばこの煙にさらされること)と、子どもの成長との関係を、多くの研究からまとめたシステマティックレビューです。受動喫煙は、子どもの成長への好ましくない影響と関連しうることが示されました。子どもや妊婦と同居する喫煙者が、煙の影響を知ることが重要だと指摘されています。
米国政府プロジェクトの一環として、妊娠中の食事のパターンと、妊娠中の体重増加との関係を調べたシステマティックレビューです。野菜・果物・ナッツ・豆・魚が多く、加糖や赤身肉・加工肉が少ない食事パターンは、妊娠中の体重が増えすぎるリスクが低いことと関連する、という(限定的な確かさの)結論が示されました。
鉛は子どもの発達に有害な金属として知られています。このレビューは、症状のない子どもに対して血中の鉛を調べる検査(スクリーニング)が役立つかを、米国予防医療作業部会のために検討したものです。検査の利益と害についての根拠は乏しく、質問票では鉛が高い子どもを正確には見つけられないと整理されました。
6歳までの保育園など「親以外による保育」が、子どもの食事・運動・座りがちな時間・睡眠とどう関わるかを、13件の長期研究からまとめたシステマティックレビューです。関連を示す研究もありましたが、結果は一致せず、保育そのものがこれらの生活習慣を良くも悪くもするとははっきり言えませんでした。
米国政府プロジェクトの一環として、親や養育者の食べさせ方(与え方)と、子どもの成長・体格との関係を調べたシステマティックレビューです。子どもの空腹・満腹のサインを読み取り、それに応じて授乳・食事を与える「応答的な食べさせ方」を母親に指導すると、2歳までの子どもの体重がほどよく保たれやすい、という中くらいの確かさの結論が示されました。
妊娠中に血糖が高かった母親(妊娠糖尿病や1型・2型糖尿病)から生まれた子どもが、その後に太りやすかったり血糖の調節に問題が出やすかったりするかを、20件の観察研究(子ども約2万6千人)をまとめて調べた研究です。妊娠糖尿病の母親の子どもは、子ども時代のBMI(体格の指標)がやや高めの傾向がありました。母親の妊娠中の血糖管理が、子どもの将来の体格や代謝にも関わる可能性を示しています。
水道水へのフッ素添加(フッ素化)が、むし歯の予防に役立つかを調べたコクランのシステマティックレビューです。フッ素化はむし歯を減らすと考えられてきましたが、この基準を満たす研究の多くは1975年より前のもので、現代の生活(フッ素入り歯みがき粉の普及後)における質の高い証拠は限られていることが示されました。
1966年から2007年までに発表された研究を集め、睡眠時間が短いことが肥満や体重増加の独立した原因になりうるかを調べた、初期のまとめ(システマティックレビュー)です。睡眠時間が短いことと、体重の増加・肥満との関連が示されました。睡眠不足は食欲や活動量、体温の調節などを通じて体重に影響する可能性があると考えられています。
子どもから大人まで、睡眠時間が短いことと肥満との関係を、45件の研究(合計63万人以上、うち子どもの研究は19件)を統合して調べた大規模なメタアナリシスです。睡眠時間が短い人ほど肥満になりやすいという関連が、子どもでも大人でも見られました。睡眠と体重の結びつきを示した代表的な初期研究の一つです。
子ども・思春期を対象に、有酸素運動が血液中の「非HDLコレステロール」(悪玉とされる成分を含む指標)に与える影響を、ランダム化比較試験を集めて調べたメタアナリシスです。非HDLコレステロールには明確な変化は見られませんでしたが、体脂肪の割合は減り、有酸素能力(持久力)は向上しました。
子どものまわりの「食環境」(家にある食べ物、近くのお店、値段、魅力的に見える宣伝など)が、子どもの太りすぎ・肥満とどう関わるかを、81件の研究をまとめて整理した研究です。家にある食べ物の種類や、ファストフード店の多さ、健康的な食品店までの近さなどが、よく調べられている要因でした。
栄養不足の指標である子どもの低身長(発育不良=スタンティング)が、世界の歴史の中でどう変わってきたかを、900以上の過去の成長研究をまとめて調べた研究です。世界の低身長の割合は1985年の約47%から2022年の約22%へと大きく減りました。いまの高所得国でも、昔は子どもの低身長が多かったことが示されています。
帝王切開は世界的に増えています。経腟分娩と違って産道の細菌に触れないことが、赤ちゃんの腸の発達や免疫に影響する可能性が指摘されています。この研究は、帝王切開で生まれた子のおなかの不調(乳児のコリック・便秘・逆流など)や、後のアレルギー・腸の病気などとの関係を、複数の研究をまとめて整理しました。
妊娠前から赤ちゃんの時期(いわゆる「最初の1000日」)に、その後の子どもの肥満につながりやすい要因を、たくさんの研究をまとめて調べた分析です。約188万人分のデータから59個の候補が挙がり、そのうち23個が肥満と一貫して関連していました。特に強かったのは、妊娠前のお母さんの体重が重いことなどでした。
「トイレトレーニングを始めるのが遅いと、便秘などおなかの不調につながるのでは」という考えを確かめるため、スウェーデンで生後0〜2か月の赤ちゃん271人を、親が介助して早くからトイレ練習を始めるグループと、しないグループにランダムに分けて比べた研究です。生後9か月までの時点で、便秘・コリック(激しい泣き)・いきみといったおなかの不調が起きた割合は、両グループでほとんど差がありませんでした。早い時期からの介助つきトイレトレーニングが、こうしたおなかの不調を減らすという結果は得られませんでした。
ヨーロッパとアメリカで、3〜14歳の近視の子ども847人を、有効成分なしの点眼・アトロピン0.01%・0.03%の3群にくじ引きで分けて2年間調べた試験です。どちらの濃度のアトロピンも、近視が進む速さを有効成分なしの点眼よりわずかに遅らせました。とくに、もともと進行が速かった子どもで効果が大きい傾向でした。副作用ではまぶしさが多めでしたが、おおむね問題なく続けられました。
8〜12歳の近視の子ども96人を、オルソケラトロジー(夜つける特殊なコンタクトレンズ)だけのグループと、それに0.01%アトロピン点眼を加えたグループにくじ引きで分け、2年間調べた試験です。点眼を加えたグループの方が、目の奥行き(眼軸長)の伸びがゆるやかでした。レンズだけの場合に併用すると、近視の進行をさらに抑える効果が期待できることが示されました。
中国・上海で、6〜9歳の子ども約3200人に腕時計型の機器を着けてもらい、屋外で過ごした時間を1年間記録した研究の追加解析です。もともと遠視ぎみの子どもでは、屋外時間が長いほど近視の方向への変化が小さく、1日約120分でその効果が頭打ちになりました。一方、すでに近視になりかけの子どもでは、屋外時間を増やしても効果ははっきりせず、1日120分を超えてようやく弱い傾向が見られる程度でした。
ベトナムの便秘がある未就学児(2〜5歳)111人を対象に、バチルス芽胞のプロバイオティクスとプラセボ(偽薬)を28日間比べたランダム化試験です。プロバイオティクスをとった2グループでは、プラセボに比べて便秘の子の割合が大きく減る傾向が示されました。あわせて、腸内細菌の構成や一部の免疫の指標にも変化がみられたと報告しています。
パキスタンの農村で、亜鉛を多く含むように育てた小麦の粉を25週間食べてもらい、ふつうの小麦粉と比べた二重盲検の試験です。思春期の女子では身長や体重に差はみられませんでした。幼い子どもでは頭囲がわずかに大きくなりましたが、ほかの成長の指標には差がありませんでした。試験の終盤に呼吸器感染症がやや少ない時期もありましたが、下痢への効果は確認されませんでした。
インド東部の病院で、予防接種に来た乳児320人を、亜鉛を間欠的に補うグループと補わないグループに分けて比べた試験です。亜鉛のグループでは、1年あたりの呼吸器感染症と下痢の回数が少なく、身長・体重の伸びも大きい傾向がみられました。予防接種に合わせて亜鉛を加えるという、手軽な方法が乳児の感染症を減らす可能性が示されました。
中国の農村部で、未就学児とその養育者3836組を対象に、けが予防の内容を含む教育アプリの効果をくじ引きで割り付けて調べた研究です。けが予防の教育を受けたグループでは、1年間のけがの発生がわずかに少なく、養育者の安全への意識・見守り行動・家庭環境の安全度も改善したと報告されています。安全教育の働きかけが、子どものけがを減らす方向に役立つ可能性を示しています。
向きぐせなどでできる頭の形のゆがみ(位置的斜頭・絶壁)に対し、ヘルメット治療が自然経過より優れているかを、中等度〜重度の生後5〜6か月の赤ちゃん84人で調べたランダム化比較試験です。ヘルメットをつけたグループと、何もせず自然な経過を見たグループで、2歳半時点の頭の形の回復に差はありませんでした。一方、ヘルメットには皮膚のかぶれや痛み、装着のつらさなどの負担がありました。
栄養が不足しがちな西アフリカ・ガンビアの妊婦を対象に、妊娠後期に高エネルギーの食べ物(ピーナッツのビスケット)を毎日とるグループと、出産後にとるグループにランダムに分けて比べた古典的な研究です。妊娠中に栄養を補給したグループでは、赤ちゃんの出生体重が増え、とくに食料の乏しい時期に効果が大きく、低出生体重や周産期の死亡も減りました。妊娠中の栄養が、赤ちゃんの育ちと生存に直接関わることを示した重要な研究です。
牛乳をあまり飲まない香港の7歳の子ども84人を、カルシウムを補給するグループと偽薬のグループにランダムに分け、18か月間、骨や身長の変化を比べた古典的な研究です。カルシウムを補給したグループは、背骨や腕の骨の量(骨密度)がより増えました。一方で、身長の伸びには差がありませんでした。
在胎週数のわりに小さく生まれた赤ちゃん412人を、2〜3歳ごろまで追った中国の観察研究です。母親が妊娠前にやせていたことや、妊娠中の体重増加が不足していたこと・増えすぎたことが、子どもの発達や社会性の遅れの多さと関連していました。とくに体重増加の不足との関連が目立ちました。
位置的斜頭でヘルメット治療を受けた赤ちゃん約240人について、治療の前後で頭囲(頭の周りの長さ)の伸び方を調べた観察研究です。治療後に頭囲のパーセンタイル(標準的な伸びと比べた位置)が中央値で50から25へと下がっていました。頭の中の圧が高まるような症状は見られず、発達は年齢相応でしたが、この変化の臨床的な意味を確かめるにはより長期で大規模な追跡が必要だとしています。
妊娠中に母親ががん治療(抗がん剤など)を受けた子ども96人を対象に、1歳半ごろの運動発達を標準的な検査で調べた観察研究です。粗大運動(体を大きく動かす力)は平均すると基準よりやや低く、3人に1人で遅れがみられましたが、手先の細かい運動はおおむね基準どおりでした。抗がん剤などの治療を受けたこと自体と運動発達の遅れとの間に明確な関連はなく、手先の運動は妊娠週数の短さや家庭の負担と関連していました。
イタリアの診療記録をもとに、12万人あまりの子どもを5年以上追いかけた研究です。生後1年以内に細気管支炎にかかったり抗菌薬を使ったりした子は、後にぜんそくと診断されやすい傾向がみられました。その関連の多くは、1〜4歳の間に喘鳴(ゼーゼー・ヒューヒュー)を繰り返すという段階を通して説明できる、と報告しています。
米国カリフォルニア州で生まれた約380万人の子どもを対象に、母親の妊娠前のBMIや妊娠中の体重増加と、子どものてんかんとの関係を調べた観察研究です。母親が妊娠前に太りぎみ・肥満だった場合は子どものてんかんがわずかに多い傾向がありましたが、妊娠中の体重増加が少なすぎ・多すぎだったことと、てんかんとのはっきりした関連は見られませんでした。
南アフリカと米国の2地域で、母子およそ2,900組を対象に、妊娠中のさまざまな要因と1歳児の発達(認知・運動・言葉)との関係を調べた前向きの観察研究です。米国の地域では母親の肥満が、認知や表出言語の得点の低さとゆるやかに関連していました。家庭の過密、母親の学歴の低さ、妊娠中のうつ、低出生体重なども、両地域で発達の得点の低さと関連していました。
前回の出産から次の妊娠までの間隔(妊娠間隔)が、新生児の経過とどう関連するかを調べた後ろ向きコホート研究です(単胎の妊娠1194件)。母体年齢などを調整すると、間隔が24か月以上の場合は早産が起こりにくい傾向がみられました。一方、6〜11か月の短い間隔や60か月以上の長い間隔では、新生児集中治療室(NICU)に入る割合が高めでした。
中国の母子1,100組を追い、妊娠初期・中期の母親の血中ビタミンD濃度と、生まれてから6歳までの子どもの身長・体重の伸び方の関連を調べた研究です。母親のビタミンDが低い場合だけでなく高い場合にも、子どもの成長が不安定になりやすい傾向がみられ、関連は単純な右肩上がりではなく、ほどよい範囲があることが示唆されました。関連の出方は男女で異なりました。
妊娠32週より前に生まれた未熟な赤ちゃんを詳しく調べたコホート研究です。妊娠中に大気中の微小な粒子(PM2.5)に多くさらされていたことは、妊娠高血圧腎症(妊娠高血圧症候群の一つ)の起こりやすさや、出生体重のパーセンタイル(同じ週数の赤ちゃんの中での位置)の変化と関連していました。血管や代謝への影響が背景にある可能性が指摘されています。
中国の小児病院で、急性の呼吸器感染症で入院し、ウイルス検査を受けた約2,600人の子どもを追った研究です。乳幼児期にライノウイルス(HRV)に感染した子は、その後ぜんそくと診断されやすい傾向がみられました。とくに13〜24か月での入院で関連が目立ち、RSウイルス単独では関連がはっきりしませんでした。
双子を妊娠した女性919人とその新生児を対象に、妊娠中の体重増加と出産時の問題との関連を調べた中国の観察研究です。体重増加が不足していた場合は早産や赤ちゃんが小さく生まれること(SGA)と、増えすぎた場合は妊娠高血圧や赤ちゃんが大きく生まれること(LGA)と関連していました。双子では体重増加の幅にもきめ細かな配慮が必要だと示しています。
西アフリカで冬に吹く、砂ぼこりを多く含む乾いた季節風「ハルマッタン」にさらされた妊婦と、その赤ちゃんを調べたガーナの研究です。妊娠中にこの季節を経験したことは、赤ちゃんの頭囲(頭の周囲)が小さめであることと関連していました。妊娠の特定の時期での曝露がより影響しやすい可能性が示されました。一方、出生体重や身長との明確な関連は見られませんでした。
体外受精(IVF)や人工授精(IUI)など不妊治療で生まれた子どもと、自然に妊娠した子どもの、生まれてから12歳までの身長・体重・BMIの伸びを比べた台湾の全国コホート研究です。全体では不妊治療群で体重・身長・BMIがやや低めでしたが、その差の多くは双子など多胎が多いことによるものでした。単胎どうしで比べると、ほとんどの差はなくなり、急な体重増加や肥満・やせのリスクにも差はみられませんでした。
台湾の子どもの追跡研究で、6歳ごろの約1,330人を対象に、生まれたときの父親の年齢と肺の働きの関係を調べました。父親の年齢が高いほど、肺機能の一部の指標がわずかに低い傾向がみられました。この傾向は、おなかの中でたばこの煙にさらされた子どもや、母乳で育てられなかった子どもで特にはっきりしていました。
アメリカで初めて出産する妊婦さん約7,300人を対象に、妊娠の直前から初期にかけてのカフェイン摂取量と、出産時の好ましくない結果(早産、小さく生まれる赤ちゃん、妊娠高血圧、流死産など)との関係を調べた大規模なコホート研究です。1日200mg以上のカフェインをとっていたグループでも、年齢や生活習慣などの条件をそろえて比べると、これらの結果が増える明確な関連は見られませんでした。50mgずつ増やして調べても、リスクが上がる傾向ははっきりしませんでした。
とても早く生まれた(在胎32週未満)子ども499人を、修正1歳・2歳・5歳の時点で発達検査して追跡した研究です。多くは認知面でおおむね正常範囲で、5歳時点で約81%が標準的な範囲にありました。1歳時点の検査は5歳の認知を予測する力が弱く、2歳時点の検査の方がよく予測できたと報告されています。
シンガポールで生まれた子どもを追跡した出生コホート研究で、2歳・3歳・6歳・9歳のときの紙の読み書きの時間や画面(スクリーン)を見る時間と、9歳での近視との関係を調べました。471人のうち9歳で37%が近視でした。6歳・9歳のときに紙の読み書きの時間が長い子どもほど近視が多い傾向があり、特に9歳で1日3時間を超えると近視の割合が高めでした。一方、画面を見る時間は近視とのはっきりした関連は見られませんでした。
日本の全国調査のデータをもとに、3万人以上の子どもを追って、2歳半ごろの昼間の排尿の状況と、4歳半でのおねしょの関係を調べたものです。2歳半でまだ昼間もおむつが必要だった子は、すでに外れていた子に比べ、4歳半でおねしょがみられる割合がやや高い傾向がありました。研究者らは、これは昼間の状況がおねしょの原因というより、膀胱の発達のスピードの個人差を反映しているのだろうと述べています。
アラスカの先住民の1〜4歳の子ども236人を対象に、家庭環境・栄養・遺伝が、中耳炎に関係する難聴とどう関わるかを調べた前向きの観察研究です。母乳をあげていた子どもは、中耳炎に関係する難聴が少ない傾向がみられました。一方、家庭に喫煙者がいることと中耳炎関連の難聴との間に、はっきりした悪い方向の関連はみられず、この集団ではむしろ難聴が少ない方向の数値も出ています。研究チームは、コロナ禍での実施など条件の影響もあり、結果は決定的ではないと述べています。
イスラエルの乳幼児健診のデータを使い、約120万人の赤ちゃんの身長・体重・頭囲の伸びを、家庭の食事(ヴィーガン・ベジタリアン・雑食)ごとに2歳まで追って比べた研究です。身長や成長の指標の差はどのグループでもごく小さく、低身長(発育の遅れ)の割合もほぼ同じでした。ただし生後まもない時期はヴィーガン家庭の赤ちゃんで体重が少なめの子がやや多く(オッズ比1.37)、この差は2歳までに見られなくなりました。著者らは、栄養環境の整った国では結果はおおむね安心できる内容だとしています。
妊娠前に太りぎみ・肥満だった母親と、その子どもの体重を、出産から4〜7年後に調べました。母親自身は太りすぎや肥満が続いている割合が高い傾向がはっきり見られました。一方、子どもの肥満については、太りぎみ・肥満だった母親の子どもで割合がやや高めでしたが、他の要因を考え合わせると統計的にはっきりした関連とは言えませんでした。
妊娠前に太りぎみ・肥満だった母親の子どもと、ふつうの体重だった母親の子どもで、生まれてから6歳までのBMI(体格の指標)の変化を約2万人のデータで比べました。妊娠前に太りぎみ・肥満だった母親の子どもは、0〜2歳でも2〜6歳でもBMIがやや高めに推移する傾向が見られました。一方、妊娠糖尿病があったかどうかでは、はっきりした差は見られませんでした。
おねしょの治療として広く使われる「アラーム療法」(おしっこを感知すると音で起こす装置)を受けて改善した子ども141人の記録をふり返り、効果のしくみを調べたものです。治療を続けるうちに、おしっこが出る時間が夜のなかで少しずつ遅くなり、半数の子が約6週間で乾いた夜を達成できていました。研究者らは、アラーム療法が夜の排尿の仕方や膀胱のはたらきを変えている可能性を示唆しています。
とても早く生まれた(在胎32週未満)子ども計1,294人を、1980年代生まれと2000年代生まれの2つの集団で比べた研究です。新生児医療の進歩により、2000年代の子の方が生後2年間の身長・体重の伸びがやや良く、運動の発達も改善していましたが、その差の多くは親の学歴の高さや新生児期の合併症の少なさで説明されました。一方で、言葉や運動の発達の遅れは、満期で生まれた子の標準と比べると、どちらの世代でも残っていました。
レバノンの近視のある3〜17歳の子ども100人を対象に、画面を見る時間や屋外活動と近視の進み方の関連を調べた研究です。新型コロナの外出制限の時期は、画面時間が増えて屋外活動が減り、近視の進み方も大きくなっていました。ただし、アンケートで尋ねた1日の画面時間や週あたりの屋外時間そのものは、近視の進み方とのはっきりした関連は示されませんでした。中東という、これまであまり研究されてこなかった地域からの報告です。
在胎29週未満で生まれた子ども112人を、就学時に幼稚園の先生が評価する「就学準備(発達の各領域での準備度)」で調べた研究です。とても早く生まれた子どもは、同じ地域の他の子に比べて、2つ以上の領域でつまずきやすい割合がおよそ2倍(34%対14%)でした。1歳半〜2歳の時点で発達の遅れがあった子ほど就学時のつまずきも多い傾向でしたが、遅れがなかった子でも35%が就学時に何らかのつまずきを示しました。
6〜14歳の子ども523人を2年間追いかけ、スマートフォンの使用時間をアプリで記録して、近視の進み方との関連を調べた研究です。1日の使用時間が長い子ほど近視が進みやすい傾向がみられました。一方で、屋外で過ごす時間が長いことや、画面を顔から遠ざけて見ることは、近視が進みにくいことと関連していました。親が近視の子どもは、そうでない子に比べて近視が進む割合が高い傾向もみられました。
母親が妊娠中に太りぎみだったことや妊娠糖尿病があったことが、子どもの体脂肪のつき方とどう関わるかを、約560組の母子を生まれてから9〜14歳ごろまで追って調べました。母親が太りぎみ、または妊娠糖尿病があった子どもは、皮下脂肪が早く増えていく傾向が見られ、両方あった場合にもっとも増え方が大きい傾向でした。
子ども時代から成長期にかけての身体活動が、骨量がほぼピークに達する若い成人期(18〜35歳)の骨の状態とどう関連するかを調べた研究です。18〜35歳の226人について、成長期の身体活動を質問票で振り返り、精密な画像検査で骨の密度や構造を測りました。成長期によく体を動かしていた人ほど、すねの骨の強さや太ももの付け根の骨密度が高い傾向がみられ、これは男女ともに確認されました。とくに骨の内側の網目状の部分(海綿骨)で関連がはっきりしていました。
思春期後半から若い成人期にかけての身体活動が、後の骨の強さとどう関連するかを長期に追跡した研究です。266人について、17・19・21・23歳の時点で活動量計を使って運動の量と強さを測り、23歳のときに精密な画像検査ですねの骨の強さを推定しました。運動の量よりも運動の「強さ」が骨の強さと関連しており、強度の高い活動を続けていた人ほど骨が強い傾向がみられました。この関連は男女ともに確認されました。
アメリカの地方都市で、16組の母子を妊娠後期から追いかけ、赤ちゃんの起きている間の過ごし方(うつぶせ遊びの時間など)や授乳の仕方が、生後12か月の運動の発達とどう関係するかを調べた小さな研究です。うつぶせ遊びの時間や、母乳かどうか、きょうだいの有無は、12か月の運動の点数とははっきりした関連が見られませんでした。一方で、生後4か月の運動の点数や、生まれたときの体重・身長は、12か月の運動の発達と関連していました。
アメリカで初めて出産する約9千5百人を追った大規模研究のデータを使い、妊婦用ビタミンに加えてオメガ3サプリもとっていた人と、ビタミンだけの人を比べました。オメガ3も併せてとっていた人では、早産や、週数のわりに小さく生まれる赤ちゃんの割合が低めでした。背景の違い(収入や生活の状況など)を調整しても関連は残りましたが、グループ間の差が大きく、調整しきれない要因が結果に影響している可能性があります。
日本のエコチル調査の乳児約3万4千人を対象に、生後6か月時点の授乳方法(母乳・ミルク・混合)ごとに、3歳までの身長・体重・BMIの推移を比べた研究です。母乳の赤ちゃんは生後3〜4か月までは大きめに育ち、その後はゆっくりになりました。ミルク・混合の赤ちゃんは初期はゆっくりで、その後に急に追いつく成長(キャッチアップ)がみられました。急な追いつき成長は将来の体格に関わるため、成長の見守りが大切とされています。
外遊びの習慣が、子どもの体つき(体組成)や運動能力とどう関わるかを、日本のエコチル調査に参加した8歳の子ども494人で調べた研究です。外遊びが多いグループは、50m走や立ち幅跳びなどの運動能力の結果が良く、とくに男の子で顕著でした。女の子では筋肉量が多めなど、外遊びと体づくりの良い関係がみられました。
テレビ・パソコン・スマホなど娯楽のための画面利用と、子どもの肥満との関係を、韓国の小学4年生2023人を3年間追跡して調べた研究です。1日合計4時間以上の画面利用は、2時間未満に比べて肥満になるリスクが高めでした(約1.68倍)。とくにテレビ視聴で関連が強く、画面の時間を読書などに置き換えると肥満リスクが下がる可能性も示されました。
帝王切開で生まれた子どもが、3歳時点で肥満になりやすいかを、日本のエコチル調査の母子約6万組で調べた研究です。帝王切開で生まれた子どもは、経腟分娩の子どもに比べて、3歳での肥満のリスクがわずかに高めでした(約1.16倍)。ただし差はわずかで、帝王切開は多くの場合、医学的に必要で行われるものです。
妊娠中に抗菌薬(抗生物質)を使うことと、3歳時点の子どもの肥満との関係を、日本のエコチル調査の大規模データで調べた研究です。全体ではわずかな関連にとどまりましたが、妊娠中期・後期に抗菌薬を使った場合、女の子で3歳時点の肥満との関連がみられました。腸内細菌への影響などが背景にある可能性が考えられます。
乳児期の授乳方法と、その後3〜22歳での体格との関係を、日本(茨城県)の子どもを20年追跡して調べた研究です。3歳の時点では、母乳で育った子どもはミルクの子どもより体重・過体重がやや少なめでした。しかし思春期以降では、授乳方法による体格の差ははっきりしなくなりました。母乳の体格への影響は、あっても幼児期までの小さなものと考えられます。
妊娠中の母親自身の喫煙と、まわりのたばこの煙(受動喫煙)が、3歳時点の子どもの肥満とどう関わるかを、日本のエコチル調査の約2万4千組で調べた研究です。妊娠中に喫煙を続けた母親の子どもは、吸わなかった母親の子どもに比べて肥満のリスクが高めでした(約1.39倍)。受動喫煙が加わると、リスクはさらに高まりました。
乳児期に頭の形のゆがみ(位置的斜頭・絶壁)があった子どもが、学童期に認知や学業の面で違いがあるかを、336人で調べた研究です。中等度〜重度のゆがみがあった子は、なかった子に比べて認知や学業のスコアがやや低めでした(効果量は小さい)。軽度のゆがみではほとんど差がありませんでした。研究者は「この関連は因果関係を意味するものではない」と述べています。
子どものBMIは乳児期に高くなったあと一度下がり、再び上がり始めます。この再上昇の時期を「アディポシティ・リバウンド」と呼びます。日本の2001年生まれの子ども約4万5千人を追跡し、この時期と肥満の関係を調べた研究です。5歳半で肥満だった子の約4割は、4歳半という早い時期に再上昇が始まっていました。再上昇が早いことが、のちの肥満と関係することを示しています。
親の肥満や生活習慣が、3歳の子どもの肥満とどう関わるかを、日本(富山県)の子ども8941人で調べた古典的な研究です。父親・母親が肥満だと子どもの肥満のリスクが高く、とくに母親の肥満で関連が強い結果でした(約2.6倍)。また、睡眠時間が短いほど子どもの肥満が多いという関係もみられました。
アメリカの出生コホート(Project Viva)の約970人を対象に、子ども時代(3〜10歳)に加糖飲料や100%果汁を控えた場合、思春期後半のインスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)やおなかまわりの脂肪などがどう変わるかを統計的に推定しました。加糖飲料を週1回程度に減らすと、これらの代謝の指標が良くなる方向に働くと見積もられました。
アメリカの出生コホート(イリノイ州)で、妊娠中に食事の質が改善した人ほど、妊娠中の体重増加が少ないかを調べた研究です。摂取エネルギーを考慮しても、妊娠を通じて食事の質が改善した人では、妊娠中の体重増加が少ない傾向が見られました。特に、肥満のある女性で関連がはっきりしていました。
韓国の全国的な乳幼児健診データ(約300万人)を使い、生まれたときの体重がその後6歳までの成長や発達とどう関係するかを調べた研究です。出生体重が低い子ども、とくに1500g未満で生まれた子どもは、身長・体重・頭囲の伸びが追いつきにくく、発達のスクリーニングで気がかりが出る割合も高い傾向がありました。こうした差は、その後の幼児期を通じて続いていました。
韓国の全国データ(母子約350万組)で、妊娠糖尿病だった母親から生まれた子どもが、その後(最長14年)に1型・2型糖尿病になりやすいかを調べた研究です。妊娠糖尿病があった母親の子どもは2型糖尿病のリスクが高く、とくに妊娠中にインスリン治療を必要とした重めのケースでは、1型・2型ともにリスクが高い傾向がありました。
日本の東北メディカル・メガバンク(三世代コホート)の子ども1581人を対象に、生後18〜23か月までの健診などの記録から、その後の「太りすぎ(過体重)」をどれくらい予測できるかを調べた研究です。生後18〜23か月の時点で太りぎみだった子は、その後も太りやすい傾向がはっきりみられました。予測の精度は幼児期〜小学校低学年では比較的高く、思春期になるとやや下がりました。早い時期の記録が、肥満予防の手がかりになりうることを示しています。
食物アレルギーのある赤ちゃんを母乳で育てる場合、お母さんが原因になりそうな食品を控えることがよくあります。中国・重慶で、母親の食事制限の程度と、赤ちゃんの1歳時点の成長・発達との関係を調べた研究です。多くの種類(5種類以上)を控えていた母親の赤ちゃんは、身長の伸びが劣り、社会性・情緒の面でも気がかりが多めでした。過度な制限はかえって望ましくない可能性を示しています。
日本で体外受精(IVF)によって生まれた子どもと、自然に妊娠して生まれた子どもの、9歳までの健康や発達を比べた全国的な研究です(2140人)。さまざまな要因を調整して比べたところ、入院・肥満・発達の節目(できるようになること)など、ほとんどの項目で両者にはっきりした差はありませんでした。日本では単一胚移植が広く勧められている背景があり、体外受精で生まれた子どもの長期的な経過はおおむね良好だと示しています。
日本(東北メディカル・メガバンク)の出生コホート研究で、妊娠前・妊娠中のお母さんの加糖飲料(砂糖入りの飲み物)の摂取量と、生後1歳での子どもの体重との関係を調べました。妊娠中に加糖飲料を多く飲んでいたお母さんの子どもで、1歳時点の太りすぎが多い傾向が見られました。
子どものビタミンDの状態が、身長の伸びる速さ(成長速度)や骨の量(骨密度)とどう関わるかを調べた研究です。十分なビタミンDの値を保つことと、健康的な体重を保つことが、身長の伸びと骨の健康にとって大切であることが示されました。
日本の全国的な調査データ(子ども約1万3千人)で、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)と、思春期に身長がいちばん伸びる時期(成長スパートの年齢)との関係を調べた研究です。母乳で育った子どもは、ミルクで育った子どもよりも、身長がいちばん伸びる時期がやや遅い傾向がありました。母乳の期間が長いほど、その時期が遅くなる関係もみられました。
中国南西部の前向き出生コホート研究で、妊娠中の体重増加と帝王切開との関係を調べました。妊娠中に体重が増えすぎた場合、帝王切開になる割合が高い傾向が見られました。著者らは、その地域ではより慎重な体重増加の目安が必要であり、やせ気味の女性にも注意が必要だと述べています。
日本の「エコチル調査」の大規模データで、妊娠中のお母さんの体重増加が不足している場合と、1歳の子どもの神経発達との関係を調べました。妊娠中の体重増加が不足していたお母さんの子どもでは、1歳時点の神経発達に好ましくない影響が見られる可能性が示されました。妊娠中の適切な体重増加の大切さを示しています。
お母さんの妊娠中の体格(BMI)や妊娠中の体重増加が、子どもの1歳・7歳時点の健康とどう関わるかを調べた研究です。妊娠中期のBMIが高いことと、妊娠中の体重が増えすぎることは、どちらもそれぞれ独立して、7歳での子どもの体脂肪の多さと関連していました。
オランダの出生コホート(GECKO Drenthe)で、赤ちゃんの運動の節目(支えなしで歩くなど)の達成時期と、その後の子ども時代の運動量との関係を調べました。支えなしで歩き始めるのが遅かった子ほど、子ども時代に座って過ごす時間が長く、活発な運動が少ない傾向が見られました。一方、BMI(体格)との関連は見られませんでした。
好き嫌い(偏食、ピッキーイーティング)のある子どもの成長と体つきが、その後どうなるかを長期的に追って調べた研究です。偏食のある子どもの成長の経過は、全体としては心配のいらないものでした。ただし、一部の子はやせ気味になることがあり、早めに気づいて見守ることが大切だと示されました。
ヨーロッパの子ども600人を6歳から11歳まで5年間追い、体を動かす量(身体活動)や座りがちな時間(座位行動)と、体格(BMI・体脂肪)との関係を調べた研究です。活発な運動(中〜高強度の身体活動)が多い子ほどBMIや体脂肪が低く、座りがちな時間が長い子ほど高い、という関連が見られました。年齢が上がるほどこの関係は強まりました。
日本の研究で、妊娠前や妊娠の初期にたばこをやめたお母さんの子どもの、胎児期から子ども時代にかけての成長を調べました。妊娠前または妊娠初期に禁煙したお母さんの子どもは、適切な(正常な範囲の)成長をしていました。早い時期の禁煙が、子どもの成長にとって望ましいことを示しています。
中国の全国的な追跡調査(China Family Panel Studies)の7967人の子どもを対象に、母乳の期間と子どものBMI・肥満との関係を調べました。さまざまな分け方で検討したところ、母乳の期間が長いほど、BMIが中〜低めの子ではむしろBMIが高い傾向が見られました。著者らは、肥満対策として母乳育児を一律に推奨することには慎重であるべきだと結論づけています。
8〜14歳の子どもについて、睡眠・心の健康(情緒の安定)・体重がたがいにどう影響し合うかを、4157人のデータで追って調べました。8歳のときに睡眠が短い子は、その後(12歳ごろ)に体格(BMIの順位)が高くなる傾向が見られました。
生まれたときの大きさや、乳児期に体重が急に増えることが、その後の太りすぎ・肥満とどう関わるかを、約39万人の子どものデータで調べました。生後1年で体重が急に増えた子は、5歳までに太りすぎ・肥満になりやすい傾向が見られました。
母乳で育てた期間と、子どもの体格(BMI)や思春期が始まる時期との関係を、613人の子どもの身長の伸び方を追って調べました。母乳の期間が長いことは思春期が遅めに始まることと関連し、その関係に思春期前のBMIが関わっている可能性が検討されました。思春期が早く始まることは、将来の体の健康のリスク要因とされています。
幼児期のどの時期の体重増加が、後の肝臓の健康に関わるのかを、日本のエコチル調査の1322人の子どもで調べました。出生から8歳まで体格をくり返し測り、8歳のときの肝臓の値(ALT)との関係を検討したところ、特に3〜5歳ごろの体重の増えすぎが、8歳でのALTの高さと関連していました。
ビタミンDは成長や体づくりに関わる栄養素です。この研究では、生まれたときの血液中のビタミンD(8種類の形)を詳しく測り、10〜11歳になったときの身長・体重・体型との関係を調べました。出生時のビタミンDの状態が、その後の子どもの体格と関連する可能性が示されました。
子どものころからの体の脂肪の量を精密な方法(DXA)でくり返し測り、その後の心臓の状態との関係を、イギリスの長期コホート(ALSPAC)の1803人で調べました。子ども時代よりも、思春期から大人にかけての体幹(おなかまわり)の脂肪の増加が、心臓の構造や働きの悪化と関連していました。
イギリスの長期コホート研究で、3061人を7歳から24歳まで17年間追いかけ、子どものころの超加工食品(インスタント食品やスナックなど加工度の高い食品)の摂取と、大人になってからの体型との関係を調べました。7歳のときに食事に占める超加工食品の割合が高いほど、24歳でのBMIがやや高くなる傾向が見られました。
ある都市の小中学校に通う子ども約2,165人(全体の約1割の無作為抽出)を対象に、短く繰り返す手足の痛みの頻度や特徴を調べた住民調査です。繰り返す手足の痛みがみられた子は約2.6%で、痛みのきっかけや伴う症状、和らぐ要因が、子どもの片頭痛の発作とよく似ていました。手足の痛みと片頭痛に共通の仕組みがあるかもしれないと述べています。
インドネシアの全国調査データ(女性約1万7千人)を用いて、出産の間隔と周産期(出産前後)の赤ちゃんの死亡との関連を調べた横断研究です。前の出産から12か月未満で次を妊娠した場合や、逆に60か月以上空いた場合は、24〜35か月の場合と比べて周産期死亡の割合が高めでした。母体年齢が高いことや妊婦健診を受けていないことも、リスクの高さと関連していました。
2歳未満の頭の形のゆがみのある子ども30人に、3Dスキャンで作ったオーダーメイドのヘルメットを1日23時間、約5か月装着してもらった研究です。装着後に左右の差が縮まり、頭の形や周囲径が年齢相応に近づいたと報告されています。ただし比較するグループ(何もしない群)がないため、自然経過との違いは分かりません。
中国・北京で、子どもの日焼け対策について保護者477人に尋ねた調査です。衣類などの物理的な対策を好む人が57%で、子どもの2割が過去に日焼け(やけど)を経験していました。保護者の知識や意識は対策の実践と関係しており、特に意識(前向きな態度)が実践に強く結びついていました。一方で、知識はおおむね不足し、対策の実践も十分とはいえない結果でした。
遺伝も生活環境もほぼ同じ一卵性双生児のうち、一方だけに指しゃぶりの癖がある事例を比べた報告です。指しゃぶりを続けた子では、前歯のかみ合わせが開く(開咬)、上の前歯が前に出る、上あごの幅が狭いといった違いがみられました。遺伝の影響をそろえて比べているため、指しゃぶりそのものが歯並びに影響しうることを示す事例です。
小児がんを経験した人は、治療の影響で皮膚がんになりやすくなることがあります。スイスで子どもから大人まで約3,500人に、日焼け対策ややけど(日焼け)の有無を尋ねました。ふだんから日焼け対策をしている割合は子どもで89%と高かったものの、昨夏に日焼け(やけど)をした子どもも23%いました。日焼け対策をしていても日焼け自体は起こりやすく、近年生まれの人ほど対策が少なく日焼けが多い傾向もみられました。
妊娠糖尿病と診断された母子217組を、どの血糖値が高かったかでグループ分けして比べた二次解析です(ニュージーランド)。空腹時の血糖が高かった母親は、5年後に2型糖尿病・前糖尿病になっている割合が高めでした。その子どもは、生まれたときの体重が大きめで、5歳時点でも身長・体重がやや大きく、発達のスクリーニングで気になる結果が出る割合も高めでした。
日本の小学2年生の母親約1,700人に、子どもの日焼け対策を尋ねた調査です。長時間の外出時に日焼け止めを「いつも・ときどき」使う子どもは67.5%、屋外プールで何らかの対策をとる子どもは73.2%でした。対策のとり方は、子どもの性別や肌のタイプ、日に当たった後の肌の症状、家庭の経済状況や保護者の学歴・年齢などと関係していました。子どもは大人の最大3倍の日差しを浴びるとされ、対策の実態を地域でとらえた研究です。
2歳未満で肥満のある子どもと、年齢・性別をそろえた肥満でない子どもを1対1で比べ、どんな要因が肥満と関係するかを調べた研究です。複数の要因を同時に考慮して分析したところ、母親の体格が大きいこと(BMIが25以上)、ミルク(人工乳)で育てていること、家族に生活習慣病があることが、子どもの肥満と関連していました。あくまで関連を示すもので、この要因が肥満を引き起こすと証明したものではありません。
オーストラリアの救急外来22施設の医師・看護師539人に、子どもの発熱への対応を質問した調査です。国際的な指針は「熱の数字を下げるためではなく、子どものつらさをやわらげる目的で、解熱剤は1種類だけ使う」ことをすすめていますが、指針どおりに答えた人は1割未満でした。落ち着いていて水分もとれている子でも多くが解熱剤を使うと答え、約半数は2種類を併用すると答えました。さらに3割以上が、今かかっている病気での熱性けいれんを防ぐために解熱剤を使うと答えました。
カナダ北部のイヌイットの子ども(2010〜2013年生まれ)の記録をさかのぼって調べた研究です。妊娠中の母親の3人に1人が食料不安を経験しており、母親が妊娠中に食料不安だった子どもは、そうでない子どもよりくる病と診断される割合が高い傾向がありました。著者らは、食料の安定・母乳育児・ビタミンD補給への支援が必要だと述べています。
子どもの発熱について、母親3,133人に考え方や対応を質問した大規模な調査です。発熱への不安は高く(10点満点で平均7.7)、最も恐れられていた合併症は熱性けいれんでした。解熱剤を早めに、しかも短い間隔で使う人が多く、約4割は4時間以内ごとに与えていました。著者は、こうした背景には発熱そのものを過度に怖がる『熱恐怖症』や誤解があると述べ、正しい知識の普及が必要だとまとめています。
指しゃぶりで小児クリニックを受診した子ども82人の記録を振り返り、年齢や受診理由、家庭で試した対処法を調べた研究です。受診した子どもの多くは3歳未満で、生まれてからずっと癖が続いているケースが多く見られました。受診のいちばん多い理由は「将来の歯並びが心配」というもので、家庭では苦い液を塗る・おしゃぶりに替えるなどを試したものの、やめさせるのに成功した家庭はほとんどありませんでした。受診した子どもには、永久歯が生える前に癖は自然になくなることが多いと説明され、安心を促したと報告しています。
6〜12歳の子ども120人を、指しゃぶりの癖がある60人と癖がない60人に分け、横向きの頭部レントゲン(セファログラム)であごや歯の位置を測って比べた研究です。指しゃぶりの癖があるグループでは、前歯の傾きや上あご・下あごの位置を示すいくつかの測定値に、癖がないグループとの違いがみられました。研究者は、指しゃぶりが歯やあごの形に影響しうる要因の一つだと述べています。
中・低所得国を中心とした世界9都市で、車に乗る0〜12歳の子ども3万4千人余りを路上で観察し、チャイルドシートの使用状況を調べた研究です。使用率は5歳未満で約37%、5歳以上では約8%と低く、都市によって大きな差がありました。後部座席に座る・同乗者が少ない・運転手がシートベルトをしている場合に、使用率が高い傾向がみられました。
中国・泉州の0〜6歳の健康な子ども1,183人を対象に、血液中のビタミンA(レチノール)の量を測った横断研究です。軽度の不足を含めると約39%の子どもにビタミンAが足りない状態がみられ、特に乳児で多い(約66%)傾向でした。年齢が上がるほど不足は少なくなり、性別による差ははっきりしませんでした。栄養状態の良い地域でも、低年齢の子どもでビタミンAが不足しやすい場合があることを示しています。
中国・上海で、養育者501人を対象に、チャイルドシートの正しい使用を促す地域ぐるみの働きかけ(冊子・記事の配布とAIによる電話での声かけ)の効果を調べた比較研究です。チャイルドシートを持っている割合は両グループで差がありませんでしたが、働きかけを受けたグループでは毎回きちんと使う割合が高く、取り付けの向きの間違いも少なくなったと報告されています。
日本で、生後6か月〜6歳の子どもをもつ母親875人に、家庭でのけが予防の工夫をたずねた調査研究です。工夫の仕方は大きく3つに分かれ、(1)危ない物をあらかじめ遠ざける、(2)危ない場所・物に近づけないようにする、(3)ある程度ふれさせつつ見守って対応する、という形が、子どもの年齢が上がるにつれて移り変わる傾向がみられました。子どもの自立度や親の育児の姿勢とも関係していました。
ドイツの6〜18歳の342人(ヴィーガン86人、ベジタリアン120人、雑食118人)を対象に、セレン・亜鉛・銅のとり方と血液中の値を調べた横断研究です。これらは主に動物性食品からとる栄養素のため、ヴィーガンとベジタリアンの子はセレンと亜鉛のとり方が少なめで、血液中のセレンと亜鉛の値も雑食の子より低い傾向が見られました。銅については食事や血液の値に大きな差はありませんでした。著者らは、菜食の子どもではこれらの栄養素の状態を見守る必要があるとしています。
アラーム療法やデスモプレシン(まず使われる標準的な対応)では十分に良くならなかった子ども約370人について、ビベグロンという膀胱に作用する薬の効果と安全性を、日本の12施設の記録からふり返って調べたものです。半数強の子で夜の失敗が半分以下に減り、重い副作用はほとんどみられませんでした。すでに行っている治療に上乗せする使い方の方が、薬を切り替えるよりも効果が大きい傾向でした。
世界の病気の統計データ(GBD 2021)を使い、0〜14歳の子どもの中耳炎のうち、受動喫煙が関係していると見積もられる分の負担が、1990年から2021年でどう変わったかを調べた分析です。受動喫煙に関係する中耳炎による健康上の損失(障害とともに生きる年数など)は、この約30年で世界全体としては減る傾向でした。一方で、所得の低い・中くらいの地域や、中央アジア・北アフリカ/中東・オセアニアなどでは、いまも負担が比較的大きいと報告されています。
米国中西部に住むラテン系の子ども119人(平均約11.5歳)を対象に、寝る時刻・睡眠時間と体重の関連を調べた研究です。夜9時半より前に寝る子は睡眠時間が長く、寝る時刻が遅いほど太り気味の割合が高い傾向がみられました。とくに「遅く寝て遅く起きる」生活の子は、「早く寝て早く起きる」子より太り気味の割合が高めでした。起きる時刻と体重には、はっきりした関連はみられませんでした。
トイレトレーニングを終えた子どもをもつ372人の親に聞き取りをして、いつ・どんな子がトレーニングを終えたかを調べた研究です。平均すると2歳7か月ごろにトレーニングを終えていました。完了が遅めだったのは、早産で生まれた子や、母親が家の外で働いている家庭の子という関連がみられました。一方で、完了時期の早い遅いと、おしっこの問題や便秘との関連はみられませんでした。
イランの親に、トイレトレーニングを始めるのに適した年齢ややり方をどう考えているかを聞いた調査です。多くの親が1〜2歳ごろに始めるのがよいと考え、集中的に教える方法と子どものペースに合わせる方法がほぼ半々で使われていました。トレーニングを終える時期の平均はおよそ23か月でした。トレーニングを始めた・終えた年齢と、その後のおしっこの問題(昼や夜のおもらし)との関連はみられませんでした。
おしゃぶりや指しゃぶりなどの口のくせ、口呼吸が、子どもの歯並びの乱れ(不正咬合)と関係するかを、3017人の子どもで調べた研究です。これらの長く続くくせや口呼吸は、歯並びや、あごなど顔の骨の成長のパターンの乱れと関連していました。早めに気づいて対応することが、歯並びの予防・早期治療に役立つとされています。
2023年の日本の全国調査データ(0〜5歳の子ども約8千人)を使い、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)によって、その後の身長・体重の伸び方に違いがあるかを調べた研究です。母乳で育った赤ちゃんは、最初の2年間は身長・体重がやや小さめでしたが、成長するにつれて差は縮まり、5歳ごろには授乳方法による体格の差はみられなくなりました。母乳だけでも長期的な成長に十分であることを示しています。
オスのマウスに葉酸の少ない餌を与え続けると、生まれた子に骨格や顔まわりの形成異常が増えたと報告した動物実験です。精子のDNAの働き方(メチル化)に違いがみられ、発達や病気に関わる遺伝子が含まれていました。父親側の栄養状態が精子を通じて子の育ちに関わりうるという仕組みを示した研究ですが、対象はマウスです。
妊娠する前(受胎前)の親の栄養や生活習慣が、その後の妊娠や子どもの健康とどう関わるかを整理した総説です。観察研究では、妊娠前の健康状態と母子の健康のあいだに強い関連があり、その影響は世代をこえて及びうると報告されています。父親側も含めた妊娠前の対策が大切だと指摘していますが、妊娠中の栄養補給だけでは子どもの健康への効果が乏しかったという結果にも触れています。
子どもの脚の痛み「成長痛」について、これまでの研究を幅広く探して整理した総説です。文献は200年分と数は多いものの、意見や言い伝えの繰り返しが多く、科学的にしっかりした研究は少ないと指摘しています。頻度の見積もりは研究によってばらつき、確かな治療法もまだ乏しいと整理しました。
乳児に多い細気管支炎(多くはRSウイルスが原因)と、その後のくり返す喘鳴やぜんそくとのつながりを、酸化ストレスや微量栄養素の不足の観点から整理した総説です。早産や生まれつきの気道の弱さがある乳児はウイルス感染を受けやすく、亜鉛・セレン・マグネシウムの不足が症状の重さと関連していました。著者らは、細気管支炎は元々あった弱さを表に出す合図かもしれず、早めの栄養の見直しが役立つ可能性があると述べています。
子どもの発熱や痛みに使うアセトアミノフェン(パラセタモール)と、イブプロフェンなどのNSAIDsについて、効果と安全性を専門家がまとめた総説です。アセトアミノフェンは多くの場面で最初に選ばれやすく、NSAIDsは炎症をおさえる働きが加わりますが、脱水や腎臓の問題がある子では注意が必要とされています。手術後などでは2剤を組み合わせると痛みがやわらぐことがあり、副作用が大きく増えるわけではないと述べられています。ただし、もとになる研究は限られ、多くが観察研究だとも指摘しています。
妊娠糖尿病(妊娠中に血糖が高くなる状態)と、生まれた子どもの肥満リスクの高まりとの関連を整理した総説です。これまでの研究をまとめると、妊娠糖尿病の母親の子どもは子ども時代に肥満になりやすい傾向があり、その影響は成長を通じて続きうると述べています。子どもの肥満の原因は多くの要因が重なるため、妊娠中からの管理や子どもの成長に合わせた対策が大切だとしています。
むし歯予防のための水道水フッ素化について、世界の状況をまとめた総説です。水道水フッ素化とフッ素入り歯みがきはどちらもむし歯予防に有効で、それぞれが互いの効果を高めると述べています。むし歯のリスクが高い人ほど恩恵が大きく、費用も低いとする一方、乳幼児期はフッ素の飲み込みを減らすために歯みがき粉の使い方への配慮が必要だとしています。
子どものぜんそくと食事の関係について、これまでの研究を整理した総説です。地中海食を続ける子では肺機能がよい傾向がある一方、西洋的な食事はぜんそくの管理のしにくさと関連していました。セレン・亜鉛・鉄・ビタミンDなどの不足は肺機能の低下と関連し、妊娠中の母親の食事も子どもの肺機能に関わる可能性が示されています。
子どもの近視の進みを抑える方法について、これまでの試験やメタアナリシス、診療指針を整理した総説です。外で過ごす時間を増やすと近視の発症が一貫して減り、進みもゆるやかになると述べています。特殊なメガネ(DIMSなど)やコンタクトレンズ、オルソケラトロジー、低濃度アトロピン点眼も進行を抑える効果があり、進みが速い子では併用が役立つ場合があるとしています。一方、低濃度アトロピンの効果には研究間でばらつきがあり、長期の効果や安全性には不確かさが残ると指摘しています。
低・中所得国で標準的に行われている妊娠中の鉄・葉酸の補充を、複数の微量栄養素(MMS)に置きかえた場合の効果と費用を、25か国のデータをもとに試算した研究です。置きかえることで、低出生体重・死産・女児の新生児死亡を相当数減らせると見積もられました。費用も比較的小さく、費用に見合う効果が大きいと結論づけています。
妊娠期や生まれた前後の環境が、その後の脳や考える力、心の発達とどう関わるかを、アメリカの大規模な子どもの追跡研究(約1万2千人)に基づく111本の論文から整理した総説です。母親のストレスや代謝の問題、出産時のトラブル、低出生体重、早産などが、脳や認知・行動の違いと関連していたとまとめられています。低出生体重や早産が、その後の発達と結びつく可能性を示す材料の一つです。
在胎34〜36週で生まれる「後期早産」の子どもについて、最近の研究をまとめた総説です。満期に近いため軽く見られがちですが、脳のつながり(結合)や就学期の学習に違いがみられることがあると整理しています。発達のリスク要因のひとつであり、早めの支援の検討が大切だと述べています。
子どもの発熱・痛みによく使われるアセトアミノフェンとイブプロフェンについて、報告された副作用をまとめた総説です。どちらも安全性はよく知られた薬ですが、近年は使用量が増え、それにともない副作用の報告も増えていると述べています。とくにイブプロフェンの市販利用が大きく伸び、同じくらい使った場合で比べると、イブプロフェンの方が重い副作用の報告がやや多い傾向があったとしています。著者は、保護者への説明と適切な使い方の指導が大切だとまとめています。
子どもの偏食について、これまでの研究をまとめて整理した総説です。偏食は2〜6歳ごろに多く、多くの子は成長とともに自然に落ち着き、悪い結果につながらないとしています。一方で、選り好みが強く長く続く一部の子は、栄養の偏りや成長への影響、心理的な負担が残ることがあり、早めに気づいて家庭での関わりや必要に応じた相談が大切だとまとめています。
東南アジアで今も課題となっている子どもの低身長(スタンティング)について、各国の政策や取り組みを整理した総説です。低身長は、生後1000日までの栄養不足や感染の繰り返しから起きるとし、母乳育児の推進や栄養補給など、栄養に直接働きかける対策と、生活環境を整える対策の両方が行われていると紹介しています。社会・経済の格差や、取り組みの調整・監視の難しさが課題として残るとしています。
手づかみ離乳とふつうのスプーン離乳について、栄養の摂取量や赤ちゃんの成長を比べた2010年以降の19件の研究を整理した総説です。エネルギー(カロリー)の摂取量に差は見られませんでしたが、鉄や亜鉛などの栄養素の摂取は方法によってばらつきがありました。成長を調べた研究は少なく、結果もそろっていませんでした。手づかみ離乳の定義も研究ごとに異なり、共通の定義はまだありません。
長く続いた指しゃぶりによって前歯のかみ合わせが開く(開咬)状態になった子どもについて、装置を使って癖をやめさせた経過を報告した1例の症例報告です。癖がなくなると開いていたかみ合わせが改善しましたが、その後また指しゃぶりがぶり返し、協力が得られなくなると開咬が元に戻ってしまいました。著者は、装置だけでなく本人・家族の納得と協力が、うまくいくかどうかの鍵になると述べています。
指しゃぶりなどの「栄養を伴わない吸う癖」と歯並びの関係を、これまでの知見からまとめた総説です。指しゃぶりは生後2〜3歳ごろまではよく見られる自然な行動で、子どもに安心感を与えるため、特に眠る前にみられると説明しています。3歳より前であれば歯への影響は小さく、前歯の位置が少し変わる程度にとどまることが多い一方、4歳ごろを過ぎても続くと、上の前歯が前に出る、かみ合わせが開く(開咬)、上あごが狭くなるといった変化につながりうるとしています。
子どもや思春期の機能性便秘を予防するためにどんな工夫ができるかを、過去の文献からまとめた総説です。予防の効果をきちんと検証した集団研究はほとんどないとしつつ、母乳育児やトイレトレーニングの適切な指導、排便を我慢しない習慣づくり、そして離乳食を始めた後に食物繊維と水分を十分にとる健康的な食習慣が役立つ可能性があると述べています。食物繊維や水分は推奨量より不足しがちだと指摘しています。
妊娠初期にオメガ3が足りない人を検査で見つけて補給する取り組みが、34週より前に生まれる「早い早産」をどれだけ減らせ、費用にどう影響するかを、オーストラリアのデータを使ってシミュレーションした研究です。これまでの研究で、オメガ3が低い妊婦への補給が早産(とくに早い早産)を減らしうることをふまえています。試算では、対象の妊婦の約17.5%が補給の対象になり、現状と比べて早い早産を640件防ぎ、医療費も節約できると見込まれました。
子どもに最も多い消化器の不調である機能性便秘について、原因や診断、対応の考え方をまとめた論説です。対応の中心はトイレトレーニングと浸透圧性の下剤(ポリエチレングリコール、PEG)とされ、これらが有効と位置づけられています。食物繊維や水分を十分にとることや運動などの生活習慣の見直しは、薬による治療を支える役割として重要だと述べられています。
妊娠中のカフェイン摂取と、好ましくない妊娠・出産の結果との関係について、これまでの症例対照研究・コホート研究・ランダム化試験・メタアナリシスを幅広く読み込んで整理したレビューです。カフェインは胎盤を通って胎児にも届き、摂取量が多いほど、流産・死産・低出生体重・小さく生まれる赤ちゃん(SGA)との関連が報告されています。こうした関連は、1日200mgという一般的な上限の目安よりも少ない量でも見られる場合があるとしています。
子どもや若者にとっての筋力トレーニング(レジスタンス運動)の役割を論じた意見論文です。筋力や瞬発力を高めるだけでなく、心肺機能や体脂肪、けが予防などにも役立つと整理しています。骨の健康については、とくにジャンプ系の運動を取り入れた筋力トレーニングで骨の状態が改善しうる一方、水泳のような体重のかからない運動では骨密度への効果は小さい、あるいはほとんどない可能性があると述べています。筆者らは、今後の運動ガイドラインで筋力トレーニングをより重視すべきだと主張しています。
赤ちゃんの運動発達は、これまで子ども本人を中心に研究されがちでしたが、親の知識・考え・期待や、ふだんの関わり方も大きく関わるとして、その仕組みを整理した理論的なレビューです。文化によって、赤ちゃんをどう寝かせ・どう遊ばせるか(うつぶせ遊びの取り入れ方など)が異なり、それが運動の発達のペースの違いにつながりうると論じています。親の関わりが子どもに影響し、子どもの育ちが親の関わりを変えるという双方向の関係も指摘しています。
ビタミンAは目の働き、成長、免疫などに欠かせない栄養素であることを、これまでの研究をまとめて整理した総説です。ビタミンAが不足すると、子どもの視力や成長に影響するだけでなく、呼吸器や消化器の感染症にかかりやすくなる可能性があると説明しています。栄養状態を把握し、不足を防ぐことが病気の予防につながりうる、という考え方を紹介しています。著者ら自身が新しいデータを集めて検証した研究ではなく、既存の知見をまとめたものです。
インドで、子どもや妊婦などに高用量ビタミンAを配る補充プログラムと、油・牛乳にビタミンA・Dを添加(強化)する方法の健康効果と費用を試算した研究です。ビタミンA関連の対策で、失われる健康な年数(病気や早すぎる死による損失)を一定程度減らせると推計しました。広く使われる油や牛乳への添加は、多くの人に届く長期的な解決策になりうると結論づけています。実際の健康改善を測定したのではなく、過去の研究から仮定した死亡・病気の減少率をもとにしたモデル計算である点に注意が必要です。
パソコン・スマホ・タブレット・テレビなどの画面に子どもが接することが、健康にどう関わるかを幅広くまとめた総説です。肥満・運動不足・睡眠の乱れ・不安や抑うつ・近視・行動の問題などとの関連を整理しています。1日2時間を超える画面接触がこれらと関連すると報告され、特に証拠が強いのは肥満や運動不足との関連だとしています。近視についても関連が指摘されていますが、ほかの要因に比べて結びつきは弱めに扱われています。
妊娠中のカフェイン摂取が、妊娠の経過や胎児の発育、生まれた後の子どもの健康にどう関わるかを、これまでの研究をまとめて整理したレビューです。最近のコホート研究やメタアナリシスでは、ほどほどの量であれば妊娠糖尿病や妊娠高血圧などとの明確な関連は見られない一方、摂取量が多い場合には早産や低出生体重との関連が一部の集団で報告されています。ただし、カフェインの量の測り方や研究の方法にばらつきがあり、影響の大きさや意味合いはまだはっきりしないとしています。
亜鉛の補充や食品への亜鉛強化が、子どもの下痢の予防・治療にどう役立つかを、2014〜2025年のシステマティックレビュー・メタアナリシス・ランダム化比較試験から整理した総説です。下痢のときに亜鉛を補うと、下痢の続く時間や重さがおおむね短く・軽くなる傾向が報告されています。長期に少量の亜鉛を続けると下痢や感染症の予防につながる可能性も示されました。低めの用量(5〜10mg)の方が嘔吐が少ないとされています。
妊娠中のカフェイン摂取が胎児の発育にどう関わるかについて、これまでの臨床研究を整理したレビューです。カフェインは胎児の呼吸様運動や心拍を一時的に速める一方、摂取量によっては発育の遅れや低出生体重との関連が報告されています。妊娠期間の長さや妊娠高血圧との明確な関連は見られなかったとする一方、子宮の収縮を強めて流産につながる可能性も指摘されています。生まれつきの異常との関係はまだはっきりしていません。
5歳未満の子どもの急性の下気道感染(肺炎や気管支炎など)と、ビタミンD不足との関わりについて、見つけ方や対応をまとめた臨床向けのレビューです。ビタミンD不足は下気道感染と関わるとされ、特にリスクの高い子どもでは、推奨に従ってビタミンDの補充を検討することが勧められています。