母乳育児と歯並び(かみ合わせ)の関係(システマティックレビュー)
Relationship between Breastfeeding and Malocclusion: A Systematic Review of the Literature
どんな研究?
01 — Summary母乳で育つことが、子どもの歯並び・かみ合わせ(咬合)の乱れと関係するかを、18件の研究をまとめて調べたシステマティックレビューです。母乳で育つことは、交叉咬合(上下の歯の横ずれ)などの一部の歯並びの乱れが少ないことと関連していました。母乳の期間が長いほどリスクが下がる傾向もみられました。
要点
02 — Key points- 0118件の研究をまとめたシステマティックレビュー
- 02母乳育児と一部の歯並びの乱れ(交叉咬合など)の少なさが関連
- 03母乳の期間が長いほどリスクが下がる傾向
- 04母乳が口やあごの発達に関わる可能性
観察研究が中心で、母乳が歯並びをよくすると断定はできません。歯並びは遺伝やおしゃぶり・指しゃぶりなどの習慣にも大きく左右されます。授乳方法は各家庭の事情で選んでよく、ミルクだから歯並びが悪くなると心配する必要はありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2020
- DOI
- 10.3390/nu12123688
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related一卵性双生児で見た指しゃぶりの歯への影響:症例報告
遺伝も生活環境もほぼ同じ一卵性双生児のうち、一方だけに指しゃぶりの癖がある事例を比べた報告です。指しゃぶりを続けた子では、前歯のかみ合わせが開く(開咬)、上の前歯が前に出る、上あごの幅が狭いといった違いがみられました。遺伝の影響をそろえて比べているため、指しゃぶりそのものが歯並びに影響しうることを示す事例です。
授乳と「栄養を伴わない吸う癖」について知っておきたいこと
指しゃぶりなどの「栄養を伴わない吸う癖」と歯並びの関係を、これまでの知見からまとめた総説です。指しゃぶりは生後2〜3歳ごろまではよく見られる自然な行動で、子どもに安心感を与えるため、特に眠る前にみられると説明しています。3歳より前であれば歯への影響は小さく、前歯の位置が少し変わる程度にとどまることが多い一方、4歳ごろを過ぎても続くと、上の前歯が前に出る、かみ合わせが開く(開咬)、上あごが狭くなるといった変化につながりうるとしています。
母乳育児と、子ども〜大人にかけてのBMIの変化(システマティックレビュー)
母乳育児が、その後の人生でのBMI(体格の指標)の変化にどう関わるかを、3件のランダム化比較試験と24件の長期コホート研究からまとめたレビューです。多くのコホート研究で、母乳で育った子どもはその後のBMIが低め、つまり肥満になりにくい傾向が示されました。