生まれてから一人歩きまでの「粗大運動」の発達に関わる要因(縦断研究のシステマティックレビュー)
Factors associated with gross motor development from birth to independent walking: A systematic review of longitudinal research.
どんな研究?
01 — Summary健康な赤ちゃんが、寝返りやお座り、歩き始めといった体の大きな動き(粗大運動)をどう発達させるかに関わる要因を、長期間追いかけた36件の研究からまとめたレビューです。出生時の体重が重いほど運動の発達が進みやすいという関連が、最も確かな根拠とともに示されました。妊娠週数(早産かどうか)や、ふだんの寝かせ方(うつぶせの時間など)にも、中くらいの強さの関連が見られました。
要点
02 — Key points- 0136件の縦断研究をまとめたシステマティックレビュー
- 02出生体重と運動発達の関連は「強い根拠」と評価された
- 03妊娠週数や寝かせ方(うつぶせ遊びの時間など)にも中程度の関連
- 04母乳かどうか、双子かどうかは結果が一致せず、はっきりしなかった
観察研究をまとめたもので、ある要因が運動発達を直接「決める」とは言えません。研究によって測り方や質にばらつきがあり、要因の中には根拠が限られるものもあります。発達のペースには大きな個人差があり、目安として理解してください。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー(縦断研究)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Child: Care, Health and Development
- 発表年
- 2021
- DOI
- 10.1111/cch.12830
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questionsうつ伏せの時間(タミータイム)は、赤ちゃんの運動発達によい?
ここでいううつ伏せの時間(タミータイム)とは、起きている間に、大人が見守りながら赤ちゃんをうつ伏せで遊ばせる時間のことです。眠るときの体勢の話ではありません(睡眠中は乳幼児突然死症候群を防ぐため、あおむけが安全です)。研究では、ふだんの寝かせ方・過ごし方と運動発達に中くらいの関連を示すものがある一方、はっきりした関連が出なかった小さな研究もあり、結果は分かれています。多くは観察研究で、関連であって因果(うつ伏せ遊びが発達を直接よくする)とまでは言えません。
赤ちゃんの運動発達(歩き始めなど)には、何が関係する?
出生体重や妊娠週数、ふだんの寝かせ方(うつぶせ遊びの時間)、生まれもった気質、生まれた季節などが、運動発達のペースと関連すると報告されています。発達の速さには大きな個人差があり、目安として理解してください。
関連する研究
06 — Relatedうつぶせ遊びの時間や授乳の仕方は、生後12か月の運動発達と関係する?(小規模な追跡研究)
アメリカの地方都市で、16組の母子を妊娠後期から追いかけ、赤ちゃんの起きている間の過ごし方(うつぶせ遊びの時間など)や授乳の仕方が、生後12か月の運動の発達とどう関係するかを調べた小さな研究です。うつぶせ遊びの時間や、母乳かどうか、きょうだいの有無は、12か月の運動の点数とははっきりした関連が見られませんでした。一方で、生後4か月の運動の点数や、生まれたときの体重・身長は、12か月の運動の発達と関連していました。
親の考えや関わり方が赤ちゃんの運動発達に与える影響を整理した理論的レビュー
赤ちゃんの運動発達は、これまで子ども本人を中心に研究されがちでしたが、親の知識・考え・期待や、ふだんの関わり方も大きく関わるとして、その仕組みを整理した理論的なレビューです。文化によって、赤ちゃんをどう寝かせ・どう遊ばせるか(うつぶせ遊びの取り入れ方など)が異なり、それが運動の発達のペースの違いにつながりうると論じています。親の関わりが子どもに影響し、子どもの育ちが親の関わりを変えるという双方向の関係も指摘しています。
妊娠中に母親のがん治療を受けた子の運動発達:オランダの全国コホート研究
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