乳児コリックへの手技的ケア:エビデンスのスコーピングレビュー
赤ちゃんのコリック(理由のはっきりしない激しい泣き)に対して、おなかのマッサージや軽く体に触れる施術など、手で行う非薬物的なケアが効くかをまとめたレビューです。2012年以降のランダム化比較試験7件を集めたところ、5件で1日の泣く時間が短くなり、3件で睡眠時間が延びたと報告されていました。ただし研究ごとに方法や測り方がばらばらで、まとめて統計処理はできませんでした。
体を使った遊びや運動が、体・脳・心の発達にどう影響するかを扱う研究。
抱っこやあやし方など、保護者が体に触れて関わるケアは赤ちゃんの泣きや家庭の負担をやわらげる可能性がありますが、抱っこ・おんぶそのものを直接調べた質の高い研究は乏しく、現時点では根拠は限定的です。
画面を見る時間が長い子ほど、睡眠時間が短く、就寝時刻が遅く、寝つきが悪い傾向があると複数の研究が報告しています。特に布団の中での画面利用や寝る前の利用が睡眠の問題と関連しやすいようです。ただし支える研究は観察研究が中心で、関連があっても因果関係を示すものではなく、確実性はまだ低いと考えられます。画面の『量』だけでなく『時間帯』も関わる可能性が指摘されています。
子どもは大人より多くの日差しを浴びやすく、子どものうちの強い日焼け(やけど)はその後の肌のリスクと関わると考えられているため、日焼け止め・衣類・日陰・帽子といった対策は一般に勧められています。ここで紹介する研究は、子どもや保護者がどれくらい対策をしているかの実態を調べたもので、対策をすれば将来の病気を確実に防げると示したものではありません。なお生後6か月未満の赤ちゃんには、日焼け止めよりも衣類や日陰、ベビーカーの日よけなどで日差しを避けるのが基本とされています。対策をしても日焼けが起こることもあり、複数の方法を組み合わせることが大切だと考えられます。
けが予防の教育や家庭の安全対策に取り組むと、子どものけがが減る方向に働く可能性が、ランダム化比較試験で示されています。チャイルドシートについては、地域ぐるみの働きかけで正しい使用が増えたという報告があり、家庭での守り方は子どもの年齢に合わせて変えていくことが大切だと考えられます。多くは海外の研究で、けがそのものを減らせるかを直接示した研究はまだ多くありません。
プレスクールなどの質の高い幼児教育や、発達の遅れがある子どもへの早めの支援は、ことば・認知・遊びの発達によい影響をもたらすと報告されています。とくに経済的に厳しい家庭の子どもで効果がはっきりしやすい一方、効果はプログラムの質や内容によって差があり、年齢が上がると一部の効果が小さくなることも知られています。
父親がよく関わる家庭ほど、子どもの社会性や行動面、認知の発達がよい傾向が報告されています。ただし研究の多くは観察研究で、結果にばらつきもあるため、関連であって「父親の関わりが原因でよくなる」と言い切ることはできません。
住まいの周りに緑(自然)が多いことは、子どもの発達や睡眠、心の健康が良いことと関連すると複数の研究で報告されていますが、いずれも観察研究で「自然が直接よくする」と断定はできず、関連の段階です。
親子で一緒に楽しむ音楽やリズム遊びは、社会性や言葉の発達によい影響をもたらす可能性が報告されています。とくにリズムに合わせて体を動かすプログラムでは、社会性や行動面でのよい効果が信頼性の高い試験で示されています。一方で、言葉や認知への効果は関連の報告が中心で、結果にばらつきもあり、まだはっきりしていません。
外遊びや自然での遊びは、運動能力や体づくり、心の健康、近視・肥満の予防など、さまざまな面で良い関連が報告されています。ただし多くは観察研究やレビューで、効果の大きさは確定していません。それでも、外で体を動かす機会を増やすことは理にかなった習慣と考えられます。
屋外で過ごす時間を増やすと近視になりにくくなるという無作為化試験の報告があり、予防に役立つと考えられています。ただし、すでに近視になりかけた子どもでは効果が弱く、近くを見る作業の多さも近視と関連するため、早めに屋外時間を増やすことが大切です。
日本の大規模調査では、犬を飼っている家庭の子どもは、コミュニケーションや運動などの発達の遅れがやや少ない傾向が報告されています。ただし観察研究であり、飼育そのものが発達を促すと断定はできません(もともとの家庭環境の違いも考えられます)。
ジャンプや走る動きなど、体重がかかる中〜高強度の運動は、子どもや若者の骨の強さや骨密度を高める可能性が報告されています。とくに運動の「量」より「強さ」が関係し、カルシウムなどの栄養が足りていることも大切と考えられます。ランダム化比較試験のレビューもありますが、運動だけの効果を切り分けにくく、長期の影響ははっきりしないため、断定はできません。
子どものサインに気づいてほどよく応える関わりは、子どもの認知・言葉・情緒の発達と良い方向で関連すると報告されています。多くは観察研究で因果とは言い切れず、子育て支援プログラムの試験では効果は控えめでした。
近くを見る作業が多いほど近視が多い傾向は複数の研究で示されていますが、スマホやタブレットなどデジタル画面に限った証拠は研究によって結果が割れており、はっきりしません。画面の使いすぎを避け、距離をとり、こまめに休む・屋外で過ごすといった工夫は理にかなっていますが、画面そのものが近視の原因かどうかは現時点では結論づけられません。
保護者と一緒に絵本を読む取り組みは、子どもの言葉の理解や語彙によい影響をもたらす傾向が報告されていますが、研究の数が限られ結果にばらつきもあるため、効果の大きさははっきりしていません。
ここでいううつ伏せの時間(タミータイム)とは、起きている間に、大人が見守りながら赤ちゃんをうつ伏せで遊ばせる時間のことです。眠るときの体勢の話ではありません(睡眠中は乳幼児突然死症候群を防ぐため、あおむけが安全です)。研究では、ふだんの寝かせ方・過ごし方と運動発達に中くらいの関連を示すものがある一方、はっきりした関連が出なかった小さな研究もあり、結果は分かれています。多くは観察研究で、関連であって因果(うつ伏せ遊びが発達を直接よくする)とまでは言えません。
体を動かす遊びは、太りぎみの子どもの運動量を増やし体型の改善につながると報告されています。一方で身体活動は7〜9歳ごろから減りやすいことも分かっており、外遊びなど体を動かす機会を意識的に作ることが役立つと考えられます。いずれも観察研究や短期の研究が中心で、断定はできません。
思春期のおなかまわり(体幹)の脂肪の多さが、その後の心臓への負担と関連するという報告があります。子どものうちからの体重・体脂肪の管理が、将来の健康に関わると考えられます。
新型コロナの流行は、子どもの発達や心の健康に小〜中程度の好ましくない影響と関連したと報告されています。外遊びや交流の機会の減少など、生活の変化が背景にあると考えられます。
運動やスポーツは、子どもの注意力や実行機能(計画・自己コントロール)、心の健康や社会性によい影響をもたらすと報告されています。楽しく体を動かす習慣が、体だけでなく学びや心も支えると考えられます。
出生体重や妊娠週数、ふだんの寝かせ方(うつぶせ遊びの時間)、生まれもった気質、生まれた季節などが、運動発達のペースと関連すると報告されています。発達の速さには大きな個人差があり、目安として理解してください。
妊娠中の適度な運動は安全とされ、妊娠糖尿病や早産のリスク低下、子どもの発達と関連する報告があります。一方で効果は限定的との試験もあります。内容や強度は安全のため医師に相談してください。
デジタル機器を長く使うことは、子どもの体や心の健康面の問題や、言葉の発達の遅れと関連すると報告されています。使う時間や内容に加え、大人と一緒に見て会話するなど『見方の質』も大切と考えられますが、研究の質はさまざまで因果とは言い切れません。
赤ちゃんのコリック(理由のはっきりしない激しい泣き)に対して、おなかのマッサージや軽く体に触れる施術など、手で行う非薬物的なケアが効くかをまとめたレビューです。2012年以降のランダム化比較試験7件を集めたところ、5件で1日の泣く時間が短くなり、3件で睡眠時間が延びたと報告されていました。ただし研究ごとに方法や測り方がばらばらで、まとめて統計処理はできませんでした。
スクリーン(テレビ・スマホ・タブレットなど)を見る時間と子ども・若者の睡眠の関係を、21件のコホート研究(合計約55万人)をまとめて調べた研究です。1日の画面時間が1時間増えるごとに、総睡眠時間がおよそ3〜5分短くなり、就寝時刻が約13分遅くなる傾向が見られました。寝つきの悪さや不眠の症状とも関連し、特に思春期の子で影響が出やすいと報告しています。
親が子どものサインに気づき、正しく読み取って、すばやくほどよく応えること(敏感な関わり)と、子どもの発達との関係を調べた研究です。過去に行われた17件のメタアナリシス(多くの研究をまとめた解析)をさらにまとめ直しました。その結果、親の敏感な関わりは、子どもの認知や言葉の力、愛着の安定とゆるやかに関連し、情緒や行動の問題とは弱く関連していました。研究者らは、応答的な関わりが幼児期の発達を支える大切な要素になりうると述べています。
東アジア・太平洋地域の低・中所得国を対象に、家庭での学びの機会(絵本やおもちゃ、語りかけなど)や、子どもに寄り添う応答的な関わりと、2〜5歳の子どもの発達との関係を調べた研究をまとめました。19件の研究のうち18件で、家庭での学びや関わりが豊かなほど、子どもの発達が良いという関連が報告されていました。ただし測り方が研究ごとにばらばらで、結果は慎重に読む必要があると著者らは述べています。
子どもや若者の身のまわりにある緑地(公園や植物の多い環境)と近視の関係を調べた研究を集めて、まとめて分析したものです。6〜22歳の延べ約220万人を対象とした11件の研究を整理し、6件を統合して解析しました。多くの研究で、緑地が多い環境ほど近視になる人が少ない傾向が見られ、特に学校の敷地内や周囲500メートルほどの緑地が関連していました。
自然とのふれあいが子どもの心の健康や発達に与える影響について、123件の論文を集めて整理したレビューです。とくに、もともと不利な状況にある子どもほど自然とのふれあいで大きく恵まれ、有利な子どもとの差が小さくなる(格差をならす)可能性に注目しています。不利な子と有利な子を比べた24件の研究のうち19件で、自然とのふれあいが心の健康などに良い面が示されましたが、結果が一致しない研究もありました。
早産などでNICU(新生児集中治療室)に入院している赤ちゃんは、言葉や読み書きの発達がゆっくりになりやすいことが知られています。この研究は、NICUでの読み聞かせに関する論文を集めて整理したものです。該当する研究は8件と少なかったものの、入院中の赤ちゃんと保護者の双方にとって、読み聞かせがよい関わりになる可能性が示されました。
学校で実施された5〜12歳の子ども向けの運動プログラムについて、栄養補給を組み合わせた取り組みを調べたランダム化比較試験13件(合わせて約4,000人)をまとめたレビューです。運動と栄養を組み合わせた取り組みは、運動だけ・栄養だけよりも効果が大きい傾向が示されました。骨に関しては、運動にカルシウム補給を組み合わせると、体重がかかる部位の骨量(骨ミネラル量)が2〜3%多く増えたと報告されています。効果はもともと栄養が不足ぎみの子どもや成長がゆっくりな子どもで大きい傾向でした。
妊娠から2歳ごろまでの「最初の1000日」に、保護者と赤ちゃんが集まって絵本を読む取り組みが、子どもの発達によいかを調べた8件の介入研究をまとめた研究です。話を理解する力(言葉の理解)がよくなる傾向がみられましたが、研究の数が少なく結果のばらつきも大きいため、はっきりした結論には至っていません。親子の関係や保護者の関わり方がよくなる可能性も報告されています。
学齢期の子どもや若者で、画面(スマホ・タブレット・パソコンなど)を見る時間と近視の関連を調べた15件の研究(約6万人分)をまとめたレビューです。全体としては、画面時間と近視のはっきりした関連は確認できませんでした。研究によって結果が食い違っており、画面時間が近視の危険因子かどうかは現時点では結論づけられないとしています。
父親の関わりが、0〜5歳の子どもの「感情をうまくコントロールする力」とどう関係するかを、4つのデータベースから集めた10件の研究をまとめて整理したレビューです。父親の関わりと子どもの感情のコントロールに、はっきりした直接の関連はみられませんでした。ただし、関わりや感情を測る方法、父親や子どもの特徴によっては、父親がよく関わるほど子どもが感情をうまく扱える傾向がみられる場合がありました。
肥満のある子ども・若者の運動量を増やすために、アプリやメッセージ、運動ゲーム(エクサゲーム)などデジタルを使った取り組みが効果的かを、9件のレビューをまとめて評価した研究です。全体として、デジタルの取り組みは運動量を小〜中くらい増やす効果がみられました。とくにメッセージ送信や運動ゲームに一定の効果がありましたが、効果が続くかどうかのデータは限られていました。
子どもに増えている「近視」と「肥満」は同じ子に同時に起こりやすく、生活習慣という共通の背景があります。この両方の予防に運動や外での活動が役立つかを、13件の研究を整理したレビューです。運動不足や外で過ごす時間の少なさが、肥満のリスクと視力の悪さの両方と関連していました。外での活動は近視のリスクを下げ、肥満と近視のつながりも和らげる可能性が示されました。
高い所に登る、探検するなど、少し危険や挑戦の要素のある外遊び・自然での冒険的な活動が、子どもの育ちにどう関わるかを、40件の研究を整理したレビューです。「できるだけ安全に」ではなく「必要なだけ安全に」という考え方のもと、こうした遊びはレジリエンス(立ち直る力)・自信・心の健康・運動能力・自立心・自然とのつながりなど、多くの面で良い関連が報告されていました。
スポーツ(ルールや目標のある、組織だった運動)への参加が、子どもや思春期の子の心の健康や社会性にどう影響するかを、多くの研究からまとめたシステマティックレビューです。スポーツは、体を動かすだけでなく、考える力や仲間との関わりの機会も伴うため、心理面・社会面によい影響をもたらしうると整理されました。
8〜17歳を対象に、運動の取り組みが「注意力」にどう影響するかを、9件のランダム化比較試験からまとめたシステマティックレビューです。運動によって、集中力・選択的注意・持続的注意・処理速度などがおおむね一貫して改善していました。短時間の運動でも効果が見られ、長く続けるほど安定した改善につながる傾向でした。
妊娠中の運動や食事の改善(生活習慣の取り組み)が、妊娠糖尿病を防ぐかを、92件の試験(約3万2千人)の個人データを統合して調べたメタアナリシスです。生活習慣の取り組みによって、妊娠糖尿病になるリスクが約10%下がる傾向が見られました。
保護者に向けて、幼い子ども(0〜5歳)の画面(スマホ・テレビなど)の使い方を見直すよう促す取り組みが、子どもの発達によいかを、ランダム化比較試験10件をまとめて調べた研究です。こうした支援によって、子どもの社会性・情緒の問題やかんしゃくなどの行動が減り、画面の利用時間も減りました。ただし睡眠・運動・認知への効果は、研究が少なく結論づけられませんでした。理論にもとづき具体的な行動の工夫を取り入れたプログラムほど、効果が大きい傾向がありました。
家族で一緒に体を動かす取り組み(家族スポーツ)が、5〜19歳の子ども・若者の心の健康にどう関わるかを、11件の研究(約1160人)をまとめて調べた研究です。家族で体を動かす取り組みは、内容にかかわらず、全体として子どもの心の健康をよくする方向に関連していました(中くらいの効果)。親子で体を動かす時間が、心の面にもプラスに働きうることを示しています。
ダンスやスポーツなど体を動かして遊ぶタイプのビデオゲーム(アクティブビデオゲーム)が、太りぎみ・肥満の6〜12歳の子どもの運動量や体型にどう影響するかを、13件の研究からまとめたレビューです。4〜12週間の取り組みでは、運動量が増え、BMIや体の組成がいくらか改善する傾向が見られました。13〜24週間と長く続けた場合は運動量は増えるものの、BMIへの効果は小さめでした。
体を動かす活動(運動)が、8〜19歳の子ども・若者の学業成績にどう関わるかを、15件のランダム化比較試験をまとめて調べた研究です。運動には、算数や読みの成績をわずかに高める効果がみられました。全体的な学業成績にもよい傾向がありましたが、研究数が少なく、つづり(スペリング)でははっきりした効果はありませんでした。運動が学習の妨げになるのではなく、むしろ少し後押ししうることを示しています。
子どもから思春期にかけて体を動かす量(身体活動)がどのように減っていくかを、34件の研究からまとめたレビューです。身体活動は早ければ7歳ごろから減りはじめ、9歳前後で最も大きく落ち込む傾向が見られました。やる気や自信、画面を見る時間(スクリーンタイム)、勉強の負担などが、活動量の低下に関わる要因として挙げられました。学校を中心とした、複数の働きかけを組み合わせる取り組みが効果的とされています。
世界33か国の3〜4歳の子ども約7千人のデータを集めて、運動・画面(スクリーン)の時間・睡眠について、WHO(世界保健機関)の目安を満たしている子どもの割合を調べた研究です。3つすべての目安(運動は1日合計3時間以上・画面は1時間以下・睡眠は10〜13時間)を満たしていたのは14.3%にとどまりました。多くの幼児が、推奨される生活リズムを満たせていない現状が示されました。
新型コロナウイルスの流行(2020〜2023年)が、0〜6歳の就学前の子どもの発達や心の健康にどう影響したかを、流行前後を比べた研究からまとめたものです。16か国・約22,000人のデータを統合したところ、発達や心の健康への影響は見られたものの、その大きさは全体として小さい範囲にとどまりました。
スマホやタブレット、携帯ゲーム機などの双方向の電子機器の使用が、10代の睡眠と心の健康にどう影響するかを、28件の長期研究からまとめたシステマティックレビューです。これらの機器の使い過ぎは睡眠の悪化と関連し、それがさらに心の健康の悪化につながりうることが示されました。
健康な赤ちゃんが、寝返りやお座り、歩き始めといった体の大きな動き(粗大運動)をどう発達させるかに関わる要因を、長期間追いかけた36件の研究からまとめたレビューです。出生時の体重が重いほど運動の発達が進みやすいという関連が、最も確かな根拠とともに示されました。妊娠週数(早産かどうか)や、ふだんの寝かせ方(うつぶせの時間など)にも、中くらいの強さの関連が見られました。
6歳までの保育園など「親以外による保育」が、子どもの食事・運動・座りがちな時間・睡眠とどう関わるかを、13件の長期研究からまとめたシステマティックレビューです。関連を示す研究もありましたが、結果は一致せず、保育そのものがこれらの生活習慣を良くも悪くもするとははっきり言えませんでした。
子ども・思春期を対象に、有酸素運動が血液中の「非HDLコレステロール」(悪玉とされる成分を含む指標)に与える影響を、ランダム化比較試験を集めて調べたメタアナリシスです。非HDLコレステロールには明確な変化は見られませんでしたが、体脂肪の割合は減り、有酸素能力(持久力)は向上しました。
スマホやタブレットなどのデジタル機器を長く使うことが、2〜12歳の子どもの体や心の健康にどう関わるかを、複数の研究をまとめて評価した研究です。新型コロナの休校期間にオンライン学習などで画面を見る時間が増えたことの影響もあわせて調べられました。長い使用が健康面の問題と関連する可能性が示されています。
生後1週から3か月でコリック(はっきりした原因なく激しく泣く)と診断された赤ちゃん103人を、やさしく体に触れて整える施術を受ける群と、通常のケアのみの群に分けて比べた研究です。3回の施術を受けた群では、保護者が感じる心理的なストレスが大きく下がり、赤ちゃんの1日の泣く時間や泣きの強さも同じくらい改善しました。抱きかかえて体に触れる手当て的なケアが、家庭の負担をやわらげる可能性を示しています。
中国・上海で、6〜9歳の子ども約3200人に腕時計型の機器を着けてもらい、屋外で過ごした時間を1年間記録した研究の追加解析です。もともと遠視ぎみの子どもでは、屋外時間が長いほど近視の方向への変化が小さく、1日約120分でその効果が頭打ちになりました。一方、すでに近視になりかけの子どもでは、屋外時間を増やしても効果ははっきりせず、1日120分を超えてようやく弱い傾向が見られる程度でした。
オーストラリアの恵まれない地域の保育園8園・213人の子どもを対象に、リズムに合わせて体を動かすプログラム(8週間で16〜20回)を受けるグループと、いつも通りの保育のグループにくじ引きで分けて比べた研究です。プログラムを受けた子どもたちは、友だちに親切にするなどの社会性が伸び、落ち着きのなさや不安といった行動の問題が減る傾向がみられ、その差は小学校に上がった半年後まで続きました。効果の大きさは小〜中程度でした。
遊びはことばや社会性、考える力の発達と関わる大切な活動ですが、自閉スペクトラム症の幼い子どもでは遊びの発達がゆっくりなことがあります。低所得の家庭97組で、保護者が遊びを通して関わり方を学ぶ早期介入(JASPER)を受けた子どもと、保護者向けの説明のみを受けた子どもを比べ、家庭での自然な遊びの様子を観察しました。介入を受けた子どもの方が、単純な遊びから見立て遊び(ごっこ遊び)への変化が大きい傾向がみられました。
スウェーデンで、1〜2歳の子をもつ親832人を対象に、4回の子育て支援プログラム(Little All Children in Focus)の効果を調べた試験です。参加者をくじ引きのように2つのグループに分け、プログラムを受けた親と、子どもの発達についての動画講座を受けた親を比べました。その結果、プログラムを受けた親では、子どもの気持ちを支える関わり方が少し増えました。一方で、子育ての自信やストレス、子どもの情緒発達などには、はっきりした差は見られませんでした。
中国の農村部で、未就学児とその養育者3836組を対象に、けが予防の内容を含む教育アプリの効果をくじ引きで割り付けて調べた研究です。けが予防の教育を受けたグループでは、1年間のけがの発生がわずかに少なく、養育者の安全への意識・見守り行動・家庭環境の安全度も改善したと報告されています。安全教育の働きかけが、子どものけがを減らす方向に役立つ可能性を示しています。
自閉スペクトラム症(ASD)の子ども51人(平均約9歳)を対象に、2週間・8回の自転車(サイクリング)運動プログラムの効果を調べたランダム化比較試験です。サイクリング運動によって、計画や注意の切り替えなどの「実行機能」が改善し、その効果には自律神経の働き(心拍変動)が関わっていることが示されました。
自閉スペクトラム症(ASD)の9〜14歳の子ども50人を対象に、8週間のトランポリン運動プログラムの効果を調べたランダム化比較試験です。トランポリン運動を行ったグループでは、不安が減り、運動能力(運動スキル)が向上しました。体を揺らす刺激と有酸素運動の組み合わせが役立った可能性があります。
小学生の運動量を増やすため、健康教育の授業にゲームの要素を取り入れた運動プログラムを行い、効果を調べた小規模なランダム化比較試験です。2つの小学校を、ゲーム化運動を行うグループと通常の体育のグループに分けて比べたところ、ゲーム化運動を取り入れたグループで身体活動量が高まる可能性が示されました。
ブラジルで行われたランダム化比較試験(PAMELA研究)で、妊娠中の運動プログラムが、お母さんや赤ちゃんの health にどう影響するかを調べました。運動プログラムは、妊娠高血圧腎症や早産を減らす効果は示しませんでしたが、赤ちゃんの健康に悪影響を与えることもありませんでした。
妊娠中に新型コロナにさらされた赤ちゃん(39組)と、流行前に生まれた赤ちゃん(103組)の脳と発達を比べた研究です。さらされた赤ちゃんでは、新生児期の脳の一部の体積に違いがみられ、2歳時点で認知や社会性の発達の点数がやや低い傾向が報告されました。脳の体積の違いが、認知の差の一部を説明していたとしています。
チェコの10代の子ども2500人を半年ごとに3回追跡し、画面を見る時間・就寝時刻・日中の眠気の関係を調べた研究です。画面時間が長い子ほど就寝時刻が遅く、日中の眠気も強い傾向がありました。同じ子で見ると、画面時間が一時的に増えると就寝時刻が遅くなり、それがまた次の画面時間の増加につながるという、画面と夜更かしが互いに強め合う関係が示されました。寝る前1時間の画面利用を控えても、この関係はあまり変わりませんでした。
妊娠中に母親ががん治療(抗がん剤など)を受けた子ども96人を対象に、1歳半ごろの運動発達を標準的な検査で調べた観察研究です。粗大運動(体を大きく動かす力)は平均すると基準よりやや低く、3人に1人で遅れがみられましたが、手先の細かい運動はおおむね基準どおりでした。抗がん剤などの治療を受けたこと自体と運動発達の遅れとの間に明確な関連はなく、手先の運動は妊娠週数の短さや家庭の負担と関連していました。
コロナ禍に生まれた407人の子どもを、生後15か月ごろから3回にわたって追いかけた研究です。家庭がコロナ禍で受けたストレスが強いほど、初期の問題行動が多く、社会性や感情の力(コンピテンス)の伸びがゆっくりになる傾向がみられました。一方で、妊娠中に母親が周囲から支えを得られていたことは、子どもを守る要因として働いていました。
南アフリカと米国の2地域で、母子およそ2,900組を対象に、妊娠中のさまざまな要因と1歳児の発達(認知・運動・言葉)との関係を調べた前向きの観察研究です。米国の地域では母親の肥満が、認知や表出言語の得点の低さとゆるやかに関連していました。家庭の過密、母親の学歴の低さ、妊娠中のうつ、低出生体重なども、両地域で発達の得点の低さと関連していました。
妊娠中に新型コロナに感染した母親から生まれた子ども399人を、最長で約5年追った研究です。新生児の血液中の新型コロナへの抗体が高いほど、その後の発達の遅れ(とくにことばの遅れ)のリスクがやや高い傾向がみられました。この関連は男の子や、妊娠初期に感染した場合でとくに目立ったと報告されています。
妊娠中に新型コロナに感染した母親から生まれた子どもの発達を追った研究です。妊娠中に感染した子ども(172人)では、感染していない子どもにくらべて発達の遅れがみられる割合が約10倍(11.6%対1.6%)、自閉スペクトラム症の疑いの割合も約2倍と報告されました。さらに一部の母子の血液を調べると、発達のリスクに関わるとされる免疫のはたらきの乱れが見つかったとしています。
157組の親子を妊娠期から追いかけた研究です。妊娠中に母親が気持ちを切り替えにくい(心が硬くなりやすい)傾向があると、赤ちゃんが不機嫌になりやすく、それが幼児期の情緒や対人面の難しさにつながる流れがみられました。一方、父親が子どもの様子に気づいて落ち着いて応える関わり(マインドフルな子育て)をしていると、その流れが弱まる傾向がありました。
ジンバブエの公的クリニックで、発達に遅れのある3〜6か月の赤ちゃん481人を3か月追跡した研究です。家庭でのリハビリに母親だけでなく父親(やきょうだい)も参加したグループでは、赤ちゃんの認知の発達の得点が、母親だけのグループより高い傾向がみられました。言葉・運動・社会情動などの面でも同じ方向の変化はありましたが、はっきりした差は出ませんでした。
レバノンの近視のある3〜17歳の子ども100人を対象に、画面を見る時間や屋外活動と近視の進み方の関連を調べた研究です。新型コロナの外出制限の時期は、画面時間が増えて屋外活動が減り、近視の進み方も大きくなっていました。ただし、アンケートで尋ねた1日の画面時間や週あたりの屋外時間そのものは、近視の進み方とのはっきりした関連は示されませんでした。中東という、これまであまり研究されてこなかった地域からの報告です。
家庭で本に親しむ環境が、ダウン症の子どもの言葉の力とどう関わるかを、約9か月の間をあけて2回調べた研究です。読み聞かせの最中に子どもが本へ熱心に関わっている(ページをめくる、絵を指さすなど)ほど、その時点での言葉を使う力(語彙)が高い傾向がみられました。一方で、家庭にある本の多さなど環境の豊かさそのものは、はっきりした関連を示しませんでした。
6〜14歳の子ども523人を2年間追いかけ、スマートフォンの使用時間をアプリで記録して、近視の進み方との関連を調べた研究です。1日の使用時間が長い子ほど近視が進みやすい傾向がみられました。一方で、屋外で過ごす時間が長いことや、画面を顔から遠ざけて見ることは、近視が進みにくいことと関連していました。親が近視の子どもは、そうでない子に比べて近視が進む割合が高い傾向もみられました。
子ども時代から成長期にかけての身体活動が、骨量がほぼピークに達する若い成人期(18〜35歳)の骨の状態とどう関連するかを調べた研究です。18〜35歳の226人について、成長期の身体活動を質問票で振り返り、精密な画像検査で骨の密度や構造を測りました。成長期によく体を動かしていた人ほど、すねの骨の強さや太ももの付け根の骨密度が高い傾向がみられ、これは男女ともに確認されました。とくに骨の内側の網目状の部分(海綿骨)で関連がはっきりしていました。
思春期後半から若い成人期にかけての身体活動が、後の骨の強さとどう関連するかを長期に追跡した研究です。266人について、17・19・21・23歳の時点で活動量計を使って運動の量と強さを測り、23歳のときに精密な画像検査ですねの骨の強さを推定しました。運動の量よりも運動の「強さ」が骨の強さと関連しており、強度の高い活動を続けていた人ほど骨が強い傾向がみられました。この関連は男女ともに確認されました。
アメリカの地方都市で、16組の母子を妊娠後期から追いかけ、赤ちゃんの起きている間の過ごし方(うつぶせ遊びの時間など)や授乳の仕方が、生後12か月の運動の発達とどう関係するかを調べた小さな研究です。うつぶせ遊びの時間や、母乳かどうか、きょうだいの有無は、12か月の運動の点数とははっきりした関連が見られませんでした。一方で、生後4か月の運動の点数や、生まれたときの体重・身長は、12か月の運動の発達と関連していました。
アメリカの低所得で多様な背景をもつ母親316人とその子どもを追跡し、子どもの今の様子に落ち着いて気づき寄り添う子育て(マインドフルな子育て)と、子どもの発達との関係を調べました。生後18か月のときにこうした関わりが多い母親では、その場で観察した応答的な関わりも多く、6か月後の子どもの情緒・行動・言葉の発達も良い方向と関連していました。母親の気分の落ち込みの影響を差し引いても、この関連は見られました。
外遊びの習慣が、子どもの体つき(体組成)や運動能力とどう関わるかを、日本のエコチル調査に参加した8歳の子ども494人で調べた研究です。外遊びが多いグループは、50m走や立ち幅跳びなどの運動能力の結果が良く、とくに男の子で顕著でした。女の子では筋肉量が多めなど、外遊びと体づくりの良い関係がみられました。
テレビ・パソコン・スマホなど娯楽のための画面利用と、子どもの肥満との関係を、韓国の小学4年生2023人を3年間追跡して調べた研究です。1日合計4時間以上の画面利用は、2時間未満に比べて肥満になるリスクが高めでした(約1.68倍)。とくにテレビ視聴で関連が強く、画面の時間を読書などに置き換えると肥満リスクが下がる可能性も示されました。
アメリカの大規模研究(ABCD研究、約7500人)で、10歳前後の子どものSNS(ソーシャルメディア)の使い方の変化と、記憶力などの認知の成績との関係を調べました。SNSの利用が少ない子に比べ、利用が増えていく子では、ことばの記憶などの成績がやや低い傾向が見られました。
日本の出生コホート(東北メディカル・メガバンク)で、住まいの周辺の緑(緑地)の多さと、子どものアトピー性皮膚炎(湿疹)との関係を調べました。幼い時期に緑の多い環境で過ごした子どもは、アトピー性皮膚炎になるリスクが低い傾向が見られました。
日本の「エコチル調査」の母子約3800組を対象に、子どもと一緒にいるときに母親がスマホ・タブレット・パソコンを使う時間と、2歳児の発達との関係を調べた研究です。子どもといるあいだに母親が1時間以上デジタル機器を使う場合、子どもの「言葉・社会性」の発達がやや低めでした。2時間以上では、発達の総合的な指標も低めでした。いわゆる「ながらスマホ」と子どもの発達の関連を示しています。
日本の大規模調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータを使い、生後6か月から3歳までの子どもについて、生まれもった気質(活発さや感情の出やすさなど)と運動の発達がどう関わるかを調べた研究です。気質と運動の発達は互いに関連しており、子ども自身の特徴が運動の伸び方の個人差に関わっている可能性が示されました。
日本の「エコチル調査」の約7.2万人の赤ちゃんを対象に、生まれた月と、生後6か月・12か月の体の大きな動き(粗大運動)の発達との関係を調べました。生まれた月(季節)によって発達のペースに差が見られ、男の子の方が女の子よりも点数が高い傾向でした。著者らは、妊娠初期のビタミンD不足やインフルエンザなど季節的な要因が背景にあるのではと考えています。
日本の大規模調査「エコチル調査」の約7万9千人を対象に、家庭で犬を飼っていることと、3歳時点の子どもの発達との関係を調べた研究です。犬を飼ったことがある家庭の子どもは、コミュニケーション・体を使う運動・問題解決・人とのかかわりといった面で、発達の遅れがみられる割合がやや低い傾向がありました。ペットとのふれあいが、子どもの育ちによい影響をもつ可能性を示しています。
オランダの出生コホート(GECKO Drenthe)で、赤ちゃんの運動の節目(支えなしで歩くなど)の達成時期と、その後の子ども時代の運動量との関係を調べました。支えなしで歩き始めるのが遅かった子ほど、子ども時代に座って過ごす時間が長く、活発な運動が少ない傾向が見られました。一方、BMI(体格)との関連は見られませんでした。
ヨーロッパの子ども600人を6歳から11歳まで5年間追い、体を動かす量(身体活動)や座りがちな時間(座位行動)と、体格(BMI・体脂肪)との関係を調べた研究です。活発な運動(中〜高強度の身体活動)が多い子ほどBMIや体脂肪が低く、座りがちな時間が長い子ほど高い、という関連が見られました。年齢が上がるほどこの関係は強まりました。
日本のエコチル調査のデータ約3万8千組の親子を使い、お母さんの妊娠前と妊娠中の運動量が、子どもの発達とどう関係するかを調べました。子どもの発達は、生後6か月から3歳まで半年ごとに、コミュニケーションや運動などの面を質問票で評価しました。
子どものころからの体の脂肪の量を精密な方法(DXA)でくり返し測り、その後の心臓の状態との関係を、イギリスの長期コホート(ALSPAC)の1803人で調べました。子ども時代よりも、思春期から大人にかけての体幹(おなかまわり)の脂肪の増加が、心臓の構造や働きの悪化と関連していました。
コリックと診断された新生児の保護者60人に、コリックへの対応のしかたを1回の講習で伝え、その前後で赤ちゃんの様子を比べた研究です。指導のあと、赤ちゃんのコリックの程度と泣く時間は減っていました。あやし方や抱き方を含む対応を保護者が学ぶことが、赤ちゃんの泣きをやわらげる助けになる可能性を示しています。
中国・北京で、子どもの日焼け対策について保護者477人に尋ねた調査です。衣類などの物理的な対策を好む人が57%で、子どもの2割が過去に日焼け(やけど)を経験していました。保護者の知識や意識は対策の実践と関係しており、特に意識(前向きな態度)が実践に強く結びついていました。一方で、知識はおおむね不足し、対策の実践も十分とはいえない結果でした。
コリックのある赤ちゃんを持つ母親84人に、産後の教育プログラム(2回の個別セッション)を行い、ストレスや受診回数の変化を調べた研究です。母親のストレスそのものは大きくは下がりませんでしたが、過度の泣きを理由にした医療機関の受診は減りました。コリックへの対応を学ぶ支援が、保護者の不必要な受診をへらす助けになる可能性を示しています。
小児がんを経験した人は、治療の影響で皮膚がんになりやすくなることがあります。スイスで子どもから大人まで約3,500人に、日焼け対策ややけど(日焼け)の有無を尋ねました。ふだんから日焼け対策をしている割合は子どもで89%と高かったものの、昨夏に日焼け(やけど)をした子どもも23%いました。日焼け対策をしていても日焼け自体は起こりやすく、近年生まれの人ほど対策が少なく日焼けが多い傾向もみられました。
3〜5歳の子ども137人について、夜にテレビを見終わってから寝るまでの間隔(テレビと就寝の間の時間)と睡眠の関係を、保護者の報告から調べた研究です。テレビを見終わってから寝るまでの間隔が長い子ほど、1日の睡眠時間が長い傾向が見られました。一方、1日のテレビ視聴時間の長さそのものは睡眠時間とはっきり関連しませんでした。画面を見る『量』だけでなく『時間帯』も睡眠に関わる可能性を示しています。
日本の小学2年生の母親約1,700人に、子どもの日焼け対策を尋ねた調査です。長時間の外出時に日焼け止めを「いつも・ときどき」使う子どもは67.5%、屋外プールで何らかの対策をとる子どもは73.2%でした。対策のとり方は、子どもの性別や肌のタイプ、日に当たった後の肌の症状、家庭の経済状況や保護者の学歴・年齢などと関係していました。子どもは大人の最大3倍の日差しを浴びるとされ、対策の実態を地域でとらえた研究です。
コリックと診断された赤ちゃんを持つ母親450人に、コリックの知識と家庭での対応を聞き取った調査です。母親がよく行う対応は、マッサージ、おくるみ(くるんで包む)、ハーブなどで、抱き方やあやし方を含む身近な手当てが広く使われていました。一方で専門家に相談する母親は少なく、知識のばらつきも大きいことが分かりました。
南インドに住む2〜5歳の子ども523人を対象に、画面を見る時間と睡眠の問題の関係を調べた地域調査です。約4割の子に何らかの睡眠の問題(寝つきの悪さ、夜中に目を覚ますなど)が見られました。特に布団の中で画面を見る習慣がある子や、画面時間が長い子で睡眠の問題が多く、1日およそ2.4時間以上が問題と関連する目安として示されました。
中・低所得国を中心とした世界9都市で、車に乗る0〜12歳の子ども3万4千人余りを路上で観察し、チャイルドシートの使用状況を調べた研究です。使用率は5歳未満で約37%、5歳以上では約8%と低く、都市によって大きな差がありました。後部座席に座る・同乗者が少ない・運転手がシートベルトをしている場合に、使用率が高い傾向がみられました。
フィンランドの保育施設に通う平均4歳の子ども103人を対象に、家庭での音楽・運動の習慣や、音楽・運動の習い事が、言葉の力や気持ちの読み取りなどとどう関連するかを調べた横断研究です。音楽の習い事に通う子どもは言葉を思い浮かべる課題の成績がよい傾向がありましたが、家庭で音楽や運動を多くしている子どもほど、相手の感情を読み取る課題の成績が低いという予想外の関連もみられ、結果はまちまちでした。
ウガンダで6〜17歳の子どもを育てる父親236人に聞き取りを行い、父親の関わりが子どもの心の状態とどう関わるかを調べた研究です。父親がよく関わっている家庭ほど、子どもの注意の問題、内に向かう悩み(不安や落ち込み)、外に出る問題行動(攻撃や反抗)が少ない傾向がみられました。父親の関わりは、結婚しているかどうかに関わらず、子どもの行動面の問題の少なさと関連していました。
中国・上海で、養育者501人を対象に、チャイルドシートの正しい使用を促す地域ぐるみの働きかけ(冊子・記事の配布とAIによる電話での声かけ)の効果を調べた比較研究です。チャイルドシートを持っている割合は両グループで差がありませんでしたが、働きかけを受けたグループでは毎回きちんと使う割合が高く、取り付けの向きの間違いも少なくなったと報告されています。
中国の親子(父親と母親のペア1862組)を対象に、父親の子育てに対する考え方が、就学前の子どもの社会的な適応(友だちとうまくやる力や問題行動)とどう関わるかを調べた研究です。前向きな考え方を持つ父親ほどよく子どもに関わり、それが父子の親密さにつながって、子どもの社会性のよさと関連していました。一方で、父子の対立が増えると、攻撃的な行動の多さと関連する面もみられました。
二つの言語を使う家庭の親子のやりとりを、家庭での遊びの様子を録画して調べた研究です。カナダ(フランス語・英語)とアメリカ(スペイン語・英語)の18〜35か月の子ども39人を対象にしました。主に世話をする保護者と子どもは、会話の中で相手と同じ言語を選んでそろえる傾向が、偶然より高い割合で見られました。こうした言語のそろえ合いが、二言語の習得を支えている可能性が示されています。
日本で、生後6か月〜6歳の子どもをもつ母親875人に、家庭でのけが予防の工夫をたずねた調査研究です。工夫の仕方は大きく3つに分かれ、(1)危ない物をあらかじめ遠ざける、(2)危ない場所・物に近づけないようにする、(3)ある程度ふれさせつつ見守って対応する、という形が、子どもの年齢が上がるにつれて移り変わる傾向がみられました。子どもの自立度や親の育児の姿勢とも関係していました。
生後28か月の子ども28人を対象に、音の並びのリズムの違いに脳がどう反応するかを測り、家庭での音楽遊びや言葉の力との関連を調べた研究です。家庭で親子一緒に音楽を楽しむ機会が多い子どもほど、リズムの違いに対する脳の反応が大きく、言葉の力も高い傾向がみられました。一方で、ただ音楽を聞かせるだけの取り組みでは、こうした反応の差はみられませんでした。
ケニア西部の農村で、父親が乳幼児にどれくらい関わっているかを測るものさし(尺度)を作り、その妥当性を調べた研究です。父親の関わりは「世話」「遊びと愛情」「家事」「学びの手伝い」という4つの面に分けられました。これら4つすべての面で父親がよく関わっている子どもほど、認知・言葉・運動・社会情動の発達の得点が高いという関連が見られました。
6501人の妊婦を対象に、妊娠中の運動と早産(予定より早く生まれること)のリスクとの関係を調べた研究です。早産の割合は4.38%で、妊娠中に運動していた人では早産のリスクが低い傾向が見られました(調整後のオッズ比0.74)。特に妊娠初期・中期に週2.5〜7時間の運動をしていた人で、リスクが低めでした。
0〜5歳の子どもを対象にした2020〜2025年の研究をまとめた総説です。コロナ禍のロックダウンによる生活の乱れ(保育や交流の減少、養育者のストレス増加)と関連して、感情や行動の難しさがやや増えたと報告されています。ことばや認知、実行機能への影響はばらつきが大きく、刺激や学びの機会が減った状況でとくに出やすいと示されました。影響は、もともと不利な状況にある家庭の子どもに偏って大きいと指摘しています。
音楽や話し言葉のリズムを脳がどう処理するかについて、これまでの研究をまとめた総説です。音楽のリズムと言葉のリズムは脳の中で重なる部分が多く、リズムの処理が苦手だと言葉の発達でつまずきやすいという関連が報告されています。著者らは、早い時期からリズムを使った遊びや取り組みが、言葉の発達を支える可能性に期待できると述べていますが、まだ確かめる研究が必要だとしています。
子どもや若者にとっての筋力トレーニング(レジスタンス運動)の役割を論じた意見論文です。筋力や瞬発力を高めるだけでなく、心肺機能や体脂肪、けが予防などにも役立つと整理しています。骨の健康については、とくにジャンプ系の運動を取り入れた筋力トレーニングで骨の状態が改善しうる一方、水泳のような体重のかからない運動では骨密度への効果は小さい、あるいはほとんどない可能性があると述べています。筆者らは、今後の運動ガイドラインで筋力トレーニングをより重視すべきだと主張しています。
赤ちゃんの運動発達は、これまで子ども本人を中心に研究されがちでしたが、親の知識・考え・期待や、ふだんの関わり方も大きく関わるとして、その仕組みを整理した理論的なレビューです。文化によって、赤ちゃんをどう寝かせ・どう遊ばせるか(うつぶせ遊びの取り入れ方など)が異なり、それが運動の発達のペースの違いにつながりうると論じています。親の関わりが子どもに影響し、子どもの育ちが親の関わりを変えるという双方向の関係も指摘しています。
パソコン・スマホ・タブレット・テレビなどの画面に子どもが接することが、健康にどう関わるかを幅広くまとめた総説です。肥満・運動不足・睡眠の乱れ・不安や抑うつ・近視・行動の問題などとの関連を整理しています。1日2時間を超える画面接触がこれらと関連すると報告され、特に証拠が強いのは肥満や運動不足との関連だとしています。近視についても関連が指摘されていますが、ほかの要因に比べて結びつきは弱めに扱われています。
スマホやテレビなどの画面を見る時間(スクリーンタイム)が、子どもの言葉の発達にどう関わるかについて、12件の研究を整理したレビューです。長すぎるスクリーンタイムは言葉の発達にマイナスに働きうる一方で、内容や、大人と一緒に見て会話することなど、見方の質も大切だと示されました。