母親の「今ここに寄り添う子育て」と、その後の幼児の情緒・認知の発達との関連
Mindful mamas: Black and Latina mothers' mindful parenting predicts toddlers' later social-emotional and cognitive functioning.
どんな研究?
01 — Summaryアメリカの低所得で多様な背景をもつ母親316人とその子どもを追跡し、子どもの今の様子に落ち着いて気づき寄り添う子育て(マインドフルな子育て)と、子どもの発達との関係を調べました。生後18か月のときにこうした関わりが多い母親では、その場で観察した応答的な関わりも多く、6か月後の子どもの情緒・行動・言葉の発達も良い方向と関連していました。母親の気分の落ち込みの影響を差し引いても、この関連は見られました。
要点
02 — Key points- 01低所得で多様な背景をもつ母親316組を追跡した縦断研究
- 02落ち着いて子どもに寄り添う関わりは、観察された応答的な関わりと関連
- 036か月後の子どもの情緒・行動・社会性・言葉の発達とも良い方向で関連
- 04母親の気分の落ち込みの影響を差し引いても関連が残った
- 05子どもの感情の起伏が強い場合は、良い関連が弱まる傾向もあった
観察研究のため、関連であって因果関係(関わりが発達を直接よくする)とは言えません。関わり方は母親の自己申告に頼る部分があり、思い込みの影響を受けます。アメリカの特定の集団が対象で、他の集団にそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 縦断研究(前向き観察)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Dev Psychopathol
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1017/s0954579425101004
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related親の応答的な関わり(敏感さ)と子どもの発達の関係を、過去のレビューをまとめて検証(アンブレラレビュー)
親が子どものサインに気づき、正しく読み取って、すばやくほどよく応えること(敏感な関わり)と、子どもの発達との関係を調べた研究です。過去に行われた17件のメタアナリシス(多くの研究をまとめた解析)をさらにまとめ直しました。その結果、親の敏感な関わりは、子どもの認知や言葉の力、愛着の安定とゆるやかに関連し、情緒や行動の問題とは弱く関連していました。研究者らは、応答的な関わりが幼児期の発達を支える大切な要素になりうると述べています。
1〜2歳の子をもつ親への子育て支援プログラムの効果を調べたランダム化比較試験(スウェーデン)
スウェーデンで、1〜2歳の子をもつ親832人を対象に、4回の子育て支援プログラム(Little All Children in Focus)の効果を調べた試験です。参加者をくじ引きのように2つのグループに分け、プログラムを受けた親と、子どもの発達についての動画講座を受けた親を比べました。その結果、プログラムを受けた親では、子どもの気持ちを支える関わり方が少し増えました。一方で、子育ての自信やストレス、子どもの情緒発達などには、はっきりした差は見られませんでした。
親から子へ受け継がれる感情のコントロールの難しさ:妊娠中の親の心の柔軟さと、幼児期の落ち着いた応答的な関わりの役割
157組の親子を妊娠期から追いかけた研究です。妊娠中に母親が気持ちを切り替えにくい(心が硬くなりやすい)傾向があると、赤ちゃんが不機嫌になりやすく、それが幼児期の情緒や対人面の難しさにつながる流れがみられました。一方、父親が子どもの様子に気づいて落ち着いて応える関わり(マインドフルな子育て)をしていると、その流れが弱まる傾向がありました。