分野

知育・認知発達

211件の研究

言葉・学習・思考力など、子どもの知的な発達に何が寄与するかを扱う研究。

この分野の疑問

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妊娠中のコリン(卵などに多い栄養素)は、子どもの発達によい?

コリンは脳や神経の発達に関わる栄養素で、多くの妊婦が推奨量に届いていないと指摘されています。ただし、妊娠中にコリンを増やすと子どもの発達がよくなるかについては、人を対象にした研究の数が少なく結果もばらついており、現時点ではよくなるともならないとも言い切れません。

根拠はまだ不十分

妊娠中の母親の持病(複数の慢性疾患)は、子どもの発達と関係する?

妊娠中の母親が複数の持病をもつことと、子どもの発達の遅れがやや関連すると日本の調査で報告されています。観察研究であり、関連であって因果とは言えません。

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昼寝は、子どもの学びや発達によい?いつまで必要?

子どもの昼寝が学習や発達によいのか、いつまで必要なのかを調べた研究を集めました。昼寝は学んだことを記憶に定着させて学習を助けるという考え方があり、保育施設の幼児を比べた研究では昼寝をする子の方がワーキングメモリー(短い間、情報を覚えて使う力)の成績がよいという報告があります。一方で、2〜3歳児で昼寝をしても記憶や計画の力は高まらなかったとする研究や、乳児期に昼間の睡眠が特に長い子はのちの記憶力がやや低い傾向だったとする研究もあり、結果は割れています。多くは観察研究で因果は示せず、人数も少なめのため確実性は低いと考えられます。「昼寝の卒業」は発達の自然な一部で、必要な時期には個人差があります。

結論は割れている

父親の年齢(高齢)は、子どもの健康や発達と関係する?

父親の年齢が高いことは、早産や帝王切開、また自閉スペクトラム症などとのわずかな関連が報告されています。ただし大半は観察研究で因果関係を示すものではなく、子ども一人ひとりにとっての絶対的なリスクは小さく、多くの子どもは健やかに育ちます。妊娠の計画は個人差をふまえ医師に相談を。

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子どもの吃音(どもり)は、その後どうなる?何が役立つ?

吃音(どもり)は就学前の子どもによく見られますが、多くの子は成長とともに自然におさまり、大人まで続くのは一部とされています。保護者が吃音を学んで家庭での接し方を整える早めの支援は、一部の子で役立つ可能性が報告されていますが、検証はまだ小規模です。学童期では、どもりの目立つ程度だけでなく不安や気質などの心理面も子どもへの影響に関わるため、気持ちへの目配りも大切と考えられます。

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夜更かし・夜型の生活リズムは、思春期の子の心や成績に影響する?

思春期は体内時計が後ろにずれ、自然と寝る時刻が遅くなりがちです。平日と休日で寝起きの時刻が大きくずれたり、夜更かしが続いたりすると、うつや不安の症状、太り気味、睡眠不足と関連すると複数の研究が報告しています。ただし観察研究が中心で、関連があっても因果関係を示すものではなく、確実性はまだ低いと考えられます。始業を遅らせる試みも、睡眠の改善と関連すると整理されています。

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体外受精(IVF)などで生まれた子どもの、その後の発達や健康は?

日本の全国コホートでは、IVFで生まれた子どもの9歳までの健康や発達は、自然に妊娠した子どもとほとんど差がなく、長期的な経過はおおむね良好と報告されています(観察研究のため、心配は担当医に相談を)。

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多言語(バイリンガル)環境は、子どもの言葉や考える力に影響する?

二つ以上の言語で育つ子どもは、はじめは言語が混ざったり片方の語彙が少なく見えたりすることがありますが、発達そのものが遅れるという確かな証拠はなく、多くは追いついていく傾向が報告されています。注意を切り替える脳の使い方に違いがみられたという報告もありますが、いずれも小規模・観察研究が中心で、確実なことはまだ言えません。

結論は割れている

ふだんの食事は、子どもの学習や成績と関係する?

ふだんの食事と、子どもの学習・成績や発達との関係は、よく注目されます。研究をみると、特定の食事や食品で学習・成績がはっきり良くなるという十分な根拠はまだ得られていません。一部の食品では発達との弱い関連が報告されていますが、観察研究が中心で、因果関係まではわかっていません。

根拠はまだ不十分

保育・幼児教育(プレスクール)は、子どもの発達によい?

プレスクールなどの質の高い幼児教育や、発達の遅れがある子どもへの早めの支援は、ことば・認知・遊びの発達によい影響をもたらすと報告されています。とくに経済的に厳しい家庭の子どもで効果がはっきりしやすい一方、効果はプログラムの質や内容によって差があり、年齢が上がると一部の効果が小さくなることも知られています。

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父親の関わりは、子どもの発達によい?

父親がよく関わる家庭ほど、子どもの社会性や行動面、認知の発達がよい傾向が報告されています。ただし研究の多くは観察研究で、結果にばらつきもあるため、関連であって「父親の関わりが原因でよくなる」と言い切ることはできません。

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熱性けいれんには何が関係し、その後にどう影響する?

熱性けいれんの多くは経過の良いもので、家族歴・発達の遅れ・けいれんの繰り返しなどが関連しますが、その後にてんかんへ進む子どもはごく一部で、関連を示した観察研究が中心のため確実性は高くありません。

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自然や緑の多い環境は、子どもの発達や健康によい?

住まいの周りに緑(自然)が多いことは、子どもの発達や睡眠、心の健康が良いことと関連すると複数の研究で報告されていますが、いずれも観察研究で「自然が直接よくする」と断定はできず、関連の段階です。

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乳児の鉄不足(鉄欠乏)は、子どもの発達と関係する?

幼いころの鉄不足は、考える力・運動・ことば・行動の発達の遅れと関連すると複数の観察研究で報告されています。鉄が不足している(貧血の)子に鉄を補うと認知がわずかに改善する可能性がある一方、もともと不足していない子への一律の補給ははっきりした効果が示されていません。多くは観察研究のため、関連であり因果と断定はできず、心配な場合は自己判断で補わず専門家に相談してください。

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赤ちゃんの睡眠は、発達や気質と関係する?

赤ちゃんの睡眠の長さや乱れが、その後の発達や気質と関係するのかを調べた研究を集めました。日本の大規模なコホート(エコチル調査)では、睡眠の乱れが長引かないことや昼夜のリズムが、3歳での発達の遅れの少なさ・泣き方の特徴・てんかんの発症と関連すると報告されています。一方で、乳児の睡眠時間と認知・運動発達のあいだには、22件の研究をまとめても一貫した関連は確認できませんでした。どれも観察研究のため因果は示せず、結果も分野によって割れていて、確実性は低いと考えられます。乳児期の睡眠の乱れはよくあることで、多くは自然に整います。

結論は割れている

言葉が遅い子(レイトトーカー)は、その後どうなる?何が助けになる?

言葉が遅い子の多くは成長とともに追いつく傾向がありますが、一部はことばや読み書きの困難が残ることが報告されています。発達の道すじ自体は『ずれている』のではなくゆっくりたどっている可能性が示され、保護者向けのトレーニングなど早い時期からの支援・見守りが役立つ傾向が報告されています。どの子に困難が残るかを前もって見分けるのは難しく、結果にはばらつきがあります。

結論は割れている

子どもや妊婦の血中鉛の検査(スクリーニング)は役立つ?

鉛は子どもや胎児の発達に有害な金属で、曝露を減らすことは大切です。一方で、症状のない子どもや妊婦に対して血中の鉛を広く検査(スクリーニング)して健康がよくなるか、についての根拠は乏しく、米国予防医療作業部会のレビューでは有用性をはっきり判断できないと整理されました。これは「鉛が無害」という話ではなく、「広く検査することの有用性が不確か」という話です。心配がある場合は医師にご相談ください。

根拠はまだ不十分

妊娠中の母親の食事の質・習慣は、子どもの発達や出生体重と関係する?

日本の大規模な調査では、食物繊維をよくとる・朝食を規則正しくとる・バランスの良い食事といった食習慣が、子どもの発達のよさや出生体重とプラスに関連すると報告されています。ただしいずれも観察研究のため因果関係は示せず、特定の食品の効果を強調するものではありません。全体としてバランスの良い食事を心がける参考にしてください。

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音楽・歌は、子どもの発達によい?

親子で一緒に楽しむ音楽やリズム遊びは、社会性や言葉の発達によい影響をもたらす可能性が報告されています。とくにリズムに合わせて体を動かすプログラムでは、社会性や行動面でのよい効果が信頼性の高い試験で示されています。一方で、言葉や認知への効果は関連の報告が中心で、結果にばらつきもあり、まだはっきりしていません。

結論は割れている

ペット(犬)を飼うことは、子どもの発達と関係する?

日本の大規模調査では、犬を飼っている家庭の子どもは、コミュニケーションや運動などの発達の遅れがやや少ない傾向が報告されています。ただし観察研究であり、飼育そのものが発達を促すと断定はできません(もともとの家庭環境の違いも考えられます)。

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早産で生まれると、その後の発達と関係する?

早く生まれた子どもは、平均すると言葉・認知・運動の発達や就学準備でつまずきやすい傾向が報告されています(とくに在胎週数が短いほど)。ただし多くの子は標準的な範囲に育っており、早い時期からの支援が助けになる可能性があります。早産そのものを割り当てて比べる試験はできないため、根拠は観察研究にとどまります。

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親の応答的な関わり(語りかけ・ふれあい)は、子どもの発達によい?

子どものサインに気づいてほどよく応える関わりは、子どもの認知・言葉・情緒の発達と良い方向で関連すると報告されています。多くは観察研究で因果とは言い切れず、子育て支援プログラムの試験では効果は控えめでした。

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絵本の読み聞かせは、子どもの言葉の発達によい?

保護者と一緒に絵本を読む取り組みは、子どもの言葉の理解や語彙によい影響をもたらす傾向が報告されていますが、研究の数が限られ結果にばらつきもあるため、効果の大きさははっきりしていません。

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妊娠中に甲状腺の検査・治療をすると、子どもの発達はよくなる?

甲状腺の働きと子どもの発達には関連が報告されていますが、大規模なランダム化比較試験では、軽度の甲状腺機能の異常を妊娠中に見つけて治療しても、子どものIQや発達は改善しませんでした。明らかな甲状腺の病気の治療は別で、これは「軽度の異常を広く検査して治療する」ことの話です。気になる場合は主治医にご相談ください。

支持されない

ADHD(注意欠如・多動症)には、何が関係する?

ADHDも、生まれもった要因(遺伝)が大きく関わると考えられています。加えて、妊娠中のたばこや親の物質使用、親のうつ・ストレス・不安などとのゆるやかな関連が報告されています。また、ADHDの子は亜鉛・鉄が低めの傾向も指摘されますが、これは原因の確定ではありません。早く気づいて支援につなげることが大切です。

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自閉スペクトラム症には、何が関係する?

自閉スペクトラム症は、生まれもった要因(遺伝)が最も大きく関わると考えられています。加えて、親の高年齢や、妊娠・出産時の一部の要因(妊娠高血圧・糖尿病、早産、低出生体重など)とのゆるやかな関連も報告されています。これらは「原因の確定」ではなく関連で、育て方やワクチンが原因という説は大規模な研究で繰り返し否定されています。

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妊娠中の大気汚染は、赤ちゃんの出生体重・早産や発達と関係する?

妊娠中に大気中の微小な粒子(PM2.5など)にさらされることは、低出生体重や早産といった好ましくない出産の結果のリスクの高まりと関連すると、大規模な研究でまとめられています。妊娠中・乳幼児期の曝露は、子どもの認知発達の低さとも関連が報告されています。個人でできる対策は限られ、社会全体での取り組みが重要な問題です。

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出生時・乳児期の医療(帝王切開・全身麻酔)は、子どもの発達・健康と関係する?

帝王切開で生まれた子は腸内環境の違いやアレルギーとの関連が、乳児期に全身麻酔の手術を受けた子は発達の遅れとの関連が報告されています。いずれも観察研究で、必要な医療を避けるべきという意味ではありません。

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母乳育児は、子どもの認知・発達によい?

母乳で育った子どもは、神経・認知の発達がやや良好という報告が数多くあります。ただし、きょうだい比較や遺伝情報を使う研究など「交絡に強い」設計では効果がほとんど見られないこともあり、家庭の社会経済的背景などの影響が大きいと考えられます。効果があっても小さいとみられ、母乳・ミルクの選択は家庭の事情によるものです。

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コロナ禍は、子どもの発達や心の健康に影響した?

新型コロナの流行は、子どもの発達や心の健康に小〜中程度の好ましくない影響と関連したと報告されています。外遊びや交流の機会の減少など、生活の変化が背景にあると考えられます。

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運動・スポーツは、子どもの心や学び(認知)によい?

運動やスポーツは、子どもの注意力や実行機能(計画・自己コントロール)、心の健康や社会性によい影響をもたらすと報告されています。楽しく体を動かす習慣が、体だけでなく学びや心も支えると考えられます。

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妊娠期の葉酸サプリは、子どもの神経発達によい?

葉酸は神経管の異常(二分脊椎など)を防ぐ効果がはっきりしており、妊娠前からの摂取が勧められています。ADHDや自閉スペクトラム症などへの効果は、リスク低下と関連する可能性はあるものの根拠は弱く、はっきりしていません。

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食料不安(十分な食べ物が得られないこと)は、子どもの健康と関係する?

経済的な理由などで十分な食べ物が得られない状態は、子どもの体や心の健康の問題と関連すると報告されています。家庭への経済的・食の支援が重要だと考えられます。

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妊娠中の体格(肥満)や血糖(糖尿病)は、子どもの発達と関係する?

妊娠前の肥満や、妊娠中の糖尿病・高血糖は、子どもの発達や神経発達障害のなりやすさとゆるやかに関連すると報告されています。妊娠前後の体重・血糖の管理は意味があると考えられますが、観察研究のため因果とは言えず、過度に心配する必要はありません。

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早産児・新生児へのケア(カンガルーケア等)は役立つ?

肌と肌を触れ合わせるカンガルーケアや、光・音・痛みに配慮した「発達に配慮したケア」は、赤ちゃん(特に早産児)と家族のアウトカムを改善すると報告されています。安全で取り入れやすい方法とされています。

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妊娠中のカフェイン(コーヒー・お茶)は、子どもの発達と関係する?

妊娠中に多くコーヒーを飲むことと子どものADHDのなりやすさとの関連を示す研究がある一方、はっきりした悪影響は見られない、むしろお茶は認知とプラスの関連という研究もあり、結論は一致していません。妊娠中のカフェインは控えめにという一般的な助言は変わらず、適量は個人差があるため医師に相談を。

結論は割れている

妊娠中の飲酒は、子どもの発達に影響する?

妊娠中のまとまった量の飲酒は、子どもの発達に明確な悪影響(胎児性アルコール・スペクトラム障害など)を及ぼすことが分かっています。少量〜中程度については研究結果が一致せず、『安全な量』は確立していません。妊娠中は飲まないのが無難とされています。

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妊娠中の食事は、子どもの社会性・行動と関係する?

妊娠中のきのこやビタミンCなどの摂取が、子どもの社会性とプラスに関連するという報告があります。ただし単一の研究にもとづくものが多く、根拠は弱いため、特定の食品の効果を強調するものではありません。

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妊娠中のフタル酸・ビスフェノール・PFASなど(環境ホルモン)は、子どもの健康と関係する?

フタル酸やビスフェノールは、子どもの発達やホルモンの変化と一部で関連が示される一方、PFASやPCBでははっきりした関連が見られないものもあります。物質ごとに結果が分かれ、確実性は低いのが現状です。神経質になりすぎる必要はありませんが、できる範囲で曝露を減らすのが無難と考えられます。

結論は割れている

妊娠中の魚・オメガ3は、子どもの発達によい?

妊娠中に魚やオメガ3(DHAなど)をよく摂ると、子どもの発達の一部によい可能性が報告されています。ただし魚は水銀も含むため、種類や量のバランスが大切です。効果は大きくなく確実性は低めです。

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妊娠中の重金属(鉛・水銀など)は、子どもの発達と関係する?

鉛やヒ素などの金属、メチル水銀への妊娠中・乳児期の曝露は、子どもの知能や認知の低さと関連すると複数の研究で報告されています。関連の確実性は高くありませんが、方向はおおむね一致しているため、できる範囲で曝露を減らすのが無難と考えられます。

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妊娠中の喫煙・受動喫煙は、子どもの知能や発達と関係する?

妊娠中のたばこの煙への曝露は、子どものIQの低さと関連すると報告されています。自分が吸う場合だけでなく、まわりの煙(受動喫煙)も避けることが勧められます。

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妊娠中のビタミンDは、子どもの発達や成長によい?

妊娠中のビタミンDが、子どもの記憶などの認知や体の成長とよい方向で関連するという研究があります。ただし効果は大きくなく、はっきりしていません。自己判断での大量摂取は避け、摂取は医師に相談してください。

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スマホ・タブレットなどの長時間の使用は、子どもの健康と関係する?

デジタル機器を長く使うことは、子どもの体や心の健康面の問題や、言葉の発達の遅れと関連すると報告されています。使う時間や内容に加え、大人と一緒に見て会話するなど『見方の質』も大切と考えられますが、研究の質はさまざまで因果とは言い切れません。

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睡眠は、子どもの心の健康や感情と関係する?

睡眠が足りない・不規則だと、子どもの心の健康や感情の安定と関連すると複数の研究で報告されています。睡眠時間だけでなく、質や規則性も大切だと考えられます。観察研究が中心で、互いに影響し合う面もあります。

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砂糖(甘いもの)の摂り過ぎは、子どもの行動(ADHD)と関係する?

添加された砂糖や甘い飲み物・お菓子の摂取が、ADHDの症状や多動と関連するという報告が多くあります。ただし観察研究が中心で、砂糖が直接の原因とは言えません。甘いものを完全に避ける必要はなく、頻度に気をつけるのが現実的です。

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妊娠中の甲状腺の働き・ヨウ素は、子どもの発達と関係する?

母体の甲状腺の働きの異常や、妊娠中のヨウ素の不足は、子どもの神経発達と関連しうると観察研究で報告されています。日本は海藻からヨウ素を摂りやすい一方、摂り過ぎも甲状腺によくありません。適量が望ましいと考えられます(※見つけた異常を治療して発達がよくなるかは別の問いで扱います)。

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妊娠中・産後のお母さんの心の状態は、子どもの発達に関係する?

妊娠中や産後のお母さんの気分の落ち込み・強いストレスは、子どもの発達の遅れやADHD・自閉スペクトラム症とゆるやかに関連すると報告されています。観察研究が中心で因果とは言えず、まわりの支えや相談が大切です。

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この分野の研究
2019 · ゲノムワイド関連解析(メタアナリシス)メタアナリシス

自閉スペクトラム症に関わるありふれた遺伝的変異の特定

自閉スペクトラム症(ASD)の人と、そうでない人あわせて4万6千人あまりのゲノムを大規模に比べた解析です。ASDと関わるありふれた遺伝的変異の場所がいくつか見つかり、これらは統合失調症やうつ、学歴などにも関わる領域と一部重なっていました。生まれもった遺伝の要素がASDのなりやすさに大きく関わることを、改めて示した内容です。

2026 · メタアナリシス(観察研究)メタアナリシス

帝王切開での出産とADHDの関連(システマティックレビュー・メタアナリシス)

帝王切開で生まれた子と、自然分娩で生まれた子で、ADHD(注意欠如・多動症)のなりやすさに違いがあるかを、観察研究をまとめて調べた研究です。14件の研究を統合した結果、帝王切開での出産はADHDのリスクがわずかに高めであることと関連していました。予定帝王切開でも緊急帝王切開でも傾向は同じでした。ただしこれは関連であり、帝王切開が原因と示すものではありません。

2026 · スコーピングレビューメタアナリシス

母親の環境化学物質への曝露と子どもの健康リスク:栄養状態が和らげる役割(スコーピングレビュー)

母親の栄養状態が、大気汚染や有害金属などの環境要因による子どもの健康リスクを和らげるかを、60件の研究から地図づくり的に整理したレビューです。最もよく調べられていた栄養素は葉酸で、葉酸が大気汚染・有害金属・喫煙による神経発達などへの影響を和らげる可能性が示されました。ただし研究の多くは観察研究で、結論を出すための統合はしていません。

2026 · スコーピングレビューメタアナリシス

神経発達の問題をもつ子どもの環境曝露と脳画像(スコーピングレビュー)

大気汚染・金属・受動喫煙・環境ホルモンなどへの曝露が、自閉スペクトラム症やADHDをもつ子どもの脳にどう関わるかを、脳画像(MRI)研究14件から整理したスコーピングレビューです。たばこの煙への曝露は、小脳や前頭部の体積の減少や、神経のつながりの乱れと関連していました。

2025 · システマティックレビュー(ランダム化比較試験・観察研究を統合)メタアナリシス

妊娠中のコリンと子どもの神経発達:ランダム化比較試験と観察研究のシステマティックレビュー

妊娠中のコリン摂取が子どもの脳や発達によいかを、人を対象にした研究をまとめて調べたレビューです。コリンを補う4件のランダム化比較試験と5件の観察研究を集めて検討しました。結果は研究によってばらつきがあり、効果が見られた項目もありましたが、多くの項目では差がありませんでした。著者らは、現時点では妊娠中のコリンが子どもの発達をよくするとも、よくしないとも言い切れないと結論づけています。

2025 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

乳幼児期の重金属への曝露と神経発達への影響(システマティックレビュー)

妊娠中や乳幼児期の有害な重金属への曝露と、子どもの神経発達との関連を調べた研究68件(約21万人分)をまとめたレビューです。多くの研究が、妊娠中とくに早い時期の曝露で発達に悪影響が出やすいことを示していました。とくに鉛と水銀は認知・運動の面、鉛とヒ素は行動の面と関連がみられました。

2025 · スコーピングレビューメタアナリシス

新生児医療における「本人・家族を中心としたケア」:定義・ケアモデル・介入の種類を整理したスコーピングレビュー

新生児医療では、赤ちゃん本人と家族を中心にすえたケア(家族の参加、母子を引き離さない、発達に配慮するなど)が、赤ちゃん・親・医療システムによい影響をもたらすとして各国で推進されています。この研究は、こうしたケアがどのように定義され、どんなモデルや具体的な取り組みがあるのかを、91の文献から幅広く整理したものです。40の定義と28のケアモデル、51種類の介入が見つかり、多くは個別の新生児ケアと家族の力を支える取り組みに重点を置いていました。一方で、概念や用語がまだ統一されておらず、整理が必要だと指摘しています。

2025 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

妊娠中・子ども時代の重金属への曝露と、子どもの認知・運動・行動・こころの健康との関連

妊娠中や子ども時代のヒ素・カドミウム・鉛・水銀への曝露と、子どもの発達との関連を調べた前向きコホート研究77件をまとめたレビューです。これらの金属やその混合物への曝露が多いほど、認知・運動・行動・こころの健康によくない影響が出やすいことを、複数の国の研究が支持していました。影響の出方は子どもの性別で異なる可能性も示されています。

2024 · システマティックレビュー・メタアナリシス(主に観察研究)メタアナリシス

早産児の母乳育児と神経発達のアウトカム:システマティックレビューとメタアナリシス

早産で生まれた赤ちゃんを対象に、母乳育児がその後の神経発達とどう関わるかを調べた研究をまとめたものです。16件(うちランダム化比較試験は1件、残りはコホート研究)を解析した結果、母乳をあげた群は、まったくあげなかった群に比べて、長期的な認知の得点が高い傾向や、発達の遅れのリスクが低い傾向がみられました。一方で、運動の発達への影響ははっきりせず、また母乳と母乳ドナーミルクのどちらが優れているかも明確ではありませんでした。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)メタアナリシス

乳幼児期の腸内細菌と発達障害:システマティックレビューとメタアナリシス

乳幼児期の腸内細菌(マイクロバイオーム)と、自閉スペクトラム症(ASD)や注意欠如・多動症(ADHD)などの発達の特性との関係を調べた19件の研究をまとめた解析です。多くの研究で、腸内細菌のバランスの乱れと発達の特性との間に一定の関連が見られたと報告しています。たとえばASDではビフィズス菌が少なく特定の菌が多い傾向など、菌の種類ごとの違いが指摘されています。ただし含まれた研究の質はばらつきがあり、結論は確定的ではありません。

2026 · アンブレラレビュー(レビューのまとめ)メタアナリシス

親の応答的な関わり(敏感さ)と子どもの発達の関係を、過去のレビューをまとめて検証(アンブレラレビュー)

親が子どものサインに気づき、正しく読み取って、すばやくほどよく応えること(敏感な関わり)と、子どもの発達との関係を調べた研究です。過去に行われた17件のメタアナリシス(多くの研究をまとめた解析)をさらにまとめ直しました。その結果、親の敏感な関わりは、子どもの認知や言葉の力、愛着の安定とゆるやかに関連し、情緒や行動の問題とは弱く関連していました。研究者らは、応答的な関わりが幼児期の発達を支える大切な要素になりうると述べています。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)メタアナリシス

ソーシャル・ジェットラグと10代・若者のうつ・不安との関連:システマティックレビューとメタアナリシス

平日と休日で寝起きの時刻がずれる「ソーシャル・ジェットラグ」と、10代・若者の心の状態の関連を調べた14研究(約16万人)をまとめた解析です。ずれが大きいほど、うつや不安の症状がやや多い傾向が報告されました。とくにずれが2時間を超えると、うつの起こりやすさが高めでした。ただし元になった研究はある時点で測った観察研究が中心で、エビデンスの確かさはとても低いと評価されています。

2026 · アンブレラレビュー(介入研究のレビューのまとめ)メタアナリシス

鉄のサプリメントは子どもの認知発達に効果がある?(レビューをまとめたレビュー)

鉄のサプリメントが子どもの考える力(認知)にどう関わるかを調べた、過去のシステマティックレビュー17件をさらにまとめて評価した研究です。鉄が不足している(貧血の)子どもでは、知能・記憶・注意の面でわずかな改善がみられる可能性が示されました。一方、もともと鉄が不足していない子どもにサプリメントを与えても、はっきりした効果は確認されませんでした。

2026 · システマティックレビュー(記述的統合)メタアナリシス

家庭での学びの機会と応答的な関わりは、就学前の子どもの発達と関係するか(低・中所得国でのシステマティックレビュー)

東アジア・太平洋地域の低・中所得国を対象に、家庭での学びの機会(絵本やおもちゃ、語りかけなど)や、子どもに寄り添う応答的な関わりと、2〜5歳の子どもの発達との関係を調べた研究をまとめました。19件の研究のうち18件で、家庭での学びや関わりが豊かなほど、子どもの発達が良いという関連が報告されていました。ただし測り方が研究ごとにばらばらで、結果は慎重に読む必要があると著者らは述べています。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)メタアナリシス

子どもの近くを見る作業の時間と近視:最新のシステマティックレビューとメタアナリシス

読書や勉強など「近くを見る作業」の時間と子どもの近視との関係を調べた観察研究を集めて、まとめて分析したものです。33件の研究を統合した結果、近くを見る作業が多いほど近視になりやすい傾向が見られました。関連は地域を問わず一貫しており、特にアジアの子どもで強めでした。

2026 · スコーピングレビューメタアナリシス

自然はぐくみになる:自然とのふれあいが子どもの心の健康の格差をならす可能性についてのスコーピングレビュー

自然とのふれあいが子どもの心の健康や発達に与える影響について、123件の論文を集めて整理したレビューです。とくに、もともと不利な状況にある子どもほど自然とのふれあいで大きく恵まれ、有利な子どもとの差が小さくなる(格差をならす)可能性に注目しています。不利な子と有利な子を比べた24件の研究のうち19件で、自然とのふれあいが心の健康などに良い面が示されましたが、結果が一致しない研究もありました。

2025 · システマティックレビュー(コホート研究のまとめ)メタアナリシス

幼少期の鉄不足とその後の発達への長期的な影響(システマティックレビュー)

幼いころに鉄が足りなかった子どもが、その後どう育つかを調べた17件のコホート研究をまとめたレビューです。鉄が不足していた子どもは、不足していなかった子どもに比べて、考える力(認知)・体の動き(運動)・ことば・行動の面で成績が低い傾向が複数の研究で報告されました。著者らは、生まれてから約2歳までの「最初の1000日」に鉄不足を防ぐことが大切だとまとめています。

2025 · スコーピングレビューメタアナリシス

新生児集中治療室(NICU)での読み聞かせと、言葉・読み書きの発達(スコーピングレビュー)

早産などでNICU(新生児集中治療室)に入院している赤ちゃんは、言葉や読み書きの発達がゆっくりになりやすいことが知られています。この研究は、NICUでの読み聞かせに関する論文を集めて整理したものです。該当する研究は8件と少なかったものの、入院中の赤ちゃんと保護者の双方にとって、読み聞かせがよい関わりになる可能性が示されました。

2025 · システマティックレビュー・メタアナリシス(介入研究のまとめ)メタアナリシス

生まれてからの最初の1000日における、読み聞かせの効果(システマティックレビューとメタアナリシス)

妊娠から2歳ごろまでの「最初の1000日」に、保護者と赤ちゃんが集まって絵本を読む取り組みが、子どもの発達によいかを調べた8件の介入研究をまとめた研究です。話を理解する力(言葉の理解)がよくなる傾向がみられましたが、研究の数が少なく結果のばらつきも大きいため、はっきりした結論には至っていません。親子の関係や保護者の関わり方がよくなる可能性も報告されています。

2024 · システマティックレビューに基づく診療ガイドラインメタアナリシス

診療ガイドライン:発達性の言葉の遅れ・障害への支援

発達性の言葉の遅れ・障害への支援について、これまでの研究を体系的に調べてまとめたドイツの診療ガイドラインです。言葉の表出(話す力)が遅い子(レイトトーカー)には、保護者向けのトレーニングが役立つ傾向が報告されています。理解の遅れなどリスクが重なる子には言語療法がすすめられています。著者らは、早い時期からの保護者と子どもを中心にした関わりが支援の効果を高めうると述べています。

2024 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

父親の関わりと、幼い子どもの感情のコントロール:システマティックレビュー

父親の関わりが、0〜5歳の子どもの「感情をうまくコントロールする力」とどう関係するかを、4つのデータベースから集めた10件の研究をまとめて整理したレビューです。父親の関わりと子どもの感情のコントロールに、はっきりした直接の関連はみられませんでした。ただし、関わりや感情を測る方法、父親や子どもの特徴によっては、父親がよく関わるほど子どもが感情をうまく扱える傾向がみられる場合がありました。

2026 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

妊娠中・乳幼児期の大気汚染への曝露と、子どもの認知発達(システマティックレビュー)

妊娠中や生後2年までの大気汚染への曝露が、5歳までの子どもの認知発達と関係するかを、49件の研究をまとめて調べた研究です。微小粒子状物質(PM2.5)と鉛では、7割以上の研究で認知のスコアの低さとの関連がみられ、最も一貫した証拠でした。PM10や二酸化窒素では中くらい、オゾンなどでは限られた証拠でした。

2025 · スコーピングレビューメタアナリシス

少し危険のある外遊び・自然での冒険は、子どもの育ちによい?(スコーピングレビュー)

高い所に登る、探検するなど、少し危険や挑戦の要素のある外遊び・自然での冒険的な活動が、子どもの育ちにどう関わるかを、40件の研究を整理したレビューです。「できるだけ安全に」ではなく「必要なだけ安全に」という考え方のもと、こうした遊びはレジリエンス(立ち直る力)・自信・心の健康・運動能力・自立心・自然とのつながりなど、多くの面で良い関連が報告されていました。

2017 · システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)メタアナリシス

自閉スペクトラム症に関係する、妊娠・出産・出生後の要因(メタアナリシス)

自閉スペクトラム症(ASD)に関係する、妊娠中・出産時・出生後の要因を、17件の研究(自閉症の子ども約3万8千人を含む大規模データ)からまとめたメタアナリシスです。両親の高年齢、妊娠高血圧・妊娠糖尿病、早産(在胎36週以下)、低出生体重、出産時のトラブルなどが、自閉症とゆるやかに関連していました。これらは「関連する要因」であり、原因と確定したものではありません。

2026 · アンブレラレビューメタアナリシス

カンガルーケア(肌と肌の触れ合い)は赤ちゃんと親の両方によい(アンブレラレビュー)

カンガルーケア(赤ちゃんを親の胸に抱き、肌と肌を触れ合わせるケア)の効果を、複数のメタアナリシスをまとめて評価した「アンブレラレビュー」です。カンガルーケアは、赤ちゃんにも親にも多くの利点があり、安全で簡単、費用もかからない方法として、広く取り入れることが勧められると整理されました。

2026 · システマティックレビューメタアナリシス

10代の睡眠と感情(機器で睡眠を測った研究のシステマティックレビュー)

睡眠を客観的な機器(睡眠ポリグラフ、活動量計、Fitbitなど)で測った研究にしぼり、10代の睡眠と感情の関係を11件の研究からまとめたシステマティックレビューです。睡眠が短い・寝つきが悪い・睡眠が足りていないことは、感情の不安定さや、気持ちのコントロールのしにくさと関連する傾向が見られました。

2026 · システマティックレビューメタアナリシス

スポーツへの参加は、子ども・思春期の心と社会性によい影響があるか(システマティックレビュー)

スポーツ(ルールや目標のある、組織だった運動)への参加が、子どもや思春期の子の心の健康や社会性にどう影響するかを、多くの研究からまとめたシステマティックレビューです。スポーツは、体を動かすだけでなく、考える力や仲間との関わりの機会も伴うため、心理面・社会面によい影響をもたらしうると整理されました。

2026 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

腸内細菌と、子どもの発達・行動の関係(疫学研究のシステマティックレビュー)

おなかの中の細菌(腸内細菌)の様子が、子ども(0〜18歳)の発達や行動と関係するかを、78件の研究をまとめて整理した研究です。発達に関わる一部の細菌の組み合わせと、発達や行動とのゆるやかな関連がみられました。ただし研究ごとに方法や質がばらばらで、食事や薬などの影響を十分に考慮していないものも多く、「腸内細菌が発達を左右する」と結論づけられる段階ではありません。

2026 · アンブレラレビューメタアナリシス

食料不安(十分な食べ物が得られないこと)と、子ども・思春期の健康(アンブレラレビュー)

食料不安(経済的な理由などで十分な食べ物が得られない状態)と、子ども・思春期の健康との関係を、複数のメタアナリシスをまとめて評価した「アンブレラレビュー」です。食料不安は、子どもの体や心のさまざまな好ましくない健康アウトカムと関連していました。ただし、元の研究の質にばらつきがあり、慎重な解釈が必要です。

2026 · システマティックレビュー(ランダム化比較試験)メタアナリシス

運動は子ども・思春期の「注意力」を高めるか(ランダム化比較試験のまとめ)

8〜17歳を対象に、運動の取り組みが「注意力」にどう影響するかを、9件のランダム化比較試験からまとめたシステマティックレビューです。運動によって、集中力・選択的注意・持続的注意・処理速度などがおおむね一貫して改善していました。短時間の運動でも効果が見られ、長く続けるほど安定した改善につながる傾向でした。

2026 · システマティックレビュー・用量反応メタアナリシス(前向きコホート)メタアナリシス

妊娠中の母親のヨウ素の状態と、子どもの神経発達(前向きコホートの用量反応メタアナリシス)

妊娠中の母親のヨウ素の足り具合が、子どもの神経発達と関係するかを、8つのコホート研究をまとめて調べた研究です。ヨウ素が不足ぎみだと、子どもの発達(とくに認知の面)がわずかに低い傾向がみられました。一方で、多ければ多いほどよいわけではなく、適量(おおよそ食事から150〜300µg/日くらい)が望ましいと示唆されています。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ)メタアナリシス

保護者向けの「スクリーン(画面)の使い方」支援は、幼い子どもの発達によい?(システマティックレビュー・メタアナリシス)

保護者に向けて、幼い子ども(0〜5歳)の画面(スマホ・テレビなど)の使い方を見直すよう促す取り組みが、子どもの発達によいかを、ランダム化比較試験10件をまとめて調べた研究です。こうした支援によって、子どもの社会性・情緒の問題やかんしゃくなどの行動が減り、画面の利用時間も減りました。ただし睡眠・運動・認知への効果は、研究が少なく結論づけられませんでした。理論にもとづき具体的な行動の工夫を取り入れたプログラムほど、効果が大きい傾向がありました。

2026 · システマティックレビューメタアナリシス

炭水化物(特に砂糖)の摂取とADHDの症状(システマティックレビュー)

炭水化物、特に添加された砂糖や精製された炭水化物の摂取と、ADHD(注意欠如・多動症)の症状との関係を、48件の研究からまとめたシステマティックレビューです。添加糖・加糖飲料・甘いものに関しては、16件中15件で、ADHDの診断や症状の強さ・多動と「関連がある」と報告されており、最も一貫したパターンでした。

2026 · メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ)メタアナリシス

運動は子ども・若者の学業成績によい?(メタアナリシス)

体を動かす活動(運動)が、8〜19歳の子ども・若者の学業成績にどう関わるかを、15件のランダム化比較試験をまとめて調べた研究です。運動には、算数や読みの成績をわずかに高める効果がみられました。全体的な学業成績にもよい傾向がありましたが、研究数が少なく、つづり(スペリング)でははっきりした効果はありませんでした。運動が学習の妨げになるのではなく、むしろ少し後押ししうることを示しています。

2026 · システマティックレビュー・メタアナリシス(症例対照研究のまとめ)メタアナリシス

亜鉛・鉄・銅と、子どものADHD(注意欠如・多動症)の関係(症例対照研究のメタアナリシス)

体に必要な微量元素である亜鉛・鉄・銅の体内量が、子どものADHD(注意欠如・多動症)と関係するかを、46件の症例対照研究(ADHDの子5515人と対照8166人)をまとめて調べた研究です。ADHDの子どもは、そうでない子に比べて亜鉛・鉄・フェリチン(鉄の貯蔵を示す値)が低い傾向がありました。一方、銅でははっきりした差はありませんでした。

2025 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

妊娠中の母親の心のストレスと、生後3年間の子どもの発達(システマティックレビュー)

妊娠中の母親が感じるストレスや不安・抑うつ(心のつらさ)が、生後3歳までの子どもの発達と関係するかを、44件の研究をまとめて整理した研究です。母親のストレスが強いほど、子どもの言葉や考える力の点数がわずかに低めだったり、行動や感情の困りごとが多めだったりする弱い関連がみられました。ただし他の要因を調整すると関連は弱まることが多く、研究著者は「原因と証明されたものではなく、状況に左右される関連」と慎重に結論づけています。

2025 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

発達を支える睡眠:6〜12歳の子どもの認知・感情・行動との関係(システマティックレビュー)

小学生(6〜12歳)の睡眠の長さや質が、考える力・感情の安定・行動とどう関わるかを、20件の研究をまとめて整理した研究です。よく眠れている子どもほど、学習などの認知の成績がよく、気持ちが安定し、行動の問題が少ない傾向が一貫してみられました。睡眠は、スマホなどの画面の使用やストレスと行動の問題との「あいだをつなぐ要素」としても働いている可能性が示されました。

2025 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

子ども・思春期の睡眠と心の健康(メタアナリシス)

子どもから思春期にかけての睡眠と心の健康の関係を、104件の研究(約32.6万人)を統合して調べたメタアナリシスです。睡眠が十分でないほど心の健康が悪い、という関連が見られました。特に、本人が感じる睡眠の質や、寝る時刻の規則性が、睡眠時間そのものよりも心の健康と強く関わっていました。

2024 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

新型コロナの流行が、就学前の子どもの発達と心の健康に与えた影響(システマティックレビュー・メタアナリシス)

新型コロナウイルスの流行(2020〜2023年)が、0〜6歳の就学前の子どもの発達や心の健康にどう影響したかを、流行前後を比べた研究からまとめたものです。16か国・約22,000人のデータを統合したところ、発達や心の健康への影響は見られたものの、その大きさは全体として小さい範囲にとどまりました。

2024 · システマティックレビュー(観察研究のまとめ)メタアナリシス

乳児の睡眠と、認知・運動発達の関係(システマティックレビュー)

生後0〜18か月の赤ちゃんの睡眠のパターンが、その後の認知(考える力)や運動の発達と関係するのかを、22件の研究をまとめて整理した研究です。結果は研究ごとにまちまちで、夜間の睡眠時間や総睡眠時間と発達との間に、はっきりした一貫した関連は確認できませんでした。年長の子どもでは睡眠と発達の関係が報告されますが、乳児期では同じようには当てはまらない可能性が示されました。

2024 · システマティックレビュー・メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ)メタアナリシス

母親・乳児へのオメガ3(n-3)脂肪酸の補給と、子どもの運動・認知発達(最新のシステマティックレビュー・メタアナリシス)

魚などに多いオメガ3系脂肪酸(DHAなど)を、妊娠・授乳中の母親や乳児に与えると、子どもの発達によいかを、ランダム化比較試験47件をまとめて調べた研究です。乳児に直接補給したグループでは、乳児期の精神発達の指標やのちの知能(IQ)がわずかに高い傾向がみられ、母親が妊娠・授乳中に補給した場合は子どもの言語の力が高い傾向がありました。一方で、全体としての認知能力や運動発達の指標でははっきりした差は出ませんでした。

2023 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

親の物質使用(飲酒・喫煙など)と、子どものADHD(システマティックレビュー・メタアナリシス)

親の物質使用(妊娠中・産後の飲酒、たばこ、その他)と、子どものADHDとの関係を、86件の研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。特に妊娠中のアルコールやたばこへの曝露、親の物質使用障害は、子どものADHDと一貫して関連していました。

2022 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

親の関わり方・家庭環境と、子どものADHD(システマティックレビュー・メタアナリシス)

親の関わり方や家庭環境が、子どものADHD(注意欠如・多動症)の症状や診断のされやすさとどう関わるかを、59件の長期研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。親の関わり方や家庭環境が、ADHDの症状や診断に影響しうることが示されました。親を支える取り組み(ペアレントトレーニングなど)が子どもの発達によい可能性があります。

2022 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

親のうつ・抗うつ薬・ストレス/不安と、子どものADHD(システマティックレビュー・メタアナリシス)

親のうつ、抗うつ薬の使用、強いストレスや不安などが、子どものADHD(注意欠如・多動症)のリスクとどう関わるかを、多くの研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。これらの親の心の状態は、子どものADHDのなりやすさと関連していました。親の心の健康を支える取り組みが、子どもの長期的な健康にもよい影響を与えうると示唆されています。

2022 · システマティックレビューメタアナリシス

新型コロナの流行が子どもの心の健康に与えた影響(システマティックレビュー)

新型コロナウイルスの流行が、子どもの心の健康にどう影響したかを、多くの研究からまとめたシステマティックレビューです。不安や抑うつといった内に向かう問題(内在化)や、いらだち・行動面の問題(外在化)が増えたことが示され、子どもの心を支える取り組みの必要性が指摘されています。

2020 · システマティックレビューメタアナリシス

妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3サプリと、子どもの発達(システマティックレビュー)

米国政府プロジェクトの一環として、妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3(魚に多い脂肪酸)のサプリと、子どもの発達の節目(神経・認知の発達を含む)との関係を調べたシステマティックレビューです。妊娠中のオメガ3サプリは、子どもの認知の発達によい影響をもたらす可能性がある(限定的な確かさ)と整理されました。その他のアウトカムについては根拠が不十分でした。

2019 · システマティックレビューメタアナリシス

子どもの血中鉛の検査(スクリーニング)の有効性(米国予防医療作業部会のシステマティックレビュー)

鉛は子どもの発達に有害な金属として知られています。このレビューは、症状のない子どもに対して血中の鉛を調べる検査(スクリーニング)が役立つかを、米国予防医療作業部会のために検討したものです。検査の利益と害についての根拠は乏しく、質問票では鉛が高い子どもを正確には見つけられないと整理されました。

2019 · システマティックレビュー・メタアナリシスメタアナリシス

妊娠前・妊娠中の栄養と、子どもの神経発達障害(システマティックレビュー・メタアナリシス)

妊娠前や妊娠中のお母さんの栄養(葉酸などのサプリや食事)と、子どもの神経発達障害(自閉スペクトラム症やADHDなど)との関係を、多くの研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。葉酸など一部の栄養素は、神経発達障害のリスクの低さと関連していました(リスクが約4割低いという推計)。他の食事要因については、結論がはっきりしませんでした。

2019 · メタアナリシス(介入研究のまとめ)メタアナリシス

絵本の読み聞かせは、子どもの言葉の力を伸ばす?(メタアナリシス)

大人と子どもが一緒に絵本を読む「読み聞かせ」が、子どもの言葉の発達にどれくらい役立つかを、多くの研究をまとめて調べた研究です。読み聞かせには言葉の力を伸ばす効果がみられましたが、その大きさは小さめで、これまで言われていたよりも控えめでした。とくに、比較相手にも別の活動をしてもらった厳密な研究では、効果はごくわずかでした。

2008 · システマティックレビューメタアナリシス

ふだんの食事が、学齢期の子どもの学習や成績に与える影響(システマティックレビュー)

ふだんの食事や食生活の変化(朝食、砂糖、魚油、ビタミン補給など)が、4〜18歳の子どもの学習や学校の成績にどう関わるかを、29件の研究をまとめて調べた古めのレビューです。全体としては「食事で学習や成績がはっきり良くなる」と言える十分な根拠はありませんでした。ただし一部の脂肪酸(魚油など)については、量や期間によって効果がありそうだという芽が示されました。

2026 · システマティックレビューとメタアナリシスメタアナリシス

妊娠中の親の心の健康と、子どもの神経発達障害との関係:システマティックレビューとメタアナリシス

妊娠中のお母さん(や父親)の気分の落ち込みや不安と、子どものADHD・自閉スペクトラム症などの神経発達障害との関係を、74件の研究をまとめて調べました。妊娠中にお母さんの気分や不安の問題があると、子どものADHDや自閉スペクトラム症のリスクがやや高くなる関連が見られました。

2025 · アンブレラレビュー(系統的レビューの統合)メタアナリシス

妊娠期の葉酸サプリと子どもの神経発達障害:複数のレビューをまとめたアンブレラレビュー

妊娠前後に葉酸をとることと、子どものADHDや自閉スペクトラム症などの神経発達障害との関係について、これまでの系統的レビューやメタアナリシス23件をまとめて評価した研究です。全体としては、葉酸の摂取が神経発達障害のリスク低下と関連する可能性が示されました。ただし元になった研究の多くは質が高くなく、結論の確実性は低いと評価されています。

2025 · 症例対照研究+メタアナリシスメタアナリシス

妊娠中のコーヒーと、子どものADHDとの関係:症例対照研究とメタアナリシス

妊娠中のお母さんのコーヒーの摂取と、子どものADHD(注意欠如・多動症)との関係を、エジプトでの調査と、これまでの研究をまとめた分析の両方で調べました。妊娠中によくコーヒーを飲むことが、子どものADHDのなりやすさと関連する可能性が示されました。

2024 · システマティックレビューメタアナリシス

デジタル機器(スマホ・タブレット等)は子どもの健康にどう影響する?システマティックレビュー

スマホやタブレットなどのデジタル機器を長く使うことが、2〜12歳の子どもの体や心の健康にどう関わるかを、複数の研究をまとめて評価した研究です。新型コロナの休校期間にオンライン学習などで画面を見る時間が増えたことの影響もあわせて調べられました。長い使用が健康面の問題と関連する可能性が示されています。

2026 · ランダム化比較試験の付随解析(探索的)ランダム化比較試験

母乳由来成分だけの食事を長く続けることと、極低出生体重児の脳の発達との関係(NEOVASC試験の付随解析)

とても早く生まれた赤ちゃん(在胎32週未満、出生体重500〜1250g)を対象に、母乳だけを使った食事(強化剤も母乳由来)を生後36週相当まで長く続けた場合と、32週相当で牛乳由来の強化剤やミルクに切り替えた場合を比べた、ランダム化比較試験の追加解析です。脳のMRI画像の指標や運動の発達を調べました。全体として、長く続けたグループとそうでないグループの間で、脳の発達や運動の成績にはっきりした差は見られませんでした。一部の時点の運動評価では差がありましたが、他の時点では差がありませんでした。

2010 · ランダム化授乳試験の追跡研究ランダム化比較試験

母乳が知能指数・脳の大きさ・白質の発達に与える影響

授乳の方法をランダムに割り付けた過去の試験の参加者50人について、青年期(平均約16歳)にMRIで脳を調べた研究です。母乳の割合が高いほど言語性の知能テストの点数が高い傾向がみられ、とくに男子では脳全体や白質の量との関連も観察されました。母乳が脳の発達、なかでも白質の成長を促す可能性を示すとしていますが、人数が少なく、さらなる研究が必要です。

2026 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

粉ミルクの鉄の量(2 vs 8 mg/L)と、1歳時点の発達・鉄の状態

鉄が少なめ(2 mg/L)の粉ミルクと、標準的な量(8 mg/L)の粉ミルクで、赤ちゃんの育ちに違いが出るかを調べたスウェーデンの試験です。健康な満期産の赤ちゃん180人を生後6週から6か月までどちらかのミルクに割り当て、1歳で発達検査と鉄の状態を比べました。発達検査の結果に差はなく、鉄不足の割合も両群で低く差はありませんでした。鉄不足になりにくい集団では、少なめの鉄でも足りていたと報告しています。

2026 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

保育園でのリズム・体を動かす遊びのプログラム:社会性と行動の発達への効果(ランダム化比較試験)

オーストラリアの恵まれない地域の保育園8園・213人の子どもを対象に、リズムに合わせて体を動かすプログラム(8週間で16〜20回)を受けるグループと、いつも通りの保育のグループにくじ引きで分けて比べた研究です。プログラムを受けた子どもたちは、友だちに親切にするなどの社会性が伸び、落ち着きのなさや不安といった行動の問題が減る傾向がみられ、その差は小学校に上がった半年後まで続きました。効果の大きさは小〜中程度でした。

2026 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

自閉スペクトラム症の未就学児への、保護者が行う早期介入の後の家庭での遊びの発達

遊びはことばや社会性、考える力の発達と関わる大切な活動ですが、自閉スペクトラム症の幼い子どもでは遊びの発達がゆっくりなことがあります。低所得の家庭97組で、保護者が遊びを通して関わり方を学ぶ早期介入(JASPER)を受けた子どもと、保護者向けの説明のみを受けた子どもを比べ、家庭での自然な遊びの様子を観察しました。介入を受けた子どもの方が、単純な遊びから見立て遊び(ごっこ遊び)への変化が大きい傾向がみられました。

2026 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

1〜2歳の子をもつ親への子育て支援プログラムの効果を調べたランダム化比較試験(スウェーデン)

スウェーデンで、1〜2歳の子をもつ親832人を対象に、4回の子育て支援プログラム(Little All Children in Focus)の効果を調べた試験です。参加者をくじ引きのように2つのグループに分け、プログラムを受けた親と、子どもの発達についての動画講座を受けた親を比べました。その結果、プログラムを受けた親では、子どもの気持ちを支える関わり方が少し増えました。一方で、子育ての自信やストレス、子どもの情緒発達などには、はっきりした差は見られませんでした。

2017 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

妊娠中の軽度の甲状腺機能低下の治療と、子どもの発達(ランダム化比較試験)

妊娠中に軽度の甲状腺機能の低下(潜在性甲状腺機能低下症・低サイロキシン血症)が見つかった女性を、甲状腺ホルモン薬で治療するグループと偽薬のグループにランダムに分け、子どもの発達を5歳まで追った研究です。どちらのグループでも、子どものIQに差はありませんでした。妊娠中の軽度の甲状腺の問題を治療しても、子どもの発達は改善しないことを示しています。

2012 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験
訂正あり

妊娠中の甲状腺の検査・治療と、子どもの知能(大規模ランダム化比較試験)

妊娠中に母親の甲状腺ホルモンを調べ、異常があれば治療(甲状腺ホルモン薬)することが、子どもの知能(IQ)を高めるかを、約2万2千人を対象に調べた大規模なランダム化比較試験です。検査・治療を行ったグループと行わなかったグループで、3歳の子どものIQに差はありませんでした(99.2 対 100.0)。妊娠中の軽度の甲状腺の問題を見つけて治療しても、子どものIQは改善しないことを示しています。

2026 · ランダム化比較試験(二重盲検)ランダム化比較試験

菜食中心の妊婦へのビタミンB12補給と、赤ちゃんの発達(インド・ネパールのランダム化比較試験)

動物性食品が少ない食事ではビタミンB12が不足しやすく、赤ちゃんの発達に影響しうると考えられています。インドとネパールで、菜食中心の妊婦を、B12を多め(1日250µg)に補給するグループと少なめ(50µg)のグループにランダムに分けて比べた研究です。多めに補給したグループの赤ちゃんは、生後9〜12か月の知的発達の指標がやや高く、母親のB12の状態も改善しました。

2026 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

自転車(サイクリング)運動は、自閉スペクトラム症の子どもの実行機能を高めるか(ランダム化比較試験)

自閉スペクトラム症(ASD)の子ども51人(平均約9歳)を対象に、2週間・8回の自転車(サイクリング)運動プログラムの効果を調べたランダム化比較試験です。サイクリング運動によって、計画や注意の切り替えなどの「実行機能」が改善し、その効果には自律神経の働き(心拍変動)が関わっていることが示されました。

2026 · ランダム化比較試験ランダム化比較試験

トランポリン運動は、自閉スペクトラム症の子どもの不安を減らし運動能力を高めるか(ランダム化比較試験)

自閉スペクトラム症(ASD)の9〜14歳の子ども50人を対象に、8週間のトランポリン運動プログラムの効果を調べたランダム化比較試験です。トランポリン運動を行ったグループでは、不安が減り、運動能力(運動スキル)が向上しました。体を揺らす刺激と有酸素運動の組み合わせが役立った可能性があります。

2026 · ランダム化比較試験(事後解析)ランダム化比較試験

妊娠中の高用量ビタミンD3と、10歳時点の認知の成績(ランダム化比較試験の事後解析)

デンマークで行われたランダム化比較試験(くじ引きで2グループに分ける研究)のデータを使い、妊娠中に高用量のビタミンD3を摂ったグループと標準量のグループで、子どもが10歳になったときの認知(記憶や考える力)の成績を比べました。高用量のグループで、ことばの記憶や見た物の記憶などの成績がやや良いという関連が見られました(一部は調整後に弱まりました)。

2026 · 後ろ向きコホート研究コホート研究

母親の神経性やせ症と、子どもの心の不調・神経発達の問題のリスク

カナダ・ケベック州の子ども約127万人を最長17年追跡し、母親が入院を要する神経性やせ症(拒食症)であった場合に、子どもの心の不調や神経発達の問題が起こりやすいかを調べたコホート研究です。母親が神経性やせ症だった子どもは、心の病気での入院や、神経発達の問題、物質関連の問題が、他の子どもより多めにみられました。

2026 · 前向きコホート研究(観察研究)コホート研究

コロナ世代:おなかの中で新型コロナにさらされた子どもの発達への影響

妊娠中に新型コロナにさらされた赤ちゃん(39組)と、流行前に生まれた赤ちゃん(103組)の脳と発達を比べた研究です。さらされた赤ちゃんでは、新生児期の脳の一部の体積に違いがみられ、2歳時点で認知や社会性の発達の点数がやや低い傾向が報告されました。脳の体積の違いが、認知の差の一部を説明していたとしています。

2026 · コホート研究コホート研究

出生時の低酸素のサイン(アプガースコアとへその緒の血液pH)とADHDの関連

デンマークの約82万人の赤ちゃんを対象に、生まれたときの低酸素のサインがその後のADHDと関連するかを調べた大規模な追跡研究です。生まれた直後の状態を示すアプガースコアが低く、かつへその緒の血液の酸性度(pH)も低い、という両方がそろった場合にだけ、ADHDのなりやすさがやや高い傾向が見られました。どちらか一方が正常なら、関連は見られませんでした。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中のビスフェノール・フタル酸への曝露と、出生体重と胎盤重量の比との関連(NYU CHES研究)

米国の母子393組のコホートで、妊娠中のビスフェノールやフタル酸への曝露と、赤ちゃんの出生体重・胎盤の重さとの関連を調べました。これらの物質が高いほど胎盤の重さが小さくなる傾向がみられ、とくに女児で出生体重と胎盤重量の比が変化していました。出生体重そのものとの明確な関連はみられませんでした。

2026 · コホート研究(追跡観察)コホート研究

コロナ禍に生まれた幼い子どもの育ち:家庭のストレスと社会的な支えが、その後の発達や問題行動にどう関わるか

コロナ禍に生まれた407人の子どもを、生後15か月ごろから3回にわたって追いかけた研究です。家庭がコロナ禍で受けたストレスが強いほど、初期の問題行動が多く、社会性や感情の力(コンピテンス)の伸びがゆっくりになる傾向がみられました。一方で、妊娠中に母親が周囲から支えを得られていたことは、子どもを守る要因として働いていました。

2026 · 前向きコホート研究(観察研究)コホート研究

妊娠中の新型コロナ感染による新生児の抗体と、子どもの発達

妊娠中に新型コロナに感染した母親から生まれた子ども399人を、最長で約5年追った研究です。新生児の血液中の新型コロナへの抗体が高いほど、その後の発達の遅れ(とくにことばの遅れ)のリスクがやや高い傾向がみられました。この関連は男の子や、妊娠初期に感染した場合でとくに目立ったと報告されています。

2026 · 前向きコホート研究(観察研究)コホート研究

新型コロナに関連する発達のリスクをもつ赤ちゃんにみられる、母子の免疫の特徴

妊娠中に新型コロナに感染した母親から生まれた子どもの発達を追った研究です。妊娠中に感染した子ども(172人)では、感染していない子どもにくらべて発達の遅れがみられる割合が約10倍(11.6%対1.6%)、自閉スペクトラム症の疑いの割合も約2倍と報告されました。さらに一部の母子の血液を調べると、発達のリスクに関わるとされる免疫のはたらきの乱れが見つかったとしています。

2026 · コホート研究コホート研究

妊娠中の微小粒子(PM2.5)への曝露と、早産児の出産時の合併症の関連

妊娠32週より前に生まれた未熟な赤ちゃんを詳しく調べたコホート研究です。妊娠中に大気中の微小な粒子(PM2.5)に多くさらされていたことは、妊娠高血圧腎症(妊娠高血圧症候群の一つ)の起こりやすさや、出生体重のパーセンタイル(同じ週数の赤ちゃんの中での位置)の変化と関連していました。血管や代謝への影響が背景にある可能性が指摘されています。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中の食物繊維の摂取と、5歳児の行動・社会性との関係(九州・沖縄の母子コホート)

日本の九州・沖縄の母子コホート研究で、妊娠中のお母さんの食物繊維の摂取量と、5歳になった子どもの行動・社会性との関係を約1200組の親子で調べました。食物繊維をよく摂っていたお母さんの子どもは、落ち着きのなさ(多動傾向)が少なく、思いやりのある行動が低くなりにくい傾向が見られました。一方で、感情面や友だち関係、素行の問題とははっきりした関係は見られませんでした。

2026 · コホート研究コホート研究

妊娠中に感じるストレスと、子どものADHDの関連(ECHOコホート研究)

米国の母子約6千組を対象に、妊娠中に母親が強いストレスを感じていたことと、子どものADHD(注意欠如・多動症)の関連を調べた追跡研究です。妊娠中の強いストレスは、子どものADHDの診断や、それに関連する行動の多さと関連していました。ただし観察研究であり、ストレスが直接の原因と示すものではありません。

2026 · コホート研究コホート研究

妊娠中の砂じん(ハルマッタン)への曝露と、赤ちゃんの大きさの関連(ガーナ)

西アフリカで冬に吹く、砂ぼこりを多く含む乾いた季節風「ハルマッタン」にさらされた妊婦と、その赤ちゃんを調べたガーナの研究です。妊娠中にこの季節を経験したことは、赤ちゃんの頭囲(頭の周囲)が小さめであることと関連していました。妊娠の特定の時期での曝露がより影響しやすい可能性が示されました。一方、出生体重や身長との明確な関連は見られませんでした。

2026 · 全国出生コホート研究コホート研究

不妊治療で生まれた子どもの、生まれてから12歳までの成長(台湾の全国コホート)

体外受精(IVF)や人工授精(IUI)など不妊治療で生まれた子どもと、自然に妊娠した子どもの、生まれてから12歳までの身長・体重・BMIの伸びを比べた台湾の全国コホート研究です。全体では不妊治療群で体重・身長・BMIがやや低めでしたが、その差の多くは双子など多胎が多いことによるものでした。単胎どうしで比べると、ほとんどの差はなくなり、急な体重増加や肥満・やせのリスクにも差はみられませんでした。

2025 · 後ろ向きコホート研究(きょうだい比較を含む)コホート研究

母乳育児の期間と子どもの発達

イスラエルの全国的な乳幼児健診のデータを使い、約57万人の子どもについて、母乳をあげた期間と2〜3歳時点の発達との関連を調べた大規模な後ろ向きコホート研究です。家庭の状況などの条件をそろえて分析したところ、6か月以上母乳をあげた子は、それより短い子に比べて、言葉・社会性・運動の発達の節目の遅れが少ない傾向がみられました。同じ家庭のきょうだい同士で比べた分析でも、母乳が長い子の方が発達の遅れや神経発達の診断が少ない傾向がみられました。

2025 · 縦断研究(前向き観察)コホート研究

親から子へ受け継がれる感情のコントロールの難しさ:妊娠中の親の心の柔軟さと、幼児期の落ち着いた応答的な関わりの役割

157組の親子を妊娠期から追いかけた研究です。妊娠中に母親が気持ちを切り替えにくい(心が硬くなりやすい)傾向があると、赤ちゃんが不機嫌になりやすく、それが幼児期の情緒や対人面の難しさにつながる流れがみられました。一方、父親が子どもの様子に気づいて落ち着いて応える関わり(マインドフルな子育て)をしていると、その流れが弱まる傾向がありました。

2025 · 出生コホート研究コホート研究

母乳育児と6歳時点の発達の関連(フランスPELAGIE出生コホート)

フランスの出生コホートに参加した子ども286人を対象に、母乳で育てられたことと6歳時点の認知・発達の関連を調べた研究です。母親の知的能力や学歴、家庭環境などの影響を統計的に調整したうえで、4か月以上母乳で育てられた子どもは、言葉の理解に関する得点が高い傾向がみられました。注意や記憶に関する一部の検査でもよい結果との関連がみられましたが、関連がみられなかった項目もありました。

2025 · 前向きコホート研究(観察研究)コホート研究

栄養を超えて:母乳育児の期間と、5歳時点の発達との長期的な関連を調べた研究

ブルガリアで生まれた満期産の赤ちゃん92人を5歳まで追いかけた前向き観察研究です。授乳の期間や方法を保護者の回答で集め、5歳のときに発達を評価しました。母乳を6〜12か月続けたグループは、6か月未満のグループより行動面の発達が良い傾向が見られ、言葉の発達でもいくらか差がありました。ただしこの差は統計の方法によっては一貫して確認されず、慎重に解釈する必要があると著者も述べています。

2025 · コホート研究(観察研究)コホート研究

母親の病気と赤ちゃんの発達の関係における、早産の橋渡しの役割

中国の病院で母子2,000組を対象に、妊娠中の母親の病気(妊娠糖尿病や妊娠高血圧など)と、赤ちゃんの体格や発達との関係を調べた観察研究です。母親の病気が赤ちゃんの発達に影響する経路に「早産」が間に入って働いている可能性を、統計的な手法(媒介分析)で調べました。妊娠糖尿病は早産を介して赤ちゃんの体格(BMI)に、妊娠高血圧は早産を介して新生児の神経・行動の評価に関連していました。

2025 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中の有害金属への曝露と、子宮内輸血を受けた赤ちゃんの初期の神経発達(前向きコホート研究)

妊娠中に子宮内輸血を受けた90組の母子を対象に、母親・へその緒・輸血用血液に含まれる水銀・カドミウム・鉛・ヒ素の量と、赤ちゃんの初期の発達との関連を調べた小規模な研究です。母親やへその緒の水銀・ヒ素が高めだと、対人や問題解決、運動の指標がわずかに低い傾向がみられました。差は小さく、予備的な結果です。

2024 · 前向きコホート研究コホート研究

乳児期の昼間の睡眠の長さと、学齢期の認知発達との関係を追った前向きコホート研究

中国・上海で262組の親子を生後42日から10歳まで追いかけ、乳児期の昼間の睡眠の長さがのちの認知発達と関係するかを調べた観察研究です。乳児期に昼間の睡眠が特に長かったグループの子どもは、6歳と10歳の時点で「ワーキングメモリー(短い間、情報を覚えて使う力)」の得点がやや低い傾向が見られました。ほかの認知の領域では一貫した差は見られませんでした。あくまで関連であり、昼寝が原因で差が出たと示すものではありません。

2023 · 縦断的観察研究(コホート研究)コホート研究

母乳育児の期間や母乳だけで育てることと、幼児期の認知能力との関連を調べた研究

カナダの2210家族の子どもを4歳から7歳まで追いかけ、記憶の範囲や算数の力を標準的な課題で測った観察研究です。家庭の背景による偏りを統計的に調整したうえで、母乳だけで育てた子どもとミルクで育てた子どもを比べました。算数の力や記憶の範囲に、はっきりした差は見られませんでした。一方で、母乳を混合で平均6.8か月続けた子どもは、母乳を一度も飲まなかった子どもより記憶の範囲がわずかに高く、その差は7歳まで続きました。

2016 · 前向きコホート研究(追跡研究)コホート研究

とても早く生まれた赤ちゃんの母乳と、脳の発達・7歳時の発達

妊娠30週未満などでとても早く生まれた赤ちゃん180人を対象に、生後28日間にどれだけ母乳を多く飲んだかと、その後の脳や発達との関連を7歳まで追って調べた研究です。母乳を多く飲んだ日が多い子ほど、生まれた頃の脳の一部(深部の灰白質)の体積が大きく、7歳時のIQ・算数・記憶・運動の成績がやや良い関連がみられました。著者らは、新生児期に母乳を中心に与えることが発達に関わる可能性を示すとしています。

2015 · 前向き出生コホート研究コホート研究

母乳育児と30歳時点の知能・学歴・収入との関連:ブラジルの前向き出生コホート研究

母乳で育った期間と、30歳になったときの知能テストの点数・学歴・収入との関連を調べた研究です。母乳の期間が長い人ほどこれらの値が高い傾向がみられ、12か月以上母乳を受けた人は1か月未満だった人より知能テストの点数や収入が高い傾向がありました。母乳と社会階層の結びつきが弱い地域で行われた点が特徴ですが、観察研究のため因果関係を示すものではありません。

2013 · 前向きコホート研究コホート研究

乳児期の授乳と3歳・7歳時点の認知:母乳育児の期間と排他性の影響

アメリカで妊娠期から子どもを追跡したコホート研究で、母乳をあげた期間の長さと、3歳・7歳時点での言葉や知能の発達との関連を調べました。家庭環境や母親の知能などの条件をそろえて分析したところ、母乳の期間が長いほど、3歳時点の言葉の理解や7歳時点の知能の得点がわずかに高い傾向がみられました。一方で、記憶・学習の検査の得点とは関連がはっきりしませんでした。母親が授乳中に魚を多く食べていた場合に、一部の発達でより良い傾向が見られる可能性も示されました。

2012 · 観察コホート研究(2コホート)コホート研究

とても早く生まれた赤ちゃんの「母乳のパラドックス」(フランスの2つのコホート)

とても早く生まれた赤ちゃん(超早産児)2925人を対象に、退院時の母乳育児・入院中の体重増加・その後の発達の関係を、フランスの2つのコホートで調べた研究です。母乳で育てられた子は入院中の体重増加が少なくなりやすい一方で、2〜5歳時点の発達は良好な傾向がみられました。体重の増えが少なくても発達がよいというこの一見矛盾した結果を、著者は「見かけ上の母乳のパラドックス」と呼んでいます。

2026 · 前向きコホート研究(追跡調査)コホート研究

とても早く生まれた子どもの発達の道すじと、定期的な発達フォローへの示唆

とても早く生まれた(在胎32週未満)子ども499人を、修正1歳・2歳・5歳の時点で発達検査して追跡した研究です。多くは認知面でおおむね正常範囲で、5歳時点で約81%が標準的な範囲にありました。1歳時点の検査は5歳の認知を予測する力が弱く、2歳時点の検査の方がよく予測できたと報告されています。

2026 · 出生コホート研究(前向き観察研究)コホート研究

読み書きやスクリーン時間と9歳時点の近視との長期的な関連:GUSTO出生コホートの子どもたち

シンガポールで生まれた子どもを追跡した出生コホート研究で、2歳・3歳・6歳・9歳のときの紙の読み書きの時間や画面(スクリーン)を見る時間と、9歳での近視との関係を調べました。471人のうち9歳で37%が近視でした。6歳・9歳のときに紙の読み書きの時間が長い子どもほど近視が多い傾向があり、特に9歳で1日3時間を超えると近視の割合が高めでした。一方、画面を見る時間は近視とのはっきりした関連は見られませんでした。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

熱性けいれんの後にてんかんを発症する割合と、その予測因子(ベトナムの前向きコホート研究)

初めて熱性けいれんを起こした1か月〜6歳の子ども631人を約2年追いかけ、その後にてんかんを発症する割合と、関係する要因を調べた研究です。てんかんを発症したのは5.5%で、発達の遅れ、てんかんの家族歴、体の一部から始まる発作、けいれんの繰り返しが、発症と関連していました。これらの要因は、その後を見守るうえでの目安になる可能性があると述べられています。

2026 · 縦断的な観察研究コホート研究

生後5か月では、一つの言語の子も二言語の子も顔の見方に違いはなかった

生後5か月の赤ちゃん約570人を対象に、人の顔の「目」と「口」のどちらをよく見るかを調べた研究です。一つの言語で育つ子(モノリンガル)と二つの言語で育つ子(バイリンガル)で、顔の見方に差はありませんでした。また、その後2〜3歳になったときの語彙の多さとも、目・口の見方ははっきり関係していませんでした。

2026 · 追跡(縦断)観察研究コホート研究

幼児期を過ぎて:かつて言葉が遅かった子どもたちのその後のことばと読み書きの状態

2歳ごろに「言葉が遅い」とされた子ども40人を、3〜10歳の時点で詳しく調べた追跡研究です。標準化された検査を使って調べたところ、半数あまりにことばや読み書きの困難が残っていました。困難が残った子は、語彙や読みの力などで低めの傾向が見られました。一方で、約4割の子は明らかな困難が見られませんでした。

2026 · 長期追跡(コホート)研究コホート研究

幼児教育(プレスクール)を受けたことは、中年期の認知のよさと関係する?とくに経済的に厳しい家庭の子どもで

アメリカで約7,100人を長期に追った調査を使い、子どものころにプレスクールやヘッドスタート(低所得家庭向けの無料の幼児教育)に通ったかどうかと、40年以上たった中年期の記憶・計算などの認知の成績との関係を調べました。全体ではプレスクールに通った人の方が中年期の認知がよい傾向がみられ、とくに低所得家庭で育った人や一部のグループで関係がはっきりしていました。幼児期の学びの経験が、ずっと後の認知にも関わる可能性を示しています。

2026 · コホート研究(2集団の比較)コホート研究

オランダの早産児における初期の成長と発達:1980年代と2000年代の比較

とても早く生まれた(在胎32週未満)子ども計1,294人を、1980年代生まれと2000年代生まれの2つの集団で比べた研究です。新生児医療の進歩により、2000年代の子の方が生後2年間の身長・体重の伸びがやや良く、運動の発達も改善していましたが、その差の多くは親の学歴の高さや新生児期の合併症の少なさで説明されました。一方で、言葉や運動の発達の遅れは、満期で生まれた子の標準と比べると、どちらの世代でも残っていました。

2026 · 前向き観察コホート研究コホート研究

家庭でのリハビリへの父親・きょうだいの参加と、赤ちゃんの発達(ジンバブエ)

ジンバブエの公的クリニックで、発達に遅れのある3〜6か月の赤ちゃん481人を3か月追跡した研究です。家庭でのリハビリに母親だけでなく父親(やきょうだい)も参加したグループでは、赤ちゃんの認知の発達の得点が、母親だけのグループより高い傾向がみられました。言葉・運動・社会情動などの面でも同じ方向の変化はありましたが、はっきりした差は出ませんでした。

2026 · 前向きコホート研究(追跡調査)コホート研究

とても早く生まれた子どもの初期発達と就学準備

在胎29週未満で生まれた子ども112人を、就学時に幼稚園の先生が評価する「就学準備(発達の各領域での準備度)」で調べた研究です。とても早く生まれた子どもは、同じ地域の他の子に比べて、2つ以上の領域でつまずきやすい割合がおよそ2倍(34%対14%)でした。1歳半〜2歳の時点で発達の遅れがあった子ほど就学時のつまずきも多い傾向でしたが、遅れがなかった子でも35%が就学時に何らかのつまずきを示しました。

2026 · 縦断研究(追跡調査)コホート研究

家庭の読書環境と、ダウン症の子どもの言葉の力との関連(追跡調査)

家庭で本に親しむ環境が、ダウン症の子どもの言葉の力とどう関わるかを、約9か月の間をあけて2回調べた研究です。読み聞かせの最中に子どもが本へ熱心に関わっている(ページをめくる、絵を指さすなど)ほど、その時点での言葉を使う力(語彙)が高い傾向がみられました。一方で、家庭にある本の多さなど環境の豊かさそのものは、はっきりした関連を示しませんでした。

2025 · 全国規模のコホート研究コホート研究

妊娠前・妊娠中・幼児期の緑地(自然の多さ)と、子どもの発達のつまずきのリスク(全国規模のコホート研究)

アメリカの公的医療保険(メディケイド)に入っている約184万組の母子を対象に、住まいの周りの緑の多さと、子どもの発達のつまずき(自閉スペクトラム症、ADHD、学習や言葉の遅れ、知的の遅れなど)との関係を調べたものです。妊娠前・妊娠中・生まれた後のいずれの時期でも、緑が多い場所に住む子は、こうした発達のつまずきが見られにくい関連がありました。この傾向は、都市部に住む子どもや黒人・ヒスパニックの子どもでより強く見られました。

2025 · 追跡(縦断)観察研究コホート研究

低所得世帯における言葉が遅い子の語彙の伸び方を調べる縦断研究

アメリカの低所得世帯の子ども199人を、生後8か月から30か月まで追いかけ、話す言葉の数の伸び方を調べた研究です。22〜30か月で言葉が遅いと判定された子は、語彙の伸びがゆるやかで、時間が経つほど語彙量の差が広がっていました。差が出はじめる時期は生後11か月ごろと早く、著者はより早い段階での見守りや支援の必要性を指摘しています。

2025 · 出生コホート研究(媒介分析)コホート研究

妊娠中の緑地(自然の多さ)と子どもの認知の働き:へその緒の血液中のIGF1を介した関係(ENVIRONAGE出生コホート)

ベルギーの出生コホート(317組の母子)で、妊娠中に住まいの周りにどれくらい緑(とくに背の低い草など)があったかと、生まれた赤ちゃんのへその緒の血液中にあるIGF1という成長に関わるたんぱく質、そして4〜6歳時点での認知の働き(注意力や手の動きの速さなど)との関係を調べたものです。妊娠中の緑が多いほど赤ちゃんのIGF1が高い傾向があり、そのIGF1が高いことが、子どものときの注意力・反応の速さの良さと関連していました。緑の多さが、このIGF1を介して子どもの認知によい関連を持つ可能性が示されました。

2025 · 縦断研究(前向き観察)コホート研究

母親の「今ここに寄り添う子育て」と、その後の幼児の情緒・認知の発達との関連

アメリカの低所得で多様な背景をもつ母親316人とその子どもを追跡し、子どもの今の様子に落ち着いて気づき寄り添う子育て(マインドフルな子育て)と、子どもの発達との関係を調べました。生後18か月のときにこうした関わりが多い母親では、その場で観察した応答的な関わりも多く、6か月後の子どもの情緒・行動・言葉の発達も良い方向と関連していました。母親の気分の落ち込みの影響を差し引いても、この関連は見られました。

2025 · 後ろ向きコホート研究コホート研究

同じ発熱中に熱性けいれんを繰り返す要因と、その後のてんかんとの関連の乏しさ(小児コホート)

中国・上海の病院で熱性けいれんと診断された生後6か月〜3歳の子ども611人を調べた研究です。同じ発熱中にけいれんを繰り返したのは99人で、その多くは24時間以内に起きていました。繰り返しと関連したのは、これまでに熱性けいれんがあったことと、A型インフルエンザの感染でした。一方で、同じ発熱中に繰り返したことは、その後のてんかん発症の増加とは統計的に関連しませんでした。

2024 · 前向きコホート研究コホート研究

乳幼児期の全身麻酔と、4歳までの発達(日本のエコチル調査)

乳幼児期に手術などで全身麻酔を受けることが、その後の発達と関係するかを、日本のエコチル調査で調べた研究です。1歳になる前に全身麻酔を受けた子どもは、受けなかった子どもに比べて、各領域で発達の遅れがみられる割合が一時的に高めでした(とくに18か月の粗大運動)。ただし、3歳以降にはその差はほとんどみられなくなりました。

2024 · 前向きコホート研究コホート研究

乳児期の睡眠の乱れからの回復と、発達の遅れ(日本のエコチル調査)

日本のエコチル調査の約6万3千組で、乳児期の睡眠の乱れ(短い睡眠・頻繁な目覚め)が始まった時期や回復した時期と、3歳での発達との関係を調べた研究です。睡眠の乱れが始まるのが遅いほど、また早く回復するほど、3歳での発達の遅れがみられるリスクが低い傾向がありました。乳児期の睡眠の乱れが長引かないことが、発達の面で望ましい可能性を示しています。

2024 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中の水銀への曝露と、子どもの発達(日本のエコチル調査)

魚などに含まれる水銀(メチル水銀)への妊娠中の曝露が、子どもの発達と関係するかを、日本のエコチル調査でへその緒の血液中の水銀を測って調べた研究(約3千〜3800人)です。へその緒の血中水銀と、2歳・4歳の発達の指標との間に、はっきりした関連はみられませんでした。濃度が高いほど発達が悪いという傾向もありませんでした。

2024 · 前向きコホート研究コホート研究

1歳でのヨーグルトを食べる頻度と、3歳での発達(日本のエコチル調査)

1歳のときにヨーグルトを食べる頻度と、3歳時点の発達との関係を、日本のエコチル調査の約7万組で調べた研究です。週1〜4回ヨーグルトを食べていた子どもは、食べていなかった子どもに比べて、発達のすべての領域で遅れがみられる割合がやや低めでした。一方、週5回以上ではその関連ははっきりしませんでした。腸内環境を介した影響が考えられますが、確実なものではありません。

2023 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中の母親の食物繊維の摂取と、子どもの発達(日本のエコチル調査)

妊娠中の母親の食物繊維の摂取量と、子どもの3歳での発達との関係を、日本のエコチル調査の約7万6千組で調べた研究です。食物繊維の摂取が最も少ないグループの母親の子どもは、最も多いグループに比べて、コミュニケーションや手先の動きなどの発達の遅れがみられるリスクが高めでした。野菜・果物・全粒穀物など食物繊維を含む食事の大切さを示しています。

2023 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠前・妊娠中の朝食の頻度と、子どもの発達の遅れ(東北メディカル・メガバンクの三世代コホート)

妊娠前から妊娠初期にかけての朝食をとる頻度と、子どもの2歳・3歳半時点の発達との関係を、日本の三世代コホート7491組で調べた研究です。妊娠前〜初期に朝食をほとんど食べない(週0〜2回)母親の子どもは、毎日食べる母親の子どもに比べて、2歳での発達の遅れの割合がやや高めでした。規則正しい食生活が、子どもの発達の面でも望ましい可能性を示しています。

2021 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中のカドミウム曝露と、2歳児の発達(日本のエコチル調査)

有害金属カドミウムへの妊娠中の曝露と、2歳児の発達との関係を、日本のエコチル調査の母子3545組で調べた研究です。母親の血中カドミウム濃度が高いと、とくに男の子で運動の発達の指標がやや低い傾向がありました。妊娠中に喫煙していた母親の子どもでは、関連がより強くみられました。

2019 · コホート研究(追跡比較)コホート研究

頭の形のゆがみ(斜頭)と、子どもの認知・学業(追跡研究)

乳児期に頭の形のゆがみ(位置的斜頭・絶壁)があった子どもが、学童期に認知や学業の面で違いがあるかを、336人で調べた研究です。中等度〜重度のゆがみがあった子は、なかった子に比べて認知や学業のスコアがやや低めでした(効果量は小さい)。軽度のゆがみではほとんど差がありませんでした。研究者は「この関連は因果関係を意味するものではない」と述べています。

2018 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中のビスフェノールA・フタル酸への曝露と、就学前の子どもの行動(北海道スタディ)

妊娠中のビスフェノールA(BPA)やフタル酸(プラスチックの可塑剤)への曝露と、5歳時点の子どもの行動の問題との関係を、日本の北海道スタディの458組で調べた研究です。フタル酸の一種(MECPP)の濃度が高いと、行動上の「素行の問題」のリスクが高い傾向がありました。一方、BPAについては行動の問題との関連はみられませんでした。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

絵本の読み聞かせと子どもの発達(日本のエコチル調査)

日本の大規模調査「エコチル調査」の母子約3万7千組を対象に、絵本の読み聞かせの頻度と、3歳までの子どもの発達との関係を調べた研究です。読み聞かせの頻度が高いほど、コミュニケーションをはじめ、すべての発達の領域でスコアが高い傾向がありました。とくに1歳の時点で発達がゆっくりだった子どもでも、その後よく読み聞かせをしていると、発達の伸びが大きい傾向がみられました。

2026 · 縦断研究(コホート)コホート研究

幼稚園期の就寝時刻・睡眠時間と、実行機能・学業の長期的な関係

幼稚園のころの就寝時刻や睡眠時間が、その後の実行機能(計画や自己コントロールの力)や学業とどう関わるかを、長期的に調べた研究です。早い就寝・十分な睡眠は大切とされる一方で、学業の差は、睡眠だけでなく家庭の社会経済的な背景など、より大きな構造的な要因によって生じている面があると整理されました。

2026 · 全国コホート研究コホート研究

出生体重と、その後の成長・発達(韓国の全国コホート)

韓国の全国的な乳幼児健診データ(約300万人)を使い、生まれたときの体重がその後6歳までの成長や発達とどう関係するかを調べた研究です。出生体重が低い子ども、とくに1500g未満で生まれた子どもは、身長・体重・頭囲の伸びが追いつきにくく、発達のスクリーニングで気がかりが出る割合も高い傾向がありました。こうした差は、その後の幼児期を通じて続いていました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

10代のSNS利用の変化と、記憶力(前向きコホート研究)

アメリカの大規模研究(ABCD研究、約7500人)で、10歳前後の子どものSNS(ソーシャルメディア)の使い方の変化と、記憶力などの認知の成績との関係を調べました。SNSの利用が少ない子に比べ、利用が増えていく子では、ことばの記憶などの成績がやや低い傾向が見られました。

2026 · 前向き出生コホート研究コホート研究

妊娠中の多めの飲酒にさらされた6歳児の特徴(前向き出生コホート研究)

妊娠中にまとまった量のお酒にさらされた子どもと、さらされていない子どもを、生まれる前から追いかけ、6歳の時点で体つきや発達・心理面を詳しく調べた研究です。多めの飲酒にさらされた子どものうち、評価を完了した約4分の3(76%)が、胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)の診断基準に当てはまりました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠期と乳児期の食事の「多様さ」と、子どもの発達の関係(前向きコホート研究)

中国・武漢の母子2773組を対象に、妊娠中の母親と、生後12・24か月の乳児の食事の「多様さ(いろいろな食品を食べているか)」が、2歳時点の発達と関係するかを調べた研究です。母親や乳児の食事が多様なほど、子どもの精神・運動の発達の指標が高く、認知の発達の遅れが少ない傾向がみられました。とくに全粒穀物・赤身肉・野菜・果物はよい方向と、甘いものは逆方向と関連していました。

2025 · 前向きコホート研究コホート研究

母親の心の病気の既往と、子どもの発達(日本のエコチル調査)

日本の「エコチル調査」の母子約6万4千組を対象に、母親に心の病気(精神疾患)の既往があることと、生後3年間の子どもの発達との関係を調べた研究です。母親に心の病気の既往がある子どもは、体全体を使う運動(粗大運動)や問題解決の領域で、発達の遅れがみられる割合がやや高めでした。母親の心の健康への支援が、子どもの育ちを支えるうえでも大切なことを示しています。

2025 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中のお茶・コーヒーと、子どもの認知の発達

中国の出生コホート研究で、1423組の親子を対象に、妊娠中のお茶・コーヒーの飲み方と、3歳ごろの子どもの認知(考える力など)の発達との関係を調べました。妊娠中によくお茶を飲んでいたお母さんの子どもで、認知の発達の点数がやや高いという前向きな関連が見られました。コーヒーについては、はっきりとした悪い影響は見られませんでした。

2025 · 前向きコホート研究コホート研究

子どもと一緒にいるときの母親のスマホ・タブレット利用と、2歳児の発達(日本のエコチル調査)

日本の「エコチル調査」の母子約3800組を対象に、子どもと一緒にいるときに母親がスマホ・タブレット・パソコンを使う時間と、2歳児の発達との関係を調べた研究です。子どもといるあいだに母親が1時間以上デジタル機器を使う場合、子どもの「言葉・社会性」の発達がやや低めでした。2時間以上では、発達の総合的な指標も低めでした。いわゆる「ながらスマホ」と子どもの発達の関連を示しています。

2025 · 前向きコホート研究(パス解析)コホート研究

妊娠中の喫煙が子どもの発達に与える直接・間接の影響(日本のエコチル調査)

妊娠中の喫煙が子どもの発達に悪い影響を与えることは知られていますが、それが出生体重の低下やカドミウム(たばこに含まれる有害金属)への曝露を通じた間接的なものか、それとも直接的なものかを、日本の「エコチル調査」のデータで調べた研究です。妊娠中に喫煙していた母親の子ども、とくに男の子は、2歳・4歳時点の発達の指標が低めでした。分析の結果、出生体重などを介した影響だけでなく、喫煙そのものの直接的な悪影響も確認されました。

2025 · 縦断研究(出生コホート)コホート研究

母乳を6か月以上もらった子と、まったくもらわなかった子の、神経・認知の発達のちがい

イギリスの大規模な長期研究(ALSPAC)のデータで、母乳を6か月以上もらった子と、まったくもらわなかった子について、乳児期から思春期までの神経・認知の発達(373項目)を比べました。社会的・経済的な背景などを調整しても、母乳を6か月以上もらった子で、いくつかの神経・認知の指標が良好でした。

2024 · 全国コホート研究コホート研究

妊娠中の魚の摂取と、3歳児の発達(日本のエコチル調査)

日本の大規模調査「エコチル調査」の母子約9万2千組を対象に、妊娠中の母親の魚の摂取量と、子どもが3歳のときの発達の関係を調べた研究です。魚をよく食べていた母親の子どもは、コミュニケーション・手先の細かい動き・問題解決・人とのかかわりといった面で、発達の遅れがみられる割合が低い傾向がありました。一方、体全体を使う大きな運動(粗大運動)でははっきりした差はありませんでした。

2024 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中の母親が複数の持病をもつことと、子どもの発達の関係(日本のエコチル調査)

日本の大規模調査「エコチル調査」の約10万組を対象に、妊娠中の母親が複数の慢性的な病気(持病)をもつことと、子どもの発達との関係を調べた研究です。持病が1つの母親の子どもは、持病のない母親の子どもと発達の遅れの割合が同じくらいでしたが、2つ以上の持病をもつ母親の子どもでは、発達の遅れがみられる割合がやや高めでした。

2024 · 縦断研究(出生コホート)コホート研究

気質と運動発達のつながり:生後6か月〜3歳半の子どもを追った縦断研究

日本の大規模調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータを使い、生後6か月から3歳までの子どもについて、生まれもった気質(活発さや感情の出やすさなど)と運動の発達がどう関わるかを調べた研究です。気質と運動の発達は互いに関連しており、子ども自身の特徴が運動の伸び方の個人差に関わっている可能性が示されました。

2024 · 全国コホート研究コホート研究

体外受精(IVF)で生まれた子どもの、その後の健康と発達(日本の全国コホート)

日本で体外受精(IVF)によって生まれた子どもと、自然に妊娠して生まれた子どもの、9歳までの健康や発達を比べた全国的な研究です(2140人)。さまざまな要因を調整して比べたところ、入院・肥満・発達の節目(できるようになること)など、ほとんどの項目で両者にはっきりした差はありませんでした。日本では単一胚移植が広く勧められている背景があり、体外受精で生まれた子どもの長期的な経過はおおむね良好だと示しています。

2023 · コホート研究コホート研究

妊娠中のフタル酸エステル類への曝露と、幼児期の発達の遅れ

プラスチックの柔軟剤や化粧品などに含まれることがあるフタル酸エステル類(およびその代替物質)への妊娠中の曝露と、幼児期の発達との関係を調べた研究です。妊娠中のフタル酸類への曝露は、複数の発達の領域での遅れと関連していました。関連には、子どもの性別や年齢による差も見られました。

2022 · 出生コホート研究コホート研究

妊娠中のお母さんのヨウ素の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)

日本の「エコチル調査」のデータで、妊娠中のお母さんのヨウ素(海藻などに多く、甲状腺ホルモンに必要なミネラル)の摂取量と、子どもの神経発達との関係を調べました。ヨウ素の摂取が少ないお母さんの子どもでは、手先の細かい動きや問題解決などの発達が遅れるリスクがやや高い傾向が見られました。妊娠中の適切なヨウ素の摂取が、子どもの発達に関わる可能性があります。

2021 · 前向き出生コホート研究コホート研究

妊娠中のメチル水銀曝露(米を通じて)と、3歳までの子どもの神経発達(中国農村の前向きコホート)

中国の農村で、妊娠中のお母さんのメチル水銀(魚だけでなく米からも取り込まれることがある有害な金属)への曝露と、子どもの神経発達との関係を、生まれる前から追って調べた研究です。出生前のメチル水銀曝露の指標が高いほど、12〜36か月の認知機能がやや低い傾向が見られました。

2021 · 前向きコホート研究コホート研究

家庭で犬を飼うことと、幼い子どもの発達の関係(日本のエコチル調査)

日本の大規模調査「エコチル調査」の約7万9千人を対象に、家庭で犬を飼っていることと、3歳時点の子どもの発達との関係を調べた研究です。犬を飼ったことがある家庭の子どもは、コミュニケーション・体を使う運動・問題解決・人とのかかわりといった面で、発達の遅れがみられる割合がやや低い傾向がありました。ペットとのふれあいが、子どもの育ちによい影響をもつ可能性を示しています。

2021 · 前向きコホート研究(きょうだいペア解析)コホート研究

母乳育児と赤ちゃんの発達(きょうだい比較を使った日本のエコチル調査)

日本の大規模調査「エコチル調査」の子ども約7万7千人を対象に、母乳育児と1歳までの発達の関係を調べた研究です。生後12か月まで母乳を続けた子どもは、1歳時点で発達の遅れがみられる割合がやや低い傾向がありました。家庭環境などの影響を減らすため、同じ家庭の「きょうだい同士」を比べる方法でも、同じ向きの関連が残りました。

2021 · 前向き出生コホート研究コホート研究

妊娠中の体重増加の不足と、1歳の子どもの神経発達(エコチル調査)

日本の「エコチル調査」の大規模データで、妊娠中のお母さんの体重増加が不足している場合と、1歳の子どもの神経発達との関係を調べました。妊娠中の体重増加が不足していたお母さんの子どもでは、1歳時点の神経発達に好ましくない影響が見られる可能性が示されました。妊娠中の適切な体重増加の大切さを示しています。

2020 · 出生コホート研究コホート研究

乳児期の全身麻酔の手術と、1歳時点の発達(エコチル調査)

日本の「エコチル調査」の大規模データで、乳児期に全身麻酔を伴う手術を受けたことと、1歳時点の発達との関係を調べました。乳児期に全身麻酔の手術を受けた子どもでは、1歳時点の発達(特に体の大きな動き=粗大運動)の遅れが見られる可能性が示されました。

2020 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中の魚・オメガ3の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)

日本の「エコチル調査」の大規模データで、妊娠中のお母さんの魚やオメガ3系脂肪酸(PUFA)の摂取と、生後6か月・1歳の子どもの神経発達との関係を調べました。妊娠中に魚をよく食べていたお母さんの子どもでは、体を動かす発達(精神運動発達)の一部の領域で良好な傾向が見られ、その一部は魚に含まれるオメガ3で説明できる可能性が示されました。

2026 · 後ろ向きコホート研究(医療データベース)コホート研究

妊娠前のお母さんの体格(BMI)と、子どもの神経発達障害との関係(韓国の大規模研究)

妊娠前のお母さんの体格(BMI)と、子どものてんかん・知的障害・自閉スペクトラム症・ADHDなどの神経発達障害との関係を、韓国の大規模な医療データで調べました。妊娠前のBMIが高いことが、子どもの神経発達障害のなりやすさと関連する可能性が示されました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠後期のビタミンCと、赤ちゃんの社会性との関係(中国の出生コホート)

妊娠後期のお母さんの血液中のビタミンCの濃度と、生後6か月の赤ちゃんの社会性(人とのやりとりの力)との関係を、442組の親子で調べました。ビタミンCの濃度が高いほど社会性の発達がよい関連が見られ、ある一定の濃度までの範囲で特に関係が強い可能性が示されました。

2026 · 前向きコホート研究(複数コホート統合)コホート研究

妊娠中のたばこの煙への曝露と、子どもの知能指数(IQ)との関係(複数コホートの分析)

妊娠中のたばこの煙への曝露を、尿に含まれる成分(コチニン)で正確に測る基準をつくり、それと子どものIQとの関係を、複数の研究のデータで調べました。妊娠中のたばこの煙への曝露が、4〜6歳の子どものIQの低さと関連する可能性が示されました。自分が吸う場合だけでなく、まわりの煙(受動喫煙)も区別して検討しています。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中のきのこの摂取と、5歳児の社会性との関係(九州・沖縄の母子コホート)

日本の九州・沖縄の母子コホート研究で、妊娠中のお母さんのきのこの摂取量と、5歳児の行動・社会性との関係を調べました。約1200組の親子を分析したところ、きのこをよく食べていたお母さんの子どもは、友だち関係の問題が少なく、思いやりのある行動(向社会的行動)が低くなりにくい傾向が見られました。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠前・妊娠中の運動量と、幼い子どもの発達との関係(エコチル調査)

日本のエコチル調査のデータ約3万8千組の親子を使い、お母さんの妊娠前と妊娠中の運動量が、子どもの発達とどう関係するかを調べました。子どもの発達は、生後6か月から3歳まで半年ごとに、コミュニケーションや運動などの面を質問票で評価しました。

2026 · 前向きコホート研究(動物実験による検証を併用)コホート研究

妊娠中の抑うつ症状と、子どもの発達・腸内環境との関係(コホート+動物実験)

妊娠中の抑うつ症状と、子どもの発達との関係を、2053人の妊婦さんを追って調べました。妊娠のどの時期でも抑うつ症状が強いと、赤ちゃんの発達がやや遅れる関連が見られました。また、抑うつ症状のある人では腸内細菌のバランスの変化が見られ、その仕組みを動物実験でも確かめています。

2026 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠中・乳児期の金属への曝露と、5歳児の知能との関係(米国の出生コホート)

アメリカの出生コホート研究で、妊娠中から乳児期にかけての金属(ヒ素・鉛・亜鉛など)への曝露と、5歳のときの知能との関係を調べました。278組の親子について、爪に含まれる金属を時期ごとに測り、5歳のときに知能検査を行いました。体に必要な金属と、有害になりうる金属を、時期ごとにまとめて評価した点が特徴です。

2025 · 前向きコホート研究コホート研究

1歳・1歳半の睡眠時間と、2〜3歳でのてんかんの発症との関係(エコチル調査)

1歳・1歳半のときの睡眠時間と、2〜3歳でてんかんを発症するリスクとの関係を、日本のエコチル調査の約8万6千人で調べました。1歳の時点で夜の睡眠が11時間未満と短い子は、2〜3歳でてんかんを発症する割合がやや高い関連が見られました。

2025 · 前向きコホート研究コホート研究

妊娠糖尿病と、子どもの発達との関係(馬鞍山出生コホート)

妊娠中に血糖が高くなる妊娠糖尿病(GDM)と、子どもの発達との関係を、1438組の親子で調べました。妊娠糖尿病のお母さんから生まれた子どもは、生後6か月や1歳半のときに、手先の細かい運動の発達がやや遅れやすい関連が見られました。

2025 · 前向きコホート研究コホート研究

出産前後のお母さんの心のつらさと、幼児の発達の遅れとの関係(エコチル調査)

妊娠中(中期〜後期)や出産1年後のお母さんの心のつらさ(強いストレス)と、幼児の発達の遅れとの関係を、日本のエコチル調査の約8万2千組の親子で調べました。心の状態と子どもの発達がたがいに影響し合うことも考えに入れて分析しています。お母さんの心のつらさが、子どもの発達の遅れと関連する可能性が示されました。

2020 · 症例対照を含むエクソーム解析観察研究

大規模なエクソーム解析が示す、自閉症の脳の発達とはたらきの変化

これまでで最大級の規模(約3万6千人分、うちASDが約1万2千人)で、遺伝子の中でたんぱく質を作る部分(エクソーム)を読み解いた研究です。ASDのなりやすさに関わる遺伝子を102個特定しました。これらの多くは脳の発達の早い時期にはたらき、神経細胞どうしの情報のやり取りや遺伝子のはたらきの調節に関わっていました。ASDには生まれもった遺伝的要因が深く関わることを裏づける内容です。

2014 · 症例対照のエクソーム(遺伝子)解析観察研究

自閉症で壊れている、神経のつなぎ目・遺伝子の読み取り・染色体に関わる遺伝子

自閉スペクトラム症のある約3,900人と、同じ集団の対照や親を比べ、遺伝子の中身(エクソーム)を網羅的に調べた研究です。まれに起こる遺伝子の変化を解析し、自閉症に関わると考えられる遺伝子を多数特定しました。見つかった遺伝子の多くは、神経どうしのつなぎ目(シナプス)づくりや、遺伝子の読み取りの調整にはたらくものでした。

2014 · 家族をもとにしたエクソーム(遺伝子)解析観察研究

新たに生じた遺伝子変異は、自閉スペクトラム症にどれくらい関わるか

自閉スペクトラム症のある子と、その症状のないきょうだいを比べ、親には無く子に新しく生じた遺伝子変異(新生突然変異)が自閉症にどれだけ関わるかを調べた研究です。2,500家族以上の遺伝子の中身を解析しました。新しく生じた変異、とくに遺伝子のはたらきを大きく壊すタイプの変異が、一部の診断に関わると見積もられました。

2012 · 家族をもとにしたエクソーム(遺伝子)解析観察研究

家族歴のない自閉症の遺伝子解析が示した、新たな変異のつながり

家族に自閉スペクトラム症の人がいない(孤発例の)家族で、親子の遺伝子の中身を調べた研究です。親には無く子に新しく生じた変異を解析しました。こうした変異は父親由来のものが多く、父親の年齢が高いほど増える傾向が見られ、年齢の高い父親の子で自閉症がやや多いという報告と整合しました。

2007 · 症例対照研究(遺伝子解析)観察研究

新たに生じた遺伝子のコピー数変異と自閉症の強い関連

ASDの子どもとその親、そして比較対象の人たちのDNAを調べ、親には無く子に新しく生じた「遺伝子のコピー数の変化(コピー数変異)」とASDの関係を調べた研究です。こうした新生のコピー数変異は、家族に他に該当者がいない(孤発性の)ASDの子で多くみられました。生まれもった遺伝的な変化が、ASDの重要なリスク要因の一つであることを早い時期に示した研究です。

2026 · 観察研究(縦断・脳反応計測)観察研究

二言語環境と性別が、乳児の言語音への脳の反応の育ち方を形づくる

二つの言語に触れる量の異なる乳児73人を対象に、生まれたとき・生後6か月・1歳の3回、言葉の音に対する脳の反応を測った研究です。脳が音をとらえる力は最初の6か月で大きく育ち、その後はゆるやかになりました。二言語に多く触れる子は声の高さの処理が6か月時点では低めでも1歳では高くなり、声の特徴をとらえる力は1年を通じて高い傾向がみられました。

2026 · 観察研究(視線計測)観察研究

幼児期の社会的注意の時間的な動きにみられる、経験による違い

一つの言語で育つ子と二つの言語で育つ子で、顔や口の見方にどんな違いがあるかを、視線を細かく追って調べた研究です。ロンドンの生後7〜34か月の子ども約880人のデータを分析したところ、二言語で育つ子は最初に顔を見たあといったん視線を外す傾向が強く、年長になると相手の口元をより長く見る傾向がみられました。年齢や言語環境によって、顔の見方の時間的な動きが変わることが示されました。

2026 · 横断的観察研究(回帰分析)観察研究

学童期の吃音が子どもに与える影響を予測する要因

吃音のある9〜14歳の子ども306人を対象に、吃音がその子の生活にどれくらい大きな影響を与えるかが、何によって決まるのかを調べた研究です。どもりの目立つ程度(重さ)だけでなく、その子の気質や、不安・抑うつの程度との関係を分析しました。その結果、不安や抑うつの傾向が強い子や、外向的・活発さ(サージェンシー)が低い子、年齢が上の子ほど、また吃音が目立つ子ほど、吃音による影響が大きいと予測されました。気質や心の状態は、どもりの目立つ程度とは別に、影響の大きさに関係していました。

2025 · 準実験的研究(昼寝群と覚醒群の比較)観察研究

幼児の昼寝は、先を見越す力や「あとでやる」記憶を高めなかった

2〜3歳の子どもを対象に、昼寝が「先のできごとに備えて計画する力」や「あとで予定の行動を思い出す力」を高めるかを調べた研究です。課題の説明を受けたあとに昼寝をした子(20人)と、起きていた子(43人)を比べました。期待に反して、昼寝をしてもこれらの力に差は見られず、成績は主に年齢ともともとの記憶の強さで説明されました。子どもが昼寝をするかどうかは完全には割り当てられておらず、人数も少なめです。

2025 · 遺伝子×環境の相互作用研究(大規模データの分析)観察研究

母乳とIQに遺伝子型(FADS2)は関わらない? 大規模データでの再検証

「母乳とIQの関連は脂肪酸代謝の遺伝子(FADS2)の型で変わる」という2007年の有名な報告を、約33万人という非常に大きなデータ(UKバイオバンク)で検証し直した研究です。さまざまな認知テストなどで調べた結果、遺伝子型と母乳の組み合わせによる影響(相互作用)はみられませんでした。著者らは、以前の陽性の報告は集団構造の偏りなどによる見かけ上のものだった可能性が高いとしています。

2025 · 横断研究(コホート内)観察研究

完全母乳は、母親の学歴と子どもの発達の関連を和らげる(ブラジルの横断研究)

ブラジルで生後12か月の乳児269人を対象に、母親の学歴・完全母乳・子どもの発達の関係を、ある一時点で調べた研究です。母親の学歴が高いほど、また生後6か月まで完全母乳だった子どもほど、発達の得点(認知・言葉など)が高い傾向がみられました。さらに、学歴が低い母親の子どもでも、完全母乳だった場合は発達への不利が和らぐ可能性が示されました。

2025 · 観察研究(横断的な群間比較)観察研究

保育施設での昼寝の習慣と、実行機能・発達との関係を観察した研究(チュニジア)

チュニジアの保育施設に通う3〜4歳の子ども118人を、昼食後に昼寝をするグループとしないグループに分けて、認知や運動の発達を比べた観察研究です。昼寝をするグループの方が、ワーキングメモリー(短い間、情報を覚えて使う力)の成績がよく、男の子では体の動かしやすさや上半身の力もやや高い傾向でした。一方で、衝動を抑える力には差が見られませんでした。昼寝の有無は施設や家庭の習慣によるもので、研究が割り当てたものではありません。

2025 · 横断研究(観察研究、二次解析)観察研究

母乳育児の期間や母乳だけで育てることと、3〜5歳の子どもの言葉の発達の目安との関連(米国の全国調査)

アメリカの全国規模の子どもの健康調査(2022〜2023年、約2万3千人)のデータを使い、授乳のしかたと3〜5歳の言葉の発達の目安16項目との関連を調べた横断研究です。授乳を「一度もしていない」を基準に4つのグループに分けて比べました。6か月まで母乳を続けたグループ(混合・完全母乳のどちらも)は、就学準備に関わる項目を含む多くの言葉の指標で良い方向の関連が見られました。

2025 · メンデルランダム化(因果推論)研究観察研究

母乳育児は子どもの健康に因果的な影響があるか(遺伝情報を使った因果推論)

母乳育児と子どもの健康の関係を、遺伝情報を手がかりに因果関係を推定する「メンデルランダム化」という手法で調べた研究です。この方法では、母乳育児と知能や情緒・社会性などの心の発達との間に、はっきりした因果関係は見つかりませんでした。一方で、母乳育児が子どものぜんそくのリスクを下げる方向の関連は示されました。身長や肥満などほかの体の健康では明確な因果関係はみられませんでした。

2025 · 観察研究(後ろ向き記述研究)観察研究

カナダ・ヌナブト準州の乳幼児期の栄養:食料の安定・ビタミンDとくる病の関係

カナダ北部のイヌイットの子ども(2010〜2013年生まれ)の記録をさかのぼって調べた研究です。妊娠中の母親の3人に1人が食料不安を経験しており、母親が妊娠中に食料不安だった子どもは、そうでない子どもよりくる病と診断される割合が高い傾向がありました。著者らは、食料の安定・母乳育児・ビタミンD補給への支援が必要だと述べています。

2025 · 観察研究(小規模な追跡)観察研究

母親の葉酸受容体αに対する自己抗体と胎児の所見が、自閉スペクトラム症の早期の手がかりになる可能性

妊娠初期に胎児の首のむくみ(NT)が大きく、染色体や遺伝子の異常が見つからなかった11例を追跡した、ごく小規模な研究です。母親の血液で葉酸の取り込みを妨げる自己抗体(FRAA)が陽性だった4例では、その子全員が後に自閉スペクトラム症と診断されました。著者らは、この抗体が早期の手がかりになり、葉酸(フォリン酸)の補充が予防につながる可能性があると述べています。

2025 · 横断研究観察研究

妊娠中の母親の喫煙と、子ども・思春期の学習障害との関連(傾向スコアによる解析)

米国の全国調査(NHANES)のデータを使い、妊娠中に母親が喫煙したかどうかと、子ども・思春期の学習障害との関連を約5800人で調べた横断研究です。喫煙していた群では学習障害の割合が高く(18.9%対9.5%)、さまざまな統計手法でも一貫して関連がみられました。

2013 · 横断研究(MRIによる比較)観察研究

母乳と、乳幼児の脳(白質)の発達の関連

母乳が幼い子どもの脳の発達に関わるかを調べるため、生後10か月〜4歳の健康な子ども133人の脳をMRIで撮影し、母乳・ミルク・混合のグループで脳の白質(神経のつながり)の育ち方を比べた研究です。母乳で育った子は、思考や学習に関わる脳の領域で白質の発達がより進んでいる関連がみられ、母乳を与えた期間が長いほどその傾向が強い領域もありました。著者らは、母乳の成分が脳の成長を助ける可能性を示すとしています。

2011 · コホート間比較による因果推論研究観察研究

母乳育児はIQ・肥満・血圧に本当に影響するのか:高所得国と中所得国のコホート比較からの検証

母乳と社会階層の結びつきが異なる国(英国と中所得国)のデータを比べることで、母乳の影響が見かけ上のものか本当の影響かを見分けようとした研究です。血圧やBMIとの関連は社会階層の違いで説明できる見かけ上のものと考えられた一方、知能(IQ)との関連はどの集団でも一貫してみられました。著者は、母乳は知能には本当の影響を持つ可能性があるが、血圧やBMIへの関連は交絡によるものだろうと結論しています。

2007 · 遺伝子×環境の相互作用研究(出生コホートの分析)観察研究

母乳とIQの関係は、脂肪酸代謝の遺伝子型で変わる?

母乳に多く含まれる脂肪酸が脳の発達を助けると考え、その代謝に関わる遺伝子(FADS2)の型によって母乳とIQの関連が変わるかを、2つの出生コホートで調べた研究です。ある型を持つ子では母乳で育った場合にIQが高い関連がみられた一方、別の型では差がはっきりしなかったと報告しています。著者らは、遺伝と環境(母乳)が組み合わさってIQに関わる可能性を示すものだとしています。

2006 · 前向き研究・きょうだいペア分析・メタアナリシス観察研究

母乳育児が子どもの知能に与える影響:前向き研究・きょうだいペア分析・メタアナリシス

母乳と子どもの知能の関連に、母親の知能がどれだけ関わるかを調べた研究です。調整前は母乳で育った子の知能テストの点数が約4点高くみえましたが、母親の知能を考慮するとその差のほとんどが説明され、他の要因も調整するとごくわずかで差とは言えなくなりました。きょうだい同士の比較やメタアナリシスでも同様で、母乳が知能に与える影響はあってもごく小さいと結論しています。

2026 · 横断研究(探索的)観察研究

幼児期の音楽と体を動かす遊び:家庭での過ごし方と習い事の、はっきりしない役割

フィンランドの保育施設に通う平均4歳の子ども103人を対象に、家庭での音楽・運動の習慣や、音楽・運動の習い事が、言葉の力や気持ちの読み取りなどとどう関連するかを調べた横断研究です。音楽の習い事に通う子どもは言葉を思い浮かべる課題の成績がよい傾向がありましたが、家庭で音楽や運動を多くしている子どもほど、相手の感情を読み取る課題の成績が低いという予想外の関連もみられ、結果はまちまちでした。

2026 · 横断研究(質問紙・パス解析)観察研究

父親の関わりと前向きな子育てが、子どもの心の健康に与える影響(ウガンダの家庭調査)

ウガンダで6〜17歳の子どもを育てる父親236人に聞き取りを行い、父親の関わりが子どもの心の状態とどう関わるかを調べた研究です。父親がよく関わっている家庭ほど、子どもの注意の問題、内に向かう悩み(不安や落ち込み)、外に出る問題行動(攻撃や反抗)が少ない傾向がみられました。父親の関わりは、結婚しているかどうかに関わらず、子どもの行動面の問題の少なさと関連していました。

2026 · 前後比較(対照群なし)の観察研究観察研究

発達の遅れがみられる幼い子どもへの地域の早期介入プログラムの効果

アメリカで、軽い発達の遅れがあるものの公的支援の対象にならない0〜5歳の子ども向けに行われた短期の早期介入プログラム(ことばや発達などの支援を8〜20回)を、342家庭で評価しました。プログラムの前後で標準的な検査を比べたところ、85%の子どもが改善の基準を満たしました。支援を受けにくい子どもにも、早めの短期的な支援が発達の後押しになる可能性を示しています。

2026 · 横断研究(質問紙)観察研究

父親の考え方が子どもの社会的な適応に与える影響:父親の関わりと父子関係を通した道すじ

中国の親子(父親と母親のペア1862組)を対象に、父親の子育てに対する考え方が、就学前の子どもの社会的な適応(友だちとうまくやる力や問題行動)とどう関わるかを調べた研究です。前向きな考え方を持つ父親ほどよく子どもに関わり、それが父子の親密さにつながって、子どもの社会性のよさと関連していました。一方で、父子の対立が増えると、攻撃的な行動の多さと関連する面もみられました。

2026 · 自然なやりとりの観察研究観察研究

二言語家庭では、親子が使う言語を自然とそろえている

二つの言語を使う家庭の親子のやりとりを、家庭での遊びの様子を録画して調べた研究です。カナダ(フランス語・英語)とアメリカ(スペイン語・英語)の18〜35か月の子ども39人を対象にしました。主に世話をする保護者と子どもは、会話の中で相手と同じ言語を選んでそろえる傾向が、偶然より高い割合で見られました。こうした言語のそろえ合いが、二言語の習得を支えている可能性が示されています。

2025 · 観察的なサーベイランス(実態調査)観察研究

新型コロナ流行期の熱性けいれんの実態(カナダの予防接種監視プログラムによる調査)

カナダの小児施設12か所で、新型コロナ流行期(2021年8月〜2022年12月)に起きた熱性けいれん3367件を集めて調べた調査です。原因として、新型コロナを含む感染症に伴うものが多く、予防接種の後(接種から15日以内)に起きたものは全体の3%でした。熱性けいれんは予防接種よりも感染症に伴って起きることが多かったと報告されています。

2025 · 横断研究観察研究

貧血まではいかない鉄不足と、子どもの認知・行動の関連

貧血と診断されるほどではない「かくれ鉄不足」が、子どもの考える力や行動と関係するかを、パキスタンの5〜18歳385人で調べた横断研究です。鉄不足のリスクが高い子ほど、考える力や行動の困りごとがやや多いという弱い関連がみられました。ただし関連の強さは小さく、はっきりした結論には至っていません。

2025 · 観察研究(脳波を用いた横断・縦断的検討)観察研究

音のリズムを聞き分ける脳の反応と、読み書きの困難リスク・言葉の力・音楽遊びとの関連

生後28か月の子ども28人を対象に、音の並びのリズムの違いに脳がどう反応するかを測り、家庭での音楽遊びや言葉の力との関連を調べた研究です。家庭で親子一緒に音楽を楽しむ機会が多い子どもほど、リズムの違いに対する脳の反応が大きく、言葉の力も高い傾向がみられました。一方で、ただ音楽を聞かせるだけの取り組みでは、こうした反応の差はみられませんでした。

2025 · 横断的な比較研究(脳機能計測)観察研究

幼児期の二言語経験と、注意を切り替える脳のはたらき

二言語で育つ未就学児13人と、一言語で育つ未就学児13人を対象に、よけいな情報を抑えて課題に集中する力(注意の切り替え)を、脳の血流を測る装置(fNIRS)で調べた小さな研究です。課題の成績そのものには差がありませんでしたが、二言語の子では前頭前野の活動が少なめで、より効率的に処理しているような脳の使い方が見られました。日ごろ使わない方の言語を抑える経験が関係している可能性が考えられています。

2024 · 横断的なデータ分析(観察研究)観察研究

言葉が遅い子は『ただ遅いだけ』?レイトトーカーが話す語彙の特徴を調べる

大規模な語彙データベースを使い、言葉が遅い子ども(202人)が実際に話す言葉の特徴を、同じ年齢の子や同じ語彙量の年下の子と比べた研究です。言葉が遅い子の語彙は、年齢は同じでも語彙量の近い年下の子とよく似た特徴を持っていました。著者は、言葉が遅い子は発達の道すじが『ずれている』のではなく、ゆっくりたどっている(遅れているが普通の順序)可能性があると述べています。

2024 · 横断研究(尺度開発・妥当性検証)観察研究

資源の限られた地域における乳幼児期の父親の関わりを測る尺度の開発と検証

ケニア西部の農村で、父親が乳幼児にどれくらい関わっているかを測るものさし(尺度)を作り、その妥当性を調べた研究です。父親の関わりは「世話」「遊びと愛情」「家事」「学びの手伝い」という4つの面に分けられました。これら4つすべての面で父親がよく関わっている子どもほど、認知・言葉・運動・社会情動の発達の得点が高いという関連が見られました。

2026 · 横断研究観察研究

母乳を与えた期間と、若者の認知の成績

中国の若者を対象に、赤ちゃんのころに母乳を与えられた期間と、その後の認知(考える力)の成績との関係を調べた横断研究です。社会経済的な背景(家庭の収入や親の学歴など)を考慮すると、母乳を与えられた期間が長い人ほど、認知の成績がよい傾向が見られました。

2017 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

母親の肥満が子どもの長期的な健康に与える影響

妊娠中の母親の肥満と、子どもが将来かかえる健康問題との関連を整理した総説です。観察研究では、母親の肥満が子どもの肥満や心臓病、2型糖尿病、ぜんそくのなりやすさと関連すると報告されています。さらに、認知の働きが伸びにくいことや、発達上の問題(脳性まひを含む)が増える可能性にも触れています。なぜそうなるのかの仕組みとして、DNAの働き方の変化(エピジェネティクス)などが想定されています。

2008 · 総説・複数コホートの解析総説・その他

母親と子どもの低栄養が、大人になってからの健康と能力に与える影響

低・中所得国の長期追跡コホート5件のデータをもとに、母親や乳幼児期の低栄養が、その後の育ちや大人になってからの健康とどう関わるかを整理した研究です。生まれたときや幼少期の栄養状態が良くないと、大人になってからの身長が低く、学校に通えた年数や収入が少なくなりやすいと報告されています。とくに2歳時点の身長が、その後の能力をよく予測する指標とされています。

2026 · 総説(解説記事)総説・その他

吃音(どもり)とは

吃音(どもり)について基本を解説した医療向けの総説です。吃音は音や音節、言葉のくり返し・引きのばし・つまり(ブロック)などで、話の流れがとぎれてしまう状態を指します。言葉を覚え始める就学前の子どもには、ことばがつまったり言いよどんだりする『発達上のふつうの言いよどみ』がよく見られ、多くは成長とともに減っていくと説明されています。一方で『her-her-her』のような単語の一部のくり返しや、引きのばし、ブロックといった『吃音らしい』とぎれは、思春期や大人まで続くことがあり、ふつうの言いよどみと区別して見ることが大切だとされています。

2026 · エビデンス・サマリー(ガイドライン・合意・レビューの統合)総説・その他

子どもの熱性けいれんの管理と再発予防に関する最良エビデンスのまとめ

ガイドラインや専門家の合意、システマティックレビューなど20件の資料を集め、子どもの熱性けいれんの管理と再発予防について整理したエビデンス・サマリーです。臨床での評価・診断、入院の目安、リスク評価、薬を使わない対応・使う対応、家族への支援とフォローアップという6つのテーマで、29のポイントにまとめています。実際に使うときは、子どもの状況や家族の希望に合わせて専門家が判断することが大切だとしています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

そこなわれた出発点:コロナ禍のロックダウンが乳幼児の発達に与えた影響(総説)

0〜5歳の子どもを対象にした2020〜2025年の研究をまとめた総説です。コロナ禍のロックダウンによる生活の乱れ(保育や交流の減少、養育者のストレス増加)と関連して、感情や行動の難しさがやや増えたと報告されています。ことばや認知、実行機能への影響はばらつきが大きく、刺激や学びの機会が減った状況でとくに出やすいと示されました。影響は、もともと不利な状況にある家庭の子どもに偏って大きいと指摘しています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

発達期の環境ホルモン・残留性汚染物質への曝露と、依存リスクの高まりに関わるしくみ(総説)

妊娠中や出生後早期のビスフェノール・フタル酸・PCBなどの環境ホルモンや残留性汚染物質への曝露が、子どもの脳や行動に与える影響を、動物実験と人の研究をもとにまとめた総説です。これらの曝露は、注意力の低下・衝動性・不安などの行動の変化と関連すると整理されています。人での長期的な追跡データはまだ限られています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

妊娠中に必要なヨウ素量についての考え方の見直し(総説)

妊娠中に必要なヨウ素の量について、最近の知見を整理した総説です。ヨウ素は胎児の脳・神経の発達に欠かせず、妊娠中は必要量が増えます。ただしヨウ素は不足だけでなく摂り過ぎも甲状腺の働きや胎児の発達によくなく、ちょうどよい範囲がせまいことが指摘されています。

2026 · 総説・仮説論文総説・その他

ハミング(鼻歌)と体の安定:赤ちゃん・母親・ケアからの考察

口を閉じて出すハミング(鼻歌)が、赤ちゃんとケアをする人の体や心の状態を整える役割をもつかもしれない、という考え方を論じた論文です。ゆっくりした呼吸や胸・頭への振動を通じて、心拍や呼吸のリズムを落ち着かせ、親子のやりとりを生む助けになる可能性があると述べています。早産児へのカンガルーケア中に母親がハミングをすると、赤ちゃんの体の状態が安定し、赤ちゃん自身も声を出して応えやすくなるという研究を根拠として挙げています。

2026 · ナラティブレビュー総説・その他

母親の糖尿病と子どものADHDの関連(最近の研究の総説)

妊娠前からの糖尿病や妊娠中に起こる妊娠糖尿病が、子どものADHD(注意欠如・多動症)とどう関連するかを整理した総説です。複数の研究をまとめると、母親の糖尿病は子どものADHDのリスクをおよそ3割ほど高めることと関連し、妊娠前からの糖尿病や血糖管理がうまくいっていない場合により強い関連が見られました。ただし、ほとんどが観察研究で原因とは断定できません。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

後期早産児における脳の結合と認知の問題:神経発達と学習についての新しい視点

在胎34〜36週で生まれる「後期早産」の子どもについて、最近の研究をまとめた総説です。満期に近いため軽く見られがちですが、脳のつながり(結合)や就学期の学習に違いがみられることがあると整理しています。発達のリスク要因のひとつであり、早めの支援の検討が大切だと述べています。

2025 · 単一事例研究(シングルケースデザイン、5家族)総説・その他
訂正あり

吃音のある就学前の子への、オンライン・グループでの間接的支援の効果

吃音のある就学前の子ども(3〜4歳)の保護者を対象に、オンラインのグループ形式で行う間接的な支援を試した小さな研究です。子どもに直接練習させるのではなく、保護者が吃音について学び、家庭での接し方や支え方を身につけることをねらいとしています。週1回のオンライン講座を6回、その後15週間の家庭での実践を行いました。参加した5家族では、保護者の知識や対応への自信が高まり、吃音が子どもや家族に与える負担がやわらぐ傾向や、吃音の程度が軽くなる傾向が見られました。変化の大きさは家庭ごとに差がありました。

2025 · ナラティブレビュー(総説)総説・その他

母乳育児の期間と神経発達:自閉スペクトラム症と離乳の実践についての考察

母乳をあげる期間と、自閉スペクトラム症(ASD)や子どもの神経発達との関わりについて、これまでの研究や文献を整理して論じた総説(ナラティブレビュー)です。著者は、母乳育児が免疫の働きや腸内細菌の多様性などを通じて神経発達を支える可能性があると述べています。ただしこれは新たにデータを解析したものではなく、最適な期間についても見解の域を出ません。著者は宗教的な記述も参照しつつ約21か月という期間を提案していますが、これは科学的に確かめられた結論ではありません。

2025 · 総説(専門家会議の報告)総説・その他

吃音について今わかっていること、研究の課題、これから埋めるべき空白

吃音(どもり)の研究者が集まった専門家会議の報告です。吃音は就学前の子どもの5%以上に見られますが、大人になっても続くのは約1%とされ、多くの子どもは育つ過程でおさまっていくことが整理されています。脳の仕組みや遺伝、発話の運動、心理・社会面への影響、支援のあり方など幅広い話題がまとめられ、今後どこを研究すべきかが話し合われました。年上の子どもや大人への支援では、どもりそのものを減らすことを目指すのか、どもっても自分らしく伝えられることを大切にするのか、という方針の議論も紹介されています。

2025 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

妊娠・授乳期のコリン:臨床現場で知っておきたいこと

妊娠中と授乳中のコリンについて、近年のメタアナリシスやレビューをもとに整理した総説です。コリンは脳や神経の発達、肝臓の働きを支え、神経管の異常を減らす役割があると報告されています。一方で、多くの妊婦・授乳婦が推奨量に届いておらず、植物中心の食事が広がるとさらに不足しやすいと指摘しています。著者は、葉酸とあわせてコリンも食事の推奨に含めることを検討すべきだと述べています。

2025 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

環境ホルモンが甲状腺の働きに与える影響と、胎児期の曝露の意味(総説)

ビスフェノール・PCB・PFASなどの環境ホルモンが、妊娠中の甲状腺ホルモンの働きを乱す可能性について、しくみを中心にまとめた総説です。甲状腺ホルモンは胎児の成長や脳の発達に重要で、その乱れが発達や行動の問題と関わる可能性が指摘されています。物質ごとに作用のしかたは異なります。

2025 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

環境ホルモンと妊娠(総説)

妊娠中の環境ホルモン(環境化学物質)への曝露が、妊娠の経過や赤ちゃんの発達に与える影響を、実験研究と観察研究をもとにまとめた総説です。曝露が早産・低出生体重や、子どもの身体・精神の発達の遅れと関連しうると整理されています。曝露をできる範囲で減らすことが勧められています。

2025 · ナラティブレビュー総説・その他

早産とADHDの症状の関連(最近の研究のレビュー)

早産(予定より早く生まれること)とADHD(注意欠如・多動症)の関連について、近年の研究を整理したレビューです。早産で生まれた子はADHDのリスクが高めで、より早い時期の早産ほどリスクが高い傾向が報告されています。ただし、結果には神経発達のもろさや出産前後の合併症、家庭環境など、さまざまな要因が関わると整理されています。

2024 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

コリン――妊娠を考える人の食事で見落とされがちな栄養素

妊娠を計画する時期から妊娠・授乳期にかけてのコリン摂取の大切さを解説した総説です。コリンは細胞膜づくりや神経の伝達、脳の発達に関わり、子どもの神経系の形成や認知の発達を支え、神経管の異常リスクを下げる可能性があると紹介しています。体内では十分に作れないため食事からとる必要がありますが、多くの女性が推奨量に届いていないと指摘しています。著者は、妊娠を考える女性への情報提供と意識づけの大切さを訴えています。

2024 · 総説(レビュー)総説・その他

妊娠期のコリンの役割と神経発達障害への影響

妊娠中のコリン摂取が子どもの脳の発達や神経発達障害にどう関わるかを整理した総説です。コリンは遺伝子の働きの調整や細胞膜づくりに関わり、動物の実験では脳の特定の部位(大脳皮質や海馬)の発達を助けることが示されてきました。レット症候群やダウン症などの神経発達障害との関連についても紹介していますが、適切な時期・量・しくみについてはまだ分かっていないことが多いと述べています。

2023 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

高齢の父親が、妊娠のしやすさと子どもの遺伝的な病気のリスクに与える影響

父親になる年齢が世界的に上がっている背景をふまえ、父親の高齢と妊娠のしやすさ・子どもの健康との関係について、これまでの研究を幅広く整理した総説です。年齢とともに精子の質が下がりやすいことや、自閉スペクトラム症・統合失調症・一部の小児がんなどとの関連が報告されていることを紹介しています。ただし研究によって結果が食い違うことも多く、何歳から「高齢」とするかの定まった定義もないと述べています。

2022 · 総説(仮説の提案)総説・その他

記憶と脳の発達からみた、乳幼児期の昼寝と「昼寝の卒業」のしくみ

乳幼児期に1日何回も眠る状態から夜だけ眠る状態へ移っていく「昼寝の卒業」が、なぜ・どのように起こるのかを説明する仮説を示した総説です。著者らは、記憶をつかさどる脳のしくみ(海馬まわり)が育って記憶を効率よく保てるようになると、脳にたまる「眠りたい圧力」が減り、やがて昼寝が要らなくなる、と考えています。昼寝は学んだことを記憶に定着させて学習を助ける一方で、卒業も発達の自然な一部だと整理しています。

2026 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他
訂正あり

発達の中でのリズム処理:その始まり、言葉の処理とのつながり、取り組みへの展望(総説)

音楽や話し言葉のリズムを脳がどう処理するかについて、これまでの研究をまとめた総説です。音楽のリズムと言葉のリズムは脳の中で重なる部分が多く、リズムの処理が苦手だと言葉の発達でつまずきやすいという関連が報告されています。著者らは、早い時期からリズムを使った遊びや取り組みが、言葉の発達を支える可能性に期待できると述べていますが、まだ確かめる研究が必要だとしています。

2026 · ナラティブ・レビュー(論考)総説・その他

学校の始業時刻について(米アラバマ州の論考)

思春期になると体内時計が後ろにずれ、自然と寝つく時刻が遅くなります。始業時刻が早いと睡眠が短く・浅くなりやすいことが知られており、この論考はそれが心身の健康や成績にどう関わるかをこれまでの研究をもとに整理しています。始業を遅らせた地域では、睡眠が延び、心身の健康・成績・通学時の事故の減少と関連したと紹介しています。米国の一地域の事情を踏まえた解説で、新しいデータを集めた研究ではありません。

2025 · ナラティブ寄りの系統的レビュー(総説)総説・その他

早婚・早産・退学:世代をまたぐリスクの連鎖か

早婚・早産・退学が世代をまたいでつながる可能性を、2000年以降の研究を集めて整理した総説です。複数の仮説のうち、「早産は後の認知機能の低さと関連する」という点については、これを調べた複数のシステマティックレビューが関連を支持していました。一方、早産と教育到達度(学歴)との直接の関連を示す根拠は弱く、研究も少ないと報告されています。

2024 · ナラティブレビュー(総説)総説・その他

子どもの熱性けいれんへの対応に関する最善の進め方(総説)

熱性けいれんは乳幼児に多く、多くは自然に治まる経過の良いものとされています。この総説は、過去約50年の研究を見渡し、けいれんの分類、対応や治療、その後の見通しに関わる要因を整理したものです。発作を目にする保護者の不安が大きいことにも触れ、医療者と家族の情報共有を助けることを目的にまとめられています。

2026 · スコーピングレビュー総説・その他

早産児への「発達に配慮したケア」(スコーピングレビュー)

早産で生まれた赤ちゃんに対する「発達に配慮したケア」(光や音の調整、痛みへの配慮、親の参加など、赤ちゃんの発達を支える新生児ケア)について、どんな方法があり、どんな効果があるかを幅広く整理したスコーピングレビューです。発達に配慮したケアは、早産児とその家族のアウトカムの改善につながると整理されました。

2023 · ナラティブレビュー総説・その他

妊娠中の少量〜中程度の飲酒と、子どもの神経発達(ナラティブレビュー)

妊娠中は禁酒が勧められますが、実際には少量〜中程度の飲酒がある妊娠も少なくありません。少量〜中程度の飲酒と子どもの発達との関係を調べた研究をまとめたところ、悪い影響を示すものもあれば、変化がない・むしろ良いとするものもあり、結果が一致していませんでした。研究の方法のちがいが、結果のばらつきの一因と考えられます。

2022 · スコーピングレビュー総説・その他

スクリーンタイムは子どもの言葉の発達にどう影響するか(スコーピングレビュー)

スマホやテレビなどの画面を見る時間(スクリーンタイム)が、子どもの言葉の発達にどう関わるかについて、12件の研究を整理したレビューです。長すぎるスクリーンタイムは言葉の発達にマイナスに働きうる一方で、内容や、大人と一緒に見て会話することなど、見方の質も大切だと示されました。

2021 · 総説(レビュー)総説・その他

ビスフェノールA・フタル酸への曝露と子どもの神経発達(最近の研究の総説)

ビスフェノールA(BPA)やフタル酸エステル類(プラスチックや製品に含まれることがある化学物質)への出生前後の曝露と、子どもの神経発達との関係について、最近の研究をまとめた総説です。明確な悪影響を示す証拠はまだ限られているものの、念のため(予防的に)、妊婦や幼い子どもをこれらの曝露から守ることが望ましいとされています。

2019 · 総説(ナラティブレビュー)総説・その他

子どもの情緒・行動の問題に関わる、出生前のリスク因子(総説)

子どもの「内在化の問題」(不安・抑うつなど)や「外在化の問題」(多動・かんしゃくなど)に関わる、生まれる前(妊娠中)のリスク因子について、これまでの研究を整理した総説です。お母さんの肥満、たばこ・アルコールなどの使用、環境中の有害物質への曝露、感染や炎症、心理社会的なストレスなどが、リスク因子として広く調べられてきたことが紹介されています。

2016 · 総説(レビュー)総説・その他

母親の肥満と、子どもの神経発達・精神面の問題(総説)

妊娠中のお母さんの肥満が、子どもの神経発達や精神面の問題(発達障害や情緒の問題など)とどう関わるかを、これまでの研究からまとめた総説です。妊娠中の肥満は、子どもの神経発達・精神面のリスクの高まりと関連しうると整理され、その仕組みや、影響をやわらげる方法についても検討されています。