妊娠中に甲状腺の検査・治療をすると、子どもの発達はよくなる?
甲状腺の働きと子どもの発達には関連が報告されていますが、大規模なランダム化比較試験では、軽度の甲状腺機能の異常を妊娠中に見つけて治療しても、子どものIQや発達は改善しませんでした。明らかな甲状腺の病気の治療は別で、これは「軽度の異常を広く検査して治療する」ことの話です。気になる場合は主治医にご相談ください。
大規模なRCT2件が一致して、軽度の甲状腺機能異常を見つけて治療しても子のIQ・発達は改善しないと示した。対象が軽度の異常に限られる点(非直接性)を踏まえ「中」とした。
関連する疑問
同じ研究を扱う、または分野・キーワードが近い疑問です。
妊娠中の甲状腺の働き・ヨウ素は、子どもの発達と関係する?
母体の甲状腺の働きの異常や、妊娠中のヨウ素の不足は、子どもの神経発達と関連しうると観察研究で報告されています。日本は海藻からヨウ素を摂りやすい一方、摂り過ぎも甲状腺によくありません。適量が望ましいと考えられます(※見つけた異常を治療して発達がよくなるかは別の問いで扱います)。
妊娠中のコリン(卵などに多い栄養素)は、子どもの発達によい?
コリンは脳や神経の発達に関わる栄養素で、多くの妊婦が推奨量に届いていないと指摘されています。ただし、妊娠中にコリンを増やすと子どもの発達がよくなるかについては、人を対象にした研究の数が少なく結果もばらついており、現時点ではよくなるともならないとも言い切れません。
子どもや妊婦の血中鉛の検査(スクリーニング)は役立つ?
鉛は子どもや胎児の発達に有害な金属で、曝露を減らすことは大切です。一方で、症状のない子どもや妊婦に対して血中の鉛を広く検査(スクリーニング)して健康がよくなるか、についての根拠は乏しく、米国予防医療作業部会のレビューでは有用性をはっきり判断できないと整理されました。これは「鉛が無害」という話ではなく、「広く検査することの有用性が不確か」という話です。心配がある場合は医師にご相談ください。
妊娠期の葉酸サプリは、子どもの神経発達によい?
葉酸は神経管の異常(二分脊椎など)を防ぐ効果がはっきりしており、妊娠前からの摂取が勧められています。ADHDや自閉スペクトラム症などへの効果は、リスク低下と関連する可能性はあるものの根拠は弱く、はっきりしていません。
妊娠中の鉄サプリや鉄不足の検査は必要?
鉄の補充は血液中の鉄の値を改善しますが、症状のない妊婦への一律の検査や補充が、お母さんや赤ちゃんの健康を実際に改善するかは根拠が不十分とされています。貧血の診断・治療は別で、必要性は医師に相談を。