親のうつ・抗うつ薬・ストレス/不安と、子どものADHD(システマティックレビュー・メタアナリシス)
A Systematic Review and Meta-analysis of Parental Depression, Antidepressant Usage, Antisocial Personality Disorder, and Stress and Anxiety as Risk Factors for Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder (ADHD) in Children.
どんな研究?
01 — Summary親のうつ、抗うつ薬の使用、強いストレスや不安などが、子どものADHD(注意欠如・多動症)のリスクとどう関わるかを、多くの研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。これらの親の心の状態は、子どものADHDのなりやすさと関連していました。親の心の健康を支える取り組みが、子どもの長期的な健康にもよい影響を与えうると示唆されています。
要点
02 — Key points- 01親の心の状態と子どものADHDの関係をまとめたSR・MA
- 02親のうつ・ストレス・不安と子どものADHDのなりやすさが関連
- 03親の心の健康を支えることが子どもにも役立つ可能性
- 04親を責めるためではなく、家族を支える視点での知見
観察研究が中心で、親の状態が直接ADHDを引き起こすとは断定できません。遺伝的な要因の共有や、子どもの特性が親のストレスに影響する関係もありえます。ADHDには生まれつきの要因が大きく関わり、家庭だけに原因を求める見方は適切ではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Prevention Science
- 発表年
- 2022
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — QuestionsADHD(注意欠如・多動症)には、何が関係する?
ADHDも、生まれもった要因(遺伝)が大きく関わると考えられています。加えて、妊娠中のたばこや親の物質使用、親のうつ・ストレス・不安などとのゆるやかな関連が報告されています。また、ADHDの子は亜鉛・鉄が低めの傾向も指摘されますが、これは原因の確定ではありません。早く気づいて支援につなげることが大切です。
妊娠中・産後のお母さんの心の状態は、子どもの発達に関係する?
妊娠中や産後のお母さんの気分の落ち込み・強いストレスは、子どもの発達の遅れやADHD・自閉スペクトラム症とゆるやかに関連すると報告されています。観察研究が中心で因果とは言えず、まわりの支えや相談が大切です。
関連する研究
06 — Related親の物質使用(飲酒・喫煙など)と、子どものADHD(システマティックレビュー・メタアナリシス)
親の物質使用(妊娠中・産後の飲酒、たばこ、その他)と、子どものADHDとの関係を、86件の研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。特に妊娠中のアルコールやたばこへの曝露、親の物質使用障害は、子どものADHDと一貫して関連していました。
妊娠中の親の心の健康と、子どもの神経発達障害との関係:システマティックレビューとメタアナリシス
妊娠中のお母さん(や父親)の気分の落ち込みや不安と、子どものADHD・自閉スペクトラム症などの神経発達障害との関係を、74件の研究をまとめて調べました。妊娠中にお母さんの気分や不安の問題があると、子どものADHDや自閉スペクトラム症のリスクがやや高くなる関連が見られました。
妊娠期の葉酸サプリと子どもの神経発達障害:複数のレビューをまとめたアンブレラレビュー
妊娠前後に葉酸をとることと、子どものADHDや自閉スペクトラム症などの神経発達障害との関係について、これまでの系統的レビューやメタアナリシス23件をまとめて評価した研究です。全体としては、葉酸の摂取が神経発達障害のリスク低下と関連する可能性が示されました。ただし元になった研究の多くは質が高くなく、結論の確実性は低いと評価されています。