妊娠中の親の心の健康と、子どもの神経発達障害との関係:システマティックレビューとメタアナリシス
Association of parental prenatal mental health with offspring neurodevelopmental disorders: a systematic review and meta-analysis.
どんな研究?
01 — Summary妊娠中のお母さん(や父親)の気分の落ち込みや不安と、子どものADHD・自閉スペクトラム症などの神経発達障害との関係を、74件の研究をまとめて調べました。妊娠中にお母さんの気分や不安の問題があると、子どものADHDや自閉スペクトラム症のリスクがやや高くなる関連が見られました。
要点
02 — Key points- 01妊娠中の母親の気分・不安の問題が、子どものADHD・自閉スペクトラム症と関連
- 0274件の研究をまとめ、21件で統計的な統合を実施
- 03遺伝や環境の影響も検討された
観察研究をまとめたもので、親の心の状態が直接子どもの発達障害を起こすとは言えません。遺伝的な背景や生活環境など、親子で共有する要因が関係している可能性があります。妊娠中の心の不調は誰にでも起こりうるもので、過度に心配せず必要なら相談することが大切です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビューとメタアナリシス
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Psychological Medicine
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1017/s0033291725103139
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠前・妊娠中・幼児期の緑地(自然の多さ)と、子どもの発達のつまずきのリスク(全国規模のコホート研究)
アメリカの公的医療保険(メディケイド)に入っている約184万組の母子を対象に、住まいの周りの緑の多さと、子どもの発達のつまずき(自閉スペクトラム症、ADHD、学習や言葉の遅れ、知的の遅れなど)との関係を調べたものです。妊娠前・妊娠中・生まれた後のいずれの時期でも、緑が多い場所に住む子は、こうした発達のつまずきが見られにくい関連がありました。この傾向は、都市部に住む子どもや黒人・ヒスパニックの子どもでより強く見られました。
妊娠前のお母さんの体格(BMI)と、子どもの神経発達障害との関係(韓国の大規模研究)
妊娠前のお母さんの体格(BMI)と、子どものてんかん・知的障害・自閉スペクトラム症・ADHDなどの神経発達障害との関係を、韓国の大規模な医療データで調べました。妊娠前のBMIが高いことが、子どもの神経発達障害のなりやすさと関連する可能性が示されました。
自閉スペクトラム症に関係する、妊娠・出産・出生後の要因(メタアナリシス)
自閉スペクトラム症(ASD)に関係する、妊娠中・出産時・出生後の要因を、17件の研究(自閉症の子ども約3万8千人を含む大規模データ)からまとめたメタアナリシスです。両親の高年齢、妊娠高血圧・妊娠糖尿病、早産(在胎36週以下)、低出生体重、出産時のトラブルなどが、自閉症とゆるやかに関連していました。これらは「関連する要因」であり、原因と確定したものではありません。