自閉スペクトラム症に関係する、妊娠・出産・出生後の要因(メタアナリシス)
Prenatal, perinatal, and postnatal factors associated with autism: A meta-analysis
どんな研究?
01 — Summary自閉スペクトラム症(ASD)に関係する、妊娠中・出産時・出生後の要因を、17件の研究(自閉症の子ども約3万8千人を含む大規模データ)からまとめたメタアナリシスです。両親の高年齢、妊娠高血圧・妊娠糖尿病、早産(在胎36週以下)、低出生体重、出産時のトラブルなどが、自閉症とゆるやかに関連していました。これらは「関連する要因」であり、原因と確定したものではありません。
要点
02 — Key points- 0117件の研究(約1200万人規模)をまとめたメタアナリシス
- 02両親の高年齢、妊娠高血圧・糖尿病、早産・低出生体重などが関連
- 03いずれも『関連』であり原因の確定ではない
- 04遺伝など生まれもった要因の影響が大きいことが知られている
観察研究のまとめで、これらの要因が自閉症を引き起こすと示すものではありません。自閉スペクトラム症は生まれもった要因(遺伝)が最も大きく関わると考えられ、親の育て方やワクチンが原因という説は研究で否定されています。早く気づき支援につなげることが大切です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Medicine
- 発表年
- 2017
- DOI
- 10.1097/md.0000000000006696
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related自閉スペクトラム症に関わるありふれた遺伝的変異の特定
自閉スペクトラム症(ASD)の人と、そうでない人あわせて4万6千人あまりのゲノムを大規模に比べた解析です。ASDと関わるありふれた遺伝的変異の場所がいくつか見つかり、これらは統合失調症やうつ、学歴などにも関わる領域と一部重なっていました。生まれもった遺伝の要素がASDのなりやすさに大きく関わることを、改めて示した内容です。
妊娠前・妊娠中の栄養と、子どもの神経発達障害(システマティックレビュー・メタアナリシス)
妊娠前や妊娠中のお母さんの栄養(葉酸などのサプリや食事)と、子どもの神経発達障害(自閉スペクトラム症やADHDなど)との関係を、多くの研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。葉酸など一部の栄養素は、神経発達障害のリスクの低さと関連していました(リスクが約4割低いという推計)。他の食事要因については、結論がはっきりしませんでした。
妊娠中の親の心の健康と、子どもの神経発達障害との関係:システマティックレビューとメタアナリシス
妊娠中のお母さん(や父親)の気分の落ち込みや不安と、子どものADHD・自閉スペクトラム症などの神経発達障害との関係を、74件の研究をまとめて調べました。妊娠中にお母さんの気分や不安の問題があると、子どものADHDや自閉スペクトラム症のリスクがやや高くなる関連が見られました。