妊娠前・妊娠中の栄養と、子どもの神経発達障害(システマティックレビュー・メタアナリシス)
Preconception and Prenatal Nutrition and Neurodevelopmental Disorders: A Systematic Review and Meta-Analysis.
どんな研究?
01 — Summary妊娠前や妊娠中のお母さんの栄養(葉酸などのサプリや食事)と、子どもの神経発達障害(自閉スペクトラム症やADHDなど)との関係を、多くの研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。葉酸など一部の栄養素は、神経発達障害のリスクの低さと関連していました(リスクが約4割低いという推計)。他の食事要因については、結論がはっきりしませんでした。
要点
02 — Key points- 01妊娠前・妊娠中の栄養と神経発達障害の関係をまとめたSR・MA
- 02葉酸などはリスク低下と関連(オッズ比0.64)
- 03他の食事要因の影響ははっきりしない
- 04妊娠前からの葉酸の摂取が勧められる根拠の一つ
観察研究が中心で、栄養が直接リスクを下げると断定はできません。栄養をしっかり摂る人の生活背景など他の要因も関わります。葉酸以外の栄養素については、さらなる研究が必要とされています。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2019
- DOI
- 10.3390/nu11071628
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠期の葉酸サプリと子どもの神経発達障害:複数のレビューをまとめたアンブレラレビュー
妊娠前後に葉酸をとることと、子どものADHDや自閉スペクトラム症などの神経発達障害との関係について、これまでの系統的レビューやメタアナリシス23件をまとめて評価した研究です。全体としては、葉酸の摂取が神経発達障害のリスク低下と関連する可能性が示されました。ただし元になった研究の多くは質が高くなく、結論の確実性は低いと評価されています。
母親の葉酸受容体αに対する自己抗体と胎児の所見が、自閉スペクトラム症の早期の手がかりになる可能性
妊娠初期に胎児の首のむくみ(NT)が大きく、染色体や遺伝子の異常が見つからなかった11例を追跡した、ごく小規模な研究です。母親の血液で葉酸の取り込みを妨げる自己抗体(FRAA)が陽性だった4例では、その子全員が後に自閉スペクトラム症と診断されました。著者らは、この抗体が早期の手がかりになり、葉酸(フォリン酸)の補充が予防につながる可能性があると述べています。
母親の環境化学物質への曝露と子どもの健康リスク:栄養状態が和らげる役割(スコーピングレビュー)
母親の栄養状態が、大気汚染や有害金属などの環境要因による子どもの健康リスクを和らげるかを、60件の研究から地図づくり的に整理したレビューです。最もよく調べられていた栄養素は葉酸で、葉酸が大気汚染・有害金属・喫煙による神経発達などへの影響を和らげる可能性が示されました。ただし研究の多くは観察研究で、結論を出すための統合はしていません。