親の物質使用(飲酒・喫煙など)と、子どものADHD(システマティックレビュー・メタアナリシス)
Systematic Review and Meta-analysis of the Relationship Between Exposure to Parental Substance Use and Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder in Children.
どんな研究?
01 — Summary親の物質使用(妊娠中・産後の飲酒、たばこ、その他)と、子どものADHDとの関係を、86件の研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。特に妊娠中のアルコールやたばこへの曝露、親の物質使用障害は、子どものADHDと一貫して関連していました。
要点
02 — Key points- 0186件の研究をまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシス
- 02妊娠中のアルコール・たばこ曝露と子どものADHDが一貫して関連
- 03親の物質使用障害もADHDと関連
- 04妊娠中の飲酒・喫煙を避けることの大切さを支持
観察研究が中心で、因果関係を確定するものではありません。物質使用は自己申告によることが多く、家庭の他の要因も関わります。関連が見られても、必ず発症するわけではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Prevention Science
- 発表年
- 2023
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — QuestionsADHD(注意欠如・多動症)には、何が関係する?
ADHDも、生まれもった要因(遺伝)が大きく関わると考えられています。加えて、妊娠中のたばこや親の物質使用、親のうつ・ストレス・不安などとのゆるやかな関連が報告されています。また、ADHDの子は亜鉛・鉄が低めの傾向も指摘されますが、これは原因の確定ではありません。早く気づいて支援につなげることが大切です。
妊娠中の喫煙・受動喫煙は、子どもの知能や発達と関係する?
妊娠中のたばこの煙への曝露は、子どものIQの低さと関連すると報告されています。自分が吸う場合だけでなく、まわりの煙(受動喫煙)も避けることが勧められます。
関連する研究
06 — Related妊娠期の葉酸サプリと子どもの神経発達障害:複数のレビューをまとめたアンブレラレビュー
妊娠前後に葉酸をとることと、子どものADHDや自閉スペクトラム症などの神経発達障害との関係について、これまでの系統的レビューやメタアナリシス23件をまとめて評価した研究です。全体としては、葉酸の摂取が神経発達障害のリスク低下と関連する可能性が示されました。ただし元になった研究の多くは質が高くなく、結論の確実性は低いと評価されています。
妊娠中のコーヒーと、子どものADHDとの関係:症例対照研究とメタアナリシス
妊娠中のお母さんのコーヒーの摂取と、子どものADHD(注意欠如・多動症)との関係を、エジプトでの調査と、これまでの研究をまとめた分析の両方で調べました。妊娠中によくコーヒーを飲むことが、子どものADHDのなりやすさと関連する可能性が示されました。
妊娠前・妊娠中・幼児期の緑地(自然の多さ)と、子どもの発達のつまずきのリスク(全国規模のコホート研究)
アメリカの公的医療保険(メディケイド)に入っている約184万組の母子を対象に、住まいの周りの緑の多さと、子どもの発達のつまずき(自閉スペクトラム症、ADHD、学習や言葉の遅れ、知的の遅れなど)との関係を調べたものです。妊娠前・妊娠中・生まれた後のいずれの時期でも、緑が多い場所に住む子は、こうした発達のつまずきが見られにくい関連がありました。この傾向は、都市部に住む子どもや黒人・ヒスパニックの子どもでより強く見られました。