妊娠中のたばこの煙への曝露と、子どもの知能指数(IQ)との関係(複数コホートの分析)
Urinary cotinine cut-offs for tobacco smoke exposure in pregnancy and associations with child intelligence quotient: A multi-cohort analysis.
どんな研究?
01 — Summary妊娠中のたばこの煙への曝露を、尿に含まれる成分(コチニン)で正確に測る基準をつくり、それと子どものIQとの関係を、複数の研究のデータで調べました。妊娠中のたばこの煙への曝露が、4〜6歳の子どものIQの低さと関連する可能性が示されました。自分が吸う場合だけでなく、まわりの煙(受動喫煙)も区別して検討しています。
要点
02 — Key points- 01妊娠中のたばこの煙への曝露と、子どものIQの低さの関連を検討
- 02尿のコチニンで曝露を客観的に測る基準をつくった
- 03自分の喫煙と受動喫煙を区別して分析
観察研究のため、たばこの曝露が直接IQを下げると断定はできません。家庭の環境や教育など他の要因も関係します。ただし妊娠中の喫煙・受動喫煙を避けることは、さまざまな面で勧められています。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究(複数コホート統合)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- International Journal of Hygiene and Environmental Health
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1016/j.ijheh.2026.114744
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の母親の喫煙と、子ども・思春期の学習障害との関連(傾向スコアによる解析)
米国の全国調査(NHANES)のデータを使い、妊娠中に母親が喫煙したかどうかと、子ども・思春期の学習障害との関連を約5800人で調べた横断研究です。喫煙していた群では学習障害の割合が高く(18.9%対9.5%)、さまざまな統計手法でも一貫して関連がみられました。
親の物質使用(飲酒・喫煙など)と、子どものADHD(システマティックレビュー・メタアナリシス)
親の物質使用(妊娠中・産後の飲酒、たばこ、その他)と、子どものADHDとの関係を、86件の研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。特に妊娠中のアルコールやたばこへの曝露、親の物質使用障害は、子どものADHDと一貫して関連していました。
妊娠中の軽度の甲状腺機能低下の治療と、子どもの発達(ランダム化比較試験)
妊娠中に軽度の甲状腺機能の低下(潜在性甲状腺機能低下症・低サイロキシン血症)が見つかった女性を、甲状腺ホルモン薬で治療するグループと偽薬のグループにランダムに分け、子どもの発達を5歳まで追った研究です。どちらのグループでも、子どものIQに差はありませんでした。妊娠中の軽度の甲状腺の問題を治療しても、子どもの発達は改善しないことを示しています。