保育施設での昼寝の習慣と、実行機能・発達との関係を観察した研究(チュニジア)
Observed relationships between nap practices, executive function, and developmental outcomes in Tunisian childcare centers.
どんな研究?
01 — Summaryチュニジアの保育施設に通う3〜4歳の子ども118人を、昼食後に昼寝をするグループとしないグループに分けて、認知や運動の発達を比べた観察研究です。昼寝をするグループの方が、ワーキングメモリー(短い間、情報を覚えて使う力)の成績がよく、男の子では体の動かしやすさや上半身の力もやや高い傾向でした。一方で、衝動を抑える力には差が見られませんでした。昼寝の有無は施設や家庭の習慣によるもので、研究が割り当てたものではありません。
要点
02 — Key points- 013〜4歳の子ども118人を、昼寝をする群としない群に分けて比較した
- 02昼寝をする群はワーキングメモリーの成績が高かった
- 03男の子では、体の動かしやすさや上半身の力もやや高い傾向だった
- 04衝動を抑える力には、両群で差が見られなかった
観察研究であり、昼寝の有無は子どもや施設の習慣で決まっているため、関連が見られても昼寝が原因とは言えません(もともとの体格や生活の違いが影響している可能性があります)。人数が118人と少なく、対象はチュニジアの保育施設で、日本の子どもにそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 観察研究(横断的な群間比較)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Sports Medicine and Health Science
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1016/j.smhs.2024.08.001
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related幼児の昼寝は、先を見越す力や「あとでやる」記憶を高めなかった
2〜3歳の子どもを対象に、昼寝が「先のできごとに備えて計画する力」や「あとで予定の行動を思い出す力」を高めるかを調べた研究です。課題の説明を受けたあとに昼寝をした子(20人)と、起きていた子(43人)を比べました。期待に反して、昼寝をしてもこれらの力に差は見られず、成績は主に年齢ともともとの記憶の強さで説明されました。子どもが昼寝をするかどうかは完全には割り当てられておらず、人数も少なめです。
乳児期の昼間の睡眠の長さと、学齢期の認知発達との関係を追った前向きコホート研究
中国・上海で262組の親子を生後42日から10歳まで追いかけ、乳児期の昼間の睡眠の長さがのちの認知発達と関係するかを調べた観察研究です。乳児期に昼間の睡眠が特に長かったグループの子どもは、6歳と10歳の時点で「ワーキングメモリー(短い間、情報を覚えて使う力)」の得点がやや低い傾向が見られました。ほかの認知の領域では一貫した差は見られませんでした。あくまで関連であり、昼寝が原因で差が出たと示すものではありません。
幼稚園期の就寝時刻・睡眠時間と、実行機能・学業の長期的な関係
幼稚園のころの就寝時刻や睡眠時間が、その後の実行機能(計画や自己コントロールの力)や学業とどう関わるかを、長期的に調べた研究です。早い就寝・十分な睡眠は大切とされる一方で、学業の差は、睡眠だけでなく家庭の社会経済的な背景など、より大きな構造的な要因によって生じている面があると整理されました。