妊娠中の魚・オメガ3の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)
Maternal dietary intake of fish and PUFAs and child neurodevelopment at 6 months and 1 year of age: a nationwide birth cohort-the Japan Environment and Children's Study (JECS).
どんな研究?
01 — Summary日本の「エコチル調査」の大規模データで、妊娠中のお母さんの魚やオメガ3系脂肪酸(PUFA)の摂取と、生後6か月・1歳の子どもの神経発達との関係を調べました。妊娠中に魚をよく食べていたお母さんの子どもでは、体を動かす発達(精神運動発達)の一部の領域で良好な傾向が見られ、その一部は魚に含まれるオメガ3で説明できる可能性が示されました。
要点
02 — Key points- 01エコチル調査の全国規模のコホート研究
- 02妊娠中の魚の摂取と子の精神運動発達の一部の領域が良好
- 03魚のオメガ3(PUFA)が一部関与する可能性
- 04妊娠中の魚の摂取の意義を示す日本のデータ
観察研究のため、魚が直接発達を良くすると断定はできません。摂取量は質問票による推定です。効果は一部の領域に限られ、大きくありません。魚は水銀への配慮も必要で、種類・量のバランスが大切です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- The American Journal of Clinical Nutrition
- 発表年
- 2020
- DOI
- 10.1093/ajcn/nqaa190
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3サプリと、子どもの発達(システマティックレビュー)
米国政府プロジェクトの一環として、妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3(魚に多い脂肪酸)のサプリと、子どもの発達の節目(神経・認知の発達を含む)との関係を調べたシステマティックレビューです。妊娠中のオメガ3サプリは、子どもの認知の発達によい影響をもたらす可能性がある(限定的な確かさ)と整理されました。その他のアウトカムについては根拠が不十分でした。
妊娠中の水銀への曝露と、子どもの発達(日本のエコチル調査)
魚などに含まれる水銀(メチル水銀)への妊娠中の曝露が、子どもの発達と関係するかを、日本のエコチル調査でへその緒の血液中の水銀を測って調べた研究(約3千〜3800人)です。へその緒の血中水銀と、2歳・4歳の発達の指標との間に、はっきりした関連はみられませんでした。濃度が高いほど発達が悪いという傾向もありませんでした。
妊娠中の魚・オメガ3(n-3)の摂取と、3歳までの子どものアレルギー(エコチル調査)
日本の「エコチル調査」の約72,000組の親子を対象に、妊娠中のお母さんの魚やオメガ3系脂肪酸(n-3)の摂取量と、3歳までの子どものアレルギーとの関係を調べました。魚やオメガ3をよく摂っていたお母さんの子どもで、医師に診断されたアレルギー性の鼻炎・結膜炎などが少ない傾向(逆の関連)が見られました。