妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3サプリと、子どもの発達(システマティックレビュー)
Omega-3 fatty acids from Supplements Consumed before and during Pregnancy and Lactation and Developmental Milestones, Including Neurocognitive Development, in the Child: A Systematic Review
どんな研究?
01 — Summary米国政府プロジェクトの一環として、妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3(魚に多い脂肪酸)のサプリと、子どもの発達の節目(神経・認知の発達を含む)との関係を調べたシステマティックレビューです。妊娠中のオメガ3サプリは、子どもの認知の発達によい影響をもたらす可能性がある(限定的な確かさ)と整理されました。その他のアウトカムについては根拠が不十分でした。
要点
02 — Key points- 01米国政府プロジェクトによるシステマティックレビュー
- 02妊娠中のオメガ3サプリは子どもの認知発達によい可能性(限定的根拠)
- 03他の発達のアウトカムは根拠不十分
- 04サプリの要否は食事(魚)とのバランスで考える
確かさは「限定的」で、はっきりした結論ではありません。魚を食べることでオメガ3を摂る方法もあり、サプリが必須とは限りません。サプリの利用は自己判断せず医師に相談してください。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- USDA Nutrition Evidence Systematic Review
- 発表年
- 2020
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母親・乳児へのオメガ3(n-3)脂肪酸の補給と、子どもの運動・認知発達(最新のシステマティックレビュー・メタアナリシス)
魚などに多いオメガ3系脂肪酸(DHAなど)を、妊娠・授乳中の母親や乳児に与えると、子どもの発達によいかを、ランダム化比較試験47件をまとめて調べた研究です。乳児に直接補給したグループでは、乳児期の精神発達の指標やのちの知能(IQ)がわずかに高い傾向がみられ、母親が妊娠・授乳中に補給した場合は子どもの言語の力が高い傾向がありました。一方で、全体としての認知能力や運動発達の指標でははっきりした差は出ませんでした。
妊娠中の魚・オメガ3の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)
日本の「エコチル調査」の大規模データで、妊娠中のお母さんの魚やオメガ3系脂肪酸(PUFA)の摂取と、生後6か月・1歳の子どもの神経発達との関係を調べました。妊娠中に魚をよく食べていたお母さんの子どもでは、体を動かす発達(精神運動発達)の一部の領域で良好な傾向が見られ、その一部は魚に含まれるオメガ3で説明できる可能性が示されました。
妊娠期から小児期までのDHA摂取・補給と子どもの健康(低・中所得国に着目した総説)
オメガ3脂肪酸の一種であるDHAについて、妊娠期から小児期までの摂取状況と健康とのかかわりを、低・中所得国を中心に整理した総説です。これらの国々では妊婦や子どものDHA摂取が不足しがちで、摂取や補給が神経発達や免疫の働きと関連すると報告されています。ただしまとめられた研究は内容がさまざまで、効果がはっきり証明されたわけではありません。