母親・乳児へのオメガ3(n-3)脂肪酸の補給と、子どもの運動・認知発達(最新のシステマティックレビュー・メタアナリシス)
N–3 Fatty Acid Supplementation in Mothers and Infants for Childhood Psychomotor and Cognitive Development: An Updated Systematic Review and Meta-Analysis
どんな研究?
01 — Summary魚などに多いオメガ3系脂肪酸(DHAなど)を、妊娠・授乳中の母親や乳児に与えると、子どもの発達によいかを、ランダム化比較試験47件をまとめて調べた研究です。乳児に直接補給したグループでは、乳児期の精神発達の指標やのちの知能(IQ)がわずかに高い傾向がみられ、母親が妊娠・授乳中に補給した場合は子どもの言語の力が高い傾向がありました。一方で、全体としての認知能力や運動発達の指標でははっきりした差は出ませんでした。
要点
02 — Key points- 01ランダム化比較試験47件(母親対象14件・乳児対象33件)をまとめたメタアナリシス
- 02乳児への直接補給で、精神発達の指標やのちの知能がわずかに高い傾向
- 03母親が妊娠・授乳中に補給すると、子どもの言語の力が高い傾向
- 04運動発達の指標や、全体的な認知能力でははっきりした効果は確認できなかった
効果の大きさは小さく、研究によってばらつき(異質性)が大きい点に注意が必要です。「補給すれば必ず賢くなる」という意味ではありません。指標も研究ごとに異なり、対象や用量もさまざまです。サプリメントの利用は自己判断で増やさず、まずは日々の食事のバランスを基本に、心配があれば専門家に相談してください。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス(ランダム化比較試験のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Maternal & Child Nutrition
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1111/mcn.13767
- 出典
- Crossref
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3サプリと、子どもの発達(システマティックレビュー)
米国政府プロジェクトの一環として、妊娠前・妊娠中・授乳中のオメガ3(魚に多い脂肪酸)のサプリと、子どもの発達の節目(神経・認知の発達を含む)との関係を調べたシステマティックレビューです。妊娠中のオメガ3サプリは、子どもの認知の発達によい影響をもたらす可能性がある(限定的な確かさ)と整理されました。その他のアウトカムについては根拠が不十分でした。
妊娠期と乳児期の食事の「多様さ」と、子どもの発達の関係(前向きコホート研究)
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妊娠中の魚・オメガ3の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)
日本の「エコチル調査」の大規模データで、妊娠中のお母さんの魚やオメガ3系脂肪酸(PUFA)の摂取と、生後6か月・1歳の子どもの神経発達との関係を調べました。妊娠中に魚をよく食べていたお母さんの子どもでは、体を動かす発達(精神運動発達)の一部の領域で良好な傾向が見られ、その一部は魚に含まれるオメガ3で説明できる可能性が示されました。