妊娠中の水銀への曝露と、子どもの発達(日本のエコチル調査)
Association between prenatal mercury exposure and pediatric neurodevelopment: The Japan environment and children's study
どんな研究?
01 — Summary魚などに含まれる水銀(メチル水銀)への妊娠中の曝露が、子どもの発達と関係するかを、日本のエコチル調査でへその緒の血液中の水銀を測って調べた研究(約3千〜3800人)です。へその緒の血中水銀と、2歳・4歳の発達の指標との間に、はっきりした関連はみられませんでした。濃度が高いほど発達が悪いという傾向もありませんでした。
要点
02 — Key points- 01日本のエコチル調査でへその緒の血中水銀を測定した研究
- 02血中水銀と2歳・4歳の発達に明確な関連はなかった
- 03濃度依存的な悪化もみられなかった
- 04日本の一般的な魚の摂取レベルでは安心材料の一つ
観察研究で、安全な摂取量の基準を示すものではありません。水銀の多い大型魚(マグロなど)の食べ過ぎには引き続き配慮が必要です。魚はDHAなど有益な栄養も多く、種類と量のバランスをとって楽しむのがよいでしょう。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- The Science of The Total Environment
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1016/j.scitotenv.2024.177489
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の魚・オメガ3の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)
日本の「エコチル調査」の大規模データで、妊娠中のお母さんの魚やオメガ3系脂肪酸(PUFA)の摂取と、生後6か月・1歳の子どもの神経発達との関係を調べました。妊娠中に魚をよく食べていたお母さんの子どもでは、体を動かす発達(精神運動発達)の一部の領域で良好な傾向が見られ、その一部は魚に含まれるオメガ3で説明できる可能性が示されました。
妊娠中の魚の摂取と、3歳児の発達(日本のエコチル調査)
日本の大規模調査「エコチル調査」の母子約9万2千組を対象に、妊娠中の母親の魚の摂取量と、子どもが3歳のときの発達の関係を調べた研究です。魚をよく食べていた母親の子どもは、コミュニケーション・手先の細かい動き・問題解決・人とのかかわりといった面で、発達の遅れがみられる割合が低い傾向がありました。一方、体全体を使う大きな運動(粗大運動)でははっきりした差はありませんでした。
妊娠中の母親が複数の持病をもつことと、子どもの発達の関係(日本のエコチル調査)
日本の大規模調査「エコチル調査」の約10万組を対象に、妊娠中の母親が複数の慢性的な病気(持病)をもつことと、子どもの発達との関係を調べた研究です。持病が1つの母親の子どもは、持病のない母親の子どもと発達の遅れの割合が同じくらいでしたが、2つ以上の持病をもつ母親の子どもでは、発達の遅れがみられる割合がやや高めでした。