妊娠中の魚の摂取と、3歳児の発達(日本のエコチル調査)
Maternal dietary intake of fish and child neurodevelopment at 3 years: a nationwide birth cohort—The Japan Environment and Children's Study
どんな研究?
01 — Summary日本の大規模調査「エコチル調査」の母子約9万2千組を対象に、妊娠中の母親の魚の摂取量と、子どもが3歳のときの発達の関係を調べた研究です。魚をよく食べていた母親の子どもは、コミュニケーション・手先の細かい動き・問題解決・人とのかかわりといった面で、発達の遅れがみられる割合が低い傾向がありました。一方、体全体を使う大きな運動(粗大運動)でははっきりした差はありませんでした。
要点
02 — Key points- 01日本のエコチル調査・母子約9万2千組を分析した大規模コホート研究
- 02妊娠中に魚をよく食べた母親の子は、いくつかの発達の面で遅れが少ない傾向
- 03とくに手先の動き・問題解決・人とのかかわりで関連がみられた
- 04体全体を使う大きな運動でははっきりした差はなかった
観察研究のため、魚の摂取が発達をよくすると断定はできません。魚には水銀も含まれるため、種類や量のバランスが大切です。摂取量は質問票にもとづく推定で、家庭環境など他の要因も関わります。発達の評価は保護者の回答によるものです。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 全国コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Frontiers in Public Health
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.3389/fpubh.2023.1267088
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中の水銀への曝露と、子どもの発達(日本のエコチル調査)
魚などに含まれる水銀(メチル水銀)への妊娠中の曝露が、子どもの発達と関係するかを、日本のエコチル調査でへその緒の血液中の水銀を測って調べた研究(約3千〜3800人)です。へその緒の血中水銀と、2歳・4歳の発達の指標との間に、はっきりした関連はみられませんでした。濃度が高いほど発達が悪いという傾向もありませんでした。
妊娠中の魚・オメガ3の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)
日本の「エコチル調査」の大規模データで、妊娠中のお母さんの魚やオメガ3系脂肪酸(PUFA)の摂取と、生後6か月・1歳の子どもの神経発達との関係を調べました。妊娠中に魚をよく食べていたお母さんの子どもでは、体を動かす発達(精神運動発達)の一部の領域で良好な傾向が見られ、その一部は魚に含まれるオメガ3で説明できる可能性が示されました。
妊娠中の母親のヨウ素の状態と、子どもの神経発達(前向きコホートの用量反応メタアナリシス)
妊娠中の母親のヨウ素の足り具合が、子どもの神経発達と関係するかを、8つのコホート研究をまとめて調べた研究です。ヨウ素が不足ぎみだと、子どもの発達(とくに認知の面)がわずかに低い傾向がみられました。一方で、多ければ多いほどよいわけではなく、適量(おおよそ食事から150〜300µg/日くらい)が望ましいと示唆されています。