妊娠中の新型コロナ感染による新生児の抗体と、子どもの発達
Newborn IgG and IgM antibodies to maternal SARS-CoV-2 infection in pregnancy and child neurodevelopmental outcomes.
どんな研究?
01 — Summary妊娠中に新型コロナに感染した母親から生まれた子ども399人を、最長で約5年追った研究です。新生児の血液中の新型コロナへの抗体が高いほど、その後の発達の遅れ(とくにことばの遅れ)のリスクがやや高い傾向がみられました。この関連は男の子や、妊娠初期に感染した場合でとくに目立ったと報告されています。
要点
02 — Key points- 01妊娠中に感染した母親から生まれた子ども399人を最長約5年追跡
- 02新生児の抗体が高いほど発達の遅れのリスクがやや高い傾向
- 03とくにことばの遅れとの関連がみられた
- 04男の子や妊娠初期の感染で関連が目立った
- 05抗体検査が早期発見の手がかりになる可能性を指摘
妊娠中の感染という条件のなかでの観察研究で、抗体の高さと発達の遅れの関連を示すにとどまり、因果関係を証明するものではありません。比較対象(感染していない群)との直接の比較ではなく、結果は再現確認が必要だと著者も述べています。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究(観察研究)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Brain, behavior, and immunity
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1016/j.bbi.2026.106591
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedコロナ世代:おなかの中で新型コロナにさらされた子どもの発達への影響
妊娠中に新型コロナにさらされた赤ちゃん(39組)と、流行前に生まれた赤ちゃん(103組)の脳と発達を比べた研究です。さらされた赤ちゃんでは、新生児期の脳の一部の体積に違いがみられ、2歳時点で認知や社会性の発達の点数がやや低い傾向が報告されました。脳の体積の違いが、認知の差の一部を説明していたとしています。
新型コロナに関連する発達のリスクをもつ赤ちゃんにみられる、母子の免疫の特徴
妊娠中に新型コロナに感染した母親から生まれた子どもの発達を追った研究です。妊娠中に感染した子ども(172人)では、感染していない子どもにくらべて発達の遅れがみられる割合が約10倍(11.6%対1.6%)、自閉スペクトラム症の疑いの割合も約2倍と報告されました。さらに一部の母子の血液を調べると、発達のリスクに関わるとされる免疫のはたらきの乱れが見つかったとしています。
新型コロナの流行が、就学前の子どもの発達と心の健康に与えた影響(システマティックレビュー・メタアナリシス)
新型コロナウイルスの流行(2020〜2023年)が、0〜6歳の就学前の子どもの発達や心の健康にどう影響したかを、流行前後を比べた研究からまとめたものです。16か国・約22,000人のデータを統合したところ、発達や心の健康への影響は見られたものの、その大きさは全体として小さい範囲にとどまりました。