自閉スペクトラム症の未就学児への、保護者が行う早期介入の後の家庭での遊びの発達
Predictors of Play Development at Home After Parent-Mediated Early Intervention for Autistic Preschool Children.
どんな研究?
01 — Summary遊びはことばや社会性、考える力の発達と関わる大切な活動ですが、自閉スペクトラム症の幼い子どもでは遊びの発達がゆっくりなことがあります。低所得の家庭97組で、保護者が遊びを通して関わり方を学ぶ早期介入(JASPER)を受けた子どもと、保護者向けの説明のみを受けた子どもを比べ、家庭での自然な遊びの様子を観察しました。介入を受けた子どもの方が、単純な遊びから見立て遊び(ごっこ遊び)への変化が大きい傾向がみられました。
要点
02 — Key points- 01保護者が遊びを通して関わる早期介入(JASPER)の効果を調べた
- 02低所得家庭の97組を、介入群と保護者向け説明のみの群で比較
- 03介入群は家庭で見立て遊び(ごっこ遊び)への変化が大きかった
- 04家庭という日常の場での効果を確かめた点に意味がある
自閉スペクトラム症の未就学児を対象にした研究で、すべての子どもに当てはまるわけではありません。参加家庭は低所得層が中心で、規模も比較的小さいため、結果の幅には注意が必要です。アメリカでの研究のため、日本にそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- Behavioral Sciences
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.3390/bs16030387
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related自転車(サイクリング)運動は、自閉スペクトラム症の子どもの実行機能を高めるか(ランダム化比較試験)
自閉スペクトラム症(ASD)の子ども51人(平均約9歳)を対象に、2週間・8回の自転車(サイクリング)運動プログラムの効果を調べたランダム化比較試験です。サイクリング運動によって、計画や注意の切り替えなどの「実行機能」が改善し、その効果には自律神経の働き(心拍変動)が関わっていることが示されました。
トランポリン運動は、自閉スペクトラム症の子どもの不安を減らし運動能力を高めるか(ランダム化比較試験)
自閉スペクトラム症(ASD)の9〜14歳の子ども50人を対象に、8週間のトランポリン運動プログラムの効果を調べたランダム化比較試験です。トランポリン運動を行ったグループでは、不安が減り、運動能力(運動スキル)が向上しました。体を揺らす刺激と有酸素運動の組み合わせが役立った可能性があります。
親の応答的な関わり(敏感さ)と子どもの発達の関係を、過去のレビューをまとめて検証(アンブレラレビュー)
親が子どものサインに気づき、正しく読み取って、すばやくほどよく応えること(敏感な関わり)と、子どもの発達との関係を調べた研究です。過去に行われた17件のメタアナリシス(多くの研究をまとめた解析)をさらにまとめ直しました。その結果、親の敏感な関わりは、子どもの認知や言葉の力、愛着の安定とゆるやかに関連し、情緒や行動の問題とは弱く関連していました。研究者らは、応答的な関わりが幼児期の発達を支える大切な要素になりうると述べています。