妊娠中・乳児期の金属への曝露と、5歳児の知能との関係(米国の出生コホート)
Time-Varying Exposure to Element Mixtures and Children's Cognition at 5 Years of Age: Findings from the New Hampshire Birth Cohort Study.
どんな研究?
01 — Summaryアメリカの出生コホート研究で、妊娠中から乳児期にかけての金属(ヒ素・鉛・亜鉛など)への曝露と、5歳のときの知能との関係を調べました。278組の親子について、爪に含まれる金属を時期ごとに測り、5歳のときに知能検査を行いました。体に必要な金属と、有害になりうる金属を、時期ごとにまとめて評価した点が特徴です。
要点
02 — Key points- 01妊娠中から乳児期の金属曝露を爪で時期ごとに測定
- 025歳時に知能検査(WPPSI-IV)で評価
- 03必要な金属と有害な金属を混合として評価した数少ない研究
観察研究で対象は278組と比較的少なく、関連が見られても直接の因果とは言えません。曝露は爪の測定にもとづくため、すべての時期を正確に表すとは限りません。対象は米国の集団で、日本にそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Environmental Health Perspectives
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1021/ehp.6c00030
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳幼児期の重金属への曝露と神経発達への影響(システマティックレビュー)
妊娠中や乳幼児期の有害な重金属への曝露と、子どもの神経発達との関連を調べた研究68件(約21万人分)をまとめたレビューです。多くの研究が、妊娠中とくに早い時期の曝露で発達に悪影響が出やすいことを示していました。とくに鉛と水銀は認知・運動の面、鉛とヒ素は行動の面と関連がみられました。
妊娠中・子ども時代の重金属への曝露と、子どもの認知・運動・行動・こころの健康との関連
妊娠中や子ども時代のヒ素・カドミウム・鉛・水銀への曝露と、子どもの発達との関連を調べた前向きコホート研究77件をまとめたレビューです。これらの金属やその混合物への曝露が多いほど、認知・運動・行動・こころの健康によくない影響が出やすいことを、複数の国の研究が支持していました。影響の出方は子どもの性別で異なる可能性も示されています。
妊娠中・乳幼児期の大気汚染への曝露と、子どもの認知発達(システマティックレビュー)
妊娠中や生後2年までの大気汚染への曝露が、5歳までの子どもの認知発達と関係するかを、49件の研究をまとめて調べた研究です。微小粒子状物質(PM2.5)と鉛では、7割以上の研究で認知のスコアの低さとの関連がみられ、最も一貫した証拠でした。PM10や二酸化窒素では中くらい、オゾンなどでは限られた証拠でした。