ランダム化比較試験

粉ミルクの鉄の量(2 vs 8 mg/L)と、1歳時点の発達・鉄の状態

Infant formula iron fortification of 2 vs. 8 mg/L does not increase the risk of iron deficiency or impact neurodevelopment at 12 months.

どんな研究?

01 — Summary

鉄が少なめ(2 mg/L)の粉ミルクと、標準的な量(8 mg/L)の粉ミルクで、赤ちゃんの育ちに違いが出るかを調べたスウェーデンの試験です。健康な満期産の赤ちゃん180人を生後6週から6か月までどちらかのミルクに割り当て、1歳で発達検査と鉄の状態を比べました。発達検査の結果に差はなく、鉄不足の割合も両群で低く差はありませんでした。鉄不足になりにくい集団では、少なめの鉄でも足りていたと報告しています。

要点

02 — Key points
  • 01健康な満期産児180人を対象としたランダム化比較試験(スウェーデン)
  • 02鉄少なめ(2 mg/L)と標準(8 mg/L)の粉ミルクを比較
  • 031歳時点の発達検査(BSID-III)に差はなかった
  • 04鉄不足の割合も両群で低く、差はみられなかった
読むときの注意 / Limitations

もともと鉄が不足しにくい健康な集団での結果のため、鉄不足のリスクが高い赤ちゃんにそのまま当てはめることはできません。観察期間は1歳までで、その後の長期的な影響は分かりません。対象人数も多くありません。

この研究の確からしさ

03 — Evidence
ランダム化比較試験参加者を無作為に分けて比較する、信頼性の高い試験。

書誌情報

04 — Reference
研究デザイン
ランダム化比較試験
エビデンス強度
ランダム化比較試験
掲載誌
Journal of Pediatric Gastroenterology and Nutrition
発表年
2026
DOI
10.1002/jpn3.70301
出典
Europe PMC

この研究が関わる疑問

05 — Questions

関連する研究

06 — Related
2025 · システマティックレビュー(コホート研究のまとめ)メタアナリシス

幼少期の鉄不足とその後の発達への長期的な影響(システマティックレビュー)

幼いころに鉄が足りなかった子どもが、その後どう育つかを調べた17件のコホート研究をまとめたレビューです。鉄が不足していた子どもは、不足していなかった子どもに比べて、考える力(認知)・体の動き(運動)・ことば・行動の面で成績が低い傾向が複数の研究で報告されました。著者らは、生まれてから約2歳までの「最初の1000日」に鉄不足を防ぐことが大切だとまとめています。

2026 · アンブレラレビュー(介入研究のレビューのまとめ)メタアナリシス

鉄のサプリメントは子どもの認知発達に効果がある?(レビューをまとめたレビュー)

鉄のサプリメントが子どもの考える力(認知)にどう関わるかを調べた、過去のシステマティックレビュー17件をさらにまとめて評価した研究です。鉄が不足している(貧血の)子どもでは、知能・記憶・注意の面でわずかな改善がみられる可能性が示されました。一方、もともと鉄が不足していない子どもにサプリメントを与えても、はっきりした効果は確認されませんでした。

2021 · 前向きコホート研究(きょうだいペア解析)コホート研究

母乳育児と赤ちゃんの発達(きょうだい比較を使った日本のエコチル調査)

日本の大規模調査「エコチル調査」の子ども約7万7千人を対象に、母乳育児と1歳までの発達の関係を調べた研究です。生後12か月まで母乳を続けた子どもは、1歳時点で発達の遅れがみられる割合がやや低い傾向がありました。家庭環境などの影響を減らすため、同じ家庭の「きょうだい同士」を比べる方法でも、同じ向きの関連が残りました。