母乳を与えた期間と、若者の認知の成績
Breastfeeding Duration and Cognitive Performance Among Youths.
どんな研究?
01 — Summary中国の若者を対象に、赤ちゃんのころに母乳を与えられた期間と、その後の認知(考える力)の成績との関係を調べた横断研究です。社会経済的な背景(家庭の収入や親の学歴など)を考慮すると、母乳を与えられた期間が長い人ほど、認知の成績がよい傾向が見られました。
要点
02 — Key points- 01中国の若者を対象にした横断研究
- 02社会経済的背景を調整すると、母乳期間が長いほど認知の成績が良好
- 03調整前は関連が見えにくかった点に注意
- 04母乳と認知の関わりを示す一つの結果
ある一時点で調べた横断研究で、因果関係は示せません。母乳の期間は後からの思い出しによる可能性があり、家庭の背景など多くの要因が関わります。母乳・ミルクの選択は家庭の事情によるものです。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- JAMA Network Open
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1001/jamanetworkopen.2026.8725
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related栄養を超えて:母乳育児の期間と、5歳時点の発達との長期的な関連を調べた研究
ブルガリアで生まれた満期産の赤ちゃん92人を5歳まで追いかけた前向き観察研究です。授乳の期間や方法を保護者の回答で集め、5歳のときに発達を評価しました。母乳を6〜12か月続けたグループは、6か月未満のグループより行動面の発達が良い傾向が見られ、言葉の発達でもいくらか差がありました。ただしこの差は統計の方法によっては一貫して確認されず、慎重に解釈する必要があると著者も述べています。
母乳育児の期間や母乳だけで育てることと、幼児期の認知能力との関連を調べた研究
カナダの2210家族の子どもを4歳から7歳まで追いかけ、記憶の範囲や算数の力を標準的な課題で測った観察研究です。家庭の背景による偏りを統計的に調整したうえで、母乳だけで育てた子どもとミルクで育てた子どもを比べました。算数の力や記憶の範囲に、はっきりした差は見られませんでした。一方で、母乳を混合で平均6.8か月続けた子どもは、母乳を一度も飲まなかった子どもより記憶の範囲がわずかに高く、その差は7歳まで続きました。
母乳を6か月以上もらった子と、まったくもらわなかった子の、神経・認知の発達のちがい
イギリスの大規模な長期研究(ALSPAC)のデータで、母乳を6か月以上もらった子と、まったくもらわなかった子について、乳児期から思春期までの神経・認知の発達(373項目)を比べました。社会的・経済的な背景などを調整しても、母乳を6か月以上もらった子で、いくつかの神経・認知の指標が良好でした。