資源の限られた地域における乳幼児期の父親の関わりを測る尺度の開発と検証
Development and validation of a measure for father involvement during early childhood in a resource-limited context.
どんな研究?
01 — Summaryケニア西部の農村で、父親が乳幼児にどれくらい関わっているかを測るものさし(尺度)を作り、その妥当性を調べた研究です。父親の関わりは「世話」「遊びと愛情」「家事」「学びの手伝い」という4つの面に分けられました。これら4つすべての面で父親がよく関わっている子どもほど、認知・言葉・運動・社会情動の発達の得点が高いという関連が見られました。
要点
02 — Key points- 01ケニア西部農村の、生後18か月未満の子をもつ460人の主な養育者(91%が母親)が回答
- 02父親の関わりは「世話」「遊びと愛情」「家事」「学びの手伝い」の4つの面に分かれた
- 034つの面すべてで父親の関わりが多いほど、子どもの認知・言葉・運動・社会情動の発達得点が高かった
- 04父親の関わりは一面的でなく多面的なものとして捉える必要があると示した
尺度の開発・検証を主目的とした横断的な研究で、ある一時点での関連を見たものです。父親の関わりが発達をよくしたという因果関係は示せません。多くを母親の回答にもとづいており、対象もケニアの農村に限られるため、日本など他の地域にそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断研究(尺度開発・妥当性検証)
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- BMC Public Health
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1186/s12889-024-20344-9
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related親の応答的な関わり(敏感さ)と子どもの発達の関係を、過去のレビューをまとめて検証(アンブレラレビュー)
親が子どものサインに気づき、正しく読み取って、すばやくほどよく応えること(敏感な関わり)と、子どもの発達との関係を調べた研究です。過去に行われた17件のメタアナリシス(多くの研究をまとめた解析)をさらにまとめ直しました。その結果、親の敏感な関わりは、子どもの認知や言葉の力、愛着の安定とゆるやかに関連し、情緒や行動の問題とは弱く関連していました。研究者らは、応答的な関わりが幼児期の発達を支える大切な要素になりうると述べています。
家庭でのリハビリへの父親・きょうだいの参加と、赤ちゃんの発達(ジンバブエ)
ジンバブエの公的クリニックで、発達に遅れのある3〜6か月の赤ちゃん481人を3か月追跡した研究です。家庭でのリハビリに母親だけでなく父親(やきょうだい)も参加したグループでは、赤ちゃんの認知の発達の得点が、母親だけのグループより高い傾向がみられました。言葉・運動・社会情動などの面でも同じ方向の変化はありましたが、はっきりした差は出ませんでした。
子どもと一緒にいるときの母親のスマホ・タブレット利用と、2歳児の発達(日本のエコチル調査)
日本の「エコチル調査」の母子約3800組を対象に、子どもと一緒にいるときに母親がスマホ・タブレット・パソコンを使う時間と、2歳児の発達との関係を調べた研究です。子どもといるあいだに母親が1時間以上デジタル機器を使う場合、子どもの「言葉・社会性」の発達がやや低めでした。2時間以上では、発達の総合的な指標も低めでした。いわゆる「ながらスマホ」と子どもの発達の関連を示しています。