新生児集中治療室(NICU)での読み聞かせと、言葉・読み書きの発達(スコーピングレビュー)
Promoting language and literacy through shared book reading in the NICU: A scoping review.
どんな研究?
01 — Summary早産などでNICU(新生児集中治療室)に入院している赤ちゃんは、言葉や読み書きの発達がゆっくりになりやすいことが知られています。この研究は、NICUでの読み聞かせに関する論文を集めて整理したものです。該当する研究は8件と少なかったものの、入院中の赤ちゃんと保護者の双方にとって、読み聞かせがよい関わりになる可能性が示されました。
要点
02 — Key points- 01NICUに入院中の赤ちゃんの読み聞かせに関する研究を集めて整理した
- 02条件に合う研究は8件と少なかった
- 03入院中の読み聞かせが赤ちゃんと保護者の双方によい関わりになりうる
- 04読み聞かせを通常のケアに取り入れることが提案されている
研究を網羅的に集めて全体像を描く「スコーピングレビュー」で、効果の大きさを厳密に検証したものではありません。対象の研究は8件と少なく、方法もさまざまでした。NICUに入院した赤ちゃんが対象のため、一般的な家庭の状況にそのまま当てはめることはできません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- スコーピングレビュー
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- PLoS One
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1371/journal.pone.0318690
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related生まれてからの最初の1000日における、読み聞かせの効果(システマティックレビューとメタアナリシス)
妊娠から2歳ごろまでの「最初の1000日」に、保護者と赤ちゃんが集まって絵本を読む取り組みが、子どもの発達によいかを調べた8件の介入研究をまとめた研究です。話を理解する力(言葉の理解)がよくなる傾向がみられましたが、研究の数が少なく結果のばらつきも大きいため、はっきりした結論には至っていません。親子の関係や保護者の関わり方がよくなる可能性も報告されています。
家庭の読書環境と、ダウン症の子どもの言葉の力との関連(追跡調査)
家庭で本に親しむ環境が、ダウン症の子どもの言葉の力とどう関わるかを、約9か月の間をあけて2回調べた研究です。読み聞かせの最中に子どもが本へ熱心に関わっている(ページをめくる、絵を指さすなど)ほど、その時点での言葉を使う力(語彙)が高い傾向がみられました。一方で、家庭にある本の多さなど環境の豊かさそのものは、はっきりした関連を示しませんでした。
親の応答的な関わり(敏感さ)と子どもの発達の関係を、過去のレビューをまとめて検証(アンブレラレビュー)
親が子どものサインに気づき、正しく読み取って、すばやくほどよく応えること(敏感な関わり)と、子どもの発達との関係を調べた研究です。過去に行われた17件のメタアナリシス(多くの研究をまとめた解析)をさらにまとめ直しました。その結果、親の敏感な関わりは、子どもの認知や言葉の力、愛着の安定とゆるやかに関連し、情緒や行動の問題とは弱く関連していました。研究者らは、応答的な関わりが幼児期の発達を支える大切な要素になりうると述べています。