妊娠中のお母さんのヨウ素の摂取と、子どもの神経発達(エコチル調査)
Maternal Iodine Intake and Neurodevelopment of Offspring: The Japan Environment and Children's Study.
どんな研究?
01 — Summary日本の「エコチル調査」のデータで、妊娠中のお母さんのヨウ素(海藻などに多く、甲状腺ホルモンに必要なミネラル)の摂取量と、子どもの神経発達との関係を調べました。ヨウ素の摂取が少ないお母さんの子どもでは、手先の細かい動きや問題解決などの発達が遅れるリスクがやや高い傾向が見られました。妊娠中の適切なヨウ素の摂取が、子どもの発達に関わる可能性があります。
要点
02 — Key points- 01エコチル調査のデータを用いた研究
- 02妊娠中のヨウ素が少ないと、子の神経発達に影響する可能性
- 03手先の動き・問題解決などの領域で関連
- 04ヨウ素は甲状腺ホルモンに必要なミネラル
観察研究のため、ヨウ素不足が直接発達を遅らせると断定はできません。日本は海藻などからヨウ素を摂りやすく不足は少ない一方、摂り過ぎも甲状腺に良くありません。摂取量は質問票による推定です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 出生コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Nutrients
- 発表年
- 2022
- DOI
- 10.3390/nu14091826
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中に必要なヨウ素量についての考え方の見直し(総説)
妊娠中に必要なヨウ素の量について、最近の知見を整理した総説です。ヨウ素は胎児の脳・神経の発達に欠かせず、妊娠中は必要量が増えます。ただしヨウ素は不足だけでなく摂り過ぎも甲状腺の働きや胎児の発達によくなく、ちょうどよい範囲がせまいことが指摘されています。
妊娠中の母親のヨウ素の状態と、子どもの神経発達(前向きコホートの用量反応メタアナリシス)
妊娠中の母親のヨウ素の足り具合が、子どもの神経発達と関係するかを、8つのコホート研究をまとめて調べた研究です。ヨウ素が不足ぎみだと、子どもの発達(とくに認知の面)がわずかに低い傾向がみられました。一方で、多ければ多いほどよいわけではなく、適量(おおよそ食事から150〜300µg/日くらい)が望ましいと示唆されています。
妊娠中の水銀への曝露と、子どもの発達(日本のエコチル調査)
魚などに含まれる水銀(メチル水銀)への妊娠中の曝露が、子どもの発達と関係するかを、日本のエコチル調査でへその緒の血液中の水銀を測って調べた研究(約3千〜3800人)です。へその緒の血中水銀と、2歳・4歳の発達の指標との間に、はっきりした関連はみられませんでした。濃度が高いほど発達が悪いという傾向もありませんでした。