帝王切開での出産とADHDの関連(システマティックレビュー・メタアナリシス)
The relationship between mode of delivery and Attention Deficit Hyperactivity Disorder: a meta-analysis and systematic review.
どんな研究?
01 — Summary帝王切開で生まれた子と、自然分娩で生まれた子で、ADHD(注意欠如・多動症)のなりやすさに違いがあるかを、観察研究をまとめて調べた研究です。14件の研究を統合した結果、帝王切開での出産はADHDのリスクがわずかに高めであることと関連していました。予定帝王切開でも緊急帝王切開でも傾向は同じでした。ただしこれは関連であり、帝王切開が原因と示すものではありません。
要点
02 — Key points- 0110か国の14件の観察研究(コホート・症例対照)をまとめたメタアナリシス
- 02帝王切開での出産はADHDのリスクがわずかに高めと関連
- 03予定・緊急のどちらの帝王切開でも傾向は同様
- 04あくまで関連であり、原因と結果の証明ではない
もとになった研究は観察研究のみで、関連があっても因果関係を示すものではありません。帝王切開を選んだ背景(妊娠の合併症など)が結果に影響している可能性があり、研究間のばらつきや出版バイアスの懸念も指摘されています。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- メタアナリシス(観察研究)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- PeerJ
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.7717/peerj.20603
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related出生時の低酸素のサイン(アプガースコアとへその緒の血液pH)とADHDの関連
デンマークの約82万人の赤ちゃんを対象に、生まれたときの低酸素のサインがその後のADHDと関連するかを調べた大規模な追跡研究です。生まれた直後の状態を示すアプガースコアが低く、かつへその緒の血液の酸性度(pH)も低い、という両方がそろった場合にだけ、ADHDのなりやすさがやや高い傾向が見られました。どちらか一方が正常なら、関連は見られませんでした。
妊娠中に感じるストレスと、子どものADHDの関連(ECHOコホート研究)
米国の母子約6千組を対象に、妊娠中に母親が強いストレスを感じていたことと、子どものADHD(注意欠如・多動症)の関連を調べた追跡研究です。妊娠中の強いストレスは、子どものADHDの診断や、それに関連する行動の多さと関連していました。ただし観察研究であり、ストレスが直接の原因と示すものではありません。
母親の糖尿病と子どものADHDの関連(最近の研究の総説)
妊娠前からの糖尿病や妊娠中に起こる妊娠糖尿病が、子どものADHD(注意欠如・多動症)とどう関連するかを整理した総説です。複数の研究をまとめると、母親の糖尿病は子どものADHDのリスクをおよそ3割ほど高めることと関連し、妊娠前からの糖尿病や血糖管理がうまくいっていない場合により強い関連が見られました。ただし、ほとんどが観察研究で原因とは断定できません。