ビスフェノールA・フタル酸への曝露と子どもの神経発達(最近の研究の総説)
A Review of Recent Studies on Bisphenol A and Phthalate Exposures and Child Neurodevelopment.
どんな研究?
01 — SummaryビスフェノールA(BPA)やフタル酸エステル類(プラスチックや製品に含まれることがある化学物質)への出生前後の曝露と、子どもの神経発達との関係について、最近の研究をまとめた総説です。明確な悪影響を示す証拠はまだ限られているものの、念のため(予防的に)、妊婦や幼い子どもをこれらの曝露から守ることが望ましいとされています。
要点
02 — Key points- 01BPA・フタル酸と子どもの神経発達についての最近の研究の総説
- 02明確な悪影響の証拠はまだ限られている
- 03予防的に曝露を避けることが望ましいとされる
- 04身の回りの製品に含まれることがある化学物質
総説であり、効果の大きさを統合したものではありません。証拠は限られ、結論は今後変わりうります。過度に心配せず、できる範囲で曝露を減らす姿勢が現実的です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 総説(レビュー)
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- International Journal of Environmental Research and Public Health
- 発表年
- 2021
- DOI
- 10.3390/ijerph18073585
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related妊娠中のフタル酸エステル類への曝露と、幼児期の発達の遅れ
プラスチックの柔軟剤や化粧品などに含まれることがあるフタル酸エステル類(およびその代替物質)への妊娠中の曝露と、幼児期の発達との関係を調べた研究です。妊娠中のフタル酸類への曝露は、複数の発達の領域での遅れと関連していました。関連には、子どもの性別や年齢による差も見られました。
母親の環境化学物質への曝露と子どもの健康リスク:栄養状態が和らげる役割(スコーピングレビュー)
母親の栄養状態が、大気汚染や有害金属などの環境要因による子どもの健康リスクを和らげるかを、60件の研究から地図づくり的に整理したレビューです。最もよく調べられていた栄養素は葉酸で、葉酸が大気汚染・有害金属・喫煙による神経発達などへの影響を和らげる可能性が示されました。ただし研究の多くは観察研究で、結論を出すための統合はしていません。
神経発達の問題をもつ子どもの環境曝露と脳画像(スコーピングレビュー)
大気汚染・金属・受動喫煙・環境ホルモンなどへの曝露が、自閉スペクトラム症やADHDをもつ子どもの脳にどう関わるかを、脳画像(MRI)研究14件から整理したスコーピングレビューです。たばこの煙への曝露は、小脳や前頭部の体積の減少や、神経のつながりの乱れと関連していました。