子どもの近くを見る作業の時間と近視:最新のシステマティックレビューとメタアナリシス
Near-work activity duration and myopia in children: An updated systematic review and meta-analysis.
どんな研究?
01 — Summary読書や勉強など「近くを見る作業」の時間と子どもの近視との関係を調べた観察研究を集めて、まとめて分析したものです。33件の研究を統合した結果、近くを見る作業が多いほど近視になりやすい傾向が見られました。関連は地域を問わず一貫しており、特にアジアの子どもで強めでした。
要点
02 — Key points- 01近くを見る作業と近視の関係を調べた33件の観察研究を統合したレビュー。
- 02近くを見る作業の時間が長いほど、近視のリスクが高い傾向が見られた。
- 03この関連は地域を問わず見られ、アジアの子どもでより強かった。
- 04子どものうちは近くを長時間見続けないことが、近視対策として大切な可能性を示す。
まとめられたのは観察研究で、近くを見る作業と近視の「関連」を示すにとどまり、因果関係は証明できません。研究間のばらつきが大きく、近くを見る作業の時間は申告によることが多いため、正確さに限りがあります。出版バイアス(よい結果が報告されやすい偏り)も完全には否定できません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Biomedical Reports
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.3892/br.2026.2131
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related読み書きやスクリーン時間と9歳時点の近視との長期的な関連:GUSTO出生コホートの子どもたち
シンガポールで生まれた子どもを追跡した出生コホート研究で、2歳・3歳・6歳・9歳のときの紙の読み書きの時間や画面(スクリーン)を見る時間と、9歳での近視との関係を調べました。471人のうち9歳で37%が近視でした。6歳・9歳のときに紙の読み書きの時間が長い子どもほど近視が多い傾向があり、特に9歳で1日3時間を超えると近視の割合が高めでした。一方、画面を見る時間は近視とのはっきりした関連は見られませんでした。
低濃度アトロピン点眼(0.01〜0.05%)が子どもの近視の進行を抑えるかを調べたシステマティックレビュー・メタアナリシス
4〜18歳の近視の子どもを対象にした無作為化比較試験13件(合計2529人)をまとめて分析した研究です。低濃度のアトロピン点眼(0.01〜0.05%)は、有効成分なしの点眼と比べて、目の奥行き(眼軸長)が伸びる量や近視の度合いの進みをわずかに抑えました。比較的安全に使えるとされましたが、研究ごとのばらつきは大きいものでした。
子どもの近視抑制について、アトロピン・オルソケラトロジー・低出力赤色光照射の効果を比べたシステマティックレビュー・ネットワークメタアナリシス
子どもの近視の進行を抑える方法として、0.01%アトロピン点眼、オルソケラトロジー(夜つける特殊なコンタクトレンズ)、低出力の赤色光照射、これらの組み合わせを、無作為化比較試験41件(合計6434眼)をまとめて比べた研究です。いずれの方法も、何もしない場合に比べて近視の進行を抑える効果がありました。目の奥行きの伸びを抑える点では赤色光照射が最も効果的という結果でしたが、安全性の確認はさらに必要です。