子どもの近視抑制について、アトロピン・オルソケラトロジー・低出力赤色光照射の効果を比べたシステマティックレビュー・ネットワークメタアナリシス
Efficacy comparison of atropine, orthokeratology and repeated low-level red-light therapy for myopia control in children: a systematic review and network meta-analysis.
どんな研究?
01 — Summary子どもの近視の進行を抑える方法として、0.01%アトロピン点眼、オルソケラトロジー(夜つける特殊なコンタクトレンズ)、低出力の赤色光照射、これらの組み合わせを、無作為化比較試験41件(合計6434眼)をまとめて比べた研究です。いずれの方法も、何もしない場合に比べて近視の進行を抑える効果がありました。目の奥行きの伸びを抑える点では赤色光照射が最も効果的という結果でしたが、安全性の確認はさらに必要です。
要点
02 — Key points- 01無作為化比較試験41件を統合し、複数の治療法を間接的に比べたネットワークメタアナリシス。
- 02アトロピン点眼、オルソケラトロジー、赤色光照射のいずれも近視の進行を抑えた。
- 03目の奥行きの伸びを抑える効果は赤色光照射が最も大きいとされた。
- 040.01%アトロピンとオルソケラトロジーの併用も効果が示された。
- 051年間の比較であり、長期の効果や安全性はこの結果だけでは分からない。
比較の多くは1年間と短く、長期の効果や戻り(リバウンド)、安全性ははっきりしません。赤色光照射は新しい方法で、目への長期的な安全性の確認が十分とはいえません。研究の多くがアジアで行われており、いずれも医療行為のため眼科医の管理が必要です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・ネットワークメタアナリシス(無作為化比較試験のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- British Journal of Ophthalmology
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1136/bjo-2025-327366
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related0.01%アトロピンとオルソケラトロジーの併用が子どもの近視抑制に役立つかを調べた2年間の無作為化試験
8〜12歳の近視の子ども96人を、オルソケラトロジー(夜つける特殊なコンタクトレンズ)だけのグループと、それに0.01%アトロピン点眼を加えたグループにくじ引きで分け、2年間調べた試験です。点眼を加えたグループの方が、目の奥行き(眼軸長)の伸びがゆるやかでした。レンズだけの場合に併用すると、近視の進行をさらに抑える効果が期待できることが示されました。
低濃度アトロピン点眼(0.01〜0.05%)が子どもの近視の進行を抑えるかを調べたシステマティックレビュー・メタアナリシス
4〜18歳の近視の子どもを対象にした無作為化比較試験13件(合計2529人)をまとめて分析した研究です。低濃度のアトロピン点眼(0.01〜0.05%)は、有効成分なしの点眼と比べて、目の奥行き(眼軸長)が伸びる量や近視の度合いの進みをわずかに抑えました。比較的安全に使えるとされましたが、研究ごとのばらつきは大きいものでした。
子どもの近視進行を抑える低濃度アトロピン点眼(0.01%・0.03%)の効果を調べた無作為化試験(STAR試験)の24カ月成績
ヨーロッパとアメリカで、3〜14歳の近視の子ども847人を、有効成分なしの点眼・アトロピン0.01%・0.03%の3群にくじ引きで分けて2年間調べた試験です。どちらの濃度のアトロピンも、近視が進む速さを有効成分なしの点眼よりわずかに遅らせました。とくに、もともと進行が速かった子どもで効果が大きい傾向でした。副作用ではまぶしさが多めでしたが、おおむね問題なく続けられました。