家族歴のない自閉症の遺伝子解析が示した、新たな変異のつながり
Sporadic autism exomes reveal a highly interconnected protein network of de novo mutations.
どんな研究?
01 — Summary家族に自閉スペクトラム症の人がいない(孤発例の)家族で、親子の遺伝子の中身を調べた研究です。親には無く子に新しく生じた変異を解析しました。こうした変異は父親由来のものが多く、父親の年齢が高いほど増える傾向が見られ、年齢の高い父親の子で自閉症がやや多いという報告と整合しました。
要点
02 — Key points- 01家族歴のない(孤発の)自閉症の親子で、子に新たに生じた変異を解析。
- 02新たな変異は父親由来が多く(約4:1)、父親の年齢が高いほど増える傾向。
- 03高齢の父親の子で自閉症がやや多いという報告と整合する。
- 04重い影響をもつ変異の多くが、関連しあう特定の遺伝子ネットワークに集まっていた。
遺伝子の変化や父親の年齢と自閉症の関連を示すもので、関連であって因果の断定や個人の予測ではありません。高齢の父親でも多くの子に自閉症はなく、関わる要因の一つにすぎません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 家族をもとにしたエクソーム(遺伝子)解析
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Nature
- 発表年
- 2012
- DOI
- 10.1038/nature10989
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related新たに生じた遺伝子変異は、自閉スペクトラム症にどれくらい関わるか
自閉スペクトラム症のある子と、その症状のないきょうだいを比べ、親には無く子に新しく生じた遺伝子変異(新生突然変異)が自閉症にどれだけ関わるかを調べた研究です。2,500家族以上の遺伝子の中身を解析しました。新しく生じた変異、とくに遺伝子のはたらきを大きく壊すタイプの変異が、一部の診断に関わると見積もられました。
自閉スペクトラム症に関わるありふれた遺伝的変異の特定
自閉スペクトラム症(ASD)の人と、そうでない人あわせて4万6千人あまりのゲノムを大規模に比べた解析です。ASDと関わるありふれた遺伝的変異の場所がいくつか見つかり、これらは統合失調症やうつ、学歴などにも関わる領域と一部重なっていました。生まれもった遺伝の要素がASDのなりやすさに大きく関わることを、改めて示した内容です。
自閉スペクトラム症に関係する、妊娠・出産・出生後の要因(メタアナリシス)
自閉スペクトラム症(ASD)に関係する、妊娠中・出産時・出生後の要因を、17件の研究(自閉症の子ども約3万8千人を含む大規模データ)からまとめたメタアナリシスです。両親の高年齢、妊娠高血圧・妊娠糖尿病、早産(在胎36週以下)、低出生体重、出産時のトラブルなどが、自閉症とゆるやかに関連していました。これらは「関連する要因」であり、原因と確定したものではありません。