新たに生じた遺伝子変異は、自閉スペクトラム症にどれくらい関わるか
The contribution of de novo coding mutations to autism spectrum disorder.
どんな研究?
01 — Summary自閉スペクトラム症のある子と、その症状のないきょうだいを比べ、親には無く子に新しく生じた遺伝子変異(新生突然変異)が自閉症にどれだけ関わるかを調べた研究です。2,500家族以上の遺伝子の中身を解析しました。新しく生じた変異、とくに遺伝子のはたらきを大きく壊すタイプの変異が、一部の診断に関わると見積もられました。
要点
02 — Key points- 012,500家族以上で、自閉症のある子と症状のないきょうだいの遺伝子を比較。
- 02親に無く子に新しく生じた変異(新生突然変異)が、一部の診断に関わると推定。
- 03遺伝子のはたらきを大きく壊すタイプの変異がとくに関与しやすい。
- 04生まれもった/新たに生じた遺伝的要因の関わりを裏づける。
遺伝子の変化と自閉症の関連を示すもので、関連であって一人ひとりの原因の確定や予測ではありません。新生突然変異は関わる要因の一部にすぎず、これだけで自閉症が決まるわけではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 家族をもとにしたエクソーム(遺伝子)解析
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- Nature
- 発表年
- 2014
- DOI
- 10.1038/nature13908
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related自閉症で壊れている、神経のつなぎ目・遺伝子の読み取り・染色体に関わる遺伝子
自閉スペクトラム症のある約3,900人と、同じ集団の対照や親を比べ、遺伝子の中身(エクソーム)を網羅的に調べた研究です。まれに起こる遺伝子の変化を解析し、自閉症に関わると考えられる遺伝子を多数特定しました。見つかった遺伝子の多くは、神経どうしのつなぎ目(シナプス)づくりや、遺伝子の読み取りの調整にはたらくものでした。
家族歴のない自閉症の遺伝子解析が示した、新たな変異のつながり
家族に自閉スペクトラム症の人がいない(孤発例の)家族で、親子の遺伝子の中身を調べた研究です。親には無く子に新しく生じた変異を解析しました。こうした変異は父親由来のものが多く、父親の年齢が高いほど増える傾向が見られ、年齢の高い父親の子で自閉症がやや多いという報告と整合しました。
自閉スペクトラム症に関わるありふれた遺伝的変異の特定
自閉スペクトラム症(ASD)の人と、そうでない人あわせて4万6千人あまりのゲノムを大規模に比べた解析です。ASDと関わるありふれた遺伝的変異の場所がいくつか見つかり、これらは統合失調症やうつ、学歴などにも関わる領域と一部重なっていました。生まれもった遺伝の要素がASDのなりやすさに大きく関わることを、改めて示した内容です。