子どもの情緒・行動の問題に関わる、出生前のリスク因子(総説)
Prenatal risk factors for internalizing and externalizing problems in childhood.
どんな研究?
01 — Summary子どもの「内在化の問題」(不安・抑うつなど)や「外在化の問題」(多動・かんしゃくなど)に関わる、生まれる前(妊娠中)のリスク因子について、これまでの研究を整理した総説です。お母さんの肥満、たばこ・アルコールなどの使用、環境中の有害物質への曝露、感染や炎症、心理社会的なストレスなどが、リスク因子として広く調べられてきたことが紹介されています。
要点
02 — Key points- 01子どもの情緒・行動の問題の出生前リスク因子を整理した総説
- 02母の肥満・物質使用・有害物質・感染/炎症・心理社会的ストレスなど
- 03複数の要因が組み合わさって関わると考えられる
- 04妊娠中の健康・環境の大切さを示す
研究を概観した総説で、効果の大きさを数値で統合したものではありません。挙げられた要因は関連であって、必ず問題が起きるわけではありません。多くは観察研究にもとづき、因果は確定できません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 総説(ナラティブレビュー)
- エビデンス強度
- 総説・その他
- 掲載誌
- World Journal of Pediatrics
- 発表年
- 2019
- DOI
- 10.1007/s12519-019-00319-2
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母親の環境化学物質への曝露と子どもの健康リスク:栄養状態が和らげる役割(スコーピングレビュー)
母親の栄養状態が、大気汚染や有害金属などの環境要因による子どもの健康リスクを和らげるかを、60件の研究から地図づくり的に整理したレビューです。最もよく調べられていた栄養素は葉酸で、葉酸が大気汚染・有害金属・喫煙による神経発達などへの影響を和らげる可能性が示されました。ただし研究の多くは観察研究で、結論を出すための統合はしていません。
妊娠中のコリンと子どもの神経発達:ランダム化比較試験と観察研究のシステマティックレビュー
妊娠中のコリン摂取が子どもの脳や発達によいかを、人を対象にした研究をまとめて調べたレビューです。コリンを補う4件のランダム化比較試験と5件の観察研究を集めて検討しました。結果は研究によってばらつきがあり、効果が見られた項目もありましたが、多くの項目では差がありませんでした。著者らは、現時点では妊娠中のコリンが子どもの発達をよくするとも、よくしないとも言い切れないと結論づけています。
親の物質使用(飲酒・喫煙など)と、子どものADHD(システマティックレビュー・メタアナリシス)
親の物質使用(妊娠中・産後の飲酒、たばこ、その他)と、子どものADHDとの関係を、86件の研究からまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスです。特に妊娠中のアルコールやたばこへの曝露、親の物質使用障害は、子どものADHDと一貫して関連していました。