妊娠中のビスフェノールA・フタル酸への曝露と、就学前の子どもの行動(北海道スタディ)
Prenatal exposure to bisphenol A and phthalates and behavioral problems in children at preschool age: the Hokkaido Study on Environment and Children’s Health
どんな研究?
01 — Summary妊娠中のビスフェノールA(BPA)やフタル酸(プラスチックの可塑剤)への曝露と、5歳時点の子どもの行動の問題との関係を、日本の北海道スタディの458組で調べた研究です。フタル酸の一種(MECPP)の濃度が高いと、行動上の「素行の問題」のリスクが高い傾向がありました。一方、BPAについては行動の問題との関連はみられませんでした。
要点
02 — Key points- 01日本の北海道スタディ・458組を分析した研究
- 02フタル酸の一種が高いと、5歳での素行の問題のリスクが高め
- 03BPAは行動の問題と関連しなかった
- 04プラスチックの可塑剤への曝露に着目
観察研究で人数も多くなく、妊娠初期1回の血中濃度にもとづくため、評価には限界があります。行動は質問票で評価されています。日常生活で曝露を完全に避けることは難しく、過度に心配せず、容器の過度な加熱を避けるなど一般的な配慮を参考にしてください。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Environmental Health and Preventive Medicine
- 発表年
- 2018
- DOI
- 10.1186/s12199-018-0732-1
- 出典
- OpenAlex
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related発達期の環境ホルモン・残留性汚染物質への曝露と、依存リスクの高まりに関わるしくみ(総説)
妊娠中や出生後早期のビスフェノール・フタル酸・PCBなどの環境ホルモンや残留性汚染物質への曝露が、子どもの脳や行動に与える影響を、動物実験と人の研究をもとにまとめた総説です。これらの曝露は、注意力の低下・衝動性・不安などの行動の変化と関連すると整理されています。人での長期的な追跡データはまだ限られています。
妊娠中のビスフェノール・フタル酸への曝露と、出生体重と胎盤重量の比との関連(NYU CHES研究)
米国の母子393組のコホートで、妊娠中のビスフェノールやフタル酸への曝露と、赤ちゃんの出生体重・胎盤の重さとの関連を調べました。これらの物質が高いほど胎盤の重さが小さくなる傾向がみられ、とくに女児で出生体重と胎盤重量の比が変化していました。出生体重そのものとの明確な関連はみられませんでした。
環境ホルモンが甲状腺の働きに与える影響と、胎児期の曝露の意味(総説)
ビスフェノール・PCB・PFASなどの環境ホルモンが、妊娠中の甲状腺ホルモンの働きを乱す可能性について、しくみを中心にまとめた総説です。甲状腺ホルモンは胎児の成長や脳の発達に重要で、その乱れが発達や行動の問題と関わる可能性が指摘されています。物質ごとに作用のしかたは異なります。