父親の関わりと、幼い子どもの感情のコントロール:システマティックレビュー
Father involvement and emotion regulation during early childhood: a systematic review.
どんな研究?
01 — Summary父親の関わりが、0〜5歳の子どもの「感情をうまくコントロールする力」とどう関係するかを、4つのデータベースから集めた10件の研究をまとめて整理したレビューです。父親の関わりと子どもの感情のコントロールに、はっきりした直接の関連はみられませんでした。ただし、関わりや感情を測る方法、父親や子どもの特徴によっては、父親がよく関わるほど子どもが感情をうまく扱える傾向がみられる場合がありました。
要点
02 — Key points- 010〜5歳の子どもを対象にした10件の研究をまとめたレビュー
- 02父親の関わりと感情のコントロールに、明確な直接の関連はみられなかった
- 03測り方や父親・子どもの特徴によっては、よい関連がみられる場合もあった
- 04研究ごとに測定方法がばらばらで、比較が難しいことが課題
もとになった研究は観察研究が中心で、関連がみられても因果(父親の関わりが原因で感情の力が育つ)とは言えません。集めた研究の数が少なく、関わりや感情の測り方も研究ごとに異なるため、結論は限定的です。母親や家族の影響と切り分けにくい点にも注意が必要です。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- BMC Psychology
- 発表年
- 2024
- DOI
- 10.1186/s40359-024-02182-x
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related父親の関わりと前向きな子育てが、子どもの心の健康に与える影響(ウガンダの家庭調査)
ウガンダで6〜17歳の子どもを育てる父親236人に聞き取りを行い、父親の関わりが子どもの心の状態とどう関わるかを調べた研究です。父親がよく関わっている家庭ほど、子どもの注意の問題、内に向かう悩み(不安や落ち込み)、外に出る問題行動(攻撃や反抗)が少ない傾向がみられました。父親の関わりは、結婚しているかどうかに関わらず、子どもの行動面の問題の少なさと関連していました。
二言語家庭では、親子が使う言語を自然とそろえている
二つの言語を使う家庭の親子のやりとりを、家庭での遊びの様子を録画して調べた研究です。カナダ(フランス語・英語)とアメリカ(スペイン語・英語)の18〜35か月の子ども39人を対象にしました。主に世話をする保護者と子どもは、会話の中で相手と同じ言語を選んでそろえる傾向が、偶然より高い割合で見られました。こうした言語のそろえ合いが、二言語の習得を支えている可能性が示されています。
生まれてからの最初の1000日における、読み聞かせの効果(システマティックレビューとメタアナリシス)
妊娠から2歳ごろまでの「最初の1000日」に、保護者と赤ちゃんが集まって絵本を読む取り組みが、子どもの発達によいかを調べた8件の介入研究をまとめた研究です。話を理解する力(言葉の理解)がよくなる傾向がみられましたが、研究の数が少なく結果のばらつきも大きいため、はっきりした結論には至っていません。親子の関係や保護者の関わり方がよくなる可能性も報告されています。