生まれ月と、赤ちゃんの粗大運動の発達(エコチル調査)
Birth month and infant gross motor development: Results from the Japan Environment and Children's Study (JECS).
どんな研究?
01 — Summary日本の「エコチル調査」の約7.2万人の赤ちゃんを対象に、生まれた月と、生後6か月・12か月の体の大きな動き(粗大運動)の発達との関係を調べました。生まれた月(季節)によって発達のペースに差が見られ、男の子の方が女の子よりも点数が高い傾向でした。著者らは、妊娠初期のビタミンD不足やインフルエンザなど季節的な要因が背景にあるのではと考えています。
要点
02 — Key points- 01エコチル調査の約7.2万人を対象にした大規模研究
- 02生まれた月(季節)によって運動発達のペースに差
- 03妊娠初期の季節要因(ビタミンD・感染など)の関与を推測
- 04発達のペースには個人差・季節差があることを示す
観察研究で、生まれ月が直接発達を決めるわけではなく、背景の要因は推測の段階です。差はあくまで平均的な傾向で、個々の子どもの発達の幅は広く、生まれ月だけで判断するものではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 出生コホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- PLoS One
- 発表年
- 2021
- DOI
- 10.1371/journal.pone.0251581
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related生まれてから一人歩きまでの「粗大運動」の発達に関わる要因(縦断研究のシステマティックレビュー)
健康な赤ちゃんが、寝返りやお座り、歩き始めといった体の大きな動き(粗大運動)をどう発達させるかに関わる要因を、長期間追いかけた36件の研究からまとめたレビューです。出生時の体重が重いほど運動の発達が進みやすいという関連が、最も確かな根拠とともに示されました。妊娠週数(早産かどうか)や、ふだんの寝かせ方(うつぶせの時間など)にも、中くらいの強さの関連が見られました。
妊娠中に母親のがん治療を受けた子の運動発達:オランダの全国コホート研究
妊娠中に母親ががん治療(抗がん剤など)を受けた子ども96人を対象に、1歳半ごろの運動発達を標準的な検査で調べた観察研究です。粗大運動(体を大きく動かす力)は平均すると基準よりやや低く、3人に1人で遅れがみられましたが、手先の細かい運動はおおむね基準どおりでした。抗がん剤などの治療を受けたこと自体と運動発達の遅れとの間に明確な関連はなく、手先の運動は妊娠週数の短さや家庭の負担と関連していました。
気質と運動発達のつながり:生後6か月〜3歳半の子どもを追った縦断研究
日本の大規模調査「子どもの健康と環境に関する全国調査(エコチル調査)」のデータを使い、生後6か月から3歳までの子どもについて、生まれもった気質(活発さや感情の出やすさなど)と運動の発達がどう関わるかを調べた研究です。気質と運動の発達は互いに関連しており、子ども自身の特徴が運動の伸び方の個人差に関わっている可能性が示されました。