家庭での子どものけが予防の工夫を分類する(日本の家庭の調査)
Classification of unintentional injury prevention practices for infants and young children at home: developmental process and associations with other variables in Japanese families.
どんな研究?
01 — Summary日本で、生後6か月〜6歳の子どもをもつ母親875人に、家庭でのけが予防の工夫をたずねた調査研究です。工夫の仕方は大きく3つに分かれ、(1)危ない物をあらかじめ遠ざける、(2)危ない場所・物に近づけないようにする、(3)ある程度ふれさせつつ見守って対応する、という形が、子どもの年齢が上がるにつれて移り変わる傾向がみられました。子どもの自立度や親の育児の姿勢とも関係していました。
要点
02 — Key points- 01日本の母親875人(子は生後6か月〜6歳)への調査
- 02けが予防の工夫は大きく3つのタイプに分類された
- 030歳では危険物を遠ざける、1〜2歳では近づけない、4〜6歳では見守って対応する形が多い
- 04年齢とともに守り方が変わっていく様子がみられた
- 05子どもの自立度や親の育児姿勢とも関連していた
ある一時点でのアンケート調査(観察研究)のため、関連であって因果ではありません。母親の自己申告に基づくため記憶や回答の偏りがありえます。けが予防の工夫の「分類」を示した研究で、どの工夫がけがを減らすかまでは検証していません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 横断調査
- エビデンス強度
- 観察研究
- 掲載誌
- BMC Psychology
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1186/s40359-025-02770-5
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Relatedアプリを使った未就学児のけが予防(中国農村部のクラスターRCT)
中国の農村部で、未就学児とその養育者3836組を対象に、けが予防の内容を含む教育アプリの効果をくじ引きで割り付けて調べた研究です。けが予防の教育を受けたグループでは、1年間のけがの発生がわずかに少なく、養育者の安全への意識・見守り行動・家庭環境の安全度も改善したと報告されています。安全教育の働きかけが、子どものけがを減らす方向に役立つ可能性を示しています。
地域での働きかけがチャイルドシートの使い方を改善するか(中国・上海)
中国・上海で、養育者501人を対象に、チャイルドシートの正しい使用を促す地域ぐるみの働きかけ(冊子・記事の配布とAIによる電話での声かけ)の効果を調べた比較研究です。チャイルドシートを持っている割合は両グループで差がありませんでしたが、働きかけを受けたグループでは毎回きちんと使う割合が高く、取り付けの向きの間違いも少なくなったと報告されています。
9都市のチャイルドシート使用率を比べる(観察研究)
中・低所得国を中心とした世界9都市で、車に乗る0〜12歳の子ども3万4千人余りを路上で観察し、チャイルドシートの使用状況を調べた研究です。使用率は5歳未満で約37%、5歳以上では約8%と低く、都市によって大きな差がありました。後部座席に座る・同乗者が少ない・運転手がシートベルトをしている場合に、使用率が高い傾向がみられました。