子どもと若者における緑地と近視の関係:システマティックレビューとメタアナリシス
The relationship between green space and myopia in children and adolescents: a systematic review and meta-analysis.
どんな研究?
01 — Summary子どもや若者の身のまわりにある緑地(公園や植物の多い環境)と近視の関係を調べた研究を集めて、まとめて分析したものです。6〜22歳の延べ約220万人を対象とした11件の研究を整理し、6件を統合して解析しました。多くの研究で、緑地が多い環境ほど近視になる人が少ない傾向が見られ、特に学校の敷地内や周囲500メートルほどの緑地が関連していました。
要点
02 — Key points- 01緑地と近視の関係を調べた観察研究を集めて統合したレビュー。
- 02緑地(植物の多さの指標)が多いほど、近視の割合が低い傾向が見られた。
- 03学校の敷地内や周辺の緑地で、関連がより強かった。
- 04屋外で過ごす環境づくりが近視予防の助けになる可能性を示す。
まとめられたのは観察研究で、緑地が多いことと近視が少ないことの「関連」を示すにとどまり、因果関係(緑地が近視を防ぐと言い切ること)は証明できません。緑地が多い場所では屋外時間が長いなど、別の要因が影響している可能性もあります。研究数が限られ、出版バイアス(よい結果が出た研究が報告されやすい偏り)も否定できません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- システマティックレビュー・メタアナリシス(観察研究のまとめ)
- エビデンス強度
- メタアナリシス
- 掲載誌
- Frontiers in Public Health
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.3389/fpubh.2026.1712259
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related屋外で過ごす時間は遠視ぎみの子どもの近視を防ぐが、近視になりかけの子どもでは効果が弱い:クラスター無作為化試験の追加解析
中国・上海で、6〜9歳の子ども約3200人に腕時計型の機器を着けてもらい、屋外で過ごした時間を1年間記録した研究の追加解析です。もともと遠視ぎみの子どもでは、屋外時間が長いほど近視の方向への変化が小さく、1日約120分でその効果が頭打ちになりました。一方、すでに近視になりかけの子どもでは、屋外時間を増やしても効果ははっきりせず、1日120分を超えてようやく弱い傾向が見られる程度でした。
画面時間と屋外活動が近視の進み方に与える影響
レバノンの近視のある3〜17歳の子ども100人を対象に、画面を見る時間や屋外活動と近視の進み方の関連を調べた研究です。新型コロナの外出制限の時期は、画面時間が増えて屋外活動が減り、近視の進み方も大きくなっていました。ただし、アンケートで尋ねた1日の画面時間や週あたりの屋外時間そのものは、近視の進み方とのはっきりした関連は示されませんでした。中東という、これまであまり研究されてこなかった地域からの報告です。
子どものスマートフォン使用と近視の進み方の関連:前向きコホート研究
6〜14歳の子ども523人を2年間追いかけ、スマートフォンの使用時間をアプリで記録して、近視の進み方との関連を調べた研究です。1日の使用時間が長い子ほど近視が進みやすい傾向がみられました。一方で、屋外で過ごす時間が長いことや、画面を顔から遠ざけて見ることは、近視が進みにくいことと関連していました。親が近視の子どもは、そうでない子に比べて近視が進む割合が高い傾向もみられました。