屋外で過ごす時間は遠視ぎみの子どもの近視を防ぐが、近視になりかけの子どもでは効果が弱い:クラスター無作為化試験の追加解析
Time outdoors prevents myopia in hyperopic children, but protection is weaker in premyopic children: a post-hoc analysis of a cluster-randomised trial.
どんな研究?
01 — Summary中国・上海で、6〜9歳の子ども約3200人に腕時計型の機器を着けてもらい、屋外で過ごした時間を1年間記録した研究の追加解析です。もともと遠視ぎみの子どもでは、屋外時間が長いほど近視の方向への変化が小さく、1日約120分でその効果が頭打ちになりました。一方、すでに近視になりかけの子どもでは、屋外時間を増やしても効果ははっきりせず、1日120分を超えてようやく弱い傾向が見られる程度でした。
要点
02 — Key points- 01腕時計で屋外時間を客観的に測り、目の検査も行った大規模な研究の追加解析。
- 02遠視ぎみの子どもでは、屋外時間が長いほど近視方向への変化が小さかった(1日約120分で頭打ち)。
- 03近視になりかけの子どもでは、屋外時間を増やしても効果ははっきりしなかった。
- 04近視を防ぐには、なりかける前から屋外時間を増やすことが大切である可能性を示す。
もとは屋外時間を増やす無作為化試験ですが、この報告はその一部を後から切り出して調べた追加解析であり、結論は限定的に受け止める必要があります。対象は中国・上海の子どもで、生活環境の異なる日本にそのまま当てはまるとは限りません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- クラスター無作為化比較試験の追加解析
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- British Journal of Ophthalmology
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1136/bjo-2025-327768
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related子どもと若者における緑地と近視の関係:システマティックレビューとメタアナリシス
子どもや若者の身のまわりにある緑地(公園や植物の多い環境)と近視の関係を調べた研究を集めて、まとめて分析したものです。6〜22歳の延べ約220万人を対象とした11件の研究を整理し、6件を統合して解析しました。多くの研究で、緑地が多い環境ほど近視になる人が少ない傾向が見られ、特に学校の敷地内や周囲500メートルほどの緑地が関連していました。
画面時間と屋外活動が近視の進み方に与える影響
レバノンの近視のある3〜17歳の子ども100人を対象に、画面を見る時間や屋外活動と近視の進み方の関連を調べた研究です。新型コロナの外出制限の時期は、画面時間が増えて屋外活動が減り、近視の進み方も大きくなっていました。ただし、アンケートで尋ねた1日の画面時間や週あたりの屋外時間そのものは、近視の進み方とのはっきりした関連は示されませんでした。中東という、これまであまり研究されてこなかった地域からの報告です。
子どものスマートフォン使用と近視の進み方の関連:前向きコホート研究
6〜14歳の子ども523人を2年間追いかけ、スマートフォンの使用時間をアプリで記録して、近視の進み方との関連を調べた研究です。1日の使用時間が長い子ほど近視が進みやすい傾向がみられました。一方で、屋外で過ごす時間が長いことや、画面を顔から遠ざけて見ることは、近視が進みにくいことと関連していました。親が近視の子どもは、そうでない子に比べて近視が進む割合が高い傾向もみられました。