コリック(過度の泣き)のある乳児への徒手的な施術(オステオパシー):多施設ランダム化比較試験
Osteopathic treatment of infants with infantile colic/excessive crying: a prospective, multicentric, randomized controlled trial and nested observational trial.
どんな研究?
01 — Summary生後1週から3か月でコリック(はっきりした原因なく激しく泣く)と診断された赤ちゃん103人を、やさしく体に触れて整える施術を受ける群と、通常のケアのみの群に分けて比べた研究です。3回の施術を受けた群では、保護者が感じる心理的なストレスが大きく下がり、赤ちゃんの1日の泣く時間や泣きの強さも同じくらい改善しました。抱きかかえて体に触れる手当て的なケアが、家庭の負担をやわらげる可能性を示しています。
要点
02 — Key points- 01対象は生後1週〜3か月でコリック(過度の泣き)と診断された乳児103人。
- 02やさしく触れて整える施術を2週間で3回行う群と、通常ケアの群を比較した。
- 03主な評価は保護者の心理的ストレスで、施術群で明確に改善した。
- 041日の泣く時間や泣きの強さも施術群で同程度に改善した。
- 05対面の施術と保護者への関わりがセットのため、効果のどこまでが手技そのものかは切り分けにくい。
比較的小規模な単一の試験で、対象の月齢の幅も限られます。対照群は最初の3週間は無治療だったため、ていねいに関わってもらえること自体の安心効果と、施術そのものの効果を分けて評価するのは難しいです。また主な指標が保護者の主観的なストレス評価である点にも注意が必要です。コリックは自然に治まることも多く、結果の一部は時間の経過によるものを含む可能性があります。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- ランダム化比較試験
- エビデンス強度
- ランダム化比較試験
- 掲載誌
- BMC Pediatrics
- 発表年
- 2025
- DOI
- 10.1186/s12887-025-05413-1
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related乳児コリックへの手技的ケア:エビデンスのスコーピングレビュー
赤ちゃんのコリック(理由のはっきりしない激しい泣き)に対して、おなかのマッサージや軽く体に触れる施術など、手で行う非薬物的なケアが効くかをまとめたレビューです。2012年以降のランダム化比較試験7件を集めたところ、5件で1日の泣く時間が短くなり、3件で睡眠時間が延びたと報告されていました。ただし研究ごとに方法や測り方がばらばらで、まとめて統計処理はできませんでした。
保護者へのコリック対応の指導が、赤ちゃんのコリックの程度と泣く時間に与える影響
コリックと診断された新生児の保護者60人に、コリックへの対応のしかたを1回の講習で伝え、その前後で赤ちゃんの様子を比べた研究です。指導のあと、赤ちゃんのコリックの程度と泣く時間は減っていました。あやし方や抱き方を含む対応を保護者が学ぶことが、赤ちゃんの泣きをやわらげる助けになる可能性を示しています。
コリックの赤ちゃんを持つ母親への教育プログラムの効果(準実験的研究)
コリックのある赤ちゃんを持つ母親84人に、産後の教育プログラム(2回の個別セッション)を行い、ストレスや受診回数の変化を調べた研究です。母親のストレスそのものは大きくは下がりませんでしたが、過度の泣きを理由にした医療機関の受診は減りました。コリックへの対応を学ぶ支援が、保護者の不必要な受診をへらす助けになる可能性を示しています。