母乳育児・子どものBMI・思春期の始まりの関係(前向きコホート研究)
Associations between breastfeeding, childhood BMI and pubertal onset: findings from a prospective cohort study.
どんな研究?
01 — Summary母乳で育てた期間と、子どもの体格(BMI)や思春期が始まる時期との関係を、613人の子どもの身長の伸び方を追って調べました。母乳の期間が長いことは思春期が遅めに始まることと関連し、その関係に思春期前のBMIが関わっている可能性が検討されました。思春期が早く始まることは、将来の体の健康のリスク要因とされています。
要点
02 — Key points- 01母乳の期間が長いことと、思春期が遅めに始まることの関連を検討
- 02その関係に思春期前のBMI(体格)が関わる可能性
- 03身長の伸び方を細かく追ったコホート研究
観察研究のため、母乳育児が直接思春期の時期を決めるとは言えません。対象は613人と中規模で、家庭の生活習慣や遺伝など他の要因も関係します。母乳・ミルクの選択は家庭の事情によるもので、優劣を決めるものではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 前向きコホート研究
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- The American Journal of Clinical Nutrition
- 発表年
- 2026
- DOI
- 10.1016/j.ajcnut.2026.101208
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母乳育児と、子ども〜大人にかけてのBMIの変化(システマティックレビュー)
母乳育児が、その後の人生でのBMI(体格の指標)の変化にどう関わるかを、3件のランダム化比較試験と24件の長期コホート研究からまとめたレビューです。多くのコホート研究で、母乳で育った子どもはその後のBMIが低め、つまり肥満になりにくい傾向が示されました。
乳児期の授乳方法と、身長がいちばん伸びる時期(思春期)の関係(日本の全国調査)
日本の全国的な調査データ(子ども約1万3千人)で、赤ちゃんのときの授乳方法(母乳・ミルク・混合)と、思春期に身長がいちばん伸びる時期(成長スパートの年齢)との関係を調べた研究です。母乳で育った子どもは、ミルクで育った子どもよりも、身長がいちばん伸びる時期がやや遅い傾向がありました。母乳の期間が長いほど、その時期が遅くなる関係もみられました。
母乳育児は子どものBMI・肥満に影響するか(中国の全国調査)
中国の全国的な追跡調査(China Family Panel Studies)の7967人の子どもを対象に、母乳の期間と子どものBMI・肥満との関係を調べました。さまざまな分け方で検討したところ、母乳の期間が長いほど、BMIが中〜低めの子ではむしろBMIが高い傾向が見られました。著者らは、肥満対策として母乳育児を一律に推奨することには慎重であるべきだと結論づけています。