母乳育児は子どものBMI・肥満に影響するか(中国の全国調査)
Effect of breastfeeding on childhood BMI and obesity: the China Family Panel Studies.
どんな研究?
01 — Summary中国の全国的な追跡調査(China Family Panel Studies)の7967人の子どもを対象に、母乳の期間と子どものBMI・肥満との関係を調べました。さまざまな分け方で検討したところ、母乳の期間が長いほど、BMIが中〜低めの子ではむしろBMIが高い傾向が見られました。著者らは、肥満対策として母乳育児を一律に推奨することには慎重であるべきだと結論づけています。
要点
02 — Key points- 01中国の全国調査・7967人を対象にした縦断研究
- 02母乳の期間が長いほど、一部の子でBMIがむしろ高い傾向
- 03母乳育児で肥満を一律に減らせるとは限らないと指摘
- 04母乳が肥満を防ぐという見方と反対の結果を示した研究
観察研究のため、母乳が直接BMIを上げると断定はできません。家庭の生活習慣や食事など他の要因も関係します。中国の集団での結果で、他の集団にそのまま当てはまるとは限りません。母乳・ミルクの選択は家庭の事情によるもので優劣を決めるものではありません。
この研究の確からしさ
03 — Evidence書誌情報
04 — Reference- 研究デザイン
- 縦断研究(全国調査)
- エビデンス強度
- コホート研究
- 掲載誌
- Medicine (Baltimore)
- 発表年
- 2014
- DOI
- 10.1097/md.0000000000000055
- 出典
- Europe PMC
この研究が関わる疑問
05 — Questions関連する研究
06 — Related母乳育児と、子ども〜大人にかけてのBMIの変化(システマティックレビュー)
母乳育児が、その後の人生でのBMI(体格の指標)の変化にどう関わるかを、3件のランダム化比較試験と24件の長期コホート研究からまとめたレビューです。多くのコホート研究で、母乳で育った子どもはその後のBMIが低め、つまり肥満になりにくい傾向が示されました。
乳児期の母乳と、その後の体格(茨城の子どもの20年追跡)
乳児期の授乳方法と、その後3〜22歳での体格との関係を、日本(茨城県)の子どもを20年追跡して調べた研究です。3歳の時点では、母乳で育った子どもはミルクの子どもより体重・過体重がやや少なめでした。しかし思春期以降では、授乳方法による体格の差ははっきりしなくなりました。母乳の体格への影響は、あっても幼児期までの小さなものと考えられます。
母乳育児・子どものBMI・思春期の始まりの関係(前向きコホート研究)
母乳で育てた期間と、子どもの体格(BMI)や思春期が始まる時期との関係を、613人の子どもの身長の伸び方を追って調べました。母乳の期間が長いことは思春期が遅めに始まることと関連し、その関係に思春期前のBMIが関わっている可能性が検討されました。思春期が早く始まることは、将来の体の健康のリスク要因とされています。